天然のとらふぐ(沼津産)の入荷はあれど・・・
今朝、沼津の魚市場に着き、
いつもと変わらず、先ず最初に、活魚売場の生簀に行くと、
とらふぐ4本としまふぐ1本が、入荷していました。
左側の生簀には、
0,5キロのとらふぐが2本と、0,7キロのしまふぐが1本で、右側の生簀には、
3,7キロと2,4キロの2本が、いました。これらの産地は、
沼津市内の志下(しげ)産のものです。今朝のとらふぐに限らず、この時季のとらふぐは、旋網(まきあみ)漁を行う鯵(あじ)や魳(かます)の網にかかるもので、傷が付くこも多く、今朝も然りでした。
0,5キロの2本が入っているものは、お互いが噛み付きあって、口の部分の皮がむけたり、目の辺りに、傷がありました。
一方、大きいとらふぐの方は、
尻びれや尾びれの部分が、傷ついていました。2本のうちの1本のとらふぐの尻びれは、
噛み切られており、もう1本は、
尾びれと身の部分が、食いちぎられており、
その残骸というか、切れ端が、無残にも、生簀の底にありました。
こんな状態のとらふぐですので、元気に泳いでいるように見えても、身の部分にも、傷がある可能性は、十分にあります。また、網で獲られたものは、加熱するには、さほど問題がないのですが、刺身にすると、身が透き通らなかったり、独特の歯応えを味わえない可能性も十分あるので、どうしても欲しい状況ではなかったので、今朝は、素通りしました。
自称“富士市でふぐが一番好きな料理人”としては、幾分ストレスを感じたものの、気に入らないものを仕入れて、さらにストレスを感じることは、心身共々良くないのですが、そんな憂さを晴らしてくれたのは、
築地から入荷した青森県大間産の本鮪でした。
「大間=一番」と、思われる方も多いのですが、大間でも、良いものと悪いものはありますし、大間や戸井などの津軽海峡で、本鮪が水揚げされるのは、夏場から年明けの限られた時季です。
今朝のとらふぐ同様、素材というものは、時季、産地、状態によって、大きな差が生まれます。その見極めは、非常に難しく、間違っても名前やブランドで、評価されるものではなく、評価するのは、あくまでも召し上がった方でしかありません。
どんなものでも、仕入れる段階では、その良し悪しは、全く分からず、仕入れる時は、己の勘のみです。勘というと、当てずっぽうのように思われるかもしれませんが、日々素材を手にして、料理することで、養われる経験値以外の何物でもなく、その精度を高めるには、良きつけ、悪きにつけ、数多くの素材に触れることですし、日本料理を志した身としては、やはり魚の目利きは、必須課題です。
★★★期間限定 会席料理【秋ごよみ】 ★★★
(全9品 お一人:3,000円)
お陰様で、9月18日をもちまして、当店は六周年を迎えます。そんな感謝の想いを込めた夜の会席コースを御用意致しました。
なお、お召し上がり頂ける期間は、10月5日(日)までとなっております。本物の素材が奏でる逸品の数々を、是非ご堪能下さい。
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