銀鱈の目利き
法事用のお返しの品として、『西京漬』のご注文を頂いたので、今朝は、沼津魚市場で、
サーモン(ノルウェー産)を仕入れたのですが、
このサーモンの目方は、
5,7キロで、入荷してくるサーモンの目方は、5キロ台のものが殆どです。
その後、銀鱈(アラスカ産)を仕入れるため、冷凍ものを扱う売場に行くと、
2ケースの銀鱈が、
並んでいました。
自分は銀鱈をケース単位で仕入れるので、荷主や輸入先の商社については、必ずチェックするようにしているのですが、漁期、ロットによって、身質にはかなりの差があります。
また、銀鱈は冷凍ものですので、解凍するまでは、実際の身質については、分かりませんが、経験と何となくの勘を頼りに、仕入れるようにしています。
その経験の殆どは、この約10年の間に卸し、仕込んだ銀鱈の数に基づくものですが、正確な数は分からないものの、一年間で200本以上、切身にして3000切を越えるので、その数は約10倍です。
その勘を頼りに、
吟味したところ、
こちらの銀鱈よりは、
こちらのものの方が、
鮮度、身質、水揚げ後の下処理などが、良さそうだったので、
こちらを仕入れることにしたのですが、この荷主の銀鱈は、これまでに何度も使っており、良質なものが多く、個人的には好きな荷主というか、ブランドの一つでもあります。
その後、ひととおりの仕入れを終え、【佳肴 季凛】に戻ると、
明日仕込むための銀鱈を3本解凍しておくことにし、残りは、
3本ずつ袋に入れ、冷凍庫にしまっておきました。
ちなみに、自分が仕入れる銀鱈のサイズは、1本あたり2,5キロ弱のもので、1ケースに12本ないし、11本入っています。
10月になったこともあり、夕方まで常温でおいておくと、
解凍出来ていたものの、仕込みをするわけにはいかないので、冷蔵庫にしまっておくことにし、それまでに、
今朝のサーモンは、お手製の西京味噌と共に、真空パックしておきました。
銀鱈の仕入れは、先程お話ししたように、自らの経験に基づく勘が全てですが、勘というと、非科学的で、悪く言えば出鱈目のような感じに思われるかもしれません。
しかしながら、経験に基づいた勘は、科学の領域の及ばぬほどの正確さ、的確さがあり、そこに修練の尊さがあると、思っています。
修練にして、鍛錬。それに基づいた勘を働かせるため、日々の仕事を大事に、修練を積み重ねたいものです。
最後になりましたが、今日の『特別会席』の焼物は、
銀鱈の西京焼でしたが、脂の乗り具合と照り具合を見ると、銀鱈が西京焼に仕立てるために、創造神が作ったとしか思えません。
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