万事休す、冷凍庫
夏休み2日目の朝は、アクシデントが、発生してしまいました。冷凍庫の異常が、確認されたのです。すぐに、専門の業者が来てくれたものの、どうにもこうにもならず、故障となってしまいました。
・・・・・、万事休す。
先週の時点で、不具合があったものの、部品交換しさえすれば、問題ないと言われていた矢先でしたので、奈落の底に突き落とされた気分でした。
そうは言っても、営業日でなかっただけでなく、昨日まで休みだった市場が、今日から開いていたのも、不幸中の幸いでもありました。
その時点で、市場の問屋に連絡を取り、冷凍庫の食材を保管してもらうことにし、その準備に追われ、急いで向かうことにしました。
着くと、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、
荷物を下ろしました。
卸し終えると、
崩れないように、大きなラップで、ぐるぐると、
巻いてもらい、
固定されました。ちなみに、
荷物は、この2つの山で、市場用語で2パレットと呼んでいます。
そして、荷物は、
リフトに積まれ、
冷凍庫に、
入っていきました。
中は、
マイナス30度で、様々なものが、保管されていました。
とりあえず、これで一段落し、お腹も空いてきたので、食事を取るため、市場周辺に向かうと、
駐車場は、どこそこ一杯でしたが、馴染みの問屋の駐車場に、
停めさせてもらうことが、
出来ました。
そんな状況ですので、市場近辺は、
お祭り状態で、
早朝の市場しか知らない自分にとっては、まさに別世界ゆえ、どこそこへ行っても、行列でしたので、いき付けの喫茶店で、
コーラフロートで、喉を潤したものの、空腹感は満たされず、
取り引き先の練り物屋さんの『やいづ屋商会』の出店に向かい、
色々チョイスして、
お昼もどきにしました。
朝からのバタバタで、飲まず食わずに近い自分は、
これまた、ビールもどきで、喉を潤しましたが、やはり、もどきはもどきで・・・。
普段なら、本物の泡にするのですが、仕入れ用の車は、マニュアル車ですので、慣れない真由美さんには無理なので、冷凍庫の故障同様、泣く泣く・・・・。(涙)
一人仕事をしていると、全てが、自己責任です。事無く、日々の仕事が出来れば、良いのですが、天気同様、雨が降ったり、風が吹くこともあります。
そんな時、今日のように、泣きたくなることもありますが、最近では、自ら、人生三種の神器と呼ぶ努力、忍耐、工夫を、思い浮かべると、何故か、不敵に笑う自分を、感じます。
不惑を超えて、図太くなったのか、鈍感になったか、丸くなったのか、それとも・・・・・。でも、そんな自分にしてくれたのは、お客様だと思います。
そして、自分以上に、泰然自若としている真由美さんの仕草に、男たるもののあり方を、教えられつつある今日この頃です。
今日から、夏休み
今日(15日)から、18日(木)まで、
お休みさせて頂くので、入口のメニュースタンドに、その旨を書いた紙を、貼っておきました。
最後の日は、仕込みをするので、完全なお休みは、3日間ですが、“休日出勤”が、日常茶飯事の自分としては、長いくらいです。 仕込みをしないと、お話ししたものの、今日は、
買い出しに行って来ました。 賄い用のカレーのルーをはじめ、
酢などの調味料や、
片栗粉などを、
買って来ました。
酒屋では、店用のウイスキーだけでなく、
自分用の“馬力”も、調達して来ました。これが無いと、休みの意味がありませんから・・・。(笑)
仕込みをしないとは言ったものの、
買ってきた調味料で、
ポン酢を、仕込みました。
柑橘のゆこうと橙が、
生のものですので、このまま冷蔵庫にしまっておかなければならず、休み中で、冷蔵庫が空いている時の仕込みとしては、好都合なので、今日仕込んだのです。
ゆこうと橙を、
合わせたら
冷蔵庫にしまっておきました。
仕込みとは言っても、包丁を使わないので、ポン酢ぐらいですと、仕込みとは言えません。ちなみに、ポン酢の作り方は、こちらをご覧下さい。
そして、夏休み初日の夕飯は、
“おうちで焼肉”となりました。
こうして、夏休みは始まったのですが、あっという間に終わってしまうのは、間違いないでしょう。(笑)
グレードアップした『特別会席』
当店のお品書きを開き、
コース料理のページにあるのが、
『特別会席』というコースで、その料理内容については、以前お話ししたことがあり、8,500円よりとなっているように、料理内容によって、お値段は、様々です。
そんな『特別会席』ですが、今夜お出ししたものは、かなりのグレードアップした料理でした。先付は、
天然のとらふぐの白子で作った“白子豆腐”でした。これは、ランチや通常の会席料理などでもお出ししているので、グレードアップしたうちには、入りません。
この次にお出ししたのが、焼物の第一弾で、
“和牛リブロースのたまり焼”で、手前にあるのは、粗目に卸した本山葵です。
実は、初めてお客様にお出しする料理で、焼く前は、
このようにサシが入った霜降りでした。和牛は、静岡産のものです。
まだまだ、コースは始まったばかりで、次にお出ししたのが、
刺身の第一弾の“ふぐ刺”で、今日のふぐは、静岡県沼津産の天然のとらふぐで、先日仕入れたものでした。
そして、その次は、
揚物の“鮑の天ぷら”で、一緒に、
肝醤油を添えてあります。
【鮑の天ぷら】は、これまでにもお出ししたことがあり、その作り方についても書いたことがありますが、自分は、“King of 天ぷら”と呼んでいるもので、ともかく美味しいの一言に尽きます。
さらに、コースは続き、
刺身の第二弾として、“生の南鮪”を、お出ししました。ご覧のように、赤身と中とろを2切れずつ、盛り付けてあり、
今日のは、ニュージーランド産のものでした。
これで、ようやくコースも折り返し地点となり、
“すっぽん鍋”を、お出ししました。すっぽんを味わうには、やはり鍋しかありません。その出汁は、他の食材にはないもので、旨味の宝庫そのものです。
通常なら、最後でお出しする食事(ご飯もの)ですが、お腹が空いているというような感じで、コースが進んでいたので、
食事の“秋刀魚御飯”を、お出ししました。もちろん、新秋刀魚で作ったもので、このように、作ります。
土鍋で炊き、仕上がったものをお客様にお出ししたのですが、一度、厨房に下げてから、
混ぜ合わせたら、お新香と茶碗をお出しし、
お客様に取り分けてもらい、召し上がって頂きました。
“秋刀魚御飯”の後にお出ししたのが、
“銀鱈の西京焼”で、焼物の第二弾で、“秋刀魚御飯”は、薄目の味付けにしてあるので、どちらの美味しさを消すことなく、召し上がって頂けました。
そして、デザートの前に、
酢の物の“帆立の辛子酢掛け”を、お出ししました。この料理は、最初の“白子豆腐”同様、グレードアップしたものではありませんが、口直し的な料理として、欠かすことが出来ません。
ようやく、コースの〆となり、デザートは、
“桃のアイス”をお出しし、全10品のコースは、終わりました。
ここまでグレードアップすると、お客様になりたい気分が本音で、作っている時も、かなりの楽しさがあっただけでなく、お客様のご感想が気になりました。
やはり、高評価を頂いたのは、“鮑の天ぷら”と“和牛リブロースのたまり焼”でした。特に、“和牛リブロースのたまり焼”は、グレードアップした『特別会席』の一品として、今後、欠かせないものとなりました。
どんなに、自分の頭の中で考えても、新しい料理が浮かぶのには、限度があり、そのヒントを与えてくれるのは、お客様であることもあります。
お客様に育てられるというか、鍛えられるというのは、料理人としては、有難い限りで、不断の努力を怠ることなく、厨房に立つことの重要性を、改めて感じましたし、そういう姿勢を大事にしながら、これからも、鍋と包丁を携え続けていきます。
ふぐ刺入りの刺身の五種盛り
夕べのお客様にお出しした刺身は、
このようなものでした。
盛り付けてあるのは、
生の南鮪(ニュージーランド)の中とろと赤身、帆立(北海道)、新子(佐賀)、湯葉です。
器の右側に、
ふぐ刺を盛り付けてあるので、五種盛りということになります。ふぐは、一昨日仕入れた沼津産の天然のとらふぐです。
コース料理をメインにしているので、このような刺身を御用意するのは、殆どないのですが、その時に仕入れたもので、仕立てることは可能です。
また、予めご希望を仰って頂ければ、色々と御用意することも出来ます。刺身に限らず、他の料理についても同様ですので、お気軽に、お申し付け下さると、有難い限りです。
精勤賞
今週は、沼津の魚市場が開いている6日中5日、仕入れに行って来ました。皆勤賞にはあと一歩で、言うなれば、精勤賞でした。一週間のうちに、これだけ行くのは、久し振りのことでした。
というのも、鱧などの仕入れが多かっただけでなく、13日から15日まで、
市場が休みになるので、
小物類も、前倒しで、仕入れたからでした。
そんな一週間の様子を、ロシア民謡の『一週間』の替え歌にしてみました。字余り、字足らずなどは、ご容赦、ご理解のほど、よろしくお願いします。(笑)
ところで、この『一週間』は、検索してみたところ、様々な替え歌があり、かなり笑えるものが多く、夏休み中で、暇と時間を持て余している方は、【一週間の替え歌】で、検索してみてください。
それでは、『一週間』の始まりです。
♪ 日曜日に 市場へ出掛け~
鱧などを買って来た~ ♪
(^^♪ テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャー
テュリャテュリャテュリャテュリャーリャー (^^♪
♪ 月曜日も 行って来て~
(^^♪ テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャー
テュリャテュリャテュリャテュリャーリャー (^^♪
♪ 水曜日は 再び市場~
木曜日は
4回目の市場~ ♪
(^^♪ テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャー
テュリャテュリャテュリャテュリャーリャー (^^♪
♪ 金曜日も市場~
土曜日は 市場が休み~ ♪
(^^♪ テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャー
テュリャテュリャテュリャテュリャーリャー (^^♪
♪ 友達よ これが 自分の一週間の仕入れでした~ ♪
(^^♪ テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャー
テュリャテュリャテュリャテュリャーリャー (^^♪
久々の活とらふぐ(天然)は、静岡県沼津産
今朝、沼津の魚市場の活魚売場に行き、
生簀を見てみると、地物のとらふぐが、2本入荷していました。
1本は、
0,7キロで、もう1本は、
2,9キロのもので、自分がBIGちゃんと呼んでいるサイズです。
BIGちゃんとは、2,5キロ以上4,0キロ未満のもので、それ以上のものを、ジャンボちゃんと、呼んでいます。
どちらも、旋網や刺し網などにかかるもので、
2,9キロのものは、鯵(あじ)や魳(かます)などの旋網のもので、毘沙門というのは、荷主である船=漁師の名前です。
別の売場に行き、
見てみると、
同じく毘沙門丸と書かれた札があり、
魳や、
鯵が、水揚げされていました。
例年、この時季の鯵や魳の旋網に、とらふぐが掛かることが多く、これまでにも何度も、仕入れたことがあります。今年も、何度か入荷していたのですが、良さげなものがなかっただけでなく、良さげなものがある時に限って、予想以上の高値がついて、撃沈の憂き目にあっていました。
それでも、とらふぐが入荷している以上、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、素通り出来ないのは、当然のことで、今朝も、仲買人と作戦会議をし、セリに臨むことにしました。
結果として、
2,9キロのものを、セリ落としてもらうことが出来ました。0,7キロの方は、あえて強気に出ることもしませんでしたし、BIGちゃんが本命でしたので、めでたしめだたしとなり、もちろん、気分は萌え燃え・・・❤
また、結果的に、活きたとらふぐを仕入れたのは、かなり久々のことでした。
そのまま生簀から、
取り出し、
締めたら、
海水を注ぎ、
血抜きをしました。
その後、『佳肴 季凛』に戻り、
卸してから、水洗いし、拭き上げ、BIGちゃんの仕込みは、終わりました。
“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、やはり、天然のとらふぐに敵うものはなく、まもなく訪れるふぐのシーズンが、待ち遠しいばかりです。
新しい食器洗浄機
どんな職場でもなくてはならない存在があり、それらは、人間ではなく、道具や設備であることが多く、『佳肴 季凛』にもあります。
その一つが
食器洗浄機(食洗機)です。
『佳肴 季凛』にリニューアルする前からのベテランで、約20年も、ここに居座り、ただただ洗い物をしてくれていましたが、2,3年くらい前から、夏の時季になると、長年の疲れなのか、動きが悪くなっており、引導の渡し方を、頭の隅に置いていました。
それでも、老体に鞭を打たされ、騙されつつ、ここまで来てくれましたが、先週の半ばから、無理を強いても、応えらえない状況になったので、引導を渡しました。
そして、昨日のランチの営業後、新しい食洗機への代替わりをしました。旧型機は、
ガス設備も使っていたので、その取り外しから、始まりました。
それが終わると、
取り外すために、食洗機専門の業者が来て、
作戦会議をしていました。
会議終了後、
旧型機は、
台車に乗せられました。まさに、『ドナドナ』の心境です。
そんな様子を尻目に、
新型機は、灼熱の中、デビューを待っており、そんな新型機の居場所を、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、掃除してくれていました。
その後、
新型機が運ばれ、
様々な微調整が、
施され、
無事に、収まりました。
そして、
最終確認の後、
使い方の説明を、真由美さんと一緒に、聞きました。
新型機は、旧型機と異なり、ガスを使うことがないので、洗い場の仕事も、今までよりは、楽になり、
途中で、冷却水を注入する必要も、ないかもしれません。(笑)
鱧(はも)の南蛮漬
今日は、
お弁当の仕上げから、一日が始まりました。
仕上がったお弁当は、
このようなもので、それぞれは、
松前御飯、
揚物と煮物、
鶏肉の照焼と焼物などを盛り込んだ口取りでした。
口取りに、
生の本鮪の南蛮漬を、盛り付けてありますが、先日御用意したお弁当では、
生の本鮪の南蛮漬ではなく、
鱧の南蛮漬でした。
鱧の南蛮漬以外には、御覧のように、玉子焼、サーモンの西京焼、海老の酒煮で、あしらいに、はじかみを添えてあります。この鱧の南蛮漬が、今回のお話しです。
骨切りをし、
適当な大きさに包丁したら、
軽く塩を振ってから、片栗粉をつけます。
それを、
170度くらいの油で、
揚げたら、
盆ざるに移し、
熱湯をかけ、油抜きをします。
その後、
バットに入れ、
塩でしんなりした玉葱を乗せたら、鱧の身を乗せ、
玉葱と鷹の爪を入れたら、
一番出汁に、てん菜糖、酢、薄口醤油などで調味した合わせ酢を注ぎ、
ひたひたになったら、
落としラップをして、味を含めるため、2,3日、冷蔵庫にしまっておきます。
お弁当用に仕込んだものですので、ランチをはじめ、通常のコース料理に限らず、鱧料理のコースですら、御用意したことはなく、それゆえ、鱧の南蛮漬は、当店の料理の中では、かなりのレアものと言っても、過言ではありません。
これまでにも、お弁当用に、仕込んだことは、何度かありますが、時季が限られた食材ですので、少ないのは事実ですが、お弁当という制限がある料理でも、季節の美味しさを味わって頂きたいので、機会があれば、また仕込んでみたいものです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
二週連続の休日出勤
先週同様、定休日でしたが、今日は、沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。先ずは、
鱧などを扱う問屋で、
和歌山県産の鱧を、
仕入れ、その場で、
その場で、はらわたを抜きました。このようにするのは、お腹のえさの匂いが、身に回らないようにするためです。
その後、活魚売場で、
山口と淡路島産の鱧を、
1本ずつ仕入れ、先ほど同様、はらわたを抜いたのですが、悪食の鱧らしく、お腹の中から、
小さい鯛らしき魚が、出て来ました。
また、この売場で、
小肌の幼魚である新子も、仕入れました。有明海とあるように、佐賀県産のものです。
今度は、別の売場に行き、
新子同様、佐賀県産のすっぽんを、
2はいをはじめ、冷凍ものなどを仕入れ、市場から、帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると、既に、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、明日のお弁当の折を、
並べていました。
そんな様子を尻目に、自分は、
新子の仕込みから、始めることにしました。
鱗を取り、頭を落とし、はらわたを抜いたら、
氷水で洗ってから、開くのですが、小魚ゆえ、鮮度が落ちないように、
氷の上に、バットを置き、
大きさごとに並べて、
開いてから、
塩を振り、このままおいておきました。
その頃、カウンターの端で、下の娘は、
夏休みの宿題を、やっていました。
大きさにより、塩加減を調節して、盆ざるに並べ、塩が回ったら、水洗いをして、
酢に漬け込み、昆布で挟んでおきました。新子の仕込み方については、こちらを御覧下さい。
市場に行って、今夜の夕飯も仕入れて来たので、今度は、
手巻き鮨用の鮨ねたを、仕込みました。
また、今日は、
岩手県産の鰹が、
入荷しており、お値打ち価格でしたので、仕入れることにしました。
ちなみに、刺身の中でも、鰹は、自分が最も好きな魚ですので、‟休日出勤”のご褒美には、願ったり叶ったりでした。そんな“鰹愛”については、こちらを、お読み下さい。
卸したら、
背と腹の部分に分け、
皮目の部分だけ、バーナーで炙り、粗熱が取れたら、
このまま冷蔵庫へ、しまっておきました。
その頃、宿題を終えたというより、飽きてしまった娘が、厨房にやって来て、
お弁当用の揚物の烏賊に、打粉をしてくれ、隣で、
真由美さんが、新挽(しんびき)粉をつけていました。
また、お弁当の揚物は、さばふぐの唐揚げも御用意するので、
下味をつけるため、薄口醤油と日本酒を同割にしたものに、漬け込んでおきました。
揚物の仕込みを終えた真由美さんは、
お弁当用の生の本鮪の南蛮漬や、お新香を、カップに盛り付けてくれました。
これで、真由美さんはお役御免となり、この後、自分は、
煮物の彩りに使う隠元を包丁したり、
白子豆腐を仕込んだり、
米を研ぎ、
刺身の妻を包丁し、ようやく仕込みが終わりました。
そして、最後に、
夕飯の手巻き鮨ようのねたを盛り付けたのですが、ねたは、
メインの鰹(岩手)、
北寄貝(北海道)、
赤烏賊(島根)、青柳(北海道)、
鯵(沼津)、生しらす(沼津)、
甘海老(北海道)、小肌(佐賀)でした。
こうして、二週連続の“休日出勤”は終わり、一日の労をねぎらったのでした。
鱧と車海老の天丼
夏休みに入った方達も多いようで、今朝、沼津の魚市場に行くと、
駐車場には、一般の方の車が、いつも以上に、停まっていました。
そんな様子を尻目に、
いつもの問屋で、
和歌山産の鱧(3本)を、仕入れました。これまでにもお話ししていているように、オチハモ(落ち鱧)とは、水槽や輸送途中で、死んでしまった鱧のことです。
その後、市場内の活魚売場でも、
鱧を、
1本だけでしたが、仕入れました。ご覧のように、この鱧は、淡路島産ものです。
メインである鱧の仕入れも終わり、市場内を歩いている時、上を見たら、
一般の方が、セリの様子などを、眺めていました。
一般の方は、許可なく、市場構内には、立ち入ることは出来ませんが、館内の2階には、飲食店もあるので、自由に行き来することが出来ます。
その後、別の売場にある問屋に行くと、店先に、
車海老が、並んでいました。今朝自分が仕入れた落ち鱧同様、途中で死んでしまったものです。
15本くらいあったので、ちょっと贅沢な賄いを兼ねた、新商品開発のために、仕入れることにしました。その賄いとは、タイトルにもある‟鱧と車海老の天丼”です。
車海老は、
頭を取り除いたら、
皮を剥き、切込みを入れて、伸ばしておきました。
一方、鱧は、普段通りに、卸してから、骨切りをし、
このように、包丁しておきました。
これらに、
打粉をし、
油で、
揚げました。
揚げ上がりは、
このようになりました。ちなみに、自分は、このように天ぷらを揚げているので、ご参考にして頂ければ、幸いです。
別の鍋で温めておいた天丼のつゆに、
揚がった天ぷらを、
くぐらせてから、盛り付けるですが、つゆは、照焼のたれと一番出汁を、同割りにしたものです。
そして、盛り付けたのが、
こちらです。
ともかく、美味しいの一言に尽きる味わいで、昨日のお話しの最後の件(くだり)ではありませんが、商売抜きで作れる料理は、楽しくて、美味しい以外の何物でもありません。
明日は、休みですが、仕込みをしなくてならない“休日出勤”ゆえ、市場に行くので、夕飯のおかずも仕入れてくる予定です。それも、自分が市場に行く楽しみであるのは、紛れもない事実なのは、語るまでもありません。