めかじき
”佳肴 季凛”は、会席料理をメインとする日本料理店ですが、単品ものもいくつか取り揃えています。メニューを開くと、こんな感じになっています。
“西京焼”とありますが、“西京焼”と言えば、日本料理店ならではの単品ものの一つです。ここにも書いてあるように、“銀鱈” 、”鰆”を使用しているのですが、たまには、こんな魚も使うこともあります。
そんな今日のやり取りです。
「西京焼ってあるんですが、今日は・・・?」と、お客様。
「“銀鱈”か、“めかじき”ですけど・・・。」
「食べたことないし、“めかじき”で・・・。」
「かしこまりました。」とホールスタッフが近づいてきました。
「親方、“めかじき”を一つお願いします。」
「はい。“めかじき”ね。」
ということで、焼き始めました。
でも、“めかじき”って・・・?ということで、焼きあがるまでに、“めかじき”のお話しを。
大きな塊です。もう少し近くで見てみます。
この塊ですと、7~8キロくらいあります。この魚の名前ですが、“めかじき”です。“めかじき”は、500キロにもなる超大型の魚です。ですから、こんな風に塊で入荷してきます。ですから、自分はその姿を、まだ見たことがありません。
ところで、ご存知かと思いますが、“めかじき”の仲間には、“まかじき”という魚もいます。両者については、こちらを。
この”めかじき”の産地は、宮城県・気仙沼です。
“めかじき”は、冷凍ものも出回っていますが、このように生のものは、やはり風味が違います。冷凍ものは、アメリカなどからの輸入物です。
先程お話ししたように、“西京焼”に限らず、“照焼”にしても美味しく召し上がることが出来ます。
そうこうお話ししていたら、“めかじきの西京焼”が出来上がりました。
こちらのものは単品ものですが、やや小さめに包丁して、時々、ランチメニュー(小会席 季 1,500円)でお出ししたりもしています。
日本料理の焼物には、いろんなものがありますし、自分も変わった焼物を作ったり、見たり、教わったりしてきましたが、その中でも“西京焼”は王道とも言えます。
もっと言えば、“塩焼”、“照焼”、”西京焼”の三つだけが素材を引き立てる焼物だと、ここ最近思うようになりました。
今の日本料理の一つの流れとして、伝統的な仕事を重んじる傾向にあり、素材そのものの味を重視する本来の姿に帰りつつあります。自分もその考えです。
ただ、新しい食材や調理法を上手く採り入れることで、伝統を重んじながらも、今の時代、これからの時代に合う料理を作り続けるよう柔軟でありたいものです。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
美味しそうな西京焼きですね。
残念ながらこれは私の守備範囲外ですのでコメントは控えさせて頂きます。
カジキと言えば「バショウカジキ」がトローリングなどで有名ですが
「めかじき」 「マカジキ」 とは別ものですか?
おばさん様
料理に限らず、昔ながらのものは、面倒な部分も多いものですが、それだけ受け継ぐ価値のあるものだと思っています。
富士のマク様
別物です。“カジキ”には、いくつか種類があります。
日本近海にいるのが、“マカジキ”、”メカジキ”、“バショウカジキ”、“クロカジキ”、“シロカジキ”、“フウライカジキ”です。
これ以外のものでしたら、新種の“カジキ”です。発見したら、持ってきて下さい。なんだったら、卸しますよ。