生の本鮪の血合いの粕漬
先日、築地から入荷した生の本鮪は、
和歌山県那智勝浦産でした。
一番最初にするのが、
血合いを外すことです。
血合いは、お客様にお出しすることはなく、賄い行きとなるのですが、殆どの場合、醤油と日本酒に漬けてから、焼くのですが、冬場は、酒粕が手に入りやすいので、粕漬にしてみました。
大きさにもよりますが、この時は大きかったので、
このように開いてから、
『西京漬』用に仕込んだ西京味噌と酒粕を合わせたものに漬け込みました。
3日ほどで仕上がるのですが、焼く時は、
必ず水洗いするのですが、『西京漬』同様、味がしみ込んでいるので、味が抜けることはありません。
洗ったら、キッチンペーパーで拭き取り、火が通りやすくするためだけでなく、縮まないように、包丁目を入れてから、
串を打ち、焦げないように、火加減を調節しながら、焼いていきます。
火が通ったら、味醂を塗っては焼くという作業を、3回繰り返したら、
焼き上がり、適当な大きさに包丁してから盛り付けるのですが、賄いですので、掻敷(かいしき)も前盛りもありません。
ちなみに、掻敷とは、料理の下に敷く笹や葉蘭などの葉っぱや紙のことで、揚物などの下に敷く天紙も、掻敷と呼びます。
また、前盛りとは、あしらいとも呼ばれ、一般的には、付け合わせのことです。
他のおかずも一緒に並べ、この日の賄いは、
こんな感じになりました。
御飯は、マクロビオティックを基本に据えていることもあり、
雑穀御飯で、入っているのは、玄米、押麦、黒米、小豆、粟(あわ)、稗(ひえ)、黍(きび)です。
汁物は、
清まし仕立ての御椀で、中に入っているのは、玉葱、えのき、人参、青海苔で、小鉢というか箸休めが、
牛蒡と人参のきんぴらとで、香の物は、田舎風の沢庵でしたが、沢庵は頂き物です。
理想的な食事は、一汁三菜(汁物1品、おかず3品)ですが、この日の食事で食べた食材は、約20種類ですので、それに近く、バランスが取れているので、満腹感もさることながら、満足感があります。
自分は、学者や研究者のような専門家でもないので、科学的な専門知識を持ち合わせてはいませんが、料理人である以上、バランス良く美味しく食べてもらうことが一番ですので、それを念頭に置きながら、会席料理の献立も考えています。
賄いは、余りものをはじめ、あるものをその時の気分で作るものですが、商売抜きで作れるのが何よりで、自分にとっては、息抜きでもあり、この時ほど、料理人になって良かったと思うことはありません。
好きでなった料理人である以上、この道を歩き続けられるよう、日々の仕事に取り組み続ける所存です。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
2月は、2月1日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
鯖の煮付は、『鰯の丸煮』の間借りで・・・
昨日仕上がった『鰯の丸煮』は、
40パックで、使った真鰯は、
千葉県産のものでした。
ところで、以前『鰯の丸煮』を仕込む時に、銀鱈の切り落としを、同時に煮付にすることをお話ししましたが、
昨日は、『西京漬』にする鯖を、煮付にして、お昼に食べました。
そんな今日のお話しは、鯖の煮付の作り方ですが、銀鱈同様、タイトルにもあるように、『鰯の丸煮』の仕込みと同時進行ですが、鯖と言えば、味噌煮も定番の料理で、その作り方については、こちらをお読み下さい。
鯖は、冷凍のノルウェー産のものですが、国産のものよりは、脂があり、加熱するには好都合で、解凍したら、
半分に包丁してから、味を浸みやすくするためでなく、縮まないようにするため、
皮目に、切り込みを入れます。
その後、塩を少し入れた熱湯で、
霜降りしたら、
氷水に落とし、
粗熱が取れたら、
バットに上げておきます。
この状態にしておき、
頃合いを見計らい、
鍋に入れ、アクをとりながら、
煮上げ、出来上がりです。
昨日は、お昼におかずとしてでしたが、今夜は、
“お疲れちゃん♪”のお供に、相成りました。
基本的に、種類を問わず、魚は好きなのですが、鯖は、どんな調理法でも美味しく仕立てられることもあり、もっとも好きな魚の一つかもしれません。
2月の終わりに、『鰯の丸煮』のご注文を頂いており、その仕込みをしなくてはならないので、鯖の煮付も一緒にすることになりそうです。
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10日振りの燃し木狩り
薪ストーブ用の燃し木を調達する時は、
仕入れ用の軽トラに、コンテナや段ボールなどを準備をしてから出掛けます。
ここ最近のあまりの寒さゆえ、燃し木を使う量も並々ならないので、今日は、女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、知り合いの建材屋さんに、行って来ましたが、10日振りのことで、その時の様子は、こちらをお読み下さい。
着くと、
荷台から、
コンテナなどを下ろし、
自分は、半端材の入っている箱によじ登りました。
高さが2メートルくらいあり、
そこから、
コンテナを目がけて、
次々に、
放り投げ、
真由美さんが、きれいに並べていきました。
ある程度積んだら、
車を近付け、
荷台に乗った真由美さんに、
手渡しをして、
積み込みが完了し、
帰る準備をしました。
過積載気味ですので、
注意しながら運転し、
【佳肴 季凛】に戻り、
2人で、
卸すことにしたのですが、
夜の営業時間も近づいていたので、軒下にしまうのは、明日にしました。
最後に、
荷台とシートを、
水で流し、今日の燃し木狩りは終わり、
フレッシュな燃し木で、今夜も暖まったのでした。
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大きめのしょうさいふぐ(静岡県焼津産)
今朝は、沼津の魚市場に仕入れに行って来ましたが、
悪天候により、
様々な魚の入荷が少ない売場ばかりでした。
そんな様子でしたが、この売場の生簀には、静岡県焼津産の活魚が入荷しており、生簀を覗くと、
1,7キロと、
1,6キロのしまふぐと、
2本(1,2キロ)のふぐが入荷しており、2本のふぐは、しょうさいふぐでした。
【佳肴 季凛】のふぐ料理でお出ししているふぐは、天然のとらふぐだけですが、会席料理などの刺身、揚物、酢物などでは、とらふぐ以外のものを使うことがあります。
そんなこともあり、お値打ち価格で仕入れることが出来るならと思い、仲買人と作戦を立て、セリに臨んだ結果、
しょうさいふぐの方を、セリ落としてもらうことが出来、その場で締めて、
持ち帰ることにしましたが、ふぐはふぐでも、天然のとらふぐではないので、お決まりの“萌え燃え・・・❤”はありませんので、あしからず。
【佳肴 季凛】に戻り、ひととおりの目途が着いたら、
卸すことにしたのですが、しょうさいふぐは、小型のふぐであるものの、2本のうち、1本が大きかったこともあり、秤にかけてみることにしました。
すると、
850グラムあり、ついでにもう1本を秤にかけたところ、
450グラムでした。
850グラム(0,85キロ)と450グラム(0,45キロ)を合計すると、1300グラムつまり、1,3キロになるのですが、魚市場の札には、1,2キロとあったのは、秤にかける時、水を飲んでいたり、籠の重さなどもあるので、多少なりとも、目方を切るのが、一般的なのです。
卸し終えたしょうさいふぐは、
天然のとらふぐの時と同様、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが水洗いしてくれ、
自分が手直しをし、
拭き上げ、
仕込みが終わりましたが、しょうさいふぐは、皮が有毒ですので、くちばしの部分はありません。
また、今日は無かったものの、白子は無毒ですので、食べることが出来、それを使って、白子豆腐に仕込んだりすることがあります。
そして、2本共、
3枚に卸し、
急な御予約や魚が無い時に備え、冷凍するため、日付を書いた専用の袋に入れ、真空パックしておきました。
ちなみに、あらの部分は、
賄いというか、つまみ用に取っておくことにしました。
しょうさいふぐは、大きくても500グラムくらいですので、800グラムというと、かなり大きめということになり、1キロを越えるものはなかなかないはずで、機会があれば、そのサイズのものを見てみたいものです。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 【鰯の丸煮】 ★★★
当店では、お中元、お歳暮、手土産などの贈り物や、お取り寄せに最適な【鰯の丸煮】をご用意いたしております。
5パック(10本)入 2,250円 ※クール便にて発送可
“大羽(おおば)”と呼ばれる大きめの真鰯を使用し、店主の“熱き想い”と共に、煮詰めた逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
延着で届いた生の本鮪(和歌山県・那智勝浦産)
今朝は、仕込みの前に、
宅配便の営業所に行き、
東京・築地から届くことになっていた鮪を、
受け取って来ました。
全国的に今日は、
1月24日で、予定では、
昨日(23日)に届くことになっていたので、延着でした。
延着の理由は、月曜日の午後から降った雪によるもので、延着の可能性を覚悟した上で、月曜日に発注したのですが、昨日の朝、それが分かると、かなり焦りました。
サービスセンターに問い合わせすると、昨日の時点で、荷物は発送されておらす、最悪の場合、明日の到着の可能性もあるということが分かり、昨日は、仕事の合間を見ては、ネットで高速道路の通行状況を確認し、気が気でない一日でした。
そして、今朝、ネットで確認すると、いつも通り夜中に中継店を通過したことが分かったので、営業所に行った次第です。
クール便とは言っても、袋の氷が溶け、何らかのショックで水没してしまい、使い物にならなくなってしまうことが、一番の心配でしたが、
殆ど溶けておらず、
予定通り、
和歌山県那智勝浦産の生の本鮪が、お目見えしました。
この時季の太平洋産の本鮪ですので、脂の乗りは薄く、
大とろの取れる腹の真ん中より下の部分ですが、本鮪の味を象徴するような魚で、鮪屋の社長曰く、「季凛さん好みのど真ん中!」で、杞憂に終わった延着による最悪の状況を、雲散霧消にしてくれ、不幸中の幸いそのものでした。
本鮪に限らず、脂が乗っている魚もあれば、そうでないのが、天然素材で、それは、時季もさることながら、個体差によるものです。
水産資源が枯渇しつつ昨今、良質なものを求めるのは、容易ではなくなりましたが、そういう状況でありながらにして、今日のような延着というアクシデントに遭遇しても、良いものが良いままで入荷してくれたことに感謝して、
クオリティ・チェックを兼ねて、那智勝浦産の本鮪で、今宵というより、この3日間の心労をねぎらい、“お疲れちゃん♪”
午前中着の荷物が、午後着ということは、鮪に限らず、何度か経験があるのですが、今日のように、翌々日というのは、初めてのことで、どんな形でも、避けたいものです。
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フグの肝の販売の報道
先週のはじめ、ふぐの肝(肝臓)が、愛知県のスーパーで販売された報道がありましたが、その週の木曜日(18日)の『朝日新聞』に、
そのことについて、
報じられていました。
販売されていたふぐは、
よりとふぐというふぐで、
販売されていたパックの写真と、
記事が載っていました。
この記事の前に、自分はテレビのニュースで見たのですが、誤解を招くようなことが報道されていたことに、困惑した次第です。
まず、ふぐという取り上げられ方です。ふぐには、とらふぐをはじめ、様々な種類がいて、日本近海に生息しているものが、約50種類で、そのうち、食用可能とされているのが、約20種類です。
その時、何ふぐなのかを、一切報道していないことは、大問題なのです。というのも、ふぐは種類によって、有毒部位が異なるからです。
ちなみに、とらふぐのように、身(筋肉)、白子(精巣)、皮(ひれを含む)を食べられるふぐは、少ない種類です。
また、肝は、無毒でも、販売が禁止されているということになっており、よりとふぐは、肝をはじめとする内臓や、身(筋肉)が無毒のふぐとなっていました。
しかしながら、何年か前の調査、研究で、肝臓が有毒だった個体が見つかり、それ以降、肝の販売については、規制されるようになったのです。
よりとふぐは、自分が通う沼津魚市場で、トロール漁で水揚げされるので、何度も見たことがありますが、セリの開始時間も遅いだけでなく、味もそれほどでもないことは耳にしていたので、一度も仕入れたことはありません。
ふぐは種類によって、味は異なり、当然仕入れ値に、差があり、一番美味しいのは、とらふぐですが、とらふぐには、天然と養殖があり、その違いも明らかです。
これまでに、しょうさいふぐ、まふぐ、しまふぐ、ひがんふぐ、さばふぐ、こもんふぐなどのふぐを使ったことがありますが、それぞれに特徴があります。
ふぐに限ったことではなく、それぞれの魚には、色んな種類のものがあり、その違いを知るだけでなく、伝えることも必要だと思っており、魚市場に通うことで、色んな知識を得ることが出来ます。
また、SNSなどの普及により、様々な方達と知り合いになって、その方達の知識の深さに驚かされることもあり、ここでは書けないようなことも、教えてもらったことがあります。
ふぐに限らず、どんな食材についても、知識を深め、実際の料理に生かせるよう、日々の努力を怠ることなく、仕事をしたいものです。
鰆(さわら)の『西京漬』の発送
先日(18日)、【3本全て白子入りの天然のとらふぐ(三重県産)】の中で、鰆(福岡県産)のことに触れ、明くる日にお話しする予定でしたが、今日まで延び延びになってしまいました。
ということで、その鰆についてです。ここに山積みされている鰆の中から、
西京漬に仕込むため、自分が選り抜いたのは、
5,0キロのものでした。
鮮度を確認するため、
えらを確認すると、鮮やかな赤い色をしていました。
鮮度も良いこともあり、
包丁にぬめりが、つくほどでした。
頭を落とすと、
脂が乗っていることもあり、乳白色の身が現れ、一安心しましたが、魚偏に春と書くのですが、寒鰆という言葉もあるように、それこそ今が、旬なのです。
水洗いしてから、三枚に卸したのですが、
鰆は、魚の中でも、最も身割れしやすい魚の一つですが、身割れしていなかっただけでなく、身割れさせずに卸せ、再び一安心。
これまでに、何度かお話ししていますが、鰆は、焼物にする魚の中で、一番のお気に入りの魚で、西京焼に仕立てた鰆に勝るものは無いと思っており、当店の『西京漬』のページにも、登場しています。
そんなこともあり、かなり前ですが、【嗚呼、鰆(サワラ)】というお話しをしたこともあるくらいです。
そして、切身にしたのですが、
この日は、
1枚ずつ真空パックしました。
というのも、ギフト用の『西京漬』も発送するついでに、
お客様がご自宅でお召し上がりになるからでした。
ギフト用の方は、包装してから、
袋に入れ、クッションの新聞紙を詰め、
その上に、
鰆を入れ、
封をし、
20日の午前中着で、発送する準備をしました。
普段なら、仕上がるまで、冷蔵庫で3日かかるのですが、今回は、到着したら、ご自宅の冷蔵庫で3日おいてから、冷凍する旨を伝えておき、このような発送の形態となった次第です。
また、当店の『西京漬』は、銀鱈、サーモン、鯖の3種類が基本ですが、ご要望があれば、今回の鰆のように、お好みの魚でも仕込むことが可能な場合もございますので、詳細については、お手数ですが、直接お問い合わせください。
そして、この日は、
鰆の手くずを肴に、“お疲れちゃん♪”と相成り、生の鰆の美味しさを再確認。
さらに、定休日の今日は、この鰆の切り落としの西京焼をおかずというか、つまみにしたのですが、
やっぱり鰆は、西京焼に限ると思ったのでした。
先週と今週の本鮪(銚子産)は、連れ同士
今朝は、
5時半過ぎのスタートでした。
先ずは、法事用のお弁当用の玉子焼に取り掛かることにしたのですが、
2個目の卵を割ったら、“双子ちゃん”で、何となくラッキーな気分。
法事用のお弁当は、会食というより、お客様がお寺にお持ちになるものが、
数も少ないのが、殆どで、
今朝も然りでした。
お弁当を仕上げたら、
法事だけでなく、“昼ふぐ”のお客様のデザートから、盛り付けを始めました。
全ての料理を盛り付けた後、
刺身を盛り付けたのですが、
今日の鮪は、
千葉県銚子産の生の本鮪で、
一昨日の金曜日に、東京・築地から入荷したものでした。
先程の赤身は、
法事のお客様用で、中とろは、
“昼ふぐ”のお客様用でしたが、山葵がついていないのは、お出しする直前のに、すり卸したての本山葵を添えるからです。
ちなみに、
今日の“昼ふぐ”のふぐは、
テーブル席でのご用意でした。
前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題の銚子産の本鮪です。
金曜日に入荷した本鮪は、実は、先週に入荷したものの“連れ”で、
“連れ”とは、同じ魚の別の部位です。
先週は、腹の真ん中より下の部分で、今回は、背の真ん中より下の部分でしたが、先週のものは、
尾に近い部分ということもあり、シミが入っていましたが、シミは、打ち傷で皮下が充血してしまったことに原因があります。
ただ、身の質はかなり良かったので、身持ちが良いことは、かなり期待出来、二週間連続で入荷しても、変色していないのは、2枚の写真を御覧になれば、お分かり頂けると思います。
とは言っても、二週連続で、同じ本鮪が入荷するとなると、信頼を置いている築地の鮪屋の社長とは言っても、不安になるのは、否定出来ませんし、その時のやり取り(木曜日)は、次のようなものでした。
自分 「おはようございます。(今回の鮪は、)どう?赤身の手持ちがあるので、土曜日着(金曜日発送)でも、構わないんだけど・・・。」
社長 「おはようございます。魚(=鮪)は、あるんだけど、先週の“連れ”になるんですけど・・・。」
自分 「え゛っ!?他のは、ないの?」
社長 「あるんですけど、定置(網で水揚げされた本鮪)しか、手持ちがないから、季凛さんには、勧められないですし・・・。前回のを使っているから、間違いないのは、分かるとは思いますけど・・・。」
自分 「じゃあ、それで頼みますよ。」
社長 「有難うございます。あとで、メール(で、目方と送り状の伝票番号)を、送っておきます。」
というやり取りでした。
鮪屋が、銚子産の後に、他の鮪を仕入れているのにも関わらず、新しいものの方を売っていたのは、銚子産の方が持ちが良かったからです。
また、取引先の日本料理店、鮨屋などの中には、入荷状況によって、鮪を使い分ける店もあり、場合によっては、冷凍を使うこともあり、それぞれの使い方があるのは、当然のことですが、当店の場合、余程のことがない限り、本鮪に限らず、鮪は生の天然ものを使うことにしています。
さて、二週間も色の変わらない銚子産の生の本鮪ですが、
一番色が変わりやすい皮目の中でも、ひれに近い部分も、何ら変色しておらず、
血合いを外しても、然りでした。
今回は、部位も違うこともあり、
シミもありませんでした。
外した血合いは、
血合い下と呼ばれる筋の強い部分は、
お弁当用の生の本鮪の南蛮漬用に包丁し、
血合いの部分は、写真左側の筋と骨を外し、
観音開きにして、
粕漬にし、皮と筋の骨の部分は、
出汁を取るため、焼いておきましたが、粕漬は、おかずというより、つまみ用です。(笑)
肝心の身ですが、
赤身と中とろに、切り分けたのですが、前回仕入れた赤身も、
左と真ん中の柵で、何ら変色していないのが、お分かり頂けると思います。
切り分けた赤身と、
中とろは、
専用のキッチンペーパーに包み、
弱めに真空パックし、
氷詰めしておきました。
もし使わずにいたら、赤身は、来週半ばまで、色は変わらないはずですし、中とろは、今週いっぱいまで、持ちそうな感じです。
本鮪というと、青森県の大間、三厩(みんまや)、竜飛、北海道の戸井など、津軽海峡産の方が、有名ですが、これまでに何度もお話ししているように、産地はあくまでも目安に過ぎません。
巨人は球界の盟主かもしれませんが、つねに優勝するとは限らないことと、全く同じことです。
また、銚子に限らず、宮城県塩釜、気仙沼などは、東日本でも有数の漁港の一つで、本鮪以外の魚にも、良質なものが多いだけでなく、個人的には、津軽海峡産のものよりは、好きな産地です。
一方、西日本なら、和歌山県那智勝浦が、水揚げ量も全国一ということもあり、良質な本鮪を何度も仕入れていることもあり、好きというより、定番の産地でもあります。
ただ、魚は、産地よりも、個体差が全てで、魚体が大きい本鮪については、個体差が全てだと言っても、過言ではありません。
例年、この時季は天候不順により、生の鮪の入荷に気を揉むことが多いのですが、少ない入荷ながらも、その隙間を縫って、鮪屋の社長が良質な本鮪をセリ落としてもらうことを、期待するばかりです。
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ハードな週末
今日は、朝からバタバタの一日で、
明日の器出しを終え、
厨房で、“お疲れちゃん♪”
時刻は、
11時を過ぎており、魚市場には行かないものの、
5時過ぎに、アラームをセットしておきましたが、ちなみに、魚市場に行く時は、4時過ぎに起きます。
日付変更線を跨ぐと、明日の仕事に差し障るので、この辺りで、お暇させてもらいます。
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急遽、水道の修繕
明日、明後日の御予約の仕込みが沢山あったので、
今日は、ランチの営業を、
お休みさせて頂きました。
仕込みを始めて、しばらくすると、
洗い場の水道から、音がして、水が吹き出しており、万事休す。
急いで、業者さんに電話をし、
修繕を頼んだのですが、
部品もなかったので、すぐには直りませんでした。
程なくすると、部品担当の方が見えて、
無事に直り、
仕込みを再開したのですが、約1時間の間、全くもって水道は使えないので、油を売るだけでした。
そんな今日の仕込みは、
揚物の粉打ちや、
先付の南京豆腐(南瓜で作った豆腐)などで、デザートのココナッツミルクのムースは、
普段の2倍分を、仕込みました。
これら以外にも、仕込みがあり、飲食店にとっては、水の必要性というか、有り難さを感じ、唯一の救いが、魚の仕込みが無かったのと、ランチの営業をお休みさせて頂いたことでした。
そして、迅速に対応してくれた業者さんに、この場を借りて、お礼を申し上げさせて頂きます。
昨日お話ししでは、鰆についてお話しする予定でしたが、急遽水道の修繕があったので、予定を変更させて頂き、鰆については、改めて後日お話しします。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 【鰯の丸煮】 ★★★
当店では、お中元、お歳暮、手土産などの贈り物や、お取り寄せに最適な【鰯の丸煮】をご用意いたしております。
5パック(10本)入 2,250円 ※クール便にて発送可
“大羽(おおば)”と呼ばれる大きめの真鰯を使用し、店主の“熱き想い”と共に、煮詰めた逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。