二週連続の予定外の天然のとらふぐは、佐賀産
ここで一旦、電話を切り、市場の担当者に連絡を取ると、「どうにもこうにも、買い手がつかなくて、困っているので、何とかして欲しいんですけど・・・。」と、頭を下げられたものの、既に休み気分でしたので、逃げ切ろうとは思ってはいたのですが、断りきれずに、仕入れることになり、市場に向かいました。
結局、先週の月曜日同様、予定外とはいえ、天然のとらふぐの仕入れのために、市場に行くことになりました。市場に着くと、案の定、
駐車場には、仕入れきている魚屋さんなどの車は無く、
色んな問屋さんが集まる売場も、既に片付けも終わり、人もまばらでした。そんな光景を尻目に、市場の構内に入り、生簀行くと、
時間こそ、
先週と一時間半程違うとは言え、同じ様にガラ~ンとしており、
空っぽの生簀を尻目に、
辿り着いた先に、自分の仲買人の札が貼られたとらふぐが、泳いでいました。そのまま、ブクブクをセットした発泡スチロールに、
入れ、【佳肴 季凛】に戻りました。定休日でしたので、そのまま水槽に入れ、卸すのは、明日にしたいのは、やまやまでしたが、市場で状態を確認したように、お腹の部分も、
赤くなっていました。ただ、赤くなってはいても、必ずしも、薄く透き通るようなふぐ刺が、そのようになることはありませんが、良い状態だとは、言い切ることは出来ません。このような状態にあると、
尾びれをはじめとするひれも、擦れていたり、
目も”白内障”を患っているような気配です。このような外的所見が見られる以上、水槽に入れておいても、身が痩せるだけでなく、最悪の場合、上がって(=死んで)しまう可能性も高いので、休日という休息の時間を減っても、一刻でも早く、ふぐを卸すことが、自称“富士市で一番ふぐが一番好きな料理人”の使命であるのは、当然のことです。
締めてから、しばらくすると、2本のうち1本から、
このような白い液体が流れてきました。となると・・・、
お腹から出て来たのは、やはり白子で、そのまま卸し終え、2本目を卸し始めると、
これまた、同じ兆候にして、
然るべき白子が、たわわ・・・。この時季の白子が、大きく成長することは、これまでに何度かお話ししたことがありますが、
内臓の主要器官でもある肝臓の大きさを 、片方の生殖腺だけで、凌ぐことです。他の生物だったら、あり得ないことでしょうし、それほどまでに大きく成長するということは、天然のとらふぐという生き物にとっては、白子は、その個体のもつ生命エネルギーを集約したものでもある言っても、過言ではありません。
ですので、その味わいが、濃厚でありながらも、繊細さが、どこまでも残るのは、白子が、天然のとらふぐという美食の極みということを象徴しているとしか、言い様がありません。
結局、この2本の佐賀産の天然とらふぐの白子は、
このようなものでした。
休み返上というのは、今日に限ったことではなく、日常茶飯のことですが、久し振りに“残り物の福”に与ることが出来たのも、本場の下関では“ふく”と呼ばれるのが、改めて分かったような・・・・・。来週の月曜日は、“三度目の正直”なのか、“二度あることは三度ある”のか・・・・・。
いずれにせよ、福が舞い降りれば、それが一番です。
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