石川芋の雲雀(ひばり)和え
前回お話しする予定だった“空豆”を使った料理がこちらです。
“石川芋の雲雀(ひばり)和え”です。“空豆”は、裏漉しして、和え衣として使いました。“空豆”を使った料理のことを、日本料理では“雲雀(ひばり)”と言うのですが、“空豆”の旬が雲雀が鳴く頃だからです。ちなみに、“エンドウ豆”を使った料理には、その旬に因んで、“鶯(うぐいす)”と付けられています。
“石川芋”というのは、
こんな感じの芋で、里芋の一種で、もともとは“石川早生(いしかわわせ)”と呼ばれ、大阪の石川村で栽培されていたことに因んで、名付けられました。
直径3cmと小型で、 ヌメリが多く美味しい里芋です。今では広く全国で栽培されています。“きぬかつぎ”としてよく利用されています。“きぬかつぎ”は、こちらをご覧下さい。
“石川芋”の下拵えは、こんな感じですが、
“石川芋”は、大きいものでも直径3センチほどで、先程の箱には、200個前後入っていました。特に、この日は、一度に全部仕込みましたから、剥くだけでも、一仕事どころか大仕事でした。
さて、もう一つの食材でもある“空豆”の下拵えは、“さや”からむいて、
茹でます。火が通ったら、ザルに上げ、そのまま風を当てて、冷まします。粗熱が取れたら、
皮を剥きます。今度は、これを裏漉します。
裏漉ししたものが、こちらです。
裏漉しした“空豆”の中に、
マスカルポーネチーズを入れます。マスカルポーネチーズは、普通のチーズと違って酸味や甘味も少ないので、コクが欲しい時には、格好の食材でもあります。そこに味加減をみて、塩、砂糖を加え、味を調えます。
これで、和え衣の出来上がりです。この中に、先程の“石川芋”を入れて、和えるのですが、
この時、つけ汁からザルに上げてから、
キッチンペーパーで、余分な水分をふき取ります。こうすることで、和えてから水っぽくなりません。その後で、裏漉しした“空豆”と和えます。
和え物というと、ただ茹でた野菜を、衣で和えるだけだと思われていますが、下味をつけたり等、目に見えない下拵えの集まりの仕事でもあります。
刺身や焼物のように、派手さこそはありませんが、プロの料理人ならではの仕事が、凝縮したような料理でもあります。
丁寧な仕事が施された和え物が、会席料理のコースの先付(さきづけ)として、一番最初に出されると、その後の料理に大きな期待感が持てます。
日本料理のコース料理は、フランス料理など違って、少しずつ小出しにされる料理です。それらが集まって、料理が成り立つのであって、些細なことも手を抜くことは出来ません。
日本料理を志した以上、どこまでもそれを貫き通すのが、不肖・志村の“仕事”なのです。
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店主 志村
2010.6.6|野菜・果物(フルーツ) |permalink|3件のコメント
石川小芋 私は個人的には大好きです。
母が。関西の出身なので・・・・・・・・
それからフランス料理にも日本の会席料理
の様な料理の出し方在るんですよ。
(ムニュ デギュスタシオン)とか
(オードブル デギュスタシオン)です。
30年位前に、新しいフランス料理
の形態として紹介されました。
そら豆の季節ですね。
頂いたものを塩茹でし、つまみに。
裏ごし餡を作り、生クリームでのばし
ケーキに使いました。
沼津魚市場貝問屋 様
また、いろいろ教えて下さい。
あと、例のも・・・。
気になってしょうがないんですけど・・・。
おばさん様
さすが、料理に明るいだけのことありますね!