山くらげ
先日、提携農家の芦沢さんが、こんな野菜を持ってきました。もっとも、自分が注文したのですが・・・。
五月に、芦沢さんの畑に行った時には、まだ大きくなる途中でした。
ところで、この野菜が分る方は、かなりの野菜通ですし、恐らく八百屋さんですら、知らない人が殆どのはずです。
名前は、タイトルにあるように、“山くらげ”です。“山くらげ”というと、乾物のものが、一般に流通しているので、ご存知の方も多いかと思います。こちらが、乾物の“山くらげ”です。
写真の“山くらげ”は、乾燥させる前の生のもので、そのまま食べることができます。
最初に、緑の部分=葉っぱを取ります。この葉っぱは、苦くて食べられません。
また、生の茎を切ると、苦い汁が出てくるので、虫がつかないというのです。ですから、無農薬で作ることが可能なので、芦沢さんのようなお百姓さんには、願ったり叶ったりの野菜とも言えます。
葉っぱを取ると、本山葵のようです。この皮も硬いので、剥かなくてはなりません。
厚いので、このように剥きます。そのままでも、食べることが出来ますが、それでは、芸もないので、お浸しにしました。
お浸しとお話ししましたが、茹でて醤油をかけるのが、お浸しではありません。湯がいてから、味をつけた出汁に漬けて、浸すからお浸しなのです。そのままでは、茹でただけで、お浸しでなく、ボイル○○(例えば、ほうれん草など)なのです。
“山くらげ”の味ですが、殆どクセもなく、歯ごたえを楽しむといった食材です。
ところで、“山くらげ”はレタスの仲間で、もともとは中国原産の野菜です。しかも、昔は王様しか食べることの出来なかったやんごとなき野菜で、“貢菜(こうさい)”とも言われたそうです。
ただ、この“山くらげ”には、大きな欠点があるのです。使える部分が、非常に少ないのです。専門的に言えば、歩留まりが悪いのです。この歩留まりですと、筍なみの歩留まりのはずです。
ですから、買ってまで使う気にはなりません。使った以上、芦沢さんにも、今お話ししたような感想を伝えました。伝えると、芦沢さんも、「また新しい野菜作りますから、待ってて下さい。」とのことでした。
自分で言うのも何ですが、生産者=芦沢さんと、料理人=自分がこのように試行錯誤を繰り返していくことが出来るのも、これからの時代には必要なことだと思っています。
また、我々料理人は、生産者の代弁者でもあるわけですし、そうでなくてはなりません。料理人が料理を作るだけの時代は、終わりました。食材がなければ、料理は出来ません。
当然、食材を粗末に扱うわけにはいきません。ですから、少しでも良い物を求め続けていきます。なぜなら、そういう物を食べることが、身体にとっては何よりも優しいことですし、食べることの目的はそこにあるはずです。
それこそが、マクロビオティックの本質であると、自分は思っています。
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店主 志村
2009.6.25|野菜・果物(フルーツ) |permalink|6件のコメント
山くらげ・・・初めましてです。知っているのは、乾物のみ。
原型なんて考えたことなかった。また一つ賢くなりました。
アーリーレッド(赤玉葱)・・・レッドオニオンと言うのかと思っていました。
私って、知らないことが多すぎ・・・恥ずかしい。
おばさん様
こんばんは。
そんな自分も知ったのは、つい一ヶ月前のことです。
知れば知るほど、「無知の知」を感じます。
こんにちは~♪
山くらげですか・・。
初めて見ました。
きれいな黄緑色ですね~
茹でるともっときれい・・・。
ヨガの先生がマクロビオテックにハマッていて
少しずつ興味を持ち始めた私です(^^)
るう・りんママ様
自分で言うのも、何なんですが、マクロビオティックにはまると、結構厄介なんです。
なので、ほどほどに・・・。
今夜はご馳走様でした。
ふぐのお味の違いはそれなりに分かりました。
ワイフはノンアルコールのビール気に入ったようです。
お料理もグーでした。 中でも蟹しんじょはベリーグーでした。
富士のマク様
こちらこそ、有難うございました。
違いが分らなかったら、御代を倍もらえたのに~。残念(笑)
次回もお待ちしています。