ここ最近、真鰯(まいわし)が少ない理由
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀。そして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村が3479回目の今日も認(したた)めますので、お付き合いの程、宜しくお願いします。
今朝は、
『鰯の丸煮』を仕込むため、
沼津魚市場で、
北海道・根室産の真鰯を2ケース仕入れました。
1ケースが20尾入(2キロ)で、
40尾ということになり、普段仕入れる時の半分で、半分になったのは、2ケースしかなかったからです。
同じ荷主のものがあったのですが、
18尾入にして、1尾あたりの単価が嬉しくなく、パスしました。
2尾違うだけでも、かなりの差があり、水産業界の1割というのは、簡単には見過ごすことは出来ません。
これだけしかなかったのは、今シーズン不漁と報じられている秋刀魚(さんま)の水揚げが安定しただけでなく、高値安定ということもあり、漁師が秋刀魚漁にこぞって出漁しているからです。
漁師は、時季や旬だからと言って、漁に出るわけではなく、値が出る魚を獲りに行くのが仕事ですので、仕方がありません。
また、魚市場に通う身として、漁師の側に立って言えるのは、獲れる魚を獲ることを生業としている以上、うわべだけにして、綺麗ごとの資源管理や漁獲制限となると、行政が、いかに一次産業や食料政策をないがしろにしてきたのか、明らかです。
これが、タイトルの『ここ最近、真鰯(まいわし)が少ない理由』ですが、そんなことを言っていると、料理の美味しさが損なわれるので、このあたりにしておきます。
結論はさておき、真鰯の仕入れが普段の半分だったこともあり、仕入れの方針を変え、
『鰯の丸煮』同様、
お歳暮の『西京漬』に仕込むため、サーモン(ノルウェー産)を仕入れことにし、売場に行き、
鮮度を確認し、
5,4キロのものを仕入れることにしました。
ついでに、
仕上った『西京漬』や『鰯の丸煮』を冷凍庫で保管する発泡スチロールをもらうため、軽トラを横付けし、
サーモン共々、
積んでもらい、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻ったら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんにまな板周りを養生してもらい、サーモンの下処理に取り掛かることにし、鱗が細かいサーモンは、
包丁を使うすき引きという方法で、鱗を取り除きます。
その後、頭を落し、水洗いをしたら、
三枚に卸し、
切身にしたら、
冷蔵庫にしまい、サーモンの仕込みは水入り。
そして、真鰯の仕込みを始め、
鱗を取り、
頭を落とし、
腹を包丁し、
腹を抜いたら、
真由美さんが、
水洗いしてくれ、
身が終わったら、
焼いてから、出汁を取るため、
頭を掃除してくれ、普段の半分だったこともあり、真由美さん曰く、「いつもの半分だから、仕事をした気がしないよ。」
真由美さんの言う通りで、慣れとは恐ろしいもので、逆に多いと、その反対になるのは、言うまでもありません。
ランチの営業時間も近づきつつあったので、
掃除の開始です。
この類の投稿をすると、掃除などの雑用は、
真由美さんが全てやっているように思われている方も多いようですが、そのようなことは一切なく、
声を大ではなく、文字を太にして、書きます!
その後、ランチの営業の合間を見ながら、
最終チェックを始め、最終チェックとは、
腹に残った胆のうの跡を包丁することで、苦玉とも呼ばれる胆のうですので、食すと、著しく食味を損ねるので、この仕事を怠るわけにはいきません。
包丁したら、先程同様、
真由美さんが水洗いしたのち、
クッキングシートを敷いた鍋に並べ、
水と酢を鍋に入れ、超々弱火で火にかけ、仕上るのは明日で、
皮目の白い部分が脂で、このような脂の乗りゆえ、思う通りの仕上がりになりそうです。
ランチのラストオーダーの時刻の1時半も過ぎたので、
水入り中のサーモンを、
有機JAS認証済の西京味噌をベースに、自分好みの味にした西京味噌と共に、真空パックし、夜の営業に備え、束の間の休憩を取ったのでした。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、12月2日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
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