生の天然の本鮪(まぐろ)の色持ち
前回、三重県から、天然のとらふぐが入荷したことをお話ししましたが、その日は、
クール便で、
東京・築地から、生の本鮪が届きました。【佳肴 季凛】に戻り、
両雄を並べてみました。御覧のように、鮪は、
高知県産の生の本鮪(天然)で、水曜日(18日)に入荷したものと同じ鮪なのです。
ここからが、タイトルにもある本題です。水曜日着ということは、火曜日に卸したものですので、卸してから、4日目ということになります。それでも、
脂が強い皮ぎしの部分は、
全く変色していません。中とろの部分を柵どりしてみると、
こんな感じですが、よく見ると、
真ん中は、赤くないように見えますが、空気に触れることによって、鮮やかな赤い色になるのです。つまり、身の質と鮮度が良いことの証明なのです。
ただ、脂のある中とろの部分は、色変わりが早いのは、天然も養殖は同じです。養殖のそれについては、先ほどのリンクをお読み下さい。
ですので、中とろの部分を、先に使うようにしているので、日曜日に、無くなったのですが、赤身の部分は、
今日の時点でも、鮮やかな色をしていました。
このような色持ちは、天然の生の本鮪全てに言えることではなく、良質なものだけで、特に釣りや延縄漁で、水揚げされたものに限ったことなのです。結果的に、これが値段の違いで、言い換えると、味の違いですし、高いには高いなりの理由があり、逆も然りなのです。
さらに言うと、本物の証なのです。
天然の本鮪と養殖の本鮪の違い
今日、東京・築地から入荷した鮪は、
先週入荷した京都・伊根産のような養殖ではなく、高知県産の天然で、延縄漁で、水揚げされた
この時季の太平洋側で水揚げされる本鮪の典型で、自分好みのものでしたし、会心の一撃とは、まさにこのことです。包丁を入れる瞬間は、
前回の憂さを晴らすような気分のあまり、ドキドキしました。やはり、天然は、違います。昨日の朝、
築地の鮪のセリ場は、こんな様子で、この高知県産のものは、
一番左のもので、拡大すると、黄色い札には、高知と思しき文字が、見えます。ちなみに、この2枚の写真は、facebook友達でもある築地の荷受の方から、借りたものです。
さて、天然と養殖の違いの一つが、言うまでもなく、味です。養殖は、どうしても脂が強いのが、一番の特徴で、強いだけなら、まだしも、どうしても、独特のクセ、つまり養殖魚特有の臭いがあるのです。
また、脂が強いので、どうしても色変わりが早いのです。特に、皮ぎしのとろの部分は、それが、顕著です。先週の金曜日に入荷したものでも、土曜日の夜には、
中トロの柵は、こんな風に、色が変わってしまいました。本鮪の標準和名でもある“クロマグロ”とは、まさにこのことです。
さらに、あくる日の日曜日には、
こんな風になってしまいました。それでも、赤身の部分は、無事にお出しすることが出来ましたが、そのまま月曜日までおいていたら、やはり“クロマグロ”になっていたはずです。天然の本鮪も、時間が経てば、色が変わりますが、「やばい!」と感じても、踏ん張りがきくのです。
先程お話ししたように、金曜日に、宅配便で、入荷したので、卸したのは、木曜日でした。養殖の本鮪が、まともに使えるのは、せいぜい3~4日程度なのです。ただ、伊根産のものは、養殖の中でも、一番質が良いので、ここまで持つのですが、他の産地は、もっと持ちが悪いはずです。
そして、天然と養殖の最大の違いが、自分のモチベーションなのです。これは、本鮪に限ったことではなく、どんな魚についても当てはまることなのです。
先ほどお話ししたように、良い素材を目にし、手に取れば、否が応でも、モチベーションは、高まります。さらに言うと、これだけは、どんな高い値段でも、仕入れることは出来ません。
これまで、何度もお話ししているように、水産資源の枯渇や、漁師の後継者の減少など、本鮪に限らず、天然の魚を取り巻く環境は、非常に厳しいものがありますが、可能な限り、それらを追い求める姿勢を、持ち続けられるよう、努力していきたいものです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
5年振りに入荷した京都・伊根産の本鮪
今日、東京・築地から入荷した鮪は、
京都・伊根産の生の本鮪でした。実は、この鮪、いつものような天然ではなく、
養殖です。天然しか使わない自分にとっては、苦渋の決断でもありました。ちなみに、伊根産の本鮪を使うのは、5年振りのことです。
そんな自分が、何故仕入れたかというと、天然の本鮪の入荷が、今月になってから、かなり少なくなっており、今週も、そういう状況だったからです。
例年、この時季は、そうなるのですが、今年は、かなり深刻なレベルで、昨日の築地の鮪のセリ場は、
こんな感じで、どれもこれも、
頭の部分に、
このような札が付いており、“オール伊根状態”とのことでした。この3枚の写真は、facebook友達でもある、築地の荷受の方が、撮ったもので、ご本人の了承済です。
養殖の鮪は、天然に比べて、味が劣るのは、どうしても否定出来ませんが、伊根のものは、養殖の中でも、一番質が良いとされており、それについては、こちらをお読み下さい。
天然ものは、天候などの自然状況に左右され、入荷が不安定になることもあるので、冷凍ものや養殖ものの方が、値段も安定しており、商売という点では、好都合です。
本鮪に限ったことではなく、天然ものは、割高どころか、KO寸前状態になることもありますが、本物の美味しさを追い求め、お客様に召し上がって頂きたい自分としては、どうしても譲れない部分でもあります。
ただ、水産資源の枯渇ということを考えると、いつかは妥協せざるを得なくなる時も、来るかもしれませんが、それまでは、どこまでも本物を追い求めるつもりです。
ともかく、天候が回復し、次回までには、状況が変わることを、祈るばかりです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
初めて入荷した南伊豆・妻良産の生の本鮪
昨日は、
沼津の魚市場に仕入れに、行って来ました。その帰りに、
宅配便の営業所に寄りました。既に、クール便の荷物が、
届いており、
中を開けてもらい
受け取り、【佳肴 季凛】に戻りました。送り主は、築地の鮪屋さんですので、中身は、
勿論、鮪でした。今日の鮪は、南伊豆・妻良(めら)産の本鮪(天然)で、定置網漁のものです。つまり、静岡県産です。
そんな本鮪が、当店のある静岡県富士市にある当店に、築地経由で、入荷したというのは、或る意味逆輸入とも言えます。妻良の定置網の魚は、沼津の魚市場にも、定期的に入荷しているので、自分も、色んなもの仕入れたことがあります。そんな様子は、こちらをご覧下さい。
ところで、妻良産の魚が、沼津の魚市場に入荷しているにも関わらず、本鮪が、築地に行ってしまったのは、沼津では、値段が付かないからです。つまり、築地で取引されれば、高値が付くからです。
特に、この時季は、時化などの天候不順により、色んな魚が不漁になるので、こうならざるを得ません。良し悪しはともかく、これが市場原理なのです。
そんなことよりも、自分にとって、嬉しかったのが、新しい鮪コレクションが増えたことでした。次回は、どこになるのやら・・・。
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2015年1月版 生の本鮪コレクション in 【佳肴 季凛】
明日で、1月も終わりです。ということで、1月に入荷した生の本鮪の数々を、御覧下さい。もちろん全て天然のもので、毎度のことながら、東京・築地の鮪屋さんから、仕入れています。
年明けの最初の5日に入荷したのが、
和歌山県那智勝浦産です。この日は、初荷で、月曜日だったこともあり、自ら築地に、仕入れに行って来ました。その時の様子が、こちらです。
その週末の土曜日の10日に入荷したのも、
同じく那智勝浦産のものでした。部分こそ違いますが、同じ魚のものです。
さらに、凄いのが、この鮪は、暮れの28日に、セリ落としたものとのことで、次の鮪を仕入れるまで、色も味も殆ど変わることなく、お出しすることが出来ました。結果的に、2週間以上、使えたということになります。
連続で、那智勝浦産が続いた後、
高知産の本鮪が、入荷しました。脂の乗りは、弱めでしたが、赤身の美しさは、格別でした。
その一週間後の23日は、
再び、那智勝浦産のもので、この時、大間産のものもあったとのことでしたが、こちらの方が、良いだけでなく、鮪屋の社長の「季凛さん好みのストライク」という言葉通りで、赤身と中とろのバランスは、最高でした。
そして、30日の今日は、
宮崎県油津産のものが、入荷しました。これまでに、何度かお話ししていますが、同じ宮崎県の川南と並び、戦前までは、豊漁で賑わった漁港で、マグロ漁の老舗とも言うべきところです。今でこそ、大間が有名というか、何とかの一つ覚えのように、言われていますが、その看板通り、本鮪らしい味わいのものでした。
例年、1月は、壱岐産のものが入荷したりすることがあるのですが、結局、今年の1月は、全て太平洋側のものでした。
これから、春にかけて、本鮪の産地は、転々としていき、3月になると、地中海産のものも、入荷が増えてきます。これまでに、国産、外国産と、色んな産地のものを使ったことがありますが、どこか新しい産地のものが入荷し、自分のコレクションに、加えたいものです。
平成27年最初の仕入れは、築地へ
今日は、始発の新幹線に乗るために、
新富士駅に行きました。切符を買い、
改札口へ。行先は、東京です。東京へ行くのは、遊びではなく、築地に仕入れに行くためですので、
靴は、もちろん長靴です。ホームに着き、
しばらくすると、新幹線が来て、乗り込みました。
1時間ほどで、
品川に着き、山手線に乗り換え、
新橋で、降りました。改札口を出ると、タイミングよく、
築地行きのバスが止まっており、急いで乗り、10分程度で、
着きました。
東京で、修行していた20代の頃、週に何度か来ていた光景と、殆ど変らない様子でしたし、自分の原点に戻ったような気がして、懐かしさすら感じました。ただ、来年の11月には、豊洲に、市場は移転するので、こんな様子を目に出来るのも、数える程度どころか、最後かもしれません。
そのまま、場内の売場に向かうと、
今年の初市ということもあり、こんな幟が、どこそこで、掛かっていました。そんな様子を尻目に、自分が向かった先は、
いつもの仕入れ先の鮪屋でした。良さげなものを確認し、
切ってもらったのが、
和歌山県那智勝浦産の生の本鮪でした。一旦、鮪屋を離れ、色々と仕入れをし、
荷物を一つにまとめてもらい、場内を後にしました。魚の仕入れは、終わっても、仕入れなくてはならない野菜も、いくつかあったので、場外の八百屋に、
立ち寄り、仕入れは、無事に終わりました。場内、場外に限らず、築地にある店は、料理人向けの専門店ばかりであるだけでなく、数も多いので、時間はいくらあっても足りませんし、まだまだいたいくらいでしたが、今日は、戻ってから、仕込みをしなくてはならないので、そこそこにしたのでした。
朝一番の新幹線に乗り、朝食抜きでしたので、
蕎麦を食べて、タクシーに乗り込み、新橋に向かい、東京を後にしたのでした。新富士に着き、
【佳肴 季凛】に戻り、仕込みを始めました。
先付の南京豆腐、刺身の妻などに始まり、
明日炊く白米、雑穀御飯を用意したり、
西京漬用の銀鱈(アラスカ)を、冷凍庫から出したりと、正月休み明けということもあり、殆どのものを、仕込んだり、準備しましたが、夕方までに、全て終わらすことが出来ました。
明日(6日)から、ランチ、夕席共に、通常通り営業致します。皆様のご来店、心よりお待ちしております。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
44歳の誕生日、つれづれ
昨日は、朝一番に、
宅配便の営業所に行き、
暮れの荷物で、ごった返している中、
三重県から届くことになっていた発泡スチロールを見つけると、
営業ドライバーに、
台車に乗せてもらい、『佳肴 季凛』に戻りました。中身は、三重県産の天然のとらふぐ(6本)です。
いつものことですが、
蓋を開ける時は、緊張します。
中を開けると、
どれも活きたまま、無事に到着し、
取り出しました。そのまま、締めて、
まな板へ。全て卸し、水洗いをして、拭き上げ、
6本のうち、4本がオスで、
惚れ惚れするような白子が、入っていました。
実を言うと、昨日(12月27日)は、自分の44歳の誕生日で、
携帯電話の待ち受け画面には、こんなお知らせが、届いていました。そんな画面を確認した頃には、
夜のご予約のお客様のふぐちりの盛り付けを終え、
ふぐ刺を引き、冷蔵庫にしまう準備をしていました。そうこうしていると、夜の営業時間となり、
【特別会席】(おひとり 8,500円~)のお客様には、ぶつ切りにしたとらふぐ(富山県産 天然)を唐揚にし、お出ししました。
朝から晩まで、天然にとらふぐに触れられていたので、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、願ったり叶ったりの一日で、ありました。仕事が終わり、パソコンを見ると、
こんなものがあり、
中を見ると、下の娘からのバースデーカードで、
裏には、
こんな絵が、描かれていました。
そして、あくる日の今日(12月28日)は、
築地から、宅配便で、今年最後の鮪が届きました。ご覧のように、宮城県塩釜産の生の本鮪です。
この時季、当店に入荷して来る鮪の殆どは、青森県大間産の生の本鮪ですが、暮れの最後になって、大間産以外のものが、届くのは、初めてのことでした。
というより、自分の誕生日を祝福してくれた食材が入荷したことは、料理人冥利に尽きます。今年も、あと3日です。これで、無事に、大晦日を迎えられそうです。
Xmasプレゼントは、大間の鮪&三重県産の天然とらふぐ
昨日は、沼津の魚市場に行って来ました。いつものように、
生簀のある活魚売場に行くと、
沢山のとらふぐが、生簀に入っていましたが、これらは、長崎産の養殖でしたので、当然素通りしました。暮れということもあり、
冷凍ものを扱う売場は、沢山の荷物があり、
蟹も、山積みになっていました。そんな様子を尻目に、ひと通りの仕入れを終え、市場を後にしたのでした。
前回お話ししたように、三重県から、天然のとらふぐが、4本入荷することになっていたので、
宅配便の営業所に立ち寄ると、
ふぐの入った発泡スチロールだけでなく、
築地から、クール便で届いた鮪も、一緒に持って帰りました。ふぐの入った発泡スチロールを開けると、
このような感じで、
取り出し、
そのまま締めると、
鮪も取り出しました。ご覧のように、今日の鮪は、青森県大間産の生の本鮪(天然)です。12月25日ということもあり、Xmasプレゼントとしか言い様が、ありません。
ただ、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、大間の鮪は、あくまでもおまけ的な存在なのは、言わずもがなです。
その後、ふぐを卸し、水洗いをしました。
3本のうち、2本が、オスで、
十分に成長した白子が、入っていました。まさに、Xmasプレゼントの第二弾です。
そして、明日も、
この6本が、
発泡スチロールに入って、届きます。ちなみに、明日の12月27日は、自分の誕生日ですので、これまた、素敵なプレゼントです。このうちの何本に白子が入っているのか、今から考えると、ワクワクします。
どちらも無事、到着
今朝は、仕事を始める前に、
宅配便の営業所に、荷物を取りに行きました。12月の半ばを過ぎたこともあり、御歳暮などの荷物などで、バタバタしていました。そんな荷物の中から、
三重からのとらふぐ(天然)が入った発泡スチロールと、
クール便のコンテナから取り出した発泡スチロールを受け取りました。
この発泡スチロールに入っていたのは、築地から届いた鮪で、どちらも、延着することなく、無事に到着したので、一安心しました。
その後、【佳肴 季凛】に戻り、
とらふぐの入った発泡スチロールを開け、
取り出したのですが、ランチの営業前までに、お弁当を仕上げなくてはならなかったので、そのまま水槽に、
入れました。兎にも角にも、天然のとらふぐは、何度見ても、萌えますし、燃えます。
お弁当の銀鱈の西京焼と、玉子焼を仕上げると、
鮪を取り出しました。ご覧のように、今日のは、青森県大間産の生の本鮪です。
お弁当の盛り付けは、いつものように、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんで、
このように、仕上がりました。その後、
自分は、水槽から、4本のとらふぐを取り出し、卸し始めると、真由美さんが、
水洗いをしてくれ、
ランチの営業までに、ふぐの仕込みを終えることが出来ました。
今日の4本が、歯応えと甘味が堪能できるふぐ刺に仕立てられるのは、土曜日か日曜日ですので、余程のことがない限り、とらふぐとは、しばしのお別れになります。断腸の想いではありますが、致し方がありません。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
紀州から入荷した本鮪(和歌山・那智勝浦産)&とらふぐ(三重・熊野産)
今日は、朝一番に、
宅配便の営業所に、三重県熊野から届く予定の天然のとらふぐと、東京・築地からの鮪を、取りに行きました。御歳暮のシーズン真っ只中ということもあり、
到着した荷物は、てんこ盛りでした。奥に進んでみたところ、ふぐの入った発泡スチロールは、見当たらず、輸送状況を調べると、延着ということが分かり、一抹の不安を抱えながら、
鮪の入った発泡スチロールだけを、持ち帰ることにしました。ちなみに、去年も、一度、延着になったことがありました。
【佳肴 季凛】に戻り、中に入っていた鮪は、
和歌山県那智勝浦産の生の本鮪でした。言わずもがなの天然です。前回の気仙沼産の本鮪に、
勝るとも劣らないレベルでしたが、今日の那智勝浦産の方が、自分好みのもので、普段なら、小躍りしたくる気分で、仕事をするのですが、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、入荷するはずのふぐの状態が気になるので、どうもテンションが上がりませんでした。
そんな気分で、ランチの営業をしていると、宅配便の営業所から、ふぐが到着したとの連絡が入り、ホールのアルバイトに、取りに行ってもらい、
急いで中を確認すると、
発送前と変わらず、
元気に、スイスイしていました。ちょうどその頃、お客様もお帰りになったので、
卸すために、まな板に乗せると、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
カウンター周りを養生してくれ、
締めました。1本目を卸すと、
十分に成長した白子が入っており、2本目にも、
小さ目でしたが、こちらも白子入りで、“2打数2安打”の結果に、終えることが出来ました。
そんな今夜は、ふぐ料理のご予約を頂いており、先付の一品として、
那智勝浦産の本鮪の中とろを、2貫付けで、お出ししました。また、ふぐ刺は、
今朝のものは、刺身に仕立てられないので、今夜のご予約に合わせて、金曜日に卸した三重県産のもので、天然のとらふぐの歯応えと甘味が、絶妙な具合でした。
タイトルにもあるように、今日の本鮪もとらふぐも、紀州産のものです。これまでに、何度もお話ししたことがありますが、紀州は、日本の漁業のメッカともいうべき地域で、魚に関しては、他の地域の追随を許さない点がいくつも、あります。
三重や和歌山などの紀州産の魚は、質の良いものが多く、色んな魚を使ったことがあり、未だに、自分は、行ったことすらありませんが、自分にとっては、かなり身近な存在で、特に、一昨年から、三重県から直接、天然のとらふぐを仕入れてからは、さらに身近な存在になっています。
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