骨切り済みの鱧(はも)
前回のお話しの続編です。
先日、沼津の魚市場に行くと、
こんな段ボールを見ました。御覧のように、
大分県産のもので、“骨切ハモ”と書かれています。蓋を開け、
上に乗せてあるビニールを取ると、
骨切り済みの鱧が、入っていました。
鱧に限らず、どんな魚でも(一部、例外はありますが・・・)、頭や内臓がついた“そのまま”の状態のものを仕入れ、鱗を取るなどの下処理をしてから、卸すということが、基本ですし、料理の道に転がり込んで以来、それが普通の自分でした。
自分の知らないところで、知らない人が卸した魚を、手にすることは、自分にとっては、耐え難いことなのです。時には、そうせざるを得ない時もありますが、そんな時は、自分としては、断腸の想いですし、極力避けたいのが、本音です。というのも、最初から最後まで、自分のした仕事こそ、愛情が沸くからです。
また、そこまでした料理ならば、お客様に評価されないことがあっても、改良の余地が生まれ、後々、新しい料理となって、喜んで頂けるかもしれません。
自らの想いを食材に託し、美味しい料理に仕立てることこそが、料理人の料理人たる所以と、頑なに信じ、この道を、めげることなく、挫けることなく、そして、決して腐ることなく、明日からも、歩き続けるのみです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
切ハモ
昨日、今日と連続で、
今朝は、沼津の魚市場に仕入れに、行って来ました。
いつものように、一番最初に、生簀のある活魚売場に向かうと、
これまでに見たことがない発泡スチロールが、並んでいました。
見てみると、
“切ハモ”と書かれており、既に、卸した状態の鱧が、
中に入っており、香川県産のものでした。
このような状態になっていれば、卸す手間もなく、仕事もはかどるように思われるかもしれませんが、自分は、余程のことがない限り、このようなものを、仕入れることはしません。
料理人の仕事は、手間をかけることに、大きな意味があるので、ごく一部のものを除いて、先付から、デザートに至るまで、自分は、全て手作りしています。そんな一部の既製品については、こちらをお読み下さい。
手作りすることによって、料理への愛情が生まれますし、それこそが、料理人にとっての生き甲斐です。自分の作ったものであるならば、良きにつけ、悪きにつけ、お客様の評価を、素直に受け入れることが出来、それが、後々の成長の糧になります。
また、どんな店も、商売として、営んでいる以上、利益率、原価率というものを、考えなくてはなりません。“切ハモ”のようなものは、人の仕事が施された以上、手間賃が生じるので、仕入れ値も上がってしまいます。
しかしながら、自分でやれば、コストを抑えられ、その分を、他の食材の仕入れや経費にかけることが出来ます。
昨今、我々のような飲食業界に限らず、コストダウンや効率化を図る傾向を目にしますが、手間暇がかかかる手作りは、遠回りのような気がします。
しかしながら、手作りこそが、ものづくりの本質だと、頑なに信じる自分は、愚直なまでに、手作りし続け、日本料理の伝統を、紡ぐのみです。
ところで、“切ハモ”は、鱧の下拵えで、欠かすことの出来ない骨切りは、されていませんでしたが、先日、骨切り済みの鱧も、同じ売り場で、見ました。骨切り済みの鱧については、次回、お話しします。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
期せずして、鰹
昨日のことです。ランチの営業中に、
宅配便で、荷物が届きました。中には、
鰹が、入っていました。
鰹と言えば、自分が大好きな魚の一つで、それを知っている三重県熊野の魚屋さんからのプレゼントで、全く予想しておらず、まさに、期せずして、鰹と言うべき感じでした。ちなみに、自分の無類なほどの鰹好きについては、以前お話ししたことがあります。
秤に乗せると、
2キロちょうどで、自分にしてみれば、一度で食べきれるくらいの大きさです。お昼のおかずも決まっていなかったので、早速、食べることにしました。そのまま、卸してから、
皮目をバーナーで炙り、
半身を、包丁しました。ちなみに、
卸した時の頭と、中骨などのアラの部分は、
こんがり焼いてから、出汁を取れるようにしておきました。
肝心の身の方ですが、器に、
酢飯にした雑穀御飯(玄米、押麦、黒米、小豆、あわ、ひえ、きび)を、まず盛り付けたら、海苔を乗せ、
包丁した鰹を、ここぞとばかりに、盛り付け、
大葉、万能葱、生姜をあしらい、鰹丼が仕上りました。これが、自分の分で、女将兼愛妻(!?)の真由美さんの分は、鰹3切れと、西京漬に仕込んだサーモンの切り落としでした。
何も、自分が独り占めしたわけではありません。言うまでもなく、自分の鰹好きのことを、真由美さんは、知っており、その食べ方が尋常ならざるのを見て、いつも呆れていますし、普通の人なら、この程度で十分なはずです。
そんなことはさておき、卸し生姜を醤油に入れ、かけたら、
本能の赴くまま、食べるのみです。食べ終わったものの、何となく満足していなかった気がしただけでなく、
盛りきれなかった鰹もあったので、
今度は、鰹の刺身定食として、食べました。これで、どうにかこうにか、頭もお腹も、満足して、休憩時間に入りました。
夜の営業も終わり、お客様のお帰りを待ちながら、
お昼に、食べなかった腹の部分を、包丁し、
厨房で、晩酌をして、一日が終わりました。
そして、あくる日の今日は、最後の一節を、刺身にして、
お昼御飯にしました。
普段、朝食を食べない自分ですので、3連荘(レンチャン)で、鰹を食べたのですが、この際、自分としては、何連荘出来るのか、やってみたいものです。どうせなら、八連荘(パーレンチャン)で、役満が、理想です。
何だか分かりにくい結末でしたが、麻雀を知っている方なら、ご理解頂けるということで・・・。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
4本の鱧(はも)は、大分県産
今日は、定休日でしたが、
明日(7日)は、
沼津の魚市場が、休みでしたので、仕入れに行って来ました。仕入れて来たのは、
西伊豆・仁科産の金目鯛や、
大分県産の鱧をはじめ、御中元の時季ですので、【西京漬】用のサーモンなども、仕入れて来ました。写真にもあるように、鱧は、活きたものと、活〆にされたものを、それぞれ2本ずつの合計4本、仕入れて来ました。
『佳肴 季凛』に戻り、活きた鱧は、
2本共、
水槽に入れました。
この2本は、明日以降の御予約の“落とし”に仕立てる予定のものです。落とし”にするためには、活きているものではなくてはならないからです、
一方、2本の野締めの鱧は、
骨切りはせずに、卸したままの状態で、冷蔵庫にしまっておきました。この2本は、“落とし”以外の料理に仕立てるものです。
当店では、【鱧料理】の御予約やお問い合せを頂いた際に、“落とし”のご希望を、必ず伺うようにしています。先ほど、お話ししたように、“落とし”にするには、活きたものでなくてはならないからです。
今日のように、活きたものを仕入れ、水槽に入れておいても、死んでしまうこともあります。ですので、“落とし”は、100%のお約束が出来ないことを、必ずお伝えするようにしています。
どうしても、“落とし”を召し上がりたい方もいらっしゃいますし、用意出来るところまででも、構わない方もいらっしゃいます。ただ、これからの時季、台風が来て、活きたものであれ、野締めのものであれ、鱧そのものの入荷がないこともあります。
自然相手ゆえのことですので、これらについては、ご理解頂けると、幸いです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
3日連続で、市場へ
先日お話ししたように、今週は、定休日の月曜日に、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。明くる日の火曜日は、行きませんでしたが、
一昨日の水曜日、
昨日の木曜日、そして、
今日と、3日連続で、行って来ました。
一週間に2回、多くて3回というのが、普段のペースですが、7月に入り、御中元用の【西京漬】のご注文が増えただけでなく、【鱧料理】の御予約やお問い合せも頂いたので、3日連続、そして一週間で、4回行ったのでした。
毎週土曜日は、沼津の魚市場は休みですので、明日は、仕入れに行きませんし、日曜日も、御予約の関係で、余程のことがない限り、行きませんが、
今度の火曜日(7日)は、
休みですので、前日の月曜日は、今週同様、定休日ですが、行かなくてはなりません。
当然、仕込みもすることになりますが、どんな状況であれ、出来る限り美味しい料理を作るのが、料理人の本分ですので、自分としては、譲れないのです。間違っても、料理を作るのが、料理人だとは、自分は思っていません。
ただ、自分も、欲深い人間ですので、休みの日に、仕事をしたくないのは、本音です。しかしながら、そんなことより、ひとりでも多くのお客様が満足してくれるような料理を作りたいという想いを実現するために、今の立ち位置を求めたので、実は、他人(ひと)が感じるほどではありません。
何ゆえに、料理の虜になったというより、料理という伏魔殿に入り込んでしまったのかは分かりませんが、料理を作ることが、自らのアイデンティティそのものなのは、確かなはずです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
6月の鮪コレクションは、ONLYニュージーランド産の生の南鮪
今日から、7月です。月末というか、月初めのお決まりとなった“鮪コレクション”が、今日のお話しです。
6月に、鮪を仕入れたのは、2回でした。というのも、以前お話ししたように、5月の最後に仕入れた塩釜産の生の本鮪(天然)が、頗る良く、大きかったので、約2週間ほど使うことが出来たからでした。
さて、6月は、
2回とも、
ニュージーランド産の生の南鮪(天然)で、いつものように、東京・築地から仕入れたものでした。
ところで、今日は、東京のテレビ局から、自分が仕入れたことがあるギリシャ産の本鮪の写真を、番組で使いたいとのお願いがありました。ちなみに、このお話しに掲載されている写真です。
ここ最近の報道で、ギリシャの経済状況が、
危機に陥っているのは、ご存じかもしれませんが、そんなギリシャと日本との関係を調べていくうちに、生の本鮪が、輸入されていることが分かり、意外な分野での繋がりを、取り上げる主旨とのことでした。
ニュージーランドにせよ、ギリシャ産の鮪に限らず、国産よりも、良いものは沢山あるのが、実状です。また、青森県大間が、一番美味しいと思われているようですが、大間は、有名な産地であっても、一番ではありません。
鮪は魚体も大きく、個体差が激しいので、その時季、産地により、味に大きな違いが生まれるからです。
例年、7月も、南半球からの入荷が多いですが、今年は、どうなるでしょうか?また、下旬には、大間や、北海道戸井などの津軽海峡産の本鮪も、入荷してくるかもしれません。いずれにせよ、良質なものが入荷ししてくるのを、期待するのみです。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。