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本鮪や南鮪の単品の原価と売価

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コース料理をメインにしている日本料理店【佳肴 季凛】ですが、お品書きには、
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単品ものも、幾つか御用意しています。また、お品書きには無いものは、このように、
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自分自ら、筆で認(したた)めて、所謂“本日のおすすめ”として、掲げています。
ところで、当店でお出ししている鮪は、今更ですが、
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ブランドと化してしまった“大間の鮪”をはじめとする生の天然もので、殆どが東京・築地から仕入れており、今日入荷したのは、
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ニュージーランド産の生の本鮪(天然)でした。
これらの鮪も、単品でもお召し上がり頂くことも出来るので、
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このように、認めるのですが、ご覧のように、中トロが5,600円で、赤身が4,200円となっております。
また、5月の終わりから、7月にかけて入荷していたニュージーランドやオーストラリア産の生の南鮪(天然)も、
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“大間の鮪”と同じお値段で、
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御用意させて頂きました。
このようなお値段となると、殆どのお客様は、盛り合わせと思われるのですが、単品ものですので、それしかついていませんし、7切れでこのお値段です。中トロは、
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こんな感じで、赤身は、
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こんな感じの盛り付けになります。ちなみに、この写真の鮪は、今日入荷した、ニュージーランド産の本鮪です。
あのようなお値段ですから、中トロで一切れあたり、800円で、赤身は、600円になります。普通に考えれば、高いと思われるかもしれませんが、自分はぼったくっているわけでもなく、“大間の鮪”というブランドに胡坐をかいているわけでもなく、原価に対してのお値段をつけているだけです。
自分が仕入れている値段は、築地の鮪屋さんとの付き合いもあるので、余程の相場の変動がない限り、一年を通じて、値段は殆ど一緒ですが、暮れの暮れともなると、とんでもない値段になることもあり、その時は、こんなお値段になります
自分が仕入れている値段である原価については、お話ししませんが、誰でも目にすることが出来る新聞記事から、その原価と売値については、説明することが出来ます。ちなみに、当店で使っている鮪は、これと同等のものであるので、それをご承知の上で、以降お読みください。
先月の27日付けの新聞を見ると、このような記事が載っていました。
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マグロというのは、本鮪のことを指し、その後ろに、青森とあります。青森は、大間や三厩(みんまや)、竜飛、尻労(しっかり)など、本鮪の有名な産地があります。この記事では、具体的な地名は分かりませんが、恐らく大間だと思います。
この日の高値が、キロ単価で、6,825円となっております。通常、鮪は大型のものになると、エラやはらわたを抜いた状態で流通しますが、頭や尾の部分などは、ついたままです。
刺身にする場合は、頭を落としてから、三枚に卸し、血合いと皮を外します。そうすると、一本の鮪の半分が無くなってしまいます。つまり、目方は半分になっても、魚そのもの値段は変わらないわけですので、単価は倍、つまり13,650円となります。
この状態では、原価である以上、赤身とトロの部分は、全く同じです。ただ、トロという稀少部位である以上、否が応でも、赤身との差は付けざるを得ませんし、トロが取れる脂の乗る鮪自体が、そもそも少ないので、違いが生まれてしまうのです。
先程の単価になった鮪を刺身に包丁すると、一切れあたりの目方は、
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所謂“デカネタ”を除いて、当店を含め、一般的には、15~18グラムくらいです。
それに、先程の単価を掛けると、13,650円×15グラム(=0,015キログラム)=204,75円となり、一切れが、205円という原価が、出て来て、これに消費税がかかると、215円になります。ただ、細かい計算についての誤差は、お見過ごし下さい。
結果として、これをお客様にお出しするとなると、400円から700円ぐらいのお値段で、お出しせざるを得ませんし、赤身とトロの差をつけると、自分がお品書きに認めたようなお値段になるには、ごくごく自然にして、不可避なのです。
ただ、最初にお話ししたように、当店はコース料理をメインにしているので、
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ランチの“凛”(おひとり 2,800円 8品)や、夕席の会席コース“季”(同 3,000円 7品)の刺身でも、召し上がることが出来ます。ご覧のように、三種盛りで、この日は、南鮪(ケープタウン)、帆立(北海道)、小肌(佐賀)でした。
また、この日の夕席の“凛”は、(同 4,200円 10品)の四種盛りで、縞海老が北海道産で、他は、先のものと、全く同じでした。
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旬の『鱧料理』の夜のコース『鱧彩々』の刺身では、
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鱧(和歌山産)、しょうさいふぐ(由比産)をつけた四種盛りに、しました。ただ、入荷状況によっては、必ずしもそうでないこともあります。
それは、単品もののお品書きに載せてある『盛り合せ』(2,800円)についても、
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同様で、入荷状況及び、仕入れ状況によっては、鮪の刺身がつかないこもあります。
単品ものは、ご指名である以上、それに対してお値段を頂かざるを得ません。ただ、自分としては、静岡県富士市のような地方にいながらにして、東京にあるような日本料理店や鮨店でしか召し上がれないような食材の一つでもある生の天然の本鮪などを、味わって、会席料理のの良さを知ってもらいたいのです。

ところで、今回のお話しは、当店に限ったことではなく、原価に対してのお値段のつけ方としては、ごく一般的なことで、生の本鮪や南鮪のように、普段目にすることのない高級な鮪となると、なかなか理解出来ないものです。
そんなこともあり、次回のお話しは、同じ鮪でも、スーパーなどで売られているものについてです。キロ単価こそ、違いますが、同じことであると、知って頂けると思いますので、是非お読みください。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
6月18日(火)から、8月中旬まで、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
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当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
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“本鮪や南鮪の単品の原価と売価” への2件のフィードバック

  1. 石田 武 より:

     こんにちは 志村さん 拝見しました。 いや~、素晴らしきじですね。 こういう記事はBLOGもいいですが、是非ともFBなどにもどんどん掲載して下さい。

     私も魚各種の「歩留まり率一覧表」を探しているのですが、どこかの研究所の物は膨大すぎて資料としては適していません。もし、簡明な物をご存知でしたら教えて下さい。よろしくお願い致します。

  2. 志村 より:

    石田さん 
    FBなどには、リンクを貼ってありますよ。

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