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もっとおいしいお話し

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いろんな鯵

大衆的な魚の一つが、今が旬の“鯵(あじ)”です。自分が仕入れに行く沼津の魚市場にも、各地から入荷があります。
九州、山陰、駿河湾など、それこそ全国各地です。
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この鯵は、三重県産です。地元・沼津以外のものは、このように、発泡スチロールに入ってきます。
中を開けてみると、
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こんな感じです。
また、地元・沼津産のものは、こんな風に並んでいます。
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もう少し近くで見てみます。
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この二つの鯵は、どちらも天然ものですが、鯵には養殖ものもいます。養殖ものは、活きたまま流通するのが殆どです。
いろんなお店の店内の水槽で泳いでいるのが、養殖ものです。養殖ものは沼津でも、養殖されています。
活きているものなので、養殖生簀で死んでしまうこともあります。そんな鯵も、魚市場に毎日並びます。
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一日平均、2~30キロほどの入荷があります。ちなみに、この発泡スチロールには、4キロ入っています。
養殖の鯵はこんな感じです。
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上の二つの鯵に比べ、色が濃いのがお分かり頂けると思います。もう一つの特徴ですが、写真には撮ることが出来ません。
臭いが違うのです。特に、鱗の臭いが違うのです。養殖ものは、いわゆる魚の臭いとは違って、青臭いような感じの臭いがするのです。
もちろん、鯵だけあって味も違います。養殖ものは、脂が強く、旨味が乏しいのが特徴です。このことは、鯵に限ったことではありません。また、身持ちが弱いのも、養殖ものの特徴です。
ところで、鯵といえば開きです。今流通している鯵の開きの鯵の原産地の多くは、国内ではありません。その代表的な産地が、オランダです。機会があったら、スーパーなどに並んでいる鯵の開きの表示を、一度ご覧になって見て下さい。
また、鯵はいろんな料理に向く食材です。機会を見て、家庭でも出来る一工夫した料理も、お話ししたいと思います。
【季節限定 鱧づくしランチ】
お知らせです。
只今、7月・8月の限定コースとして、鱧づくしのランチ『鱧御膳』をご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は『鱧御膳』のページをご覧下さい。
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つまみ食い

市場に入荷してくる魚の殆どは、発砲スチロールの箱に入ってきます。
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この箱に入っているのは、本鮪の幼魚である“メジマグロ”です。九州産です。
ただ、沼津の魚市場は漁港に隣接しているので、その場で揚がった魚は、こんな箱に入れられて、並べられます。
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この箱に入っているのは、“しょうさいふぐ”です。
数が多いものは、こんな箱に入っています。
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この魚は、“鰤(ぶり)”の幼魚の“イナダ”です。
そんな荷姿とは違うものが、時々入荷して来ます。
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木の箱です。その中を見てみると、
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“釜揚げしらす”です。
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中は開いているので、通る人は立ち止まって、
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手に取ります。手に取るだけでなく、
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口に入れて、味見という名目のつまみ食いです。一人立ち去ると、
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また、別の人が来て、つまみ食いです。そんな繰り返しが、セリが始まるまで続きます。
何種類もの魚が並ぶ市場で、唯一味見ができるのが、この“釜揚げしらす”です。それ以外の魚は、姿のままの魚ですから、自分の経験と勘を頼りに、仕入れるようになります。
今でこそ、経験や勘も頼りには出来るようにはなった自分ですが、魚は卸してみないことには、全く分りません。
市場に仕入れに行くだけなら、誰でも出来ます。それこそ、子供のお使いと全く変わりません。それなら、わざわざ早起きしてまで、行く必要はありません。安くて良い魚を求めて、行くのですし、それが料理人、そして商売人の原点でもあります。
また、「利は元にあり」とあるように、少しでも安いものを求めるのも当然です。
高くて、良い物を仕入れることは誰でも出来ます。安くて、良い物を仕入れるのは、なかなか難しいことですが、やはりプロである以上、そうする努力は必要です。
先ずそれが出来てこそ、お客様を喜ばせることが出来ると、思っていますし、自分の目利きで選んだもので喜んで頂ければ、料理人にとっては何事にも変え難い喜びです。そういう初心だけは、いつまでも持ち続けたいと思います。
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新秋刀魚入荷

今朝、沼津の魚市場に着くと、「ねぇ、季凛さん、一つやってよ(買ってよ)、これなんだけど・・・。」といきなり、声を掛けられました。
これとは、これです。
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秋刀魚です。もちろん、今年最初の秋刀魚です。ということで、一つつき合うことにしました。と言うより、新物が大好きな、ミーハーな自分ですから、つき合った以上に、こっちから頭を下げてもいいくらいなのが本当のところです。ちなみに、北海道・根室産です。
この時季、まだ入荷が少ないので、一箱に入っている本数も、10本前後です。自分が仕入れたのは、11本入りでした。
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ものによっては、12本入りや、13本入りのものがありますが、このたった1本の違いで、値段がかなり違います。
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こちらが、13本入りです。どれくらい値段に差があるかと言うと、1本あたりで、200円位の差があることもあります。
この時季入荷が少ないのは、秋刀魚の漁獲方法によります。秋刀魚漁が解禁してばかりのこの時季は、小型船(10トン未満)による流し網漁でしか、獲ることが出来ません。
8月に入って、10トン以上の棒受け網漁船による秋刀魚漁が解禁されると、最盛期を迎え、1ケースあたりの本数も、20本前後になります。その頃には、三陸でも水揚げされるようになり、最終的には1ケースあたり、45本前後になって、スーパーの特売の目玉品となります。
また、秋刀魚は、冷凍ものも流通しており、市場にも毎日、少しずつ並んでいます。
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ふたには、こんな風に書かれています。
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ところで、冷凍の秋刀魚と生の秋刀魚の身分け方があります。一番の違いは、くちばしのいろです。こちらが生の秋刀魚です。
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鮮やかな黄色をしています。一方、こちらが冷凍の秋刀魚です。
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くちばしの色は、黄色というより、白っぽい感じです。この時季ですと、スーパーの鮮魚コーナーには、どちらも並んでいるので、機会があれば、見比べてみて下さい。
鮮度の良い秋刀魚は、刺身でも召し上がれます。
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また、血合いの部分も色が鮮やかです。
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とは言っても、秋刀魚と言えば、やっぱり塩焼です。
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新物が撮れ始めた秋刀魚ですが、“佳肴 季凛”でお出しするのは、せいぜい今月一杯です。もしかすると、今日が最初で最後かもしれません!?
先程お話ししたように、8月になると、値段もお手頃になります。ですから、その時季になると、どこへ行っても、秋刀魚を食べることが出来ます。しかも、料理の方法は、塩焼と刺身が殆どです。
それはそれで結構なことだと思いますが、自分の考えには、「どこへ行っても、食べられるようなもの」はお出ししたくないから、仕入れないのです。
もっと言えば、自分がお客として、出されたくないからです。自分が出されたくないものは、出したくないというより、出さないだけなのです。
ただ、決して秋刀魚が美味しくないと言っているわけではありません。秋刀魚には、秋刀魚の美味しさがあります。自分も美味しい魚の一つだと思っています。だから、今日も仕入れてきたのです。
ただ、秋刀魚がご馳走でいられるのは、ほんのわずかな期間です。そんな時にこそ、走りの秋刀魚を味わってみて下さい。
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いよいよ、大間の鮪が・・・

今年の一月を最後に、かの有名な“大間の鮪”の入荷は終わりました。その時のお話しは、こちらを
それ以来、鮪の産地は各地を転々としていました。ニューヨークに始まり、長崎・壱岐、宮崎、紀州勝浦、富山、銚子、ニュージーランド、地中海・マルタなど世界中から、鮪が富士市の“佳肴 季凛”にやって来ました。
そう考えると、“佳肴 季凛”は世界的な日本料理店とも言えるかもしれません。少し意味合いが違う気がしないでもありませんが・・・。
そんな今日、半年振りに入荷したのが、“大間の鮪”です。
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箱を開けたら、こんな感じに入っていました。シール付きです。
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しかも、ロット番号もついています。
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部分としては、腹の部分の真ん中より、やや下になります。この時季ですから、脂はそれほど乗っていませんが、それでも中トロの風味は格別です。
それ以上に、赤身のやわらかい歯ざわりは、国産の生の本鮪特有のものがあります。
今日のランチ(小会席・凛)の刺身(今日の内容:本鮪 蛸 白みる)の一つとして、お出ししたのですが、召し上がったお客様は、たいへん満足したらしく、単品で中トロのご注文をして下さいました。
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この部分は、中トロの中でも一番美味しいとされる”血合いぎし”にあたります。“血合いぎし”とは、こちらの部位です。
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“血合いぎし”の中トロは脂があって、しかも鮪特有のコクが味わえます。今日の鮪は、80キロほどの小さい鮪でしたが、これから北海道沖から下ってくるサンマをめがけて、鮪は北上していき、肥えていきます。
脂の乗ったサンマを食べた鮪には、当然脂が乗ります。そうして、津軽海峡に到達します。その後は、津軽海峡にいるイカを餌にして、津軽海峡を泳ぐことで、色鮮やかにして、コクのある赤身になるのです。
また、秋口にかけては、大間に限らず、同じ津軽海峡の北海道・戸井(とい)の鮪も、素晴らしい味わいです。ちなみに、この二つの場所は、対岸どうしなので、全く同じ鮪というのが、正確なところなのですが・・・。
何はさておいても、やはり生の本鮪の味は格別ですし、ましてや“大間”となれば、なお更です。
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ぬたぼう

昨日の沼津魚市場の生簀に、こんな魚が入荷していました。
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“鱧”ではありません。“穴子”にしては、少し色が黒いです。では、“鰻”?でもありません。
札にはこんな名前が書かれていました。
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“ヌタボウ”と書かれています。
初めて聞く、しかも見る魚です。よく見てみると、“穴子”に似ています。以前、釣り好きの友人に聞いた“クロアナゴ”かもしれないと思い、市場のセリ人に聞いてみることにしました。
「もしかして、これが“クロアナゴ”?美味しいの?」
「そう、そう”クロアナゴ”。でも、これって、とんでもなくMaaazuiから・・・。」と、言って、
不味いを通り越えて、Maaazui。その味の程が分ります。値段も恐らく、かなり安いはずですが、そこまで言われると、いくら“食べたことがないものは食べないと気が済まない”自分ですら、昨日は素通りしました。
ちなみに、この“クロアナゴ”は、大きいもの3メートルにもなるとのことです。
そう言えば、3月の始めにも1,5メートルくらいのものが入荷していました。その写真は、こちらを
たまたま、“ぬたぼう”や、“クロアナゴ”で色々調べていて、偶然見つけたものです。さらに、偶然なことに、沼津の魚市場で、自分が見たものと全く同じものです。
これだけ大きいと、かなりグロテスクでした。これをセリ落としたのは、先程の写真を撮った仲買人なのですが、「この人はこの“クロアナゴ”を一体どうしたのか?」と思うと、気が気ではないので、今度探しあてて、聞いてみます。特に、その味を。
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ふじつぼ

先日、沼津の魚市場に行った時のやりとりです。
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「季凛さん、これ知ってる?」
「これって、“ふじつぼ”?なかなか入荷してこないよね。」
「そうそう、さすがよく知ってるね~。少しやって(=買って)よ。」
値段を見てみると、これが意外と高いのです。“ふじつぼ”自体は知ってはいましたが、食べたことがありません。
食べたことがないものは、一度は食べないと気が済まない性分の自分ですし、殆ど入荷してこないレアものですから、とりあえず少し買うことにしました。
店に戻ってから、水洗いをしてから、蒸してみました。
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市場で見た時、この爪のような尖った部分が動いていたので、ここが食べれれるだろうということは、想像していました。なので、ここを引っ張り出してみました。
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黄色っぽい部分が出て来ましたが、途中で切れてしまいました。
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中に残っているのがお分かり頂けると思います。穴の大きさも、1センチくらいなので、一苦労です。
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それでも、ちぎれた部分も取り出すことが出来ました。
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これが中身です。
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爪のような部分は、食べられないのですが、取り出した黄色い身の部分を食べてみると、その味は、蟹味噌のような感じです。ただ、小さいので食べにくいですし、食べるというよりも、汁を吸うといった感じです。
貝なのに、蟹のような味がするのも、“ふじつぼ”は変わっています。今度入荷したら、是非一度食べてみて下さい。

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鮑(あわび)の天ぷら

今月の“旬の素材”も更新してあるので、まずはご覧下さい。
「一番美味しい、食べ物は?」と人に聞かれたら、自分は迷わず応えるのが、こちらの料理です。
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タイトルにあるように、“鮑の天ぷら”です。これ以外に、美味しい食べ物を挙げるのは、それこそ僅かですし、自分の中では、“King of 料理”です。
また、鮑というと、ステーキや踊り焼が贅沢な食べ方を思い浮かべる方が、殆どです。ただ、「鮑の美味しい食べ方は?」と聞かれて、「天ぷら。」と応える方は、かなりレベルの高い日本料理店や天ぷら屋で、食事を経験したことがある方だと、疑う余地がないと、自分は思っています。
料理の専門書を読んでいた時に、その存在を知りました。元々、鮑が大好きな自分としては、いつか機会があれば、食したいと思っていました。
そんな自分が“鮑の天ぷら”を初めて食べたのは、24,5歳の頃でした。東京で鮨屋に勤めていた頃、夏のボーナスをもらって、天ぷら屋のカウンターで、初めて食べたのが、最初です。
かねてから、カウンターで天ぷらを食べてみたかった自分は、当時の鮨屋の常連さんに、「どうしても、カウンターで天ぷらを食べたいんですけど、どこか良いお店あります。」と訊くと、その方は、「色々あるけど、御茶ノ水(東京)にある“山の上ホテル”は、間違いないね。是非、薦めるよ。」と教えてくれました。
ちなみに、東京で天ぷら屋をやっている天ぷら職人の多くは、“山の上ホテル”の天ぷら屋卒の人も多いくらい、ちょっとした名門でもあるのです。
ホテルですから、味もさることながら、そのサービスも見事ゆえ、当時の若造の自分は色んな意味で感動したことを今でも覚えていますし、東京に行くと、立ち寄って、食事をすることもあります。
話しが逸れましたが、その時、初めて“鮑の天ぷら”を食べたのですが、それ以来、その虜になってしまいました。
そうは言っても、鮑です。値段も立派ですから、いくらご馳走が大好きな自分でも、やたら仕入れて食べるわけにはいきません。
ただ、“佳肴 季凛”でお出ししている会席料理の一つである“特別会席”には、この時季お出ししています。ちなみに、鮑の旬は夏です。
先日も“特別会席”のご予約を頂いたので、お出ししました。前置きが長くなりましたが、ここから“鮑の天ぷら”の本編です。
これだけ思い入れがあるわけですら、使う鮑も当然、自分が選り抜いたものだけです。
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沼津の魚市場にある鮑とサザエの生簀です。この中に、鮑の籠が入っています。
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取り出された籠を開けると、
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入っています!鮑が。

ただ、選べばいいわけではありません。鮑には、幾つか種類があるのですが、一般には、2種類に分けられます。青い色をした“オガイ(クロアワビ)”と“メガイ(アカアワビ)”に分けられます。
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右が“オガイ”で、左が“メガイ”です。刺身に向くのが、“オガイ”で鮑特有の歯ごたえがあります。一方、“メガイ”は身がやわらかいので、加熱調理に適しています。
そんな中から選り抜いたのが、この“メガイ”です。
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鮑は大きくなければ、価値なしです。ですから、最低でも300グラム位の大きさのものを求めます。
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量りに乗せてみます。355グラムです。ということで、この鮑を仕入れてきました。

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甘鯛の塩焼

日本料理でお出しする焼物には、いろんなものがあります。その中でも、独断と偏見で言わせて頂きますが、“甘鯛(あまだい)の塩焼”が、一番だと思っています。
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事実、焼物にする魚の中では、甘鯛はいろんな意味で別格です。やはり、値段。そして、味です。
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ここ最近、入荷は少なかったのですが、この間の日曜日は、比較的数がありました。地元・沼津産です。しかも、セリの直前に入荷してきたものです。
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中でも、この二本が、大きいものでした。1キロを超える“甘鯛”はあまりありません。今まで自分が見た中では、1,9キロが一番大きいものでした。
やはり、1キロ前後のものが、美味しいサイズです。
もちろん、小さいものあります。
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「② 0,8」とあるように、二本で、0,8キロです。つまり、一本が0,4キロということになります。このサイズですと、開いて、そのまま焼くようになってしまいます。味は“甘鯛”なのですが、やはり旨味に欠けます。
沼津の魚市場に入荷してくる“甘鯛”は、地元のものだけではありません。各地から来ます。
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同じ日にあったのがこちらです。山口県・萩産です。
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萩産の魚には、良質なものが多く、“甘鯛”もそんな一つでもあります。ただ、先程の沼津産のものとは違い、前日、場合によっては、前々日に水揚げされたものなので、鮮度はどうしても落ちます。
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“甘鯛”に限らず、魚はお腹の部分から、傷み始めます。これもそんな感じです。ですから、自分が仕入れる“甘鯛”は、沼津産と決めていますし、それらがなければ、仕入れません。
また、先程の萩産の場合、1ケース単位で仕入れなければなりませんが、沼津産は、一本ごと仕入れることが出来、いいものだけを、選り抜くことが出来ます。値段は自ずと高くなります。
ただ、“甘鯛”を仕入れる時は、値段抜きでいくことを覚悟しています。ですから、“甘鯛”のセリが始まると、気が気でなりません。
けれども、この日は嵐が吹くこともなく、事無きを得たのですが、嵐に巻き込まれたことも、これまでに何度かありました。そんな時は、茫然自失となりますが、我に返って、“甘鯛”を見ると、神棚に奉りたくなるような気にもなるのと同時に、その素晴らしさに、うっとりすることもあります。
“甘鯛”を料理し、お客様の喜ぶ姿を見ている間は、うっとりした心地でいられるのですが、後日請求書を見て、青息吐息となることは、いつもながらお決まりのことです。
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わにごち

沼津魚市場の活魚のセリ場には、こんな札がついていることがあります。
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“ワニ”!?
“アリゲーター”とか、“クロコダイル”ではありません。
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“ワニ”とはこんな魚です。正式には、“わにごち”と呼ばれています。“こち”と名前がつくだけあって、先日お話しした“鯒(こち)”の仲間です。
“こち”に比べ、入荷量は少ないのですが、何となく魚に変化を持たせたい時や、お客様のちょっとしたご要望に応えるために、仕入れてきます。
“こち”と”わにごち”を並べてみました。
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手前が“こち”で、向こうが“わにごち”です。さらに近くで見てみます。
“こち”はこちらです。オヤジギャグみたいですみません。
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一方、“わにごち”はこちらです。
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“わにごち”の方が、長い顔をしています。
皮を引くと、こんな感じの身です。
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上が“こち”で、下が“わにごち”です。やはり、形は良く似ています。“こち”の方は皮目の側線の部分が、黒い模様が入っていて、背の辺りには黒い糸のような筋が入っているのが、お分かり頂けると思います。
どちらも白身ですが、“わにごち”は”こち”に比べて、味は劣りますが、その日に卸したものでしたら、薄作りにしても十分美味しく召し上がることが出来ます。
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似ているからと言って、“わにごち”を“こち”として、お出しすることはございませんから、ご心配なく。また、“わにごち”のようなちょっと変わった魚を召し上がってみたいと思われたら、予めご注文頂ければ、可能な限り仕入れてきますので、どうぞ仰ってみて下さい。
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めかじき

”佳肴 季凛”は、会席料理をメインとする日本料理店ですが、単品ものもいくつか取り揃えています。メニューを開くと、こんな感じになっています。
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“西京焼”とありますが、“西京焼”と言えば、日本料理店ならではの単品ものの一つです。ここにも書いてあるように、“銀鱈” 、”鰆”を使用しているのですが、たまには、こんな魚も使うこともあります。
そんな今日のやり取りです。
「西京焼ってあるんですが、今日は・・・?」と、お客様。
「“銀鱈”か、“めかじき”ですけど・・・。」
「食べたことないし、“めかじき”で・・・。」
「かしこまりました。」とホールスタッフが近づいてきました。
「親方、“めかじき”を一つお願いします。」
「はい。“めかじき”ね。」
ということで、焼き始めました。
でも、“めかじき”って・・・?ということで、焼きあがるまでに、“めかじき”のお話しを。
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大きな塊です。もう少し近くで見てみます。
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この塊ですと、7~8キロくらいあります。この魚の名前ですが、“めかじき”です。“めかじき”は、500キロにもなる超大型の魚です。ですから、こんな風に塊で入荷してきます。ですから、自分はその姿を、まだ見たことがありません。
ところで、ご存知かと思いますが、“めかじき”の仲間には、“まかじき”という魚もいます。両者については、こちらを。
この”めかじき”の産地は、宮城県・気仙沼です。
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“めかじき”は、冷凍ものも出回っていますが、このように生のものは、やはり風味が違います。冷凍ものは、アメリカなどからの輸入物です。
先程お話ししたように、“西京焼”に限らず、“照焼”にしても美味しく召し上がることが出来ます。
そうこうお話ししていたら、“めかじきの西京焼”が出来上がりました。
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こちらのものは単品ものですが、やや小さめに包丁して、時々、ランチメニュー(小会席 季 1,500円)でお出ししたりもしています。
日本料理の焼物には、いろんなものがありますし、自分も変わった焼物を作ったり、見たり、教わったりしてきましたが、その中でも“西京焼”は王道とも言えます。
もっと言えば、“塩焼”、“照焼”、”西京焼”の三つだけが素材を引き立てる焼物だと、ここ最近思うようになりました。
今の日本料理の一つの流れとして、伝統的な仕事を重んじる傾向にあり、素材そのものの味を重視する本来の姿に帰りつつあります。自分もその考えです。
ただ、新しい食材や調理法を上手く採り入れることで、伝統を重んじながらも、今の時代、これからの時代に合う料理を作り続けるよう柔軟でありたいものです。
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