徳島県産の特大岩牡蠣
この時季、沼津魚市場の貝専門の売場には、
岩牡蠣が並んでおり、岩牡蠣の産地は、その日によって様々で、この日は、
宮崎産と、
紀州産とありますが、
紀州は紀州でも、三重県熊野灘産でした。
貝類専門の売場以外にも、
岩牡蠣が、
並ぶこともあり、
大分県産、
富山県新湊産が、入荷していました。
これら以外の売場でも扱う問屋もあり、
この問屋に並んでいたのは、
徳島県産で、
かなりの大きさで、その中から、
この4つを選り抜きました。
自分が岩牡蠣を仕入れる時に、最も重視するのが、大きさで、その次が形で、どちらの条件も揃わないと、仕入れることはしません。
その条件が揃ったとしても、殻を開けるまでは、身の状態は分からず、半ば博打のようなものですので、開ける時は、いつも気が気でならないものの、
この時の岩牡蠣は、殻いっぱいの身にして、
肉厚の身をしており、色も乳白色をしており、この乳白色こそが、美味しさの証でもあります。
これを、
4つに包丁してから、
殻に盛り付け、
レモンをあしらい、
紅葉卸しと葱を入れたポン酢を添えて、お出ししました。
この時は、生のままお出ししましたが、お客様のお好みによって、焼いてお出しすることもあります。
どちらも食べることが出来る自分ですが、焼いた方が好きですし、焼くことで、余分な水分がなくなり、旨味も凝縮されるので、岩牡蠣の美味しさを、生以上に堪能することが出来ます。
岩牡蠣は、コース料理とは別途でのご注文となるだけでなく、自分好みのものがない時は、仕入れることはしません。
岩牡蠣をお召し上がりたい時は、予めお問い合せ頂けると、幸いです。お手数ですが、宜しくお願いします。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な『西京漬』をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
10週連続で、休日出勤
明日の29日(火)は、
普段通っている沼津魚市場が、
休みということもあり、定休日の月曜日でしたが、仕入れに行き、結果として、10週連続の休日出勤となった次第です。
いつものように、一番最初に活魚売場に行くと、
生簀の前に、
愛媛産と、
淡路島産の落ち鱧(はも)が並んでおり、愛媛産は7本で5,6キロで、淡路島産1本で0,5キロでした。
落ち鱧とは、輸送中や生簀の中で死んでしまった鱧のことですが、愛媛産は、荷主がはらわたを抜いておいてあり、
この中から、好みのサイズを2本選り、
秤にかけてもらうと、
1,2キロでしたので、
札には、引き算された数字が書かれ、再び並び、1本の淡路島産の方は、治自分好みのサイズでしたが、愛媛産とは異なり、はらわたが入っていたので、
お腹に残っているエサの臭いが回らないようにするため、その場で抜いておき、
この3本を仕入れ、他の売場に行き、色々と仕入れ、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻り、荷物を卸すと、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、仕入れ用の軽トラの掃除をしてくれたのですが、
明日はというより、明日から3日連続で、団体のバス旅行のお客様がお見えになるので、今日は、真由美さんも休日出勤となったのです。
掃除を終えた真由美さんは、
テーブル席と、
御座敷のセットを始めてくれたのですが、明日は、人数も多いこともあり、テーブルと御座敷の併用となり、2組の団体のお客様が見えるわけではありません。
その後、真由美さんは、
鱧のヌメリ取りをしてくれたら、
沼津産の鯵(あじ)の水洗いをし、
焼いてから出汁を取るため、頭の掃除をしてくれたました。
一方の自分は、
鯵の次に、鱧を卸したのですが、
他の仕込みを優先したかったので、骨切りは明日することにし、冷蔵庫へ。
鱧の次に取り掛かったのが、
お弁当用の焼物に仕込むため、サーモン(ノルウェー産)を卸してから、
お弁当用の切身にしました。
その間に、真由美さんは、
小鍋の野菜に仕込みをし、その次に、
大和芋の皮を剥き、アク止めのため、みょうばん水につけておいてくれ、
サーモンの下拵えを終えた自分は、サラダ素麺の野菜を包丁し、中に入っているのは、長葱、茗荷、茗荷竹、レッドキャベツ、ピーマン(赤、青)、パプリカ(黄)、アーリーレッド、人参です。
その後、鯵を、
三枚に卸したのですが、
卸し終えた中骨は、頭同様、焼いてから出汁を取るため、
真由美さんが掃除してくれ、鱧のあらも、鯵と同じ様に使うので、
自分が掃除しておきました。
ほう
そうこうしているうちに、お昼の時間も近づいてきたので、
鯵の叩きを作り、
鯵の叩き丼を作ったのですが、今日は、下の娘が所謂“半ドン”だったこともあり、3人分用意しました。
お昼を食べ終えたら、
サーモンを西京味噌と共に、真空パックたり、
明日のバスのお客様に使う器を、準備したら、真由美さんが洗い物をしてくれていたので、
自分は、
米を研ぎ、最後に、
包丁を砥ぎ、10週連続の休日出勤が終わったのでした。
来週は、どうなるかは分かりませんが、とりあえずは、明日からの3日間に臨みます。
活かしの鱧(はも)&落ち鱧
月曜日の今日は、定休日でしたが、沼津魚市場に仕入れに行って来ました。
いつものように一番最初に向かったのは、
活魚売場で、
予め注文しておいた落ち鱧(山口産)が、用意されていました。
落ち鱧とは、輸送中や生簀の中で死んでしまったもので、いつもあるとは限りません。
落ち鱧は、お腹の中にエサが残っていることもあり、そのままにしておくと、臭いが回ってしまい、使い物にならないこともあるので、
その場で、はらわたを抜いておきました。
また、今朝の落ち鱧はこの1本だけで、1本では足りないので、
鱧の入っている生簀から、活かしの鱧を仕入れることにしたのですが、蓋をしてあるのは、飛び出さないようにするためです。
生簀に入っていた鱧の産地は、
淡路島、
山口、
中国で、〇の中に書かれてあるのが、生簀に入っている本数で、その隣の数字が目方です。
産地によって、単価の違いもあり、大きさの都合もあるので、
中国産の中から、
小さめのものを選り、
秤にかけたら、
ブクブクをセットした発泡スチロールに、
入れておきました。
その後、別の売場に行くと、
鯵(三重)が入荷していたので、
1ケース仕入れることにし、これら以外の仕入れもなかったので、魚市場から帰ることにし、【佳肴 季凛】に戻ると、
活かしの鱧は、
水槽に入れておきました。
そして、
鱧を卸したら、
鯵も卸しておき、
どちらのあらも、焼いてから、出汁を取るため、
簡単にしておきました。
簡単にしたのは、きりがないだけでなく、出来るだけ休日出勤を終えたかったからで、実を言うと、時間の長短はあれど、9週連続で休日出勤をしており、来週の月曜日は、既に決定済みゆえ、10週連続の休日出勤となります。
さらに言うと、来週の休日出勤は、魚市場に行くだけでなく、火曜日、水曜日、木曜日と3日連続で、バスツアーのお客様が見えるので、それなりに仕込みもあるので、時間も結構かかりそうですが、女将兼愛妻(!?)の真由美さんも手伝ってくれるので、負担は軽くなりそうです。
ところで、今夜は休日出勤をしたので、
焼鳥をはじめ、串焼にして、
今朝の鯵を叩きにして、夕飯のおかずにすることにしたのですが、焼き上がる間、
店舗兼住宅の最大のメリットを活かし、ハイボールで“お疲れちゃん♪”となるのは、言わずもがなで、志村家の女三羽烏がいないことをいいことに、既に3杯目・・・。
そして、
こんな感じに焼き上がり、
焼鳥と、
つくねは、たれで仕上げ、
豚ばら肉の紫蘇巻、
豚タン、
うずら玉子のベーコン巻(う玉ベーコン)は、塩胡椒で仕上げました。
飲み過ぎは明日の仕事に差し支えるので、そこそこにしておきましたが、来週の月曜日は、かなりセーブしなくてはならないことに、既に悩んでいる自分って・・・。
★★★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ★★★
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
鯖(さば)の南蛮漬
今日は、夕方上がりのお弁当のご注文を頂いていたので、
ランチの営業の合間を見ながら、お弁当用の揚物や焼物を仕上げ、
ランチの営業が終わったら、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが盛り付けてくれ、
このように仕上がり、口取りの中にあるのが、
生の本鮪の南蛮漬で、お弁当の時に使うこともしばしばで、時季によっては、
真鰯(まいわし)の南蛮漬などを使ったりもします。
そんな南蛮漬ですが、鯖(さば)の南蛮漬を仕込み、
晩酌用のつまみにしたのですが、その作り方が、今回のお話しです。
使う鯖は、冷凍ものですが、
冷凍ものとは言っても、そこそこの国産のものよりも、
脂が乗っているので、加熱する料理には、もってこいとも言えるので、鯖の西京焼として、会席料理の焼物でお出ししたり、
当店の『西京漬』として、ご購入して頂くことも可能です。
また、鯖の味噌煮にしたり、
賄い用に、
鯖の煮付にしたりすることもあります。
自然解凍したら、
かまの部分を、
切り離し、
腹骨をすき取ります。
その後、骨抜きを使い、
中骨を取るのですが、身割れしやすいので、細心の注意を払いながら、取っていき、かま、腹骨、中骨は、そのまま捨てずに、
出汁を取るため、焼いておきます。
冷凍ものですので、水分が出るので、
半日程度、脱水シートに挟んでおき、
人参と玉葱を立塩(海水程度の濃さの塩水)につけ、しんなりさせておき、鷹の爪を水で戻しておきます。
水分が抜けたら、
皮目に切れ込みを入れ、
半身を3つに包丁して、軽く塩をし、
片栗粉をつけたら、
油で揚げます。
揚げ上がったら、
油抜きのため、皮目と身に、
熱湯を回しかけたら、
そのままバットに移し、
水気を切り、土佐酢で軽く洗った人参、玉葱、鷹の爪を乗せたら、
濃口醤油を少し加えた土佐酢を注ぐのですが、冷めないうちに仕込むのは、味をしみ込ませやすくするためで、土佐酢の作り方は、このようなものです。
そして、落としラップをし、
冷蔵庫にしまっておきます。
仕込んだ翌日からでも食べられますが、身も厚めですので、
2,3日したくらいが食べ頃です。
コース料理をメインとしているので、鯖の南蛮漬がお品書きだけでなく、献立に入ることはありませんが、予めお申し付け頂ければ、御用意することが可能です。
また、鯖の南蛮漬に限らず、御用望に応じて、可能な限り対応させて頂きますので、お気軽にお問い合せ下さい。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は6月7日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
〆いなだ丼&いなだフライ
今日のお昼の賄いは、
昨日知り合いの漁師さんにもらった西伊豆・仁科産のいなだを使った丼でした。
いなだは刺身ではなく、酢締めにした〆いなだで、沼津の同業者の方に教えてもらい、初めて作ったものです。
仕込み方は、酢締め定番〆鯖と全く同じですが、自分の〆鯖の仕込み方については、こちらをお読み下さい。
いなだは、鱗が細かいので、
金だわしを使い、取り終えたら、頭を落とし、
水洗いします。
その後、
3枚に卸したら、
皮目だけでなく、
身にも塩をして、このまま1時間半ほど、常温でおいておき、このような塩のあて方を、強塩(ごうじお)と呼んでいます。
時間になったら、水洗いしてから、酢に15分ほど漬け込んだら、取り出し、旨味を補うため、身の部分に、
昆布を乗せ、
真空パックして、冷蔵庫にしまっておきます。
刺身でも食べられるので、半日程度でも、構わないのですが、塩と酢のカドが取れ、まろやかな味わいにするため、一晩このままにしておき、
袋から取り出したら、
背と腹の節に柵取りしたら、
それぞれの皮目に、
包丁し、
皮目を、
バーナーで炙り、
包丁します。
このまま盛り付ければ、刺身ということになりますが、今日は、〆いなだ丼にしたので、酢飯を器によそり、
焼海苔をちらして、
切り付けた〆いなだを盛り付けたら、
大葉、紅蓼、胡麻を乗せ、天に卸したての本山葵を乗せたら、冒頭の写真のように、出来上がりです。
また、〆いなだ丼と共に、
もずく酢、
具沢山のすまし汁も一緒に用意しましたが、すまし汁は、蜆で出汁を取ったもので、蜆、玉葱、えのき、人参、あおさが入っています。
本山葵を、
醤油に入れ、
上から掛けてから、食しました。
刺身よりも美味しさが感じられ、いなだというと、遠ざけてしまう感があったのですが、昨日のような鮮度の良いいなだが手に入ったら、また作りたいほどでした。
また、卸した時に出たあらの部分ですが、
かまなど、大きめの部分は、
あら煮用にとっておき、中骨などは、
出汁を取るため、焼いておきました。
生のまま柵取りしてあった身は、
いなだフライにするため、塩、胡椒をして、
生のパン粉をつけておき、
揚げ、
娘達の夕飯にしました。
脂が薄くても、油で揚げることで、美味しく味わえ、片栗粉をつけて揚げてから、野菜を入れたあんかけにしても、美味しく食べることが出来ます。
たかが、いなだ、されど、いなだ。
そんなことを感じることが出来た二日間のおかずでした。
西伊豆・仁科産のいなだ
普段通う沼津の魚市場は、漁港が併設されていることもあり、今日のような開市日は、
近郊の漁船が入港すると、
獲れた魚を水揚げし、
セリにかけるための準備に追われている光景を見ることも、しばしばです。
また、トラックで水揚げした魚を持って来る漁師の人たちも少なくなく、
今朝は、知り合いの漁師さんの一人が、西伊豆・仁科から来ており、声を掛けると、「いなだだけど、おかずに持って行きなよぉ~♬」と、
「足りる?足りなきゃ、もっとやるけど・・・。」と、定置網で水揚げしたいなだを、
4本もらいましたが、いなだとは、鰤(ぶり)の幼魚のことです。
また、鰤は、わかし、いなだ、わらさ、鰤と名前が変わる、いわゆる出世魚ですが、出世魚とは、ただ名前が変わるだけではなく、歴史上のある人物になぞられ、本来4回名前が変わらないと、そう呼ぶことは出来ません。
そのような歴史上の人物は、豊臣秀吉で、日吉丸、木下藤吉郎、羽柴秀吉、豊臣秀吉と、名前を変え、農民から武将の最高位まで登りつめ、天下統一を成し遂げた出世を、地で行ってような人物なのは、広く知られています。
その後も、魚市場には、
東伊豆の定置網で水揚げされた魚が、入荷して来ていました。
そんな様子を尻目に、
最後に、
愛知産の蛸(3,1キロ)を仕入れ、
魚市場から帰ることにした。
【佳肴 季凛】に戻り、蛸の下拵えであるヌメリ取りは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに任せ、
蛸は、いつものように、真空調理で仕込みましたが、その仕込み方は、前編と、
分かれており、長めですが、よろしければお読み下さい。
そして、いなだは、
二人の知人に分けてあげたので、自分の取り分は、2本となり、1本は、
酢締めにしてみたのですが、いなだを分けてあげた友人が教えてくれ、初めて仕込み、明日試食してみる予定です。
もう1本は、刺身にし、
那智勝浦産の生の本鮪の手くずと共に、“お疲れちゃん♪”と相成りました。
明日は、締めいなだ丼にして、お昼に食べる予定で、刺身にしなかった身は、フライにして、子供達の夕飯にする予定です。
ところで、30日(月曜日)に、
【静岡伊勢丹】地下の食品売場の【商工会チャレンジショップ アレモキッチン/コレモストア】でのことで、
当店の『西京漬』と、
『鰯の丸煮』を販売するので、ラベル貼りと包装をしやすくするため、
冷凍庫から、冷蔵庫に移動しておきました。
『西京漬』は、
銀鱈(アラスカ産)、
サーモン(ノルウェー産)、
鯖(ノルウェー産)の定番の3種類で、
『鰯の丸煮』の真鰯の産地は、銚子、富山、氷見などです。
“お疲れちゃん♪”も終わったので、明日に備えて、この辺りで・・・。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、5月3日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
どんちっち丼
今朝は、沼津魚市場に仕入れに行って来たのですが、
余程のことがない限り、
魚市場に着くのは、常に5時過ぎで、
この時季ですと、殆ど夜も明けています。
5時に着くのも常のことながら、一番最初に向かうのが、
活魚売場で、これまた常のことです。
今朝の生簀には、
真鯛(まだい)、
高足蟹(たかあしがに)、
黒鯛(くろだい)、
手長海老(てながえび)などが、多く入荷しており、これらは、沼津近郊で水揚げされた所謂地物です。
もちろん、これら以外にも、他所の産地の様々な魚が入荷していたものの、特に入り用の魚もなかったので、眺めるだけでした。
4月も半ばを過ぎると、天候だけなく、潮の状態も安定してくるので、魚全般の入荷も芳しくなり、終盤近くとなったトロール漁で水揚げされた魚も、
そこそこ入荷していたり、
地物を中心に、静岡県産の魚を扱う売場には、
焼津産の伊勢海老(いせえび)をはじめとする活魚や、
相模湾産の金目鯛(きんめだい)などが、並んでいました。
また、伊勢海老と言えば、別の売場には、
伊豆・土肥産のものや、同じ土肥産の目鯛(めだい)も並んでいたりと、
今朝の魚市場は、比較的多くの魚が入荷しており、高知県産の真鯛も、
大小様々のサイズのものが、多く並んでいました。
沢山入荷していても、入り用でなければ、無関係ですので、そんな様子を尻目に、別の売場に行くと、
千葉県産の真鰯が入荷しており、
中を確認すると、自分好みのサイズでしたので、『鰯の丸煮』用に、
2ケース仕入れることにし、
同じ構内の別の売場に目を移すと、
島根県産の鯵(あじ)が入荷しており、
ただの島根県産ではなく、
どんちっちと呼ばれている浜田産の鯵で、26~27というのは、入っている鯵の本数です。
どんちっちは、4月から8月までの期間限定のブランドで、去年お話ししたことがあり、脂肪含有量も通常の鯵の3%に対し、10~15%と、かなりの差があるのです。
当然、全てがどんちっちのように、脂が乗っているわけではなく、そうでないものもあり、同じサイズでありながらも、
普通の脂の乗りの鯵も入荷しており、
当然のことながら、こちらには、シールはついていません。
どちらの値段も訊いたところ、昨日の水揚げで、7トン(7000キロ)あったこともあり、かなりのお値打ちで、今季初のどんちっちということもあり、どんちっちを仕入れることにしました。
魚市場に通ってはいても、トンという単位は、想像もつきませんが、この1ケースが3キロ入りのものですので、単純計算で、2300~2400ケースもあることになります。
さらに、本数に換算すると、60000本超になるので、もはや、%∩∀!&$#?状態・・・。
先程の写真のひと山が、20ケース程度ですので、その100倍強ですから、天文学的な数字と言っても、過言ではありませんし、想像するだけで、これまた、魂消(たまげ)てしまいます。
その後、同じ構内の別の売場で、
ノルウェー産のサーモン(5,2キロ)を、
『西京漬』に仕込むために仕入れただけでなく、冷凍ものなどの他の仕入れも終わったので、魚市場から帰ることにしました。
ひととおりの段取りを終えたので、小肌(佐賀)から仕込み始め、
その次に、
鯵の下拵えに取り掛かり、頭とはらわたを取り除いたものは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、水洗いしてくれました。
卸し終えた鯵は、
三枚に卸し、今季初のどんちっちということもあり、鯵のたたき丼というより、どんちっち丼にすることにしました。
生で食べられる鮮度ですが、揚物用に使うので、
大きいものの尾の部分は、
身と皮に分けておき、これだけでは足らないので、
卸した身の皮を引き、
叩きにしておきました。
その頃、真由美さんは、
焼いてから、出汁を取るため、頭と、
中骨の掃除をしてくれていました。
焼いた頭、
中骨、
そして、尾の身の皮を、
一番出汁を取った鰹節、宗田節、昆布、椎茸の足、野菜の皮などの手くずと共に、
3~4時間かけて煮出したのですが、脂の乗っているどんちっちですので、
冷蔵庫で冷ますと、このように脂が浮いていました。
そして、ランチの営業時間も終わったので、お昼にすることにしたのですが、予定通りお昼は、
どんちっち丼で、その美味しさを100%堪能し、子供達にもその美味しさを味わってもらうため、サーモンも一緒に盛り付けた二色丼を、
夕飯に出ししてあげました。
一年を通じて、全国各地で水揚げされる鯵ですが、これからの時季がいわゆる旬で、その美味しさは格別で、スーパーなどでも、お値打ちで手に入れることも出来るので、機会があれば、是非旬の美味しさを味わってみて下さい。
☆★☆ デパ地下デビュー in 静岡伊勢丹
4月30日(月)に、
【静岡伊勢丹】地下の食品売場の【商工会チャレンジショップ アレモキッチン/コレモストア】で、当店の『西京漬』と『鰯の丸煮』を販売します。お時間の許す方は、是非ご来店下さい。
明日(14日)のランチ
明日(14日)は、
都合により、ランチの営業をお休みさせて頂きます。
ところで、今日は、
沼津魚市場に行き、
鯵(島根)をはじめ、
【西京漬】に仕込むため、
サーモン(ノルウェー)を仕入れ、
別の売場では、
さばふぐ(由比)など、
色々と仕入れたこともあり、
その仕込みなど、週末らしき諸々に追われ、まさに“VS時間”の一日でした。
そして、一日の労をねぎらうため、
生の本鮪の血合いの醤油漬を焼き、“お疲れちゃん♪”と相成り、これにて4月13日(金)を締めさせて頂き、明日も宜しくお願い致します。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
三週連続で、休日出勤
明日(10日)は、
沼津魚市場が、
休みということもあり、
今朝は、仕入れに行って来ました。
明日は平日ですが、法事の御席があり、明後日はお弁当のご注文を頂いているので、市場へ行くだけでなく、仕込みをしなくてはならない状況にあるので、今日の休日出勤は、そういう点では、都合が良かったのです。
必ず一番最初に向かう活魚売場の生簀には、めぼしいものは無かったものの、注文しておいた佐賀産の小肌を仕入れたら、
構内を物色したところ、これまためぼしいものはなく、別の売場に向かうため、いったん外に出ると、
5時半前で、これぐらの明るさでした。
そして、この売場で、
今季初めて、
富山県産の蛍烏賊を、
仕入れることにしました。
3月になると、富山県産のものが入荷し始めるのですが、今年は入荷が遅く、値段も高値安定という嬉しくない状況が続いていたのも、4月に初入荷ということになった次第です。
ちなみに、兵庫県や福井県産の蛍烏賊は、1月の終わりくらいから入荷し始め、
今朝は、兵庫県産のものが、この売場に並んでいました。
蛍烏賊という同じ素材ですが、日本海と富山湾のものでは、大きさも味も、全く異なり、値段もかなりの開きがあり、富山湾産の方が、3~4倍くらいの高値で売られており、蛍烏賊の水揚げ高の全国一位は、兵庫県です。
その後、冷凍ものを扱う売場で、
『西京漬』用の銀鱈を確認したところ、
前回と同じ商社のもので、解凍しないと、実際の身質は分からないものの、何となく良さげな感じでしたので、
荷造りしてもらい、仕入れることにしましたが、1ケースに、
12本入っており、アラスカ産です。
これら以外にも、色々と仕入れ、全ての荷物を確認したので、魚市場から帰ることにし、【佳肴 季凛】に戻ると、
銀鱈を3本ずつ袋に入れ、
冷凍庫にしまっておき、
小肌の仕込みから、
始めました。
その頃には、女将兼愛妻(!?)の真由美さんも厨房に来てくれ、
蛍烏賊の掃除(目玉、軟骨、くちばしを取ること)をはじめ、
フルーツトマトのお浸しに仕込むため、フルーツトマトの皮むきや、
お弁当用の煮物の野菜の皮剥き、
揚物用の海老の伸ばしをしてくれたので、スムーズに仕込みが出来ました。
小肌が仕上がる頃までに、
お弁当用の海老の酒煮と煮物も、
仕込み終えたら、苺のムース、
サラダ素麺の野菜(長葱、茗荷、紫キャベツ、ピーマン、赤と黄色のパプリカ、アーリーレッド)、
フルーツトマトのお浸し、
酢の物用の蛇腹胡瓜なども、
仕込み終えました。
その後、
大根、人参、胡瓜を、
糠床に漬け、
米(白米、押麦、もち米)を研ぎ、仕込みが終わりました。
合間を見ながら、
真由美さんが洗い物や片付けをしてくれたので、
自分の片付けは、
包丁を砥ぐ程度で済み、
明日の法事用の器出しをし、最後の最後に、
春休み中に当店と知人の店で使った食品用廃油を、
2人の娘達が通っていた当時からの慣わしで、
地元の小学校へ持って行き、休日出勤は無事に終わりました。
ちなみに、先週の定休日は、魚市場へ行かなかったものの、
三重県産のジャンボちゃんこと超特大とらふぐが入荷したので、休日出勤をしましたし、先々週の定休日は、
今日同様、
魚市場に行き、仕込みをしたので、三週連続で休日出勤となった次第です。
休みは休みで欲しいのは本音ですが、一人仕事ゆえ、休日出勤も当然ですし、それを承知で、今の自分があります。
昨今、仕事を取り巻く事柄が色々と議論されているようですが、仕事を毛嫌いするような風潮を感じ、自分としては、悲しいというか、不思議でなりません。
仕事=働くということは、傍(はた=周りの人)を楽にするのが、語源とも言われており、生活の糧を得て、家族を楽にすることも働くだし、地域のために奉仕することも、働くだと思います。
お金をもらってももらわなくても働くことは色々で、そう考えると働くということは、本来楽しいはずです。
色んな仕事があって、世の中が成り立つわけですし、皆が皆、同じ日に仕事をし、同じ日に休んだら、余暇の楽しみも享受できなくなってしまうどころか、病気などになり、病院が休みだったら、それこそ一大事になってしまいます。
休みなしで仕事をすることを主張しているわけでは、毛頭もありませんが、仕事をするという意味を、もう一度、考えるべき時代になったような気がしてなりません。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
具沢山にして、味噌し立ての牡蠣蕎麦(かきそば)
例年、春のお彼岸を過ぎる頃になると、沼津魚市場の貝類を扱う売場には、岩牡蠣が入荷し始め、
今朝の売場には、
宮崎県産のものが、
入荷していたのですが、思うほどのものでもなかったので、素通りすることにしました。
それに対し、秋から春までが時季の牡蠣(真牡蠣)の入荷は3月末まで、先月の中頃、牡蠣を使った賄いについてお話しした時、名残を楽しむことをお話ししましたように、ギリギリまで、堪能しました。
堪能した料理は、
薄味で煮含めた牡蠣を乗せた牡蠣カレーや、
天ぷらで、この時は、
茄子と、
走りの鱧も、一緒に揚げ、
天ぷら定食さながらでした。
画像こそありませんが、牡蠣フライもありましたし、牡蠣鍋の時もあったりと、今思い出すだけでも、もう少し、多く仕入れるべきだったと悔やまれるばかりでなりません。
御飯のおかずでない時は、牡蠣蕎麦で、以前作った牡蠣ラーメンのようなものではなく、つけ麺仕立ての蕎麦で、
この時は、麺つゆで煮含めた牡蠣を具にし、熱々にしたそのつゆで、茹でてから温めなおした蕎麦でした。
別の時には、ひと手間をかけた牡蠣蕎麦も作り、
前置きが少し長めとなってしまいましたが、この牡蠣蕎麦の作り方が、今回のお話しで、タイトルにもあるように、味噌し立てで、具沢山のものです。
しかも、この牡蠣蕎麦は、今季最後の牡蠣ということもあり、この半年間の牡蠣への感謝を込めて、作った料理で、次の時季も、美味しい牡蠣を味わうことが出来るような願いもあり、締めの牡蠣料理と言っても、過言ではありません。
牡蠣は、加熱用の広島産のものですが、
加熱用というと、鮮度が落ちているからと思われている方も多いかもしれませんが、生食用との違いは、出荷の過程での下処理の殺菌の方法によるもので、鮮度は全く関係ないだけでなく、味という点では、加熱用の方が、上なのです。
この牡蠣は、オーラス間近ということもあり、日付も、
然りでした。
パックから取り出し、
ザルに上げたら、
塩を少し入れた沸騰したお湯に落としたら、
すぐに、
氷水に落とし、粗熱が取れたら、再びザルに上げておきます。
それまでに、
蜆で出汁を取った味噌汁に、下茹でした乱切りの大根、人参、蒟蒻を入れ、沸いてきたところに、
下拵えをした牡蠣を入れ、
アクをすくい、アクが出なくなる頃までには、牡蠣にも火が通るので、
殻から外した蜆の身を入れますが、この蜆は、青森県小川原湖(おがわらこ)産のものです。
再び、ひと煮立ちしたら、
味を含ませるため、火を止め、半日以上、冷蔵庫にしまっておきます。
再び、味を含ませた牡蠣などを鍋に入れ、そこに、椎茸、大豆もやしを加え、
取り置きしておいた煮汁で片栗粉を溶き、煮汁に入れ、ゆるめのあんに仕立て、頃合いを見計らいながら、
蕎麦を茹でます。
煮汁は熱々で、天に打葱、
蕎麦も温め、同じく天に、
もみ海苔をあしらい、
出来上がりです。
あとは、
食して、堪能するのみしかありません。
秋まで、この美味しさを味わえないのが、寂しい限りで、もう少し余分に仕入れておいて、牡蠣の賄いを楽しめなかったことを後悔した次第で、冷凍ものの牡蠣でも、出来ないわけではありませんが、冷凍ものは、風味が乏しいだけでなく、牡蠣特有の美味しさは、寒い時季に味わってこそのものです。
牡蠣は牡蠣でも、夏が旬の岩牡蠣を、秋や冬に食べても、腑の抜けたような味わいになってしまいますし、興ざめ以外の何ものでもありません。
旬の美味しさは、唯一無二のものにして、四季を味わう日本料理の真髄で、この素晴らしさをより多くの方に知ってもらえるよう、日々の仕事に精進し続けるつもりです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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