お弁当の揚物の鯵(あじ)&『鰯の丸煮』の真鰯(まいわし)
料理が好きで、料理人になって3分の1世紀。誰が名付けたのか、熱血料理人。
料理に学び、料理を楽しむことへの境地には、未だ届かずも、そんな想いを、3448回目の今日もお話しさせて頂きます。
定休日が月曜日ということもあり、日曜日に沼津魚市場に仕入れに行くことはあ少ないのですが、今週の土曜日にお弁当の御注文を頂いているので、仕入れに行って来ました。
仕入れるべき魚は、揚物に使う鯵で、
売場に行くと、
大分産と、
山口産のものが入荷しており、見比べたのち、
山口産の方を仕入れることにしました。
その後、別棟の売場に行くと、
宮城産の真鰯が入荷しており、
『鰯の丸煮』用に、
2ケース仕入れることにし、
この真鰯の漁場(ぎょば)は、
北海道、青森県沖の太平洋で、木曜日(14日)に仕入れたものと全く同じですので、ハズレを掴む可能性は九分九厘ないどころか、期待を持ちつつ、今朝の仕入れを済まし、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻ったら、出汁を引くなどのルーチンの仕込みを済ましたら、魚の仕込みのスタートで、
先ずは、鯵からです。
鯵は、
鱗を落としたら、
ぜいごと呼ばれる尾の付根の棘(とげ)のような部位を取り除いたら、
頭を落とし、
はらわたを抜いたら、
とりあえずの下拵えが終わりました。
普段なら、焼いてから出汁を取るために、頭を割っておくのですが、真鰯の下拵えが優先ですので、
頭はそのままにしておき、
真鰯の下拵えに取り掛かり、隣では、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
鯵の水洗いを始めてくれ、
終わったら、
真鰯の水洗いをし、
その後に、
両方の頭の水洗いをしてくれ、
鯵と真鰯の仕込みが殆ど終わったようなものです。
まな板周りと、
カウンター内の掃除を済ましても、
ランチの営業時間までには十分な時間があったので、
鯵を卸すことにし、お弁当用ということもあり、
尾の部分を包丁し、
これらは、色んな使い方が出来るのですが、今日は、昼ごはん用にし、
卸し終えた鯵は、とりあえず、冷蔵庫へ。
卸した後の中骨も、
頭同様、
真由美さんが、
下処理をしてくれ、揚物用には大きい鯵は、
先程の手くずと同じく昼ごはん用にするため、
皮を引いたのですが、包丁を使い、
皮を抑えながら、引くと、
銀皮が剥がれることがありません。
手くずと共に、
細かくしたら、もうお分かりだと思いますが、ランチの営業時間が迫りつつあるので、仕込みのお話しはまだ続きます。
皮も捨てる理由はないので、
出汁を取るため、
焼いておき、真鰯の仕込みも最終ステージとなり、
水洗いした真鰯の腹の部分に残っている胆のうの跡を包丁したら、
真由美さんが、
仕上げの水洗いをし、
クッキングシートを敷いた鍋に入れ、
水と酢を入れたら、超々弱火で、火に掛けました。
いつもなら、明日の午後には仕上るのですが、定休日ということもあり、仕込みはしても、早めに終わりたいので、あえて仕上げず、明後日仕上ります。
また、今日の真鰯の脂の乗り具合からして、
仕上がりが楽しみで、皮の隣の白い部分が脂です。
そして、ランチの営業時間の合間を見ながら、
鯵と真鰯のあらを焼いたり、
鯵を真空パックしておきました。
いつもなら、真空パックしたら、そのまま冷凍庫にしまうのですが、魚市場の取引先の問屋の社長が、CAS(キャス)という冷凍設備の使用を、ご厚意で勧めてくれたので、明日、冷凍してもらいます。
使うのは、今度の土曜日ですが、解凍するのが、今から楽しみでなりません。
ちなみに、CASとは、Cell Alive Systemの頭文字を取った略語で、直訳すると、細胞を生きたままにすることが出来る装置、構造という意味です。
簡単に説明するなら、水分子を振動させることで、膨張を防ぎ、表面から中心部まで温度を均一にし、細胞組織を破壊せずに、鮮度を保持出来る冷凍方法で、これまでとらふぐなどでも、試させてもらったのですが、生のものと全く遜色がありませんでした。
そして、ランチの営業が終わったら、
心待ちにしていた昼ごはんで、ご察しの通りの鯵の叩き丼です。
程良く脂も乗っており、こういう身質の鯵を揚げると、フワフワとした食感で、CASで冷凍した鯵を 使うのは、今度の土曜日ですが、解凍するのが、今から楽しみでなりません。
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