

店主の自分が、西京焼、というよりも美味しい西京焼を知ったのは、修業先の日本料理店でした。それまで、西京焼というものは、ただ甘い味噌に漬けた焼物というイメージしかありませんでしたが、そこで食べた西京焼は素材本来の味が失われることなく、西京味噌に漬けることで、素材から料理へ、変貌したことを今でも覚えています。
以来、日本料理を志した以上、美味しい西京焼を作り、お客様に召し上がって頂きたいと思うようになりました。もっとも、これは西京焼だけに限ったことではなく、料理全般に通じることなのですが・・・。
料理を段々と覚え、上達してくるようになると、日本料理店に見えるお客様の多くが、美味しい刺身と焼物を求めているのを感じ始めるようになりました。日本料理の華が“椀、刺し”と永年言われているのですが、“刺し、焼”への追究こそが、自分が目指さんとする日本料理として、料理を作るようになりました。
そうした中で、再認識するようになったのが、“美味しい焼物”というのは、塩焼、照焼、西京焼に限るということだけでなく、刺身も同様にして、ご飯に合うものこそが、日本人にとっては、一番美味しさを感じるということでした。つまるところ、これらの味付けは、塩、醤油、味噌という日本料理には不可欠な調味料なのです。
実を言えば、こう考えるようになったのは、“素材あり”を信条としている自分ですから、ごく当然のことで、日本料理のあるべき姿とも言うべき料理の一つが西京焼なのかもしれません。
当店の西京焼で使用している鮮魚は、鰆、銀鱈、サーモン、鯖など、どれも脂の乗ったものばかりです。この度、贈答用の西京漬として御用意致しましたのが銀鱈とサーモンの2種類です。
銀鱈は、カナダ、アラスカなどの北太平洋が主な産地です。水深数百メートルに棲む銀鱈は脂の乗った白身で、豊かな味わいでありながらも繊細な味わいが特徴です。
ビタミンAを含み、視力回復、皮膚・粘膜の強化、がん予防にも効果があると言われています。
一方サーモンですが、遠く離れた北欧のノルウェー産の養殖ものです。養殖とは言っても、ノルウェーは規制が厳しく、餌に抗生物質を加えることが禁じられているだけでなく、自然に近い状態で、サーモンは成長しているのです。サーモンにはビタミンDが特に多く、カルシウムと共に骨を作るのに不可欠で、美肌効果にも最適な食材です。
また、銀鱈、サーモン共に、自分が沼津魚市場で一本ずつ吟味したものを仕入れ、卸してから、丁寧に切身にしたものです。
言うまでもありませんが、西京漬けを作るのに必要なのが、西京味噌です。マクロビオティックを基本に据えている当店で使用している西京味噌は、有機JAS認証済のものを、日本酒、味醂で伸ばしたものです。この時所謂“田舎味噌”を混ぜています。“田舎味噌”を使うことで、甘味と塩味のバランスが取れ、味噌特有のコクが増します。敢えて言うなら、単なる上品な味わい以上のものに仕上げることが出来るのです。
また西京味噌に限らず、味噌は日本古来の伝統食品で、その栄養価は極めて高く、機能性は久しく注目されています。代表的なものに、がん予防、コレステロールの抑制、老化防止などがあります。
栄養面に優れた鮮魚(銀鱈、サーモン)と、味噌を使った西京漬けというのは、これらの点から見ると、西京ならぬ“最強”漬け(!?)とも言えるかもしれません。ちなみに、味噌に使われている「噌」という漢字ですが、味噌という言葉以外には使われていません。
鮮魚と味噌だけで作られた西京焼というのは、そういう意味では素材そのものを味わう料理であり、自分の信条を写した鏡とも言える料理です。そんな“Simple is best.”とも言える西京焼を、是非ご堪能下さい。
鮮魚だけでなく、そんな“想い”、“こだわり”を、味噌に漬け込んだ西京漬けを、大切な方へのご贈答品として御用意致しております。もちろん、プチ贅沢とも言えるおかずとしてのお持ち帰りも出来ます。どちらも是非ご利用下さいませ。










