期間限定・会席料理『秋ごよみ』
『佳肴 季凛』は、
16日(日)のランチは、営業しますが、18日(火)まで、お休みさせて頂きます。明けて、19日(水)から、
7周年ということで、期間限定の会席料理『秋ごよみ』を、例年のように、御用意致します。召し上がれる期間は、
10月4日(日)までの約1ヵ月半で、おひとり3,000円(全9品)のお値打ちのコースとなっております。
まだまだ、日中の暑さは、収まる気配はなさそうですが、それでも、朝晩はいくらか、やわらいでいるようで、秋の気配を感じられるようにもなって来ました。
秋は、夏と冬の端境ということもあり、特に目を引くような食材はありませんが、夏の暑さに疲れた身体が、ようやく復調し、料理を美味しく、味わえるようにもなります。
そんな折に、マクロビオティック(玄米菜食)を基本に据えた当店の“身体に優しい、美味しい日本料理”を、ご堪能いただき、身体を労わってあげて頂けると、嬉しい限りです。
★☆★ 鱧(はも)料理 ☆★☆
秋の気配を感じられますが、まだまだ、鱧料理をご堪能いただけます。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打った美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
水槽にいる鱧のつかまえ方
今朝は、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。いつものように、最初に、向かったのは、生簀のある活魚売場でした。
生簀の前に並んでいる発泡スチロールには、
活〆にされた勘八(かんぱち)などが並べられており、その隣には、
前もって注文しておいた鱧の入った発泡スチロールが、置いてあり、箱に書かれているように、淡路島産と、山口産のものが、
それぞれ1本ずつ入っていました。その後、活かしの鱧を仕入れるために、
別の問屋に向かいました。そこの水槽には、
鱧が、うじゃうじゃいました。正確な数は分かりませんが、訊いたところによると、約70本あるとのことで、ちなみに、これらは、全て和歌山産のものです。
鱧の仕入れ先が異なるのは、それぞれの産地、状態が違うので、その日によって、仕入れ先を変えているからです。着くと、
ちょうど、水槽から鱧を取り出しているところで、
この2本を、仕入れることにしました。その後、『佳肴 季凛』に戻り、活きた鱧は、
2本とも水槽に入れました。
活かしの鱧は、
鱧料理の定番でもある“落とし”にするためのもので、その日の予約状況に応じて、水槽から取り出して、卸すのですが、そのつかまえ方には、ちょっとした工夫というか、方法があります。
仕入れてきて、その日のうちに使う時は、
大きなザルに入れておき、そのまま出せるようにするのですが、今日のように、複数いる時や、次の日以降に使う時は、
水槽にそのまま入れておきます。取り出す時は、鱧の状態、つまり活きの良さを見てから、取り出します。その取り出し方は、
小さめのザルを、用意しておきます。そのまま、この2つのザルを、
水槽の中に入れ、頭と尻尾の方から、
ゆっくりと追い詰めていき、ザルに入れるようにします。このようにするのは、鱧は細長い魚ですので、網でつかまえようとしても、スルッと逃げてしまうからです。
それだけでなく、あまりに水槽の中で、追いかけまわしていると、段々と興奮してきて、歯をむき出しにして、向かってくることもあり、非常に危険だからです。仮に、つかまえることが出来ても、暴れているので、〆る時も、かなりの注意が必要です。
つかまえた鱧は、
頭と首の付け根を強く握ります。この辺りには、心臓があるので、動きが鈍くなり、その瞬間、
付け根に包丁を入れ、口の先端を切り落とします。ここまでくれば、そんなに危険ではありません。その後、尻尾付近にも、包丁を入れたら、
神経を抜くために、脊髄に細い針金を入れることで、動かなくなり、卸しやすくなります。その後、腸を抜き取り、
卸してから、
骨切りをして、鱧の下拵えは、終わります。
ところで、沼津の魚市場は、
明日の14日(金)から、16日(日)まで、
3連休となっており、鱧の入荷は、全くありません。ただ、先程お話ししたように、今日、全部で4本仕入れてきたので、ある程度まで、鱧料理の御用意は可能です。詳細については、直接お問い合せ下さい。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
16日は、ランチのみ
先日、『佳肴 季凛』に夏休みが、
16日(日)、17日(月)、18日(火)の3日間ということを、お話ししましたが、
16日(日)は、ランチのみですが、営業することになりました。突然の変更ですが、宜しくお願い致します。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
交雑ふぐ、再び
今朝の沼津の魚市場は、
所謂“夏枯れ”と言った感じで、魚も少なく、
地物の魚も、同じくまばらでした。この時季になると、巻網漁の網で、とらふぐが水揚げされることもあるので、ここに並んでいるものを、物色していると、
0,9キロのとらふぐと、
0,3キロのものもいました。ただ、この0,3キロのものを、手に取ってみると、
とらふぐには似ているものの、とらふぐらしからぬ姿をしていました。前回お話ししたような交雑ふぐの可能性が高いと思ったので、この売場の担当者に、そのことを伝え、セリにかけないように、してもらいました。
というのも、交雑ふぐは、その毒性が分からないので、食用が不可能とされているからです。ちなみに、このふぐは、とらふぐとまふぐの交雑のような感じでした。
こうやって並んでしまったということは、ふぐ類に関する知識がないことによります。ただ、静岡県に限らず多くの都道府県では、ふぐを調理し、提供するとなると、免許が必要で、“万が一”ということは、考えにくいと思われます。
ですので、最終判断は、我々のような料理人で、言わば、最後の砦かもしれません。ただ、食の安全ということについて言えば、どんな食材についても、同様のことが言えるはずです。
そう思うと、常日頃、心して料理をしなくてはならないことを、改めて感じたのでした。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
静岡県沼津産の天然とらふぐ2本のうちの1本は、交雑ふぐ
今朝、沼津の魚市場の活魚売場に行くと、
2本のとらふぐ(天然)が、
入荷していました。1本は、
0,4キロで、もう1本が、
0,5キロの小さいもので、自分はこれぐらいの大きさのものを、“チビとら”と呼んでいます。この2本の産地は、
魚市場から、車で、20分ほどの小海(こうみ)というところで、鯵(あじ)、鯖(さば)などの巻網にかかったものです。
久し振りに、活きた天然のとらふぐを見た以上、自称“富士市で一番ふぐが好きな料理人”の自分としては、もちろん気分は、萌え燃え・・・❤
真夏であるだけでなく、“チビとら”ということもあり、
2本とも、すんなりセリ落としてもらうことが出来、
そのまま活かしたまま、持って帰ることにしました。『佳肴 季凛』に戻り、
水槽に入れようとした時、1本の姿が、
斑点が通常よりも、小さくて、数が多いだけでなく、
顔の部分に、薄い黄色い線があることに、気付きました。
これまでにも、このようなふぐを、何度か見たことのある自分は、すぐに、このふぐが、親のふぐが判別出来ない交雑ふぐと、判断しました。こんな違いがありながらも、市場で気付かなかったのは、迂闊というか、不覚としか、言い様がありません。
交雑ふぐとは、あいの子のふぐで、その毒性についても、判別が出来ないので、食用にすることは、不可能です。
とりあえず、水槽に入れておくことにし、ランチの営業が終わり、
水槽から取り出した2本を、見比べてみると、その斑点の大きさは、
一目瞭然です。また、手前のふぐ、つまりとらふぐの背中にある棘を見てみると、
はっきりとしており、背びれ付近まで、達しています。一方の交雑ふぐの棘は、
あるものの、数も少なく、小さいものでした。
並べて、顔を眺めてみると、
とらふぐの方は、顔には、何もなく、白いままで、交雑ふぐの顔には、
先程の写真同様、黄色い線が入っていました。これらの特徴から、この交雑ふぐは、とらふぐとまふぐの雑種の可能性が高いと判断しました。
また、交雑ふぐを研究している専門家によれば、このような特徴は、とらふぐとまふぐで、人工的に作り出した雑種で確認されているとのことです。
卸し終えたとらふぐは、水洗いし、
きれいに拭き上げ、交雑ふぐは、
間違いがあるといけないので、そのまま、とらふぐの内臓と共に、処分することにしました。
結果的に、自分は、とらふぐでないと気付き、お客様にお出しせずにすみました。また、ふぐを取り扱うには、免許がいるとはいえ、一見したところでは、なかなか気づかないこともあり得ますし、かなり注意が必要です。
現在、ふぐの取り扱いに関しては、各都道府県の条例に基づいていますが、今後は、匡レベルでの法整備も、必要になるかもしれません。
一年を通じて、とらふぐに限らず、様々な種類のふぐを、数え切れない量を卸しているので、交雑ふぐに出くわす可能性が高いのは、当然かもしれませんが、この際、新種のふぐを、見つけてみたいと、密かに思っているような、いないような・・・・・。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
新子
光物の定番の一つが、
小肌(こはだ)で、沼津の魚市場に入荷してくる小肌の殆どは、
佐賀県有明海産です。小肌は、一年を通じて、入荷してくるのですが、6月の半ばを過ぎた頃になると、小肌の幼魚の新子(しんこ)が、
入荷し、
一緒に、売場に並ぶこともあります。大きさの違いは、
一目瞭然です。小肌は、鮗(このしろ)の若魚で、新子、小肌、なかずみ、鮗と名前が、変わります。しかしながら、出世魚とは呼びません。
というのも、小さければ、小さいほど市場価値があり、出世魚というのは、大きくなるにつれ、値段も上がるからで、小肌には、このことがあてはまりません。特に、出始めの新子のキロ単価は、入荷量も、ほんのわずかということもあり、天然の生の本鮪以上で、それこそ、目が飛び出るほどの値段なのです。
光物である小肌は、『佳肴 季凛』のような日本料理店では、なくてはならない魚ということもあり、ある程度、値段が落ち着いてから、自分は使うようにしています。
ただ、料理の道の始まりは、鮨屋でしたので、新子を見ると、妙な胸騒ぎを覚えてしまうのです。この日は、値段もそこそこでしたので、
この一袋を、仕入れることにしました。ただ、小さくて、数が多い新子の仕込みは、職人泣かせですので、それなりの覚悟の上でした。
仕入れた新子は、500グラム入っており、大きさはまちまちでしたが、
大雑把に仕分けたところ、このような3つの大きさでした。鱗を取ってから、
頭を落としたら、
塩水の中に入れます。この時の塩水の濃さの目安は、海水程度です。終わったら、
氷水で、素早く、
2,3度、
水洗いします。まな板をきれいにしたら、開くのですが、その前に、
バットに細かくした氷を敷き、
別のバットを置き、
大きさごとに分け、開いていきます。言うまでもありませんが、こうするのは、鮮度が落ちるのを防ぐためです。
開き終えると、
全部で、64枚ありました。つまり、64匹開いたことになります。開いた新子は、それぞれの大きさが分かるように、
塩を敷いた盆ざるに乗せたら、量を加減しながら、塩を振ります。塩の溶け具合をみながら、
酢の入ったバットに昆布を浸します。酢は、
新子を仕込むので、穀物酢とりんご酢を同割りにしてあります。昆布が、
しんなりしたら、合わせ酢から、あげておきます。そうこうしていると、新子の塩が溶けてくるので、
水洗いをします。大きさも違うので、一度にこの仕事は出来ませんので、その都度、
様子を見ながら、やらなくてはなりません。全て水洗いをしたら、
今度は、
一度酢〆に使った二番酢で、それぞれを、
酢洗いします。その後、
先程、昆布を浸した合わせ酢に、大きさごとに付けていくのですが、大きいものから漬け、漬け終えたら、酢から上げ、その後、次の大きさのものを漬けていきます。
今回のように、一番小さいものは、酢だけでは、味が強くなってしまうので、
氷を入れ、酢の具合を加減してから、
漬けます。言い忘れましたが、酢〆の理屈は、塩で、余分な水分を取り除き、取り除かれたところに、酢が入り込むというものですので、塩加減が、キーポイントなのです。
全て、酢に漬けたら、余分な水分などを拭き取るために、
キッチンペーパーを、盆ざるに敷き、新子をおいてから、
その上にも、キッチンペーパーを乗せます。しばらくしたら、
穴開きのバットに新子をおき、
余分な水分を取り除くのと、旨味を補うために、先程の昆布を乗せます。これで、ようやく新子の仕込みが終わりました。
昆布で挟んでおくのも、半日程度が目安で、
頃合を見て、昆布を外したら、このまま冷蔵庫にしまっておきます。コース料理をメインとしている当店ですので、
鱧料理コースのお客様には、このような四種盛りで、お出しし、新子以外のものは、生の本鮪(大間)、鱧(和歌山)、湯葉でした。
新子だけの場合は、
大中小のバランスを考えながら、このように、盛り付けてみました。
脇役に近い小肌ですが、新子の出回る一時季は、主役になります。こういうのも、季節を重んじる日本料理の趣の一つかもしれません。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
三連休のお知らせ
日本全国津々浦々、夏休みを満喫されている方も、いらっしっしゃると思いますが、『佳肴 季凛』も、遅まきながら、
16日(日)、
17日(月)、
18日(火)と三連休させて頂きます。なお、17日以外の月曜日も、通常通り、定休日とさせて頂きますので、宜しくお願い致します。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
7月の鮪、色々
8月になりました。逃げ出したくなるような暑い日が続き、土曜日には、水だけでなく、
雪も撒いてしまいました。雪とは言っても、富士山やエベレストの万年雪でもなく、冷凍庫の霜ですが・・・。
こんなことをやっても、涼しくなるわけでもなく、まさに、“焼石に水”状態。猛暑を超え、酷暑、さらなる上をいく激暑・・・。
また、避暑を求め、
この際、水槽浴でもしようかと思いましたが、中には、狂暴な鱧がいるので、もちろん断念。
天気予報を見ても、連日、☀マークと、最高気温が30度超えのRUSH。もう絶句・・・。ここまで来たら、時が経ち、涼しくなるのを待つしかありません。
そんなことはさておき、今日のお話しは、月末というか、月初めの恒例の“鮪コレクション”ということで、7月に入荷した生の鮪の数々です。いつものように、東京・築地からの天然ものです。
先ず最初に入荷したのが、
新潟県佐渡産の生の本鮪で、初めて仕入れた産地でした。佐渡は、漁場も良いこともあり、マグロ類に限らず、様々な魚が水揚げされています。
その次が、
ニュージーランド産と、
オーストラリア産の南鮪でした。南鮪は、通称“インド鮪”と呼ばれているので、ニュージーランド(また、オーストラリア)国籍のインド人とか、“外人部隊”のような呼び名を、自分は付けたりしています。
南鮪の時季が、そろそろ終わりとなると、津軽海峡で、本鮪が水揚げされ始め、
“インド人”の後は、青森県大間産の本鮪が、
連続で、入荷しました。
これまでに、何度もお話ししているように、大間は有名な産地ですが、一番ではありません。お客様の反応が一番なのは、紛れもない事実ですので、お出しする側としては、或る意味都合が良いのは、否定出来ません。
また、大間以外の松前、戸井、三厩、竜飛などの津軽海峡で、本鮪が水揚げされるのは、これから、年明けくらいまでです。真夏のど真ん中ですが、暦の上では、今週にも秋となり、季節は少しずつですが、移ろいつつあります。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
3日連続で仕入れた鱧(はも)は、愛知、和歌山、山口産
今日は、沼津の魚市場に行き、
山口産の2本の鱧と、
和歌山産の2本の鱧を、
仕入れて来ました。和歌山産の2本は、活きたもので、『佳肴 季凛』に戻ると、
そのまま、
水槽に入れておきました。
また、昨日は、
今日と同じ和歌山産のものを、1本だけ仕入れ、夕方、夜の御予約用に、〆てから、
卸してから、骨切りをして、落とし用の大きさに包丁しておき、お客様がご来店するまで、冷蔵庫にしまっておきました。
というのも、落としにしてから、時間が経つと、どうしてもパサパサしたような感じになるだけでなく、冷やし過ぎると、皮のゼラチン質が固まってしまい、口に入れても、ガムのような感じになってしまうからです。
ですので、コースの刺身は、鱧だけ、盛り付けずに、
このような状態で、冷蔵庫にしまっておきます。
そして、一昨日は、
愛知から、活〆にした5本の鱧が、魳(かます)と一緒に、宅配便で届き、結局、この3日間で、合計10本の鱧を仕入れましたが、明日は、市場も休みですし、注文もしていないので、鱧の入荷は、全くありません。
これまでにも、何度もお話ししていますが、鱧は、その時の天候により、入荷が左右されるので、場合によっては、鱧料理のコースを仕立てることが出来ないこともあり、御予約、お問い合せの際には、その旨を必ずお伝えしております。
鱧に限らず、天然の食材というものは、それぞれの特徴があるだけでなく、自然条件に大きく左右されることもあり、時によっては、御用意出来ないこともあります。これが、養殖ものや既製品のようなものであれば、そのようなことは、殆どありません。
ただ、自分は、手作りし、本物の美味しさを、味わって頂きたいので、無理なことや出来そうもないことを、お約束することはしません。
商売としては、もしかしたら、良くないこともしれませんが、自らのスタイルを崩してまで、お金をお頂くのは、本望ではありません。自分自身が納得した仕事で、お客様が納得して頂いてこそ、お金を貰えるのですし、逆の立場なら、そうでないと、お金を支払う気にはなれません。
だからと言って、全ての料理が、100%でない時もあるかもしれません。少なくとも、100%に近づけるよう、105とか、120%の仕事をしようという心持ちは、自分も否定するつもりはありません。
自ら、百点満点をつけ、お客様にも、百点満点をつけて頂けるには、まだまだです。今更ですが、道は、険しく、深過ぎます。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
梅肉醤油
鱧料理の代名詞とも言えるのが、
“落とし”で、“湯引き”とも呼ばれています。“落とし”にする鱧は、
必ず、活きたものでなくてはなりません。そうでないと、綺麗に、花が咲いたようにならないだけでなく、味もパサパサして、美味しくありません。
ちなみに、沼津の魚市場で、今朝仕入れてきた鱧は、
和歌山県産のものでした。
“落とし”には、
梅肉醤油を添えて、お出しし、
卸したての生の本山葵をつけて、召し上がって頂きます。他のつけ醤油が、ないわけではありませんが、梅肉醤油が、定番中の定番です。
そんな梅肉醤油の作り方ですが、鍋に、
日本酒、味醂、赤酒を、2:1:1の割合で合わせ、そこに、
昆布、干し椎茸の足を入れ、半日ほどおき、
火にかけます。
沸いてきたら、
鰹節を入れ、火を止めます。
冷めたら、キッチンペーパーで濾します。
別のボウルに、
市販の梅肉を入れ、
日本酒、味醂、赤酒を合わせたものを、交ぜあわせたら、
土佐醤油を、さらに合わせます。土佐醤油とは、このようなものです。
さらに、甘味を補うため、
てんさい糖を合わせ、味を確認したら、別の容器に移し、冷蔵庫にしまっておきます。
既製品の梅肉醤油もありますが、どんなものでも、手作りしないと気が済まないだけでなく、手作りすることこそ、料理人の存在意義があります。そうすることで、料理への意欲、愛情が生まれますし、自分は、愚直に、仕事をこなすのみです。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。