今年初の外国産は、ニュージーランド産の生の南鮪(ミナミマグロ)
今日、東京・築地から入荷した鮪は、
ニュージーランド産の生の南鮪(ミナミマグロ)でした。ご存じの方も多いかもしれませんが、南鮪は、インドマグロとも呼ばれており、その味わい、市場価格は、本鮪と同格のものです。
例年、ニュージーランドなどの南半球の地域から、良質の生の天然の鮪が入荷するのは、梅雨前ぐらいからですが、今年は、3月半ば前の今日でした。
また、3月に入荷してくる外国産のものは、ギリシャ、スペインなどの地中海産の本鮪が多いのですが、今年は、その前に、ニュージーランドからの入荷でしたし、今年初の外国産でもありました。
天然ものつまり、自然素材というものは、その時々の状況に、左右され、目安こそがあっても、断定は出来ないものなのです。
そんな今日の南鮪は、
ふぐ料理の先付の一品として、お出ししました。ちなみに、今日のふぐ刺は、
卸してからというより、締めてから、4日経っていますが、まだまだのような感じがし、本当の美味しさを味わえるのは、明後日ぐらいだと思います。
はっきりしたことが言えないのは、先ほどお話ししたように、自然素材ゆえのことで、どこまでいっても、本物は、深いものです。
お弁当の準備を少々
今日は、定休日でしたが、
先付の“南京豆腐”を仕込んだ後、
お弁当の御飯のお新香をカップにつめ、焼物のあしらいのはじかみを用意しました。ご覧のように、これらは、【佳肴 季凛】で使っている唯一といっていいほどの既製品です。そんなことについて、以前お話ししたことがあります。
その後、
本鮪の南蛮漬も、カップに盛り付けたら、揚物の豚かつにパン粉をつけ、
お米を研いで、仕込みは終わりました。
これらの仕込みは、昨日でも可能なのですが、出来立ての料理こそが、一番美味しく感じられるので、あえて、今日仕込みました。仕上りまでの時間を、ギリギリまで縮めれば、否が応でも、美味しさは増しますし、料理の生命線は、どこまでいっても、美味しいことに尽きるのです。
若かりし頃、というより、20代の頃、自分が師事した親方に言われたのは、料理人の仕事は、料理を作ることではなくて、美味しい料理を作ることだということでした。自分のように、一人仕事をしていれば、いくらでも、手抜きや楽が出来ますし、全てが自分次第です。
だからといって、本当の意味での料理人の本分だけは失いたくないし、それこそが、自分の立ち位置にして、拠り処なのです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
下関産の“ジャンボちゃん”こと、特大の天然のとらふぐ
昨日、ランチの営業時間が終わると、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、
宅配便の営業所まで、荷物を取りに行ってもらいました。下関から、
送られてきたものです。中を開けると、
天然のとらふぐが、入っていました。目方は、
5,8キロでした。かなり大きいもので、自分は、これぐらいのものを、“ジャンボちゃん”と呼んでいます。
久々の“ジャンボちゃん”ですので、
一緒に、記念撮影しました。否が応でも、萌え燃え・・・❤
その後、まな板に乗せ、
卸すことにしました。頭の部分には、
締めた後があり、出荷前は、
このような状態でした。
卸すと、予想通り、
メスで、このような真子(卵巣)が入っていました。予想通りと書いたのは、4キロ以上の天然のとらふぐは、メスが多いからです。
卸して、水洗いを終えたのが、
こちらです。
これまで何度もお話ししていますが、大きいからと言って、大味と思われるかもしれませんが、その味わいは、天然のとらふぐの繊細さを束ねたようなもので、“ジャンボちゃん”を食したら、天然のとらふぐが、魚を超えるものだと、感じることが出来ます。
ただ、“ジャンボちゃん”の入荷する時季は、春先から梅雨までが多く、ふぐ料理のオフシーズンですが、天然のとらふぐの真の美味しさを味わうなら、“ジャンボちゃん”しかありませんし、一度でも食せば、本物のふぐの虜になることは、確実です。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
今シーズン初入荷の岩牡蠣は、宮崎県産
今朝は、沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。
構内にある貝専門の売場に行くと、
三重県鳥羽産の牡蠣をはじめ、
蜆(しじみ)や、蛤(はまぐり)、
北海道産の北寄(ほっき)貝、
“カラホ”と呼ばれている殻付の帆立や、“ムキホ”と呼ばれる殻を外した帆立が、並んでいました。どちらも、産地は、三陸や北海道です。
これらは、この時季の定番のものですが、その中に、あるものが、
目に留まりました。
御覧のように、宮崎県産の岩牡蠣です。
例年、3月になると、九州などから入荷してくるのですが、今シーズン初めてということもあり、自分好みの良さそうなものを、
選り抜き、この5個を仕入れることにしました。
そんな今夜、お品書きには書きませんでしたが、5個のうちの2個を剥き、
常連のお客様に、
お出ししました。剥いた時点で、大体の様子は分かっていましたが、営業終了後に、
残りの3個を剥きました。“走り”とはいえ、3個とも、
このような感じでした。写真のような乳白色が、濃いほど、味も濃厚になります。
試食したところ、幾分早いような感じはしましたが、岩牡蠣特有の風味と旨味を味わうことが出来ました。自分が市場に行って、良さそうなものがあれば、仕入れてくるつもりですが、恥ずかしくないものとなると、夏が旬の鱧(はも)の入荷が、増えてくる頃になりそうです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
五十肩ノ痛ミニモマケズ
今日の仕込みは、昨日入荷した三重県産のとらふぐ(天然)を、最初に、卸す予定でしたが、ここ最近、右肩の辺りに、痛みを感じていたので、近所の整形外科に行きました。
行く前に、ネットで、“予習”をしていったので、大方の予想はついており、診断結果は、
五十肩で、痛み止めの注射をしてもらっただけでなく、肩周辺を温めるリハビリを受けました。
ふぐの卸し過ぎなのが、原因の一つだとは、自分は思っており、facebookの友達からは、お酒の飲み過ぎだとか、ふぐの崇りだとかのコメントをもらったりしましたが、実際のところは、どうなんでしょう・・・。五十肩と言っても、自分は、まだ44歳なので、この名前に、老いを感じてしまうのは、妙な寂しさがあります。
診察、リハビリの後、
痛み止めのくすりと、
湿布をもらいました。また、これらと一緒に、五十肩の説明と、
症状を改善する体操のやり方が、
書かれたリーフレットをもらい、【佳肴 季凛】に戻り、ランチの営業の準備をしました。
ランチの営業が終わったので、
まな板周りを養生し、
水槽から、3本全て取り出し、
卸すと、2本がオスで、十分に成長した白子が、入っており、五十肩の痛みに、耐えた自分は、こんな詩を詠んでいました。
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
五十肩ノ痛ミニモマケズ
・・・・・
天然ノトラフグヲ愛シ 卸シ続ケル料理人デアリタイ
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今シーズン最終便
今日は、定休日でしたが、
7時前に、宅配便の営業所に行きました。というのも、三重県から、天然のとらふぐが、届くからで、いつも以上に早く、目が覚めてしまったのは、言うまでもありません。
着くと、
荷物の仕分けの真っ最中で、ブクブク付きですので、音を頼りに、
探り当てました。
そのまま受け取り、【佳肴 季凛】に戻り、
中を開けると、3本共無事でした。何度見ても、この姿には、萌え燃え・・・。
そのまま取り出し、
状態を確認したところ、明日まで、十分元気でいてくれそうでしたので、
水槽に入れておきました。
ところで、一昨日の28日が、静岡、愛知、三重の東海三県の天然のとらふぐの延縄漁の最終日でしたので、この3本が、10月からのシーズンの最終便ということになりますが、ふぐ料理は、お彼岸前後までは、ご予約なしも、お召し上がり頂けます。
春が近付き、気分も浮かれがちになるのが、人情なのかもしれませんが、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、春の訪れは、寂しいこと、この上ありません。
とは言っても、天然のとらふぐの入荷がなくなることはなく、梅雨前までは、自分が“ジャンボちゃん”と呼んでいる、4キロ以上の大型のとらふぐが、定置網などにかかって、入荷することもあり、シーズン中の入荷よりも、楽しみではあります。
そして、そんな今日、
庭先の梅と共に、ふぐのひれを写真に、収めました。
走り、盛り、名残りと、季節の移り変わりがあるからこそ、四季の風情を愛でることが出来、それが、日本人の趣であるのは、確かなはずです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
2月に入荷した生の鮪いろいろ
今日から、
3月ですが、今日のお話しは、昨日の続編で、2月に入荷した鮪の数々で、どれも、東京・築地から入荷したものです。
例年、2月は、時化模様となることもあり、生の鮪の入荷は芳しくないのですが、今年は、泣きたくなるような2月でした。
そんな2月、一番最初に入荷したのが、
静岡県南伊豆・妻良産の生の本鮪(天然)でした。定置網漁のもので、普段なら、築地には行かず、自分が普段通う沼津の魚市場で、取り引きされるレベルのものでした。というのは、築地への入荷が、あまりにも少なかったからです。
昨今では、地産池消が、一つのうたい文句のようになっていますが、本当に良いものや高値がつくものは、東京をはじめとする大量消費地に、行ってしまうのが、実状で、地元に残るものは、それなりのものや、鮮度の落ちやすく、生産地で、消費した方が、美味しく食べれるものだけなのです。
さらに、そんな入荷状況に追い打ちをかけて、泣く泣く仕入れたのが、
京都・伊根産の養殖の本鮪でした。それについては、こちらをお読み下さい。
その次に入荷したのが、
高知県産の本鮪で、その週末に入荷したのも、
同じ鮪の“連れ”でした。妻良、伊根とは、比べものにならないもので、天然というよりも、本物の良さにして、有難さを再認識せざるを得ませんでした。
そして、2月の最終日の昨日入荷したのが、
和歌山県那智勝浦産の目鉢鮪(めばちまぐろ)でした。
例年、3月になると、地中海産のものが入荷して来ますすが、今年は、どうなるのか、気が気でありませんが、月が替わって、ツキも変わって欲しいものです。