西伊豆・仁科産の地魚中心の手巻き寿司
明日のお昼に、団体のバス旅行のお客様が見えるので、今日は定休日でしたが、
沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。
一番最初に向かう活魚売場の手前にある貝類専門の売場で、
小鍋に使う愛知産の浅蜊を、仕入れましたが、活魚売場では、特にめぼしいものも無く、仕入れはしませんでした。
その後、別の売場に行くと、西伊豆・仁科の漁船・塩徳丸が水揚げした活魚が入荷しており、
生簀を見ていくと、
小物(1,3キロ)と書かれた札があり、この中に、
しょうさいふぐ、ひがんふぐをはじめ、様々な魚が入っていました。
こういう類のものは、意外とお値打ち価格なことが多く、今朝も然りで、
生簀から取り出して、
締めてから、
持ち帰ることにしました。
この中で必要なのは、しょうさいふぐとひがんふぐだけですので、他の魚は、“休日出勤手当”として、今日の夕飯の手巻き寿司にすることにしました。
その後、別の売場にある問屋に向かうと、
注文しておいた佐賀産のすっぽんが、
用意されていましたが、夕飯を手巻き寿司にすることになったので、
甘海老(北海道)と、
〆鯖にするごま鯖(千葉)と青柳(北海道)も仕入れ、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻り、
例の小物を取り出すと、このようなラインナップでした。
鯵にはじまり、
2本の伊佐木(いさき呼ばれる)、
ちかめきんとき、
汐子(しょっこ)と呼ばれる勘八(かんぱち)の幼魚、
ほうらいひめじ、
ひがんふぐ、
しょうさいふぐ、
皮はぎ、
鰤(ぶり)の幼魚のわかしと、
全8種類、合計9本でした。
しょうさいふぐとひがんふぐは、卸してから水洗いし、
冷蔵庫にしまうことにし、
残りの7種類の魚を卸したら、
このように並べたのですが、ここまであるとちょっとして鮨屋のねた箱さながらで、左側のバットには、
伊佐木、汐子、ほうらいひめじ、ちかめきんとき、鯵、
右側のバットには、皮はぎ、わかし、青柳、甘海老を並べ、冷蔵庫にしまい、本業の仕込みをすることにしました。
先付のもろこし豆腐を流したら、
サラダ素麺の野菜を包丁し、
その後、
米を研ぎ、
アク止めをするため、皮を剥いた大和芋をみょうばん水につけておきました。
その頃、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、
個室で、明日のバスの団体のお客様の御席の準備をしてくれており、仕込みを終えた自分は、
片付けをし、最後に、
器出しをし、仕込みと明日の準備が終わりました。
夕方になり、
夕飯用の手巻き寿司のねたを盛り付けたのですが、〆鯖、甘海老、青柳意外は、今朝の魚ですので、言うなれば、西伊豆・仁科産の地魚中心の手巻き寿司となります。
ねた箱の時のは、皮がついたままですので、魚の種類は見当がつくと思いますが、皮を引いた状態ですと、一般の方には難しいかもしれませんので、改めて説明します。
この魚が、勘八(かんぱち)の幼魚である汐子(しょっこ)で、
この白身が、
皮はぎです。
その隣が、一番分かりやすいと思われる鯵で、
その手前が、
ほうらいひめじです。
そして、鰤の幼魚のわかし、
伊佐木となり、
地魚の7種類は、このようなものでした。
ところで、この世界に転がった始まりが、東京の鮨屋で、しかもその店は、白身を看板にしており、最低でも5種類、多い時で7~8種類の活締めの白身をお出ししていました。
似たり寄ったりの素材である白身の違いを知ることが基本の一つでしたので、今でも活魚売場に、いの一番に行かないと気が済まなく、三つ子の魂、百までとはよく言ったものです。
また、最初の鮨屋は、交替で築地に仕入れに行っていたこともあり、自分が当番の時は、自らの小遣いで、気になる白身にはじまり、様々な魚介類を仕入れ、休憩時間に仕込み、それを肴に、味の違いを勉強したものです。
ただ、そこまでの優等生ではないだけでなく、その鮨屋が西新宿にあったこともあり、その刺身や握り寿司を手土産に、歌舞伎町に限らず、お気に入りの店に通う口実を作ったこともしばしばでしたし、下心こそとまでは言いませんが(!?)、欲は成長のエネルギーであることは間違いありません。
今でこそ、自分にとっての活魚は、鱧(はも)、天然のとらふぐがメインとなりましたが、魚の中でも、活魚こそが一番の魅力で、そんな思いを改めて感じたのでした。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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