水槽にいる鱧のつかまえ方
今朝は、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。いつものように、最初に、向かったのは、生簀のある活魚売場でした。
生簀の前に並んでいる発泡スチロールには、
活〆にされた勘八(かんぱち)などが並べられており、その隣には、
前もって注文しておいた鱧の入った発泡スチロールが、置いてあり、箱に書かれているように、淡路島産と、山口産のものが、
それぞれ1本ずつ入っていました。その後、活かしの鱧を仕入れるために、
別の問屋に向かいました。そこの水槽には、
鱧が、うじゃうじゃいました。正確な数は分かりませんが、訊いたところによると、約70本あるとのことで、ちなみに、これらは、全て和歌山産のものです。
鱧の仕入れ先が異なるのは、それぞれの産地、状態が違うので、その日によって、仕入れ先を変えているからです。着くと、
ちょうど、水槽から鱧を取り出しているところで、
この2本を、仕入れることにしました。その後、『佳肴 季凛』に戻り、活きた鱧は、
2本とも水槽に入れました。
活かしの鱧は、
鱧料理の定番でもある“落とし”にするためのもので、その日の予約状況に応じて、水槽から取り出して、卸すのですが、そのつかまえ方には、ちょっとした工夫というか、方法があります。
仕入れてきて、その日のうちに使う時は、
大きなザルに入れておき、そのまま出せるようにするのですが、今日のように、複数いる時や、次の日以降に使う時は、
水槽にそのまま入れておきます。取り出す時は、鱧の状態、つまり活きの良さを見てから、取り出します。その取り出し方は、
小さめのザルを、用意しておきます。そのまま、この2つのザルを、
水槽の中に入れ、頭と尻尾の方から、
ゆっくりと追い詰めていき、ザルに入れるようにします。このようにするのは、鱧は細長い魚ですので、網でつかまえようとしても、スルッと逃げてしまうからです。
それだけでなく、あまりに水槽の中で、追いかけまわしていると、段々と興奮してきて、歯をむき出しにして、向かってくることもあり、非常に危険だからです。仮に、つかまえることが出来ても、暴れているので、〆る時も、かなりの注意が必要です。
つかまえた鱧は、
頭と首の付け根を強く握ります。この辺りには、心臓があるので、動きが鈍くなり、その瞬間、
付け根に包丁を入れ、口の先端を切り落とします。ここまでくれば、そんなに危険ではありません。その後、尻尾付近にも、包丁を入れたら、
神経を抜くために、脊髄に細い針金を入れることで、動かなくなり、卸しやすくなります。その後、腸を抜き取り、
卸してから、
骨切りをして、鱧の下拵えは、終わります。
ところで、沼津の魚市場は、
明日の14日(金)から、16日(日)まで、
3連休となっており、鱧の入荷は、全くありません。ただ、先程お話ししたように、今日、全部で4本仕入れてきたので、ある程度まで、鱧料理の御用意は可能です。詳細については、直接お問い合せ下さい。
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