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もっとおいしいお話し

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頂き物の太刀魚(たちうお)

Vol.4259(1月6日)

いらっしゃいませ 


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし 


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今回は

頂き物の太刀魚

についてお話しします。



「おはよう、親方🐡

ピカピカ✨の太刀魚じゃん!

市場が休みなのに(注1)

どうしたの?」

と、ミニふぐちゃん 



(注1)ホームグランドの

沼津魚市場は

土曜日が休市日です



「おはよう🐡

常連さんから貰ったんだよ。

ちょっと不揃いだけど


大きいのは

指4本サイズだよ。」 




「デカっ!」


「太刀魚は

目方よりも指の幅で

大きさを言い表すんだよ。

そうは言っても

目方で取引されるんだけどね。」 



「へぇ~。

で、この太刀魚は

どうするの?」



「おかず(賄い)と

明日のお弁当の揚物にするよ。」




「え゛~っ!

いいなぁ~😋」 


頭と尾の細目の部分を包丁し

はらわたを抜いたら

水洗いをしました。 



三枚に卸したら


厚みのある

形の良い部分を

お弁当の揚物用に

包丁し


みじん粉をつけ


冷蔵庫へ。 


最初は

鯵(あじ)を使う予定でしたが

急遽、変更。 


ちなみに、鯵は

三枚に卸したものを

常時30枚以上

真空パックして

冷凍してあります。 


なので、余程のことが無い限り

全く問題ありません。 


卸し身は

天ぷらにして

早速、昼ご飯行きです。



「んまそう😋」


「普段、いい子にしているから

神様がご褒美をくれたんだよ。」

と、言うと


「それでも

いいんじゃね。

太刀魚って細い魚だけど

脂はあるの?」



「ベラボーに乗るってことはないけど

上品な脂だから

塩焼が定番だよ。」


「ふぅ~ん。」



「太刀魚に限ったことじゃないけど

脂が乗っている魚を揚げると

ふんわりして

美味しいんだよね。」 



「揚げる時でも

脂が乗っていた方が、いいの?」 



「そうだよ。

脂が無い魚だと

パサパサして

食感も悪く

イマイチなんだよ。」 



「そうなんだぁ~。」



あらの部分は

出汁を取るため

焼いておきました。


焼くことで

生臭みが消え

魚本来の出汁の旨味を

引き出すことが出来ます。 


このような出汁は

昆布と鰹節だけで取った

いわゆる一番出汁には無い深みがあり

煮物などに使うと

その違いが分かります。



明日のお弁当の煮物も

その出汁を使って仕込みました。 


日本料理には欠かせない出汁は

水が豊富な国土のたまもので

よその食文化には無い独特のものです。 


その伝統を受け継ぎ

次の世代に繋ぐための

努力を怠ることなく

日々の仕事に臨み続けます。




「明日のお弁当の道具の

準備も出来たね。

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん

2024年初市日のお弁当


Vol.4258(1月5日)



いらっしゃいませ 


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし 


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日は

初市日のお弁当について

お話しします。



今朝、沼津魚市場に着いたのは

4時15分でした。


普段よりも30分以上早かったので


売場は

荷物を並べている最中で

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0207.jpg


魚の仕分けに

追われていました。


そもそも

30分以上も早く来たのは

お弁当のご注文を頂いていたからです。 


そんな中

フライングゲットしたのが

こちらです👇



◆目鯵(めあじ)

沼津市西浦の定置網で水揚げ 



◆目鯛(めだい)

伊豆・下田産


また、初市ということで

こんな幟(のぼり)も。



魚市場から撤収し

『佳肴 季凛』に戻ったのは

まだ夜明け前。



荷物を下ろすと


熱血君がやって来ました。

「おはよう、親方🐡

今日は早いんだね。」



「おはよう🐡

そうだよ。

お弁当の注文があるからね。」

と返すと


「で、今日の仕入れは?」



「目鯛と目鯵だよ。」

「正月だけに

めでたい繋がりで

メダイとメアジなの?」 


「上手い!

ただの偶然だけどね。」



「お年玉付きの座布団はないの?」


「そんなことよりも

お弁当をやんないと・・・。」



「あぁ~。

それはそうと

真由美さん(注1)が

スチコン(注2)の電源を

入れてくれていたよ。」



(注1)真由美さんとは

女将兼愛妻(!?)のことです。



(注2)スチコンとは

スチームコンベクション

オーブンのことで

煮る、焼く、蒸すことが

可能なオールマイティの

厨房機器です。


タイマーがなる前に

取り出したのは


煮物のこんにゃくのバットで


鍋に移したら


煮上げ 


入れ違いで

煮物をスチコンに入れ

加熱。


煮物は

人参、ごぼう、つくねです。 



加熱しているのは

鶏肉の照焼で


この袋に入っているのが

鶏肉です。 


ちなみに、鶏肉の照焼については

こちらを👇



煮物は、タイマーが鳴るまで

そのままにしておき

タイマーが鳴ったら

こんにゃく同様

煮上げます。 



煮物を仕上げている間に



さばふぐの唐揚(写真 左)と

鯵のしんびき揚げ(同 右)を

仕上げ


その合間に

グリルの火を点け

サーモンの西京焼を焼き始め

このように仕上がりました。 



今日に限らず

お弁当を仕上げる時は

常にスクランブル状態。


玉子焼の準備を始めることに。

卵を割ったら


最初に菜箸(さいばし)で

溶きほぐし


そこに


玉子焼の出汁を加え

よく混ぜ合わせます。 


玉子焼の出汁の中身は

一番出汁、てんさい糖、日本酒

薄口醤油、みりん、赤酒(あかざけ)です。




「玉子焼って

卵の中に調味料を入れて

混ぜるんじゃないんだね。」

と、熱血君。 



「そうじゃないと

均等に混ざらないじゃん。」


「確かに、そうだよね。

あと、これって

濾したりしないの?」



「卵白のコシが無くなって

巻きにくくなるから

濾さないんだよ。


その代わりに

よく混ぜ合わせるだけじゃなく

割る時に、殻が入らないように

別のボウルで割ってから

大きいボウルに移すんだよ。」



「濾しちゃうと

コシが無くなるんだぁ~。」



「仕事始め早々

何だか冴えているね!」


「今度こそ

座布団GET?」


「山田君は

まだ正月休みだから

また今度だね。」



「ありゃりゃ・・・。

でもさぁ、卵を割るだけでも

プロは違うんだね。」 


「まぁ~ね。」


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0304.jpg


仕上がった玉子焼を包丁したら



最後は、鶏肉の照焼です。



焼台に入れ

たれを掛けること3回


粗熱が取れたら

包丁し

盛付けます。 




自分が料理を仕上げている間

盛付けてくれるのは

いつものように

真由美さんです。




\\ 真由美さん FIGHT! //

の熱血君のエールも

聞こえないほど

真剣な真由美さん。 



そうこうしていると

お弁当が仕上がり

ご飯(ひじき御飯)は

別の容器で


これらを組み合わせると

このようになります。



蓋をし

箱詰めをしていると

「盛付けよりも

こっちの方が

手間みたいだけど・・・。」



「そうだよ。

余分に動かすことは出来ないし

箱詰めは

完全に動かないように

しなくちゃならないしね。」


ようやく仕上がり

こちらが料理で

こちらが、ご飯です。 


その頃までに


魚の仕込みを終え


真由美さんは

洗い物をしてくれました。 


ランチの営業時間まで

余裕があったので


お弁当の余り物御膳を用意し

早お昼を取ることに。

「確かに、余り物だけど

豪華だね~♬」 


「ちゃんとした部分だしね。

ついでに

★¥◇の部活弁当も

出来たよ。」



★¥◇ とは、次女のことです。




「僕は、こっちで十分だよ。

早めに言っておけば良かったな~😋」 



そんなこんなで

2024年が

本格的に始まり


改めて、今年も宜しくお願いします。



「お取り寄せアイテムの準備が出来たね。

そんじゃ、また🐡」 by ミニふぐちゃん

53歳の誕生日に思ふ事

Vol.4249 

いらっしゃいませ 


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

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天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(12月27日)で


53歳になりました。


そんなことよりも

暮れも暮れですので

すべきことがてんこ盛りで

今朝も、沼津魚市場へ。


いつものように

活魚売場へ行くと


福島県産のとらふぐが

用意されており



いつも以上に、萌え燃え・・・💖 


取り出し


締めると


お祝の仕草なのか


一気に

膨らんでくれました。




とらふぐ以外には


目鯵(めあじ)と

肩星鰯(かたぼしいわし)を仕入れ


どちらも

沼津市西浦の冨久丸(ふくほうまる)が

定置網漁で水揚げしたものです。 




【佳肴 季凛】に戻ると


開口一番

ふぐとらちゃんが

「誕生日おめでとう~🎉」


「ありがとうね。

どんどんやらないと

終わらないから

始めるよ。」




「メアジとカタボシイワシを

一緒にしているけど

とらふぐの血って

毒じゃないの?」


「毒じゃないよ。

そう思っている人が

結構いるけどね。」


「そういう誤った知識って

一番良くないよね。」


「一番困るし

血を流せば

無毒になるんて思っている人も

いるんだよ。」


「ヤバっ!」


「血が毒だったら

身に入っている部分だって

食べられないし

その基準もないからね。」 


「そうなんだぁ~。」 




①目鯵



②肩星鰯  

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG6063.jpg



これらは、自分一人の

仕事でした。


③とらふぐ


とらふぐだけは


女将兼愛妻(!?)の

真由美さんの水洗後の

手直しあり。







「ここにも

誕プレがあるよ。」

と、指したのが

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG6086.jpg


美食中の美食の

白子でした。 



また、この時季は

ランチの営業をお休みさせて頂いているので

この流れで

昼ごはん。


そんな今日の昼ごはんは

目鯵と肩星鰯の

ハーフ&ハーフ丼でした。


酢飯にして

丼にしちゃうと

食べ過ぎちゃうという理由で

真由美さんは

白御飯であるだけでなく

別盛です。 


「そうだよねぇ~。

よく分かるよ。」


「朝獲れの

鮮度バリバリの魚だし

リアル地魚丼だしね。」


「言われてみれば

こういうのが

地魚丼なんだよね。」



「そうだよ。

沼津じゃ

どうやっても

帆立、いくら、サーモンなんて

獲れないわけだから。」 


「美味しいのかもしれないけど

輸入だったり養殖じゃあねぇ・・・。」


地元の漁師や

伊豆方面の漁師が

水揚げする魚の種類、量は

限られてしまいます。


今日のように

0,9キロ(目鯵)

0,7キロ(肩星鰯)

の量では

丼ものにしても

せいぜい2、3人分です。


ただ、自分のように

コース料理の刺身に使う分には

十分な量ですし


先日のランチでお出しした刺身は

刺身、寿司の画像のようです

 
葉血引(はちびき)と


肩星鰯は

地物でした。 


本音を言えば


湯葉を使わずに

他の地魚が理想なのですが

先程お話ししたように

限度があります。 


朝獲れの鮮度バリバリの魚は

漁港が併設されている

沼津魚市場の

最大の魅力と言っても

過言ではありません。 


それらを仕入れるために

足繁く通うのは

もちろんのこと

漁師と親しくなることで

リアルの現場の様子を

知ることが出来ます。 


料理の道に転がり

3分の1世紀が経ちましたが

知らないことは

まだ沢山あります。


そのためには

妥協することなく

これまで以上に

真摯に仕事に向き合うことを感じた

誕生日だったのでした。





「誕プレ@志村家女三羽烏 は

仕入れに行く時のジャンパーだって🎉

そんじゃ、また明日🐡」 by 熱血君

沼津魚市場の3種類の帽子 

Vol.4244 

いらっしゃいませ 


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天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(12月22日)は

沼津魚市場の帽子について

お話しします。 


「ねぇ、親方

穴が開いているけど

どういう帽子なの?」

と、ふぐとらちゃんが訊いてきました。 


「この帽子は

魚市場でかぶる帽子で

この札を付けて

かぶる帽子だよ。」




「へぇ~。

その辺で

買えるものなの?」 


「いやいや

魚市場の事務所で

買うんだよ。」 




「ってことは

沼津の魚市場が

製造販売しているの?」

「いやぁ、それはないけど

ネットで調べても

売ってなかったんだよ。」




「検索のキーワードが

間違っていたとか・・・。」


「間違うも何も

魚市場 帽子 穴開き

みたいな言葉で

検索したんだけど

かすりもしなかったんだよ。」 


「へぇ~。」


「ちなみに、市場には

3種類の帽子があるんだよ。」



「どういうこと?」



「まぁ、今説明するよ。」


①赤い帽子

魚市場の職員で

ユニフォームも赤 



②ピンクのライン入りの帽子

魚市場で競りをする権利がある

いわゆる問屋



③無地の青い帽子

自分のように

買出人(かいだしにん)

魚市場構内で

購入することが可能ですが

競りをする権利は無し 


「ってことで

分かった?」



「何となく。だから

『仲買人と作戦を立てて

競りに臨む』なんてことを

ブログに書いていたんだね。

やっと、その理屈が

分かったよ。」 



「じゃあ、これからは

話が分かりやすくなるかもね。」


「うん、そうだね♬」 



さらに言うと

47というのが

自分の窓口になっている問屋の番号で

9というのが

その枝番になります。 


この番号が

魚市場でのハンドルネームのようなもので

この番号で

全てのやり取りが可能です。 


今回のお話しは

沼津魚市場に限った話で

他の魚市場では

通用しません。 


また、符牒(ふちょう)というか

暗号めいた使い方をする言葉もあり

長い間使われているものの中には

その語源が不明なものも

沢山あります。 


そういった点でも

魚市場は

興味が湧く場所かもしれません。




「お昼ごはんの

銀鱈の切落としの西京焼が

んまそうだったなぁ~😋

そんじゃ、また明日🐡」

とらふぐ&肩星鰯(かたぼしいわし)で、休日出勤 

Vol.4240

いらっしゃいませ 


マクロビオティック(玄米菜食)

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天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(12月18日)は

休市日前の仕入れ

についてお話しします。 



今朝の沼津魚市場は

全国各地の風の影響もあり


どこそこの売場も

ガラ~ン。 


そんな状況でしたが

地物の肩星鰯(かたぼしいわし)と


福島産のとらふぐ(天然)を

仕入れることが出来

ひと安心と同時に

萌え燃え・・・💖


とらふぐは

その場で締めてから

持ち帰ることにしました。 


『佳肴 季凛』に戻り

荷物を下ろし


女将兼愛妻(!?)の真由美さんが

軽トラの掃除を始めると

「今日って、休みじゃなかった?」

と、ミニふぐちゃん。


「おはよう♬

そうなんだけど

明日が市場が休みだから

仕込みをしなくちゃならないんだよ。」

「そうなの。

早く終われるよう

頑張って~♬」 


「はいよ~。」


その間に自分は

仕込みをするための準備を

始めていました。 

 

とらふぐと肩星鰯を見ると


「親方、おはよう🐡

さっき聞いたけど

明日は市場が休みなんでしょ?」


「そうだよ。

12月なのに

火曜日でも

開いて欲しいよ。」 


沼津魚市場は

土曜日が完全な休みで

火曜日は月に2、3度

休みがあります。


休みの組み方は

東京・豊洲などの中央市場の前日が

基本です。 


つい何年か前までは

火曜日休みは少なかったのですが

働き方改革とか

意味不明な施策のおかげで

休みが増えてしまいました。 


さらには、来年は

さらに休みが増えることに

なっています。

よく目にする2024年問題の

政策なのか

それとも

これまでの無為無策を

取り繕うための愚策なのか・・・。


どういう状況でも

自分のすべきことは

見えているので

どうぞやって下さいませ。


肩星鰯は

水洗いまでしておきました。




「どうして卸さないの?」 



「肩星鰯は

酢で締めるんだけど

水揚げ当日の今日仕込むと

仕上がりがイマイチになるからだよ。」



「鮮度が良いのに・・・?」


「小魚だから

早めの仕込みがいいんだけど

このままにしておくと

身が落ち着くからだよ。」




「落ち着くって?」


「旨味が出て

水分が抜けるってこと。」


「へぇ~。」



「こういう鮮度バリバリの魚を使えるのは

漁港がある魚市場の

最大のメリットだよ。」

そして、真打登場


まな板が汚れたままなのは

そのままの状態で卸すからです。


とらふぐに限らず

フグ類の仕込みは

有毒部位があるため

魚の中でも

一番最後になるのが

一般的です。


卸し終えた後の水洗いをしてくれるのは

いつものように

真由美さんです。 


その後、自分が手直しをし



拭き上げ

とらふぐというより

今日の魚の仕込みが終了しました。 


今日の5本のうち

2本には

成長した白子が入っており


ミニふぐちゃん曰く

「こんだけ大きいと

濃厚なんでしょ?。」


「そうだよ。

白いダイヤって

呼ばれるくらいだからね~。」 


「僕たちも海にずっといたら

こういう風になったんだろうなぁ~。」 


包丁を使う仕込みも無かったので



包丁を砥ごうとすると


「これで仕込みは

お仕舞なの?」 

「そうだよ。

あとは、掃除だけだよ

どうせなら手伝ってくれる?」 

と訊くと


聞こえないふりをして


「真由美さん、お疲れ様~♬」 


「有難うね。昼前に

終わったから

良かったよ♬」 



そして、夕方になったら

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5204.jpg

『西京漬』用の銀鱈と

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5202.jpg

御歳暮用の『西京漬』を

冷凍庫から出し


御歳暮を発送。

ということで、休日出勤が

完全終了しました。 


※『西京漬』

佳肴 季凛 謹製 西京漬け




先程お話ししたように

明日は休市日なので

早起きから解放されると思うと

それだけでも

気分が楽でなりません。 



「♬ もういくつ寝ると

クリスマス~🎄

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん

南伊豆・綾ト丸(あやとまる)の血抜き済の葉血引(はちびき)

Vol.4229

いらっしゃいませ 

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こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(12月7日)は

血抜き済の葉血引について

お話しします。 


今朝、仕入れを終え

【佳肴 季凛】に戻ると

ミニふぐちゃんがやって来ました。


「おはよう、親方🐡

1匹でもハチビキを

仕入れたんだ~。」 


「おはよう🐡

そうだけど

今日は2本。

この葉血引、普段のとは

ちょっと違うと思うよ。」




「じゃ、2本でも

ハチビキだね。

でもさぁ、違うと思うって

どういうこと?」


「どうもこうも

市場の様子から

教えてあげるよ。」

ということで

今朝の沼津魚市場の

地物中心の魚が並ぶ売場です。


売場を物色していると


南伊豆の綾ト丸が

水揚げした魚が

予定通り

並んでいました。


予定通りというのは

昨日の時点で

綾ト丸の船長に

魚の入荷状況を確認しておいたからです。 


色々と入荷していた中で


自分の大本命は

葉血引(ハチビキ)です。


標準和名がハチビキですが

沼津を含め

伊豆半島方面では

赤鯖(アカサバ)と呼ばれています。

綾ト丸の魚は

神経抜き、血抜き済が

基本です。

なので

鮮度バリバリにして

魚体もきれいなままでです。 


葉血引は

神経こそ抜いていませんが

えらを切って

血抜きをしてあります。


また、今朝は

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4333.jpg


土肥(とい)産の葉血引も

入荷していましたが



氷締めにしてあるだけです。

ただ、この船の葉血引は

これまでに何度も仕入れているので

決して悪くはありません。 


ただ、秋口から

綾ト丸の魚を何度も使っており

締め方だけでなく

保存方法にも

工夫を凝らしているので

魚の良さは別物で

船長がこのように

教えてくれました。 


また、綾ト丸は


夫婦二人で

操業しています。


先程の保存方法もですが

自分が知らないようなことも沢山あるので

知りたがりの自分としては

ためになることばかり。 


今朝訊いたのが

多くの漁師が

血抜きや神経を抜かない理由でした。


①時間と手が無い 

水揚げ直後は

鮮度を保つため

せわしない。


②血を抜くと、目方が減る

1キロの魚体で

血液量は60mlですので

目方としては60グラム。


ということは、5~6%の目方が

あるとないでは

かなりの差が出ます。 

その差が収入減となるので

血を抜かないのは

当然のことです。 


ただ、血を抜くと

抜かないのでは

鮮度の良し悪しに

大きな差が出ます。 


そこは、漁師の考え方次第ですが

綾ト丸の場合

少しでも、鮮度が良いものを

提供するのが

基本スタイルなので

手抜きは出来ないとのこと。


こういう考えをしてくれる

漁師がいることは

自分にとっては

有難い限りでなりません。 


こういう葉血引を使ったことがないので


仲買人と作戦を立て

競りに臨むことにしました。 



競りを待つ

綾ト丸夫婦。 


そして、競りの結果

無事にGET! 


という顛末でした。



普通の魚同様

鱗を取ったら

水洗い。 


卸すと


血抜きしてあるだけあって

身の張り具合が違います。 


普通の葉血引の場合

身がいくらか柔らかいので

卸す時には

身割れしないよう

注意しなくてはなりません。 


明日使うので


柵取りしたら

脱水シートに挟み、冷蔵庫へ。 



「こうしておくと

どうなるの?」 


「身が締まるんだよ。

脱水シートなるものが世に出て

30年くらいは経つだろうけど

今でも

これを発明した人には

頭が下がるね。」 


「それまでは

どうだったの?」 


「っていうか

キッチンペーパーとか布巾を

何度も取り替えるのが

普通だったなぁ。」 


「へぇ~。それだけでも

手間じゃん!」 


「そうだよ。

それくらい脱水シートって

出来がいいんだよ。」 


「僕達みたいじゃん!」

「・・・・・。」


血抜きをしてあるので

中骨に金串(かなぐし)を刺しても

殆ど、血が出ません。


中骨に限らず

頭のあらの部分は

焼いてから

出汁を取るのに使います。 


血が残っていると

雑味を感じるので

このひと手間を欠かすわけにはいきません。 


「いつものハチビキのあらよりも

綺麗なような気がするんだけど・・・。」


「確かに綺麗だね。

血を抜くだけで

ここまで違うんだよ。」 

「血抜きって

大事なんだね。」 

「そうだよ。

内臓みたいなものだから

早めに取り除くことも

大事だよ。」 

「へぇ~。」

これまでの葉血引と違うのを

確認するためには

クオリティチェックという名の

昼ごはんは欠かせません。


ということで

海鮮丼に。


葉血引にはじまり



白魚


茨城・霞ヶ浦産



鯵(あじ)のたたき


沼津産の真鯵


〆鯵(しめあじ)


〆鯵にしたのは目鯵(めあじ)で


静岡県由比産。


言うまでもなく

全て、沼津魚市場で

仕入れたものです。 


「あいも変わらず

んまそう~😋


真由美さんは

食べ過ぎちゃうから

別盛りなんだよね。」


「そうだよ。」

「誰だって

食べ過ぎちゃうよね~。」


※真由美さんとは

女将兼愛妻(!?)のことです。 


「親方達夫婦もだけど

この綾ト丸の夫婦も

仲良し子吉で

いいよねぇ~♬」


Mushanokōji Saneatsu 武者小路実篤 (1885-1976), Gourd and Ground Cherry. | 日本画 ...


“仲よき事は

美しき哉(かな)”

って言うからね。」

「👏👏👏」 


と、丸く収まったところで

今日は、この辺で・・・。


「週末用の蒸し物だね。

そんじゃ、また🐡」 by 熱血君 




🐡ふくはうち🐡大晦日お持ち帰りふぐ料理🐡

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG9273.jpg


12月31日(11時~13時)の

お引渡しで

ふぐ刺、ふぐちり

(野菜他具・謹製ぽん酢・薬味・ひれ付)の

二人前のセット(16,200円)を

ご用意しております。

皆様のご注文

心よりお待ちしております。

フライングゲットした朝獲れの地物の鯵(あじ) 

Vol.4227

いらっしゃいませ 

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志村弘信です。


今日(12月5日)は

朝獲れの地物の鯵(あじ)について

お話しします。 


今朝

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4143.jpg


沼津魚市場に行くと


旋網(まきあみ)漁で

水揚げした鯵の

仕分けをしているところでした。




水揚げ直後=死後硬直前なので


身はクニャ~ッとしています。 


また、売場に並ぶ前なので

すべきはフライングゲット。

AKB48 大島優子(フライングゲット) - コスプレイヤーズアーカイブ

それこそ、頭の中では


♬ フライングゲット 僕は一足先に

新鮮な鯵 今すぐ手に入れようか ♬


結果、ゲットしたのは

これらで

秤にかけると

たった1,5キロにして

25本前後。 


自分の気に入ったサイズで

気に入った分を仕入れ

気に入った仕込みをするので

これで十分なのです。 

鯵を仕入れる場合

3キロ入の箱の時もありますが

我儘(わがまま)が服を着ている

自分にとっては

この方法こそが、最上級。 


【佳肴 季凛】に戻ると

熱血君がやって来ました。


「おはよう🐡

この量だと

親方得意のフライングゲットで

仕入れたんでしょ?」 




「おはよう🐡

そうだよ。

このために早く行くんだからね。」

「ってことは、今朝は

3時半起きだった?」 



「そうだね。」

「欲しい魚のために

ここまでするのには

頭が下がるよ、マジで。」 


「魚っていう食材よりも

料理へのモチベーションを

仕入れに行くようなもんだよ。」 

「確かに、そうかもね~。」 



そして、鯵の仕込みです。


①鱗(うろこ)を取る



②ぜいごを取る



③ 反対の身も①と②の作業をする



④頭を落とす



⑤はらわたを抜く



あとは

水洗いしたのち

ざるに上げておきました。


また、頭は

焼いてから出汁を取るので

水洗いしておきました。 



「この後

卸すんでしょ?」


「卸すけど

今日はこのまま。」

「どうしてなの?」 


「酢で締めるんだけど

明日、仕込んだ方が

週末あたりに

良い状態で出せるからだよ。」 

「そこまで

逆算しているの!?」 

「そうだよ。

身が新しい分

水が出て仕上がりに

期待が出来ないからだよ。」




「アジみたいな小魚でも

ここまでするのってバくね?」

「 料理を作るのが料理人じゃなく

美味しい料理を作るのが

料理人だからここまでするんだよ。」

「恐れ入ったよ・・・。」 


とりあえず、今日の鯵の仕込みは

ここまでにしておきました。



「今夜もお歳暮の発送の準備

お疲れ様~♬

そんじゃ、また明日🐡」 by ふぐとらちゃん




🐡 ふくはうち~大晦日お持ち帰りふぐ料理~ 🐡

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG9273.jpg


12月31日(11時~13時)の

お引渡しで

ふぐ刺、ふぐちり

(野菜他具・謹製ぽん酢・薬味・ひれ付)の

二人前のセット(16,200円)を

ご用意しております。

皆様のご注文

心よりお待ちしております。

臨時休業の休日出勤手当は、三重県産の平宗田(ひらそうだ)

Vol.4220

いらっしゃいませ 

マクロビオティック(玄米菜食)を

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし

天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(11月28日)は


頂き物の平宗田(ひらそうだ)について

お話しします。


「おはよう、親方🐡

市場が休みなのに

このスチロールは?」 

と、ミニふぐちゃん。


「おはよう🐡

じゃ~ん !」 


「初めて見る魚だけど

産直で仕入れたの?」


「いやいや、貰いものだよ。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-9.png

ほら。」 

このヒラソウダ(ひらそうだ)を

送ってくれたのは

三重の魚屋さんで

天然とらふぐをはじめ

色んな魚を仕入れています。


「こんなに沢山!

すげぇ~じゃん。」 


「普段の行いが良い人は

違うんだよね~。」


「あえて言わないけど・・・。(笑)

でも、こんなにどうするの?」

「おかずだよ。

まぁ、今日の休日出勤手当って

感じかな。」

「休日出勤!?

火曜日で休み明けじゃん。」

「そうなんだけど

お歳暮の仕込みや発送の準備で

間に合わないから

臨時休業にしたんだよ。」

「そっかぁ。

それに、昨日も

先週の月曜日も

営業したしね。」


「それもあるけど、ともかく始めるよ。

のんびりしていたら

終わらないからね。」

ということで

先ずはフライヤーの掃除から。

油を捨てるため

温めるので

ついでに

おかず用にフライを揚げました。


フライは、海老、公魚(わかさぎ)

牡蛎(かき)の3種類。


「んまそう~。」

「休憩無しでやらなきゃならないから

先ずは、ハイオク注入ね。」

「いいなぁ~。」


遅朝ごはん兼早お昼を食べ終えたら

※『西京漬』 用の銀鱈(ぎんだら)の

下処理です。


※『西京漬』

佳肴 季凛 謹製 西京漬け




女将兼愛妻(!?)の真由美さんが

鱗(うろこ)を取った後

自分が手直しをし


水洗いししてから

卸しました。 

試し焼きをクリアしたら


切身にし

脱水シートに挟み、冷蔵庫へ。 


その頃、真由美さんは

フライヤーの掃除。


「真由美さん、頑張って~!」



「有難う、頑張るよ♬」



銀鱈の次に

平宗田。


水洗いを終えたら

三枚に卸し

皮目を炙り

柵取りしたら

刺身用に包丁しました。 



こちらが自分達用で

器は

賄い用の特注のものです。 


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG3545.jpg

自分達で食べるには多いので

近所の常連さんにも

おすそ分け。


「親方、この器って

うちの店のじゃないよね?」 

「そうだよ。

ご近所さんだから、器持参。」 

「わぁ~

これなら楽チンだね♬」 


フライヤーの掃除を終えた真由美さんは

廃食用油をリサイクル用に

ボトル詰め。



その後は


『西京漬』用の化粧箱の準備。

「この準備だけでも

たいへんだね。」 


「そうだよ。

猫の手じゃなくて

ふぐのひれでもいいから

借りたいんだけど・・・。(笑)」 


「いやぁ~、その~

・・・・・。」 


『西京漬』用の銀鱈を

真空パックし終えたら

すべき仕込みが終わりました。 



そして、今日のボスキャラの

『西京漬』の箱詰と

発送の準備です。 

その頃には

陽も落ち

予想通りの夕方スタート。


化粧箱を並べ


4種類の『西京漬』に

シールを貼ってもったら


形と大きさを見ながら

箱詰をしました。


袋に入れ


送り状を貼り

発送日を書き

冷凍庫へ。


「これなら

間違いはないよね。」


とりあえず

今日すべき仕事は終わったのですが

明日もてんこ盛りの仕込みが

待っているので

明日も臨時休業にさせてもらうことに。


お断りしてしまったお客様には

この場を借りて

改めて、お詫びさせて頂きます。



「明日もハードだね。

そんじゃ、また🐡」 by ミニふぐちゃん。




★☆★ 大晦日お持ち帰りふぐ料理 『ふくはうち』☆★☆ 

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG9273.jpg

ふぐ刺、ふぐちり

(野菜他具・特製ポン酢・薬味・ひれ付)の

二人前のセット(16,500円)です。

皆様のご注文

心よりお待ちしております。

※お引渡し時間 31日(11時~13時)

南伊豆・綾ト丸(あやとまる)の沖鰆(おきさわら)こと、魳鰆(かますさわら)

Vol.4216

いらっしゃいませ 

マクロビオティック(玄米菜食)を

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし

天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(11月24日)は


沖鰆(おきさわら)こと

魳鰆(かますさわら)について

お話しします。



今朝、沼津魚市場から戻って来ると


ふぐとらちゃんがやって来て

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG3010.jpg


「おはよう、親方🐡

サーモンは分かるけど

こっちの魚は?」

と、訊いてきました。 


「初めて仕入れたんだよ。」

と言うと

//

真由美さ~ん。

初めて仕入れた魚だって

来て来て~!

\\



「二人とも、おはよう♬

うん、初めて見る魚だね。」

と、女将兼愛妻(!?)の

真由美さん。 



「でしょ、でしょ

親方、教えてよ。」



「魳鰆(かますさわら)なんだけど

沖鰆(おきさわら)とも

呼ばれているんだよ。」 

二人して

「へぇ~。」 

ということで

時間を巻き戻す|集え!UVERcrew!

市場時間に

時計の針を戻して

お話しします。


今朝、沼津魚市場の

地物の売場に行くと


南伊豆の綾ト丸の船長自ら

魳鰆(かますさわら)を

検量しているところで

昨日の時点で

持って来ることを聞いていたので

それに合わせて

市場に来たのでした。 


秤にかけられ

目方の札が貼られていき

時間も早かったので

5,0キロのものをGET! 


綾ト丸の魚は

これまでにも

仕入れたことがあり

血抜きだけでなく

神経も抜いてくるので

どの魚も見た目からして

別ものです。


今朝の魳鰆の場合

死後硬直した状態で

持って来ているので

尾が立っていました。


神経抜きの痕👇



血抜きの痕👇 


同じような下処理をしてあるので

赤羽太(あかはた)も

他の漁師の魚とは

別物です。 


綾ト丸は

夫婦二人で操業しているので


仲良し子吉で


仕事をしている姿を見ると


応援しないわけにはいきません。 



二人と知り合ったのは

夏頃で

その後、インスタの投稿や

市場での会話をしていく中で

それこそリアルの現場を

教えてもらっています。

こちらが、船長のインスタで👇



こちらが奥さんのインスタです👇


年下の友達状態ですので

奥さんと言うのも

変な感覚ですが・・・。 

ちなみに、今朝の沖鰆を釣っている動画が

こちらです。



自分が仕入れた魚が

こんな感じで釣り上げられたかと思うと

気分はアゲアゲ ⤴️⤴️⤴️


自分の魳鰆が

今朝の中では

一番小さいサイズで


大きいものだと


15,5キロで
自分の魚の3倍。


これまでにも

魳鰆を見たことは

何度もありますが

10キロ越えも珍しくありません。 


なので

仕入れる機会が

ありませんでした。 


ただ、色んな人が

SNSなどに投稿しているのを

見てただけでなく

綾ト丸の魳鰆を

何度も見ていくうちに

興味を持つようなり

ようやく、その日が

やって来たのです。



「そういうことだったんだぁ~。 」


「沼津だけじゃないけど

魳鰆のことを

沖鰆って言うんだけど

横縞鰆(よこしまさわら)のことも

沖鰆って言うんだよ。」 


「えっ、そうなの?」

「ひれが違いの一つなんだけど

これを覚えておいて

市場で見てみようと思っているんだよ。」 



「へぇ~。

楽しみだね♬」



画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG3057.jpg


頭を落とし

水洗いすると

切り口は

きれいな乳白色。


片身を卸すと

案の定の身。


血抜き、神経抜き by 綾ト丸 だけでなく

自分の卸し方も完璧の為せる業。


残りの片身も

💯 


ついでに

自分の目利きも上手くいき

自画自賛と言われようとも

聞こえないイラスト/無料イラストなら「イラストAC」

聞く耳は持ちません!(笑)



「ねぇ、親方ってば・・・!」



「・・・・・。」 


久々の完璧な仕入れに

酔うばかり・・・。 

中骨の部分は


金串を刺し

血を抜いておきました。

「どうして

こんなことするの?」 


「焼いてから出汁を取るんだけど

残っていると

雑味が出るからだよ。」 


「そこまでするの!?」 


「命ある魚だよ。

しかも、それを獲りに行ってくれる

漁師のことを思えば

粗末には出来ないよ。」 


「そうだよね。

今日のオキサワラだけじゃなく

どんな魚でも

無駄にしないもんね、親方は。」


「マクロビオティック(玄米菜食)の

一物全体の考えなんだけどね。」 


※一物全体

食材を丸ごと使用するという意味



初めての魚ですので


尾の部分を包丁し


皮を引くと

このような感じでした。 


尾の部分なので

筋っぽいものの


味そのものは

予想以上で

脂が薄い本鰆(ほんさわら)と言った感じです。


折角なので

今日の昼ごはんに

クオリティチェックを実行。


魳鰆

胡椒鯛(こしょうだい)


肩星鰯(かたぼしいわし)


目鯵(めあじ)と共に

地魚丼に仕立てました。 

地魚とあるように

すべて、沼津港で水揚げされた魚で

正真正銘の地魚丼です。

肩星鰯と目鯵は

酢で締めてあります。 


「んまそう~😋

親方は、丼でも

真由美さんは

食べ過ぎちゃうから

別盛なんだよね、親方?」

「そうだよ。」 

「やっと、通じたみたい!(笑)」


今日の魳鰆に限らず

興味ある魚は

まだまだあります。 


そういう魚に出会えるのも

漁港が併設されている

沼津魚市場だからこそです。


その恩恵に与(あずか)ることが

出来ることを忘れるわけには

いきません。 



これまでにも

お話ししているように



料理人は

生産者の代弁者として

食材の魅力を伝える義務があり

そのことを忘れることなく

日々の仕事に

臨み続けます。 


「沢山あるってことは

お取り寄せの【炙りひれ】用かなぁ。

そんじゃ、また明日🐡」 by ミニふぐちゃん

時化後、休市日明けの地物の目鯵(メアジ)と肩星鰯(カタボシイワシ)

Vol.4214

いらっしゃいませ 


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(11月22日)は

地物の目鯵と肩星鰯について

お話しします。


今朝、沼津魚市場に着いたのは

普段よりも30分近く早い

4時半前でした。



早めに来たのは

昨日が休市日だっただけでなく

バスツアーの御席の刺身に使う

魚を仕入れるためです。 

というのも


一昨日の月曜日は

時化で魚は少なく


昨日は休市日だったからでした。



構内を物色していると



静岡県由比産の魚の中に


鱸(すずき)があり

ひと安心。 


実を言うと、昨日の時点で

荷主である由比の魚屋に

確認していたので

入荷は想定内でした。 


状態も良かったので、即決。 


今朝の仕入れの第一目標を

クリアしたので

構内を歩いていると


沼津市西浦の冨久丸(ふくほうまる)が

定置網漁で水揚げした魚を

仕分けをしているところで

こちらが冨久丸👇


定置網ですので

水揚げされる魚は種々雑多です。


この中に


目鯵(めあじ)と


肩星鰯(かたぼしいわし)があり


自分好みのサイズを選(よ)ることにしました。 


水揚げ直後ですので

死後硬直をしておらず

身はフニャフニャ。

写真のものは、目鯵です。


鮮度バリバリですので

肩星鰯を触ると

手には鱗(うろこ)ビッシリ。 

それぞれ選ったら

秤にかけると

目鯵は1,6キロで

肩星鰯は1,0キロでした。


自分好みの魚を

思うがままの分量で

仕入れることが出来たのは

それこそ、早起きは三文の得です。


【佳肴 季凛】に戻ると


「おはよう、親方🐡

今日は何を仕入れて来たの?」

と、ミニふぐちゃん。 

「おはよう🐡

ほい、これ。」 


「大きいのは

スズキだね。

沢山あるのは

イワシとアジだね。」

「鱸は合っているけど

鰯と鯵は

半分しか合っていないよ。」 


「えっ!?」


「正確には

目鯵と肩星鰯だよ。」

「そうだった。

前にもブログに出ていたよね。」


「読んでいたくれてたんだね。

でも、マイナーな魚だから

なかなか覚えられないでしょ?」

「うんうん。

沢山あるけど

これから全部、仕込むの?」 

「いやいや、バスが来るから

鱸だけだよ。」

「そうだよねぇ~。」 


鱸の鱗を

女将兼愛妻(!?)の真由美さんに

取ってもらったら

頭を落とし

水洗いし


三枚に卸したら


柵取りしたのち


皮目に包丁を入れたら

バーナーでFIRE🔥


その後

刺身用に包丁したら

すべき仕込みが終わり

料理の盛付けをしました。 


手があれば

魚の仕込みをしたかったのですが

バスが来るので

そうもいきません。 


ともかく

先ずはバスということで


お帰りの際には

皆でお見送り👋🚌👋 



後片付けを

真由美さん達に任せたら


魚の仕込みをすることにしました。


今朝水揚げした魚でしたが

このように

死後硬直していました。 


「こんなにも

朝と昼で違いがあるんだねぇ。」 

と、熱血君。 


「そうなんだけど

殆どの魚って

前の日に水揚げしたものが

並ぶわけだから


今朝の目鯵と肩星鰯の鮮度に比べると

大違いだよ。」 


「うんうん、確かにそうだね。」


「ただ、前日の水揚げが基本だから

今日の目鯵と肩星鰯が

違うってことだからね。」 

「それくらい

僕達でも分かるよ♬」 


目鯵も

肩星鰯も下処理の仕方は

同じです。


鱗を取ったら




画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG2802.jpg

頭を落とします。 


ただ、目鯵の方は

ぜいごを取ります。 
 
ぜいごとは

尾の付根にある

硬いうろこのような部分です。


はらわたを抜いたら


どちらも

氷入りの塩水の中へ。


目鯵も


肩星鰯も水洗いしたら


肩星鰯は

このまま冷蔵庫へ。 


肩星鰯は酢で締めるのですが

明日仕込んだ方が

都合がいいので

このようにしたまでのことです。 


目鯵は揚物用ですので

三枚に卸しておきました。 


その頃には

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG2817.jpg

季凛女子達も片付けを終え

仕込みに参戦。


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG2825.jpg

二人がかりですので

焼いてから

出汁を取るための

中骨と頭の下処理の

まぁ、早いこと! 

肩星鰯の頭は小さいので

そのままごみ箱行きです。


昨日の休市、一昨日の時化と

仕入れに影響しそうな気配でしたが

無事に仕入れを

済ますことが出来ました。

これからの時季

魚の入荷は

風という大敵に

大きく左右されます。


その風の隙間をかいくぐりながら

自分好みの魚を仕入れるために

努力と工夫を怠るわけにはいきません。




「お歳暮の注文が続々だね。

そんじゃ、また🐡」 by 熱血君

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