秋近し
自分が普段通う沼津魚市場は、
12日(土)から、昨日の14日(火)まで連休し、
昨日の15日(水)から、開いています。
また、築地をはじめとする全国の中央市場は、
日曜日から、
火曜日まで連休し、昨日から開いています。
そんな状況の中、久し振りに沼津魚市場に行くと、
生簀の中は空っぽで、
売場に並んでいる魚も少なく、
貝類の売場も、開店休業状態でした。
台風が近づいていて、天気が思わしくないわけでもないのに、このような状況になっているのは、暦の関係で、漁師も休んでいたりするからです。
祝日を増やし、三連休を意図的に作るのも、結構かもしれませんが、もう少し流通のことを考えて欲しい限りです。
こんな感じでも、自分の仕入れには、大した影響がなく、
活魚売場に行くと、
予め注文しておいた鱧(徳島産)が2本ありました。
生簀などで死んでしまった落ち鱧と呼ばれるものですので、
お腹の中に残っているエサの臭いが回らないようにするため、その場ではらわたを抜いておきました。
その後、
別の売場に行くと、
北海道・根室産の秋刀魚(さんま)が入荷していました。
2キロ、16本入りと、
小さめのものでしたが、
新物ということで、仕入れることにしました。
そして、今夜の会席料理の刺身でお出ししましたが、
秋刀魚以外は、生の本鮪(塩釜)、蛸(愛知)、帆立(北海道)で、秋刀魚には、
生姜醤油も添えて、お出ししました。
片付けも終わり、神聖なる“お疲れちゃん♪”の時間と相成り、
塩焼にして、クオリティチェックしたところ、脂の乗りは薄く、まずまずでした。
秋刀魚については、この数年、海水温の上昇や、外国船の公海での操業(乱獲に近いものですが・・・)により、不漁が続き、今年はさらなる不漁が予想されています。
かつては、今日のような16入(2キロ)のものを目にすることは殆どなく、12~14入が主流でしたし、初入荷の時季も、早い年では、7月の半ば過ぎということもあったのですが、それほどまでに、秋刀魚の水揚げが少なくなってしまっているのです。
また、10月くらいになると、2キロのようなものはなくなり、8キロとか、4キロのものが主流になるくらいの入荷が普通で、スーパーの特売品の目玉でもありました。
一次産業の現場である魚市場に通う身として、常々思うのは、食糧政策を、大事な国策として、考えて欲しいだけでなく、一次産業に携わる人達が、もう少し“美味しい思い”が出来るようにしてあげないと、立ちゆかなくなるような気がしてなりません。
先程お話しした休みに関連することになりますが、休む人がいる一方で、働くいる人がいるからこそ、バランスが取れるわけで、全てを一律にしてしまうのも、困りものです。
水産資源の枯渇が、久しく言われていますが、その中でも、後世にツケを回さぬために、一介の料理人と言えど、出来る限りの工夫をし、その上で、伝統ある日本料理文化を、次世代に繋げる努力を続けるつもりです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
コメントを残す