糠床の手入れ
今日は、定休日ですが、定休日でもやらなくてはならないのが、糠床の手入れです。
これが、『佳肴 季凛』では、
日本酒の酒樽を使っており、蓋を取ると、
このようになっています。
手袋をし、
糠床に手を入れ、
上下を返し、よくかき混ぜます。
そこに、
包丁した大根、胡瓜、人参を、
丁寧に、
漬け込んでいきますが、
細めの胡瓜は、漬ける時間が短いので、
蓋の上に置いておき、仕上がり時間を逆算して、
糠床に漬けました。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、糠床は、毎日かき混ぜなくてはなりませんし、特に、これから夏にかけては、最低でも、一日に2回はかき混ぜなくてはなりません。
美味しい糠漬を作るためには、糠床の手入れが欠かせませんし、これまで色々と試行錯誤を重ねてきましたが、最大のコツは、かき混ぜることです。
糠床は、それこそ生き物ですので、それしかありません。
また、同じ屋根の下でも、場所が違うだけで、味も変わるので、当然、他所様のお宅に“お嫁入り”すると、名字が変わる如く、別物になってしまうこともしばしばです。
糠漬は、脇役中の脇役なのは否定出来ませんが、脇役だからといって、既製品を使うのは、もっての他ですし、どんなに良い素材を使って、色んな料理を仕立てても、お食事(御飯)の時に添えられたお新香が、既製品では、興ざめすること、この上ありません。
実を言うと、当店でお出ししている生の本鮪、
天然のとらふぐ、
そして、鱧で仕立てた料理にはじまり、
様々な料理を褒められるよりも、糠漬を褒められることの方が、自分にとっては、何よりの賛辞なのです。
というのも、当店だけでしか味わえないものであるだけでなく、今現在の糠漬の味になるには、一朝一夕では、不可能だからです。
先程お話ししたように、糠漬などは脇役中の脇役で、極端なことを言えば、あってもなくてもいいものかもしれませんが、脇役あってこその主役であり、主役の輝きには、脇役の力添えなくしては生まれません。
日本料理文化がユネスコの世界文化遺産になっているものの、現在の日本人の食生活は、伝統的な和食とは言い難いものがあり、日本料理の世界に身を置き、それを生業としている以上、先人達が築き上げてきた和食文化を、何としてでも、次の世代に繋げるために、日々の仕事に取り組む次第です。
★☆★ マクロビオティックバージョンのかき揚げコース ☆★☆
当店では、「賄いを食べてみたい!」というSNSでのコメントから、お品書きにないランチメニューとして、
マクロビオティックバージョンのかき揚げコース(おひとり 1,500円)をご用意しております。料理内容などの詳細については、こちらをお読み下さい。
2017.6.12|野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
コメントを残す