ふぐ刺付きの法事や御祝いの料理
週末は、法事や御祝いの御予約を頂くことが多いのですが、料理内容は、お客様によって様々です。
身内しか集まらないということで、ランチメニューの方もいらっしゃれば、その反対に、身内が集まる機会が、たまにしかないから、
『特別会席』(おひとり 9,500円より)のような方もいらっしゃいます。
そんな御席で、ここ数年、料理内容で御希望が多いのが、ふぐ刺を献立に入れて欲しいという声で、今回のお話しは、ふぐ刺入りの法要料理についてです。
法事や御祝いの御席は、人数もそれなりに集まることが多いので、
小鍋だけでなく、お食事(御飯もの)も、
セットしておきます。
食事は、昆布御飯で、小鍋は、
鰻鍋で、中に入っている笹がき牛蒡(ごぼう)が、蒲焼にした鰻の風味にアクセントを加えてくれます。
お客様が御席に着き、乾杯や献杯をされたら、
先付の南京豆腐(南瓜で作った豆腐)をお出ししたら、
ふぐ刺です。
勿論、天然のとらふぐで、この日のとらふぐは、“ふぐに魅せられし料理人”の自分が、独断と偏見そして、想いを込め、ジャンボちゃんと呼んでいる超特大サイズのもので、
ジャンボちゃんの刺身は、皮目の赤い色が、その特徴です。
ふぐ刺の次が、
お凌ぎのサラダ素麺で、当店のオリジナル料理の一つでもあります。
そして、ふぐ刺とは別に、三種盛りの刺身もお出しし、
内容は、銚子産の生の目鉢鮪(めばちまぐろ)、佐賀産の小肌、湯葉です。
刺身の次が、揚物の海老の彩り揚げと、
鯵の新挽(しんびき)揚げで、法事の御席の時は、
天紙は、緑で縁取られたものを使うことにしています。
揚物の次が、
蒸物の鰯つみれ錦糸蒸しで、
酢の物のずわい蟹の辛子酢掛け、
デザートのココナッツミルクのムースと続き、全10品となります。
これまでに何度もお話ししているように、料理内容は、ご予算、ご要望に応じて、対応させてい頂いておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
複数のお昼の御予約
今日のお昼は、
法事、顔合せ、通常のランチの御予約を頂いており、ひととおりの段取りを終えたら、その盛り付けを始めました。
冷蔵庫にしまっておく都合で、最初に盛り付ける料理は、最後に出すデザートで、料理の順番とは逆に盛り付け、その時の数や状況に応じて、変化することもあり、今日のデザートは、ココナッツミルクのムースでした。
盛り付けたら、
番重(はんじゅう)や、
その蓋に、
御来店時間と人数を貼り、冷蔵庫の前にも、
庫内の置き場所を貼っておくのが、こういう時の常のことです。
ちなみに、+1とあるのは、お子様の人数を意味しています。
御覧のように、御予約の時間がずれていたこともあり、特に追われることもなかったのが幸いでした。
当店は、ランチ、夕席とも、御予約なしで御来店されても、お召し上がり頂けますが、今日のような場合、御席の御用意が出来ないこともございますので、予めお問い合わせを頂くだけでなく、御予約をお勧め致しております。
お手数ですが、くれぐれも宜しくお願いします。
2本のジャンボちゃんのひれ
ひれ酒用にするための天然のとらふぐのひれを干すのが、
この時季の当店の風物詩で、
一際大きいのが、
先週の木曜日に仕入れた三重県熊野産のジャンボちゃんこと、超特大とらふぐのひれです。
そして、今日、
この下に、
貼っておきました。
乾いても、このままにし、次のジャンボちゃんのひれを干すため、“予約席”にしておきます。
廃食用油のポリタンクの回収
今週の月曜日に、地元の小学校に廃食用油を持って行ったのですが、その時のポリタンクを、回収していなかったので、
今朝は、仕込みをする前に、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、回収に行って来ました。
空っぽですので、
5分とかからず、
小学校を後に。
『佳肴 季凛』に戻り、
ポリタンクを下ろしたら、
軽トラの掃除は、
いつものように、
真由美さんに任せ、
自分は、
仕込みを始め、
かくして、一日が始まったのでした。
2020年1月の鮪(まぐろ)コレクション
今朝、川崎北部市場から入荷したのが、
千葉県銚子産の生の目鉢鮪(めばちまぐろ)でした。
この時季にしては、脂の乗り具合もなかなかで、身全体に脂が回るのは、2,3日後ぐらいで、今日使うには、早いような感じのものです。
ところで、今回のお話しは、月1恒例の鮪コレクションの1月版で、1月の仕入先は、今日と同じく、川崎北部市場で、しかも、全て千葉県銚子産のものでした。
昨年あたりから、川崎から仕入れることが増えているのは、仕入れ単価によるものです。
東京・豊洲の方が、質が良いのですが、その分も値段も高く、他の食材とはじめ、ありとあらゆるものの値段が上がったこともあり、如何せん、無理が生じないようにするため、その時の状況に応じて、仕入れるようにしています。
そんな1月のトップバッターは、
生の本鮪で、その次が、
真梶木(まかじき)でした。
真梶木はマグロ類ではないものの、どこの魚市場でもマグロ類と同様に扱われているので、鮪屋の商材ということもあり、鮪に準ずるものとして、鮪コレクションにも入れてありますが、言わばオープン参加のようなものです。
そして、1月最後が、
今日と同じ目鉢鮪で、身の質もなかなかでした。
例年2月は、時化により、マグロ類の水揚げが少なくなることもあり、心配していますが、ピンポイントで、良いものが入荷するのを祈るばかりです。
ジャンボちゃんは三重・熊野、並とらは静岡・舞阪
定休日明けの今朝、三重県熊野産と、
静岡県舞阪産から、
届くことになっていたので、沼津魚市場に仕入れに行って来ました。
熊野産の方は、4キロオーバーの超特大サイズのジャンボちゃんで、舞阪産の方は、普通サイズの並とらで、どちらも、“ふぐに魅せられし料理人”の自分が、独断と偏見にして、天然のとらふぐへの想いを込めて、名付けたものです。
ちなみに、サイズごとに、呼び名があり、0,5キロ以下のものがチビとら、0,6キロ以上2,5キロ未満のものが並とら、2,6キロ以上4キロ未満のものがBIGちゃん、4キロ以上がジャンボちゃんで、あくまでも、自分が名付けた
最初に向かった売場には、
熊野産のものが、
届いており、中を確認すると、
スイスイとなれば、萌え燃え・・・❤
そのまま、車に積んだら、舞阪産のとらふぐが届く売場に行こうとすると、電話が鳴り、
車を停めた場所を伝えると、そこまで持って来てくれ、
自分の車に移したら、薄暗いながらも、無事を確認し、再び萌え燃え・・・❤
基本的に、メインの仕入れは、初っ端にするので、気分揚々のまま、他の仕入れを終え、魚市場から帰ることにし、『佳肴 季凛』に戻ったら、
締めてから、
血抜きのため、
再び海水の中へ。
ちなみに、それぞれの目方ですが、
舞阪の方は、
4,6キロ(4本)で、熊野のそれは、
4,8キロ(1本)です。
どんなに数があっても、魚は、ワイルド感のあるデカい魚にかなうものはなく、ましてや、それが天然のとらふぐとなれば、語るまでもなく、それこそ、
束になっても敵いません。
そして、出汁を引くなど、ひととおりの段取りを終えたら、
卸すことにし、並とら全てメスで、
大トリのジャンボちゃんのお腹の膨らみに期待したものの、
中からは、真子(卵巣)。
ただ、それほど気落ちしなかったのは、ジャンボちゃんの殆どはメスが多いからで、メスが多いのは、オスとメスの成長のスピードに違いがあるからです。
真子は、美食の極みと呼ばれる白子(精巣)とは異なり、猛毒ゆえ、食べると痺れてしまいます。
その後、かまの部分を外す時、
喉の奥に、鉤素(はりす)が見つかり、その先にある釣針に注意しながら、卸すと、
釣針が出て来ました。
全て卸し終えたものの、
ランチの営業時間も近づいていたので、
まな板周りの掃除を、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに任せ、水入り。
そして、ランチの営業の合間を見ながら、
いつもの流れで、
真由美さんが水洗いしたものを、自分が手直しをし、
洗い上げたものを、真由美さんが拭き上げ、
仕込み終了。
ジャンボちゃんと並とらは、大きさで区別がつくものの、ジャンボちゃんの皮目は、
並とらのそれに比べ、
鮮やが特徴で、大きいと大味と思われがちですが、基本的に食材は、大きいものの方が味わいが深く、天然のとらふぐの場合、繊細さを束ねた味で、特に、ふぐちりに仕立てると、天然のとらふぐの美味しさの新境地に遭遇し、その虜になること必至です。
水洗いをし、シンクも汚れたので、
今日2回目のシンクの掃除をし、休み明けの長引いたふぐの仕込みが終わったのでした。
朝一で、廃食用油
定休日の今日は、
朝一で、
【佳肴 季凛】と、
知人の飲食店で出た廃食用油を、
二人の娘達が通った小学校へ、
持って行きました。
廃食用の油はリサイクルされ、様々な用途があり、リサイクルされるものの中でも優等生です。
ちなみに、かつて、油の生まれ変わりとして有名だった石鹸は、今や、その用途は殆どないらしく、油のリサイクルは石鹸と言うと、年齢がばれるというより、昭和生まれがばれるので、口を慎むことをお勧めします。
小学校に着いたら、
登校時に持参された廃食油がありましたが、揚物をする機会というか、人が少ないだけでなく、自ずと、家庭料理が簡単に済まされ、結果的に、家庭料理そのものが、蔑(ないがし)ろにされていると思うと、料理人としては、言葉が出て来ません。
着いたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、
下ろし、
小学校を後にしました。
今の娘達があるのは、この小学校があるからで、お世話どころか、厄介になった方達、場所への感謝を忘れるわけにはいきませんし、長女が在校時代から持って行ったような気がするので、廃食用油を持って行くようになって、10年とまではいかないものの、かなりの時間が経っていると思います。
社会貢献、ボランティアなどと、大それたことを言うつもりはありませんが、自分が出来ることがあるなら、どんな形でも、協力したいものです。
休み前&休み明けの個室
今日は、ランチタイムに、
バスツアーのお客様がお見えになり、お帰りの際には、
いつものように、お見送り。
その後の片付は、お食事同様に忙しなく、
掃除を終えたら、夜の個室の御予約もなかったので、
明後日のランチの御席の準備をし、
夜の営業終了後、
器出しをしました。
休み明けの火曜日も、似たような感じになり、ランチの営業後は、水曜日のバスツアーのお客様の御席の準備をする予定です。
今週2回目の休市日の仕入れ
基本的に、沼津魚市場の休市日は土曜日ですが、今日は、
火曜日同様、今週2回目の休市日の仕入れでした。
魚市場に着いたのは、
6時過ぎで、普段仕入れに来る時よりも、1時間も遅いだけでなく、仕入れも、
予め注文しておいた伊勢海老だけで、
水槽には、
伊勢海老だらけ。
ざっくり計算しても、福沢諭吉に羽が生えた如く、飛んでいく数で、この下には、鮑(あわび)、栄螺(さざえ)があるので、これらを加えると、その数は、凄いものになります。
そして、
注文しておいた250グラムサイズのものを3本用意してもらい、
帰ることにしました。
伊勢海老は、今夜の【特別会席】の焼物に使うもので、前日に仕入れて、水槽で活かしておいて、死んでしまうと使い物にならないので、今朝仕入れに来たのです。
また、休市日とは行っても、豊洲などの中央市場は開市日ですので、
小物を扱う問屋は、
到着した荷物を仕分けしていました。
今朝の伊勢海老は、【特別会席】の焼物の“伊勢海老の具足焼(ぐそくやき)”にするため、
半分に包丁しておいたのですが、今夜は、フリーのふぐ料理の御席があったりと、バタバタでしたので、画像がありません。
冒頭でお話ししたように、沼津魚市場は、土曜日が休市日で、月に2回程度、火曜日が、それにあたることもあります。
これまでに、週に2度ある休市日の両方に行ったことはありませんが、休市日であろうと、開市日であろうと、仕入れが出来るのは有り難い限りで、 大体の問屋の多くは、可能な限り対応してくれ、非常に助かります。
働き改革なるもの、大いに結構。
世の中は、陰で支える方が多くいて、それなくして、成り立ちませんし、複雑怪奇な魑魅魍魎が大手を振ろうとも、己の道を歩くのが、自分の道です。