真空パックして冷凍したシャイマスカットの実&アイスの素
Vol.4161
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月30日)は
冷凍したシャインマスカットの
実とアイスの素
についてお話しします。
「ねぇ、親方。
シャインマスカットって
人気があるフルーツだよね。」
と、ミニふぐちゃん。
「人気があるっていうか
今一番人気があるフルーツ
だと思うよ。」
と、返しました。
「やっぱり、そうなんだぁ。」
「人気があるから
10年くらい前に比べて
栽培面積も6倍に増えたんだって。」
「それって、凄くね。」
「増えたのは
他にも理由があるんだけど
仕込みをしたいから
ここでやめるけど・・・。」
「このシャインマスカットも
アイスにするの?」
「そうだよ。
アイスにするのに
皮を剥かなきゃなんないから
手伝ってくれるかな?」
「えっ、これから!?
いやぁ~、そのぉ・・・。」
「まぁ、皮剥きは
真由美さんがやってくれるから
大丈夫だよ。」
真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
「房になっていないってことは
これも、もらいものなの?」
「そうだよ。
じゃないと、こんな贅沢なアイスを
仕込めるわけないじゃん。」
「でも、こういうものが貰えるっていうのは
それだけでも
大したことだと思うよ。」
「普段の行いが良いから
自然とそうなるんじゃないのかな。」
「自分で言うかなぁ~。」
「仕込みを始めるから
離れていてね。」
「はぁ~い♬」
先ずは水洗い。
その後
皮を剥きやすくするため
沸騰してお湯にくぐらせたら
氷水の中へ。
ざるに上げたら
皮剥きスタート by 真由美さん
「真由美さ~ん
頑張って~!」
「はいよ~♬」
「真由美さん
手袋をしなくてもいいの?」
「本当はダメなんだけど
しなくてもいいんだよ。」
「え゛っ!?」
「親方に訊いてごらん。」
「親方、どうしてなの?」
「もう少しすれば
分かるから
待っていてよ。」
「はぁ~い♬」
剥き終えたもののうち
アイスに仕込まないものは
冷凍するため
真空パック用の袋へ。(写真 左)
バットに入っているものは
このままアイスに仕込むため
軽く湯通ししたのち
氷水で冷まします。
「こういうことなんだぁ。
熱湯消毒なら
問題ないもんね。」
「冷凍した場合も
同じようにするから
余程のことが無い限り
不都合はないはずだよ。」
「そうだねぇ~。」
ここまで済めば
アイスの仕込みは
ほぼクリア状態。
お話しを続ける前に
剥いたシャインマスカットを
ブードプロセッサーにかけると
このような状態に。
アイスの素が仕上がり
底には
シャンマスカットの粒々。
アイスの素の約半分が
シャインマスカットなので
溢れんばかりの素材感。
既に仕込んだアイスもあるので
アイスの素と
実は
真空パックして
冷凍庫へ。
「これだけで
何個ぐらい取れるの?」
「沢山!」
「出た、得意のぶっきら棒トーク。」
「100ぐらいとか。
まぁ、話半分にしても
50個は軽いね。」
「ってことは
冷凍庫の実と合わせると
それこそ沢山じゃん。」
「まぁ、500個以上
1000個未満って感じかな。」
「かなり幅があるけど・・・。」
「シャインマスカットの他には
桃、マスクメロンのペーストもあるから
総合計で1000個オーバーは
軽いかもね。」
「ひゃ~!」
「これらは普通のアイスだけど
合間を見ながら
チョコミントや焼芋の
“罪悪感無しシリーズ”も仕込むよ。」
「和食屋をやりながら
アイス屋をやる
“新しい二毛作”的日本料理店なんて
どうなの?」
「あはは・・・。
それはないけど
アイスって
普通の人が思うほど
難しくないんだよ。」
「親方はそうかもしれないけど・・・。」
「ただ、市販のアイスって
素材感が乏しいものとか
混ぜ物が多いのが
多いんだよね。」
「そうなの!?」
「香料とかのケミカルなものが
かなり入っているしね。
だからこそ
ちゃんとしたものを
食べてもらいたいんだよ。」
ちなみに、当店の普通のアイスは
卵、上白糖、動物性食品をはじめ
ゼラチン=増粘多糖類を使っていますが
極力、抑えるようにしています。
「アイスに限った話じゃないじゃん
親方の場合。」
「そうだよ。
本物の味、美味しさが全てだからね。
高いものを使わなくても
本物の美味しさを求めることは出来るし
そのためには
料理人としての目と腕を
磨かなくちゃならないんだよ。」
「ほぉ~。」
「分かっているとは思うけど
その美味しさは
身体に優しくなきゃならないんだよ。」
「うんうん。」
「その支えが
マクロビオティック(玄米菜食)なんだ。」
「そういうことなんだぁ~。」
ただ、あまりにも
マクロビオテイックの道を突き進めると
カルトがかってしまいます。
あくまでも
自分が求めるのは
“身体に優しい、美味しい日本料理”で
そのために
努力を惜しむわけにはいきません。
「おっ、すだちじゃん!
そんじゃ、また明日🐡」 by 熱血君
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています。
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。
2023.9.30|デザート 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
ふぐの日にすき焼メイン、盛り込み中心の【特別会席】
Vol.4160
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月29日)も
熱くお話しさせて頂きます。
「ねぇねぇ、親方
29日の今日は
ふぐの日だけに
僕達の日じゃん🐡」
「そうだね🐡
偶然なのか
分かんないけど
ほら
Lサイズと
Sサイズのふぐ刺を用意したよ。」
「わぁ~
ふぐの神様が降りて来たんじゃね🐡」
「そうかなぁ~。」
「ふぐの神様って言えば
いつも思うけど
親方の携帯の番号も
ぜ~ったいに
降りて来ているよね。」
「どうだろうね。
ふぐ免許を取る前から
何と最高(7315)
良いふぐ(4129)だからねぇ。」
「誰が聞いても
驚くに決まってんじゃん!」
「確かに、自分でも不思議だしね。
携帯を初めて買った20年くらい前は
3つくらいの番号から
選んだような・・・。」
「その時に
この番号を選んだのは
何でなの?」
「4129=良い肉ってことで
選んだのかも・・・。
数字を見ると
すぐに
語呂を合わせちゃうんだよね。」
「親方のそういうとこ
嫌いじゃないよ。」
「嫌いじゃないって言い方
自分も嫌いじゃないよ。」
「あちゃ~
そう来たか。
親方には、かなわないね。(笑)」
「良い肉って言えば
どう、これ?」
「どうもこうも
んまそうじゃん!
大皿で盛付けることって
あんまりないよね?」
「あんまりっていうか
全くないし、初めて。」
「そうなんだぁ~。
だから
こういうセットにしたんだね。」
また、常連さんということもあり
ホールに御席をご用意し
先ほどのすき焼をメインにした
変則的なものでした。
前置きが長くなってしまいましたが
すき焼メインの【特別会席】について
今日はお話しします。
◆先付
南京豆腐(かぼちゃの豆腐)
上に乗せてあるのは
枸杞(くこ)の実で
甘酢に漬けてあります。
◆刺身(その1)
ふぐ刺
ふぐは遠州灘産のとらふぐ(天然)です。
◆揚物
さばふぐの唐揚
◆刺身(その2)
盛り合わせ
刺身の内容👇
・錘鰤(つむぶり)
錘鰤はこちらにも。
・〆鰯(しめいわし)
・酢蛸
・小肌
・湯葉
酢で〆たものが多いのは
お客様のご希望によるためです。
◆すき焼
牛肉は国産牛のサーロインです。
お出しする時は
牛肉以外の食材を入れた土鍋に
熱々の出汁を注ぎました。
土鍋に入っているのは
玉ねぎ、えのき、笹がきごぼう
豆腐、くずきりです。
このような料理のことを
牛鍋とか肉吸(にくす)いと
呼んでいます。
出汁は
温かいそば、うどんのつゆの濃さで
一番出汁に
日本酒、濃口醤油、みりん、赤酒、塩で
味を調えたものです。
ここでは
分かりやすくするため
すき焼と呼ぶことにしています。
すき焼に欠かせない卵は
生卵と温泉玉子のどちらかを
選んで頂きました。
「肉吸いなんて
初耳学だよ。
色んな呼び方があるんだね。
生卵と温泉玉子を選んでもらったのは
どうしてなの?」
「生卵って
好き嫌いがはっきりしているし
温泉玉子の方が
食べやすいからだよ。」
「へぇ~、すき焼に
温泉玉子かぁ。
んまそう~😋
親方は、どっち派?」
「どっちでもなく
卵無し派。」
「そういう人
たまにいるよね。」
◆デザート(全てアイス)
・シャインマスカット
・焼芋
・チョコミント
アイスは全て手作りで
デザートは
お好みで選んで頂き
さらに、アイスを召し上がったのは
4人中3人で
2個ずつ召し上がったので
計6個でした。
かなり変則なコースですが
お客様のご要望をベースにした
お任せ料理なので
このようになったのです。
なので、食事(ごはんもの)も
用意しませんでした。
コース料理というと
お決まりというイメージがありますが
前もって
お申し付け下されば
可能な限り
対応させて頂いております。
「明日のランチは予約で
一杯なんだね。
そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん
南伊豆・綾ト丸(あやとまる)の錘鰤(つむぶり)
Vol.4159
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月28日)は
南伊豆産の錘鰤(つむぶり)について
お話しします。
「おはよう、親方🐡
仕入れ、お疲れさま~♬」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう🐡」
「ツムブリを仕入れたんだね。
今が旬なの?」
「一応、秋から冬にかけて
脂が乗って
美味しくなるよ。」
「それこそ
今でしょ!」
「・・・・・。」
「ちょっと
古かったかな・・・ 😅 」
「ここ最近
地元の船が水揚げしているよ。
元々、沢山獲れる魚じゃないから
多いってこともないけど
先週(9月19日)仕入れた時は
その日は
そこそこ水揚げがあったよ。」
「そうなんだぁ~。
ツムブリの隣にあるのは?」
「金目鯛(きんめだい)と
梅色(うめいろ)だよ。
これらはオマケだけどね・・・。」
「オマケ!?」
「インスタがきっかけで
友達になったんだよ。」
「さすが、SNSオタク!」
「失礼なこと言うねぇ。(笑)
IT板前って呼んでくれるかなぁ。
まぁ、金目鯛と梅色のことは置いてといて
錘鰤ね。」
「そこまでツムブリに
熱を上げているなら
市場の様子から
話して欲しいんだけど・・・。」
「はいよ~。」
ということで
時計の針を
市場時間に戻します。
今朝の沼津魚市場には
地物だけでなく
他所の産地からの“送り”の魚も
十分なくらいあったのですが
どういうわけか
自分好みの魚は全く無し。
明日のリベンジに期待するしかないと
思いながら
地物の売場に行くと
南伊豆の綾ト丸の船長が
魚の仕分けをしているところでした。
その中に
今朝仕入れた錘鰤もあり
ひと安心。
種類ごとに
秤にかけられ
札が無いのは
計量前だからです。
売場に並べるのは
あやねえこと船長夫人で
あやねえのインスタは
ちなみに
売場に並べられたら
担当が伝票を書き始め
競りの準備が整いました。
綾ト丸の魚は
全て釣ものであるだけでなく
(あかはた)
釣り上げた直後に
血抜きをしてあるので
(めいち鯛)
鮮度バリバリなので
容姿端麗。
(うめいろ)
同じ漁場(ぎょば)の梅色(うめいろ)と比べると
一目瞭然で
この梅色は
同じ南伊豆の忠兵衛丸が
水揚げしたものです。
当然、綾ト丸の魚の良さは
前から知っていました。
そうは言っても
好みの魚に出会えていなかったので
素通り状態。
ですが
ついに、好みの魚である錘鰤に
出会えたのです。
仲買人と作戦を立て
競りに臨むことにしたところ
売場で最後の魚なので
しくじることは出来ません。
期待と不安を胸に
競りが始まりました。
その頃
綾ト丸夫婦は
仲良し子吉で
仲間の魚の仕分けを手伝っており
こういう様子は
魚市場ならではの光景です。
ようやく
綾ト丸の魚です。
壁の前に仁王立ちしているのが船長で
右端に写っているのが
あやねえ。
自分達の魚ですので
気になるのは当然です。
競りが進むにつれ
その日の相場の目安がつくのですが
勝負と同じで
下駄を履くまでは分かりません。
それでも
当初の希望の値段よりも
お値打ちで
GET!
ということで
仕込み再開。
血抜きをしてあるのは
えらを見ると
はさみで切った痕があり
これだけでも
魚の鮮度は
全くの別ものになるのです。
錘鰤は鱗(うろこ)が細かいので
包丁を使う“すき引き”という方でで
鱗を取り除きます。
「親方、失敗しなかった?」
「ほら
どっちも
平気じゃん。
そもそも
失敗しないので。」
「はいはい・・・。(笑)」
頭を落とし
はらわたを抜き
水洗いしたら
1本の片身だけ
卸しました。
卸し身は
キッチンペーパーに挟み
冷蔵庫へ。
残りの1本の尾を
包丁します。
中骨に残っている血痕を
取り除いたら
針金を通し
血抜きをすると
血が出て来ました。
また、骨付の半身も
同じ下処理をすると
血が出て来ました。
「血を抜くのは
鮮度を長持ちさせるためなんでしょ?」
「そうだよ。
血は内臓みたいなもので
そこから傷むから
取り除かなくちゃならないんだよ。」
「だから
血抜きが大切なんだね。」
「ってことで
はい♬」
「親方、ちょっと違うんじゃね。」
「ありゃりゃ。
こっちだったね。
失礼しました!(笑)」
「確信犯だな・・・♬」
卸さなかった1本半の身は
キッチンペーパーを腹に詰め
軽く真空パックして
氷詰めしておきました。
最初の下処理に
さらなる下処理をしたので
普通の倍以上
鮮度が長持ちします。
「今日は
あらを焼かないの?」
「鮮度がいいから
今日焼くと
身が弾けちゃうから
明日にするよ。」
「そうなんだぁ。
鮮度が良いのは大事だけど
そんなこともあるんだね。」
錘鰤は流通量が少ないので
料理人はもちろん
水産関係者も
知らない人も多い魚の一つです。
また、他にも
そういう類の魚が多く
味と値段が比例しないことも
珍しくありません。
ホームグランドの沼津魚市場は
漁港も併設されている市場なので
そういう魚に触れる機会も
しばしばです。
こういうメリットを活用して
魚菜食文化の日本料理の魅力と共に
漁師をはじめとする
一次産業の代弁者として
声を出し続けていきます。
「明日は月1のふぐの日で
しかも、十五夜と満月が重なるんだって。
そんじゃ、また🐡」
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています。
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。
似て非なる鰤(ぶり)とサーモン2本立ての【西京漬】の仕込み
Vol.4158
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月27日)は
【西京漬】用の鰤(ぶり)とサーモンの
仕込みの様子についてお話しします。
今日、【西京漬】に仕込んだ
北海道産の鰤(ぶり)と
ノルウェー産のサーモンで
こちらが
【西京漬】です。
鰤も
サーモンも
沼津魚市場で
仕入れたものです。
鰤とサーモンを見た熱血君が
「ぶり2本とか
サーモン2本っていうのは
よくあるけど
違う生の魚を同時に仕入れて
【西京漬】に仕込むことって
あんまりないよね?」
と、訊いてきました。
「そうだね。
よく見ているねぇ~。」
「そりゃ、仕込みの様子を
ほぼほぼ毎日
見ているんだよ。
嫌でも詳しくなるに
決まっているじゃん!」
「そりゃ、そうか。
ただ、鰤が
【西京漬】のランナップに入ったのは
夏前だから
そういう機会が無かっただけだよ。」
「そういうことなんだぁ。」
「仕込みの流れは同じでも
7,3キロ(鰤)と
3,6キロ(サーモン)で
目方も倍くらいに違うから
切身にする時に
感覚がつかみにくいんだよ。」
「どういうこと?」
「順を追って話すからね。
こっちが鰤で
こっちがサーモン。
鰤は
腹骨を欠いたら
腹の部分を包丁してから
切身にしていくよ。」
「この部分は
脂乗り乗りで
んまそう~♬」
「そうしたら
皮目を上にして
包丁するんだけど
このままの状態で
秤にかけて
切身の目方(90グラム)と割算すると
何切れ取れそうか
判断出来るでしょ?」
「うん、出来るね。」
「そうしたら
包丁を入れる場所の目安をつけて
注意しながら
包丁するんだよ。」
「うん。
この切身は
何なの?」
「まぁ、その前に
さっきの沢山ある切身は
会席料理用で
これらは
ギフト用なんだよ。」
「1枚のサイズも
90グラムちょっとってこと?」
「そうだよ。
ギフトの場合
形の良いものと
そうじゃないものを組むだけじゃなく
他の魚とも組んで
詰め合わせるのは
知っているよね?」
「うん。」
「だから、形が良くない切身は
目方も1~2割くらい
大きくしてあるんだよ。」
「へぇ~。
じゃ、これは?」
「白くて四角いのは
腹の部分で
これもコース料理用。」
「これを食べられるお客さん
ラッキーじゃん。」
「そうだよ。
1本から4切れしか
取れないしね。」
「その隣っていうか
上にある切身は?」
「形がまぁまぁ良い部分で
ギフト用やコース用よりも
小さいから
ランチ用だよ。」
「ここまで
仕分けるのって
結構たいへんじゃね?」
「かなり神経を使うからね。」
「じゃあ、サーモンは?」
「この沢山あるのが
ギフト用で
これらは
ちょっと小さめだから
ランチ用で
こっちは
お弁当用。」
「でも、ランチ用の数が少ないのは
どうしてなの?」
「手元が狂って
小さくなっちゃったのだよ。
大きい分には
どうにかなるけど
変に小さいと
お弁当用にするしかないんだよ。
そうなると
切り落としが出て
よろしくないから
神経を使うんだよ。」
「聞いているだけでも
神経を使っちゃうよぉ。」
「もっと言うとね
一枚一枚量るから
神経を使うっているより
手間がかかるよ。」
「今日もやっていたよね。
そこまでの必要があるのか
って思うけど・・・。」
「店でお客さんに出す分には
ある程度アバウトでもいいけど
【西京漬】ってなると
自分が見ていない所で焼くわけだから
神経を使わないわけには
いかないよ。」
「確かに、そうだよね。」
「自分が納得してして
仕入れた以上
いい加減な仕事は出来ないからね。」
「今更だけど
恐れ入りました・・・。」
そうこうしていると
ランチの営業時間が
迫りつつあったので
掃除を始めると
//
お片付け~♬ お片付け~♬
さぁさ 二人でお片付け♬
\\
ランチタイムの合間を見ながら
鰤のあらだけでなく
サーモンの中骨を
それぞれ焼いてから
身を
ほぐしておきました。
ほぐし身は
ある程度まとまったら
おまけアイテムのフレークにして
お客様に差し上げます。
サーモンの中骨は
このままごみ箱行きですが
鰤の方は
出汁を取るため
このまま冷蔵庫へ。
また、
鰤も
サーモンのあらも
西京漬にし
これらもおまけアイテムだったり
賄い用です。
「今日のブログを読むと
似たような仕込みをするけど
微妙に違うんだね。」
「そうだよ。
そこが魚の面白さでも
あるんだけどね。
でも、やっぱり神経を使うよ。」
「お疲れ様でした♬」
鰤とサーモンの2本立ての仕込みは
苦心しますが
料理人として
バージョンアップする機会と捉(とら)え
真剣に取り組みます。
「明日発送する【西京漬】じゃん。
そんじゃ、また🐡」
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています。
ご興味、ご関心のある方は
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初めて仕入れた長崎産の真鰯(まいわし)
Vol.4157
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月26日)は
初めて仕入れた長崎県産の
真鰯(まいわし)について
お話ししします。
今朝の沼津魚市場は
地物だけでなく
“送り”の魚の入荷も
少なめでした。
“送り”とは
全国各地から送られてくる荷物のことで
水産業界では
よく使われています。
そんな状況でしたが
“送り”の魚の中に
長崎県産の真鰯(まいわし)が
入荷しており
2ケース仕入れることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると
「おはよう、親方🐡
今日はマイワシを仕入れて来たんだね。」
と、ミニふぐちゃん。
「おはよう🐡
っていうか
仕入れは、これだけ。」
「いつもみたいに
【鰯の丸煮】に仕込むんでしょ?」
※【鰯の丸煮】とは
「それもだけど
刺身にも使うよ。」
「刺身ってことは
そのまま?」
「酢で〆るよ。
ただ、今日のランチの分は
酢で〆るっていうか
酢で洗う感じかな。」
「ふぅ~ん。
今日のマイワシは
長崎産って言ってたけど
長崎のマイワシを仕入れて来たのは
もしかして、お初?」
「そうなんだよ。
でも、よく気付いたじゃん。」
「時々、ブログを読んでいるからね。」
「そりゃ、ありがとちゃん♬」
「マイワシの産地を見ていると
ここ最近が北海道で
三陸、銚子、境港が多いよね。」
「そうだね、生は。
生が無い時は
北海道か青森の冷凍を使うね。」
「へぇ~。」
「長崎って
全国で1、2を争う水産県なんだよ。」
「そうなの、初耳学!」
「漁獲出来る魚の種類が1位で
漁業生産量が2位
漁業就業者数(人口1000人比)が1位とか
他のジャンルでも
ほぼ1、2位にランクインしているんだよ。」
「すげぇ~じゃん。
でも、そこまでになっているのは
どうしてなの?」
「海岸線の長さが
全国の12%で
北海道の次で、2番目。」
「へぇ~。」
「この広い海域に対馬暖流
韓国方面からの黄海冷水
九州沿岸の水が流れ込んで
リアス式海岸や
変化の多い地形が絡んでいるからだよ。」
「他には?」
「漁場(ぎょば)と漁港が近いから
鮮度が良いのも
理由だよ。」
「長崎の食べ物のイメージって
カステラとか
ちゃんぽんだったけど
魚に比べたら
足元にも及ばないじゃん。」
「そうだよ。
長崎無くして
魚は語れないよ。」
「そうだね。
水産関係者は
長崎には足を向けられないね。」
鱗(うろこ)を取り
頭と尾びれを落とし
はらわたを抜いたら
水洗いし
頭は焼いてから
出汁を取るため
えらなどを外し
同じく水洗い。
これらをしてくれるのは
毎度のことながら
女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。
先程のざるに入っているのは
【鰯の丸煮】用ですが
刺身というか
酢〆にするものは
三枚に卸したら
塩をします。
塩が溶けたら
水洗いしたのち
二番酢と呼ばれ
一度酢〆に使った酢で
洗ってから
新しい酢に漬け
昆布で挟み
冷蔵庫へ。
「親方、これは
どうするの?」
「これも酢で〆るんだけど
週末の予約用で
真空パックしておいて
金曜日に仕込むんだよ。」
「その頃に仕入れて来るのは
だめなの?」
「だめじゃないけど
真鰯が無いだけじゃなく
他の魚も無かったら
困るじゃん。
それ用にキープしておかないとね。」
「そこまでするんだぁ。」
「魚が無いのだけは
どうにもならないしね。」
「そうだよねぇ~。」
また、今日のランチでも
お出ししたのですが
先程お話ししたように
軽く塩をしてから
酢で洗っただけのものなので
ほぼほの刺身状態。
真鰯以外のものは
勘八(かんぱち)、湯葉です。
そして、ランチの営業が終わったら
お腹に残っている胆のうの痕を包丁し
再び水洗い by 真由美さん
クッキングシートを敷いた鍋に並べ
水と出汁を入れ
超々弱火の火加減で
明日までの“長旅”へ。
それまでに
頭と中骨を焼き終えると
「おっ、天然のカルシウムじゃん!
これだけでも
んまそう~♬」
「じゃあ、今日のおやつね。」
「わぁ~い♬」
先程お話ししたように
長崎県は全国屈指の水産県なので
水産加工品の多くも
大体1位か
2位です。
スーパーなどで
魚や水産加工品を見たら
今日のお話しを思い出して頂けると
魚菜食文化である
日本料理を生業としている自分としては
嬉しい限りでなりません。
魚の消費量が下り坂になっていても
その美味しさは
下り坂どころか
上り坂である以上
その魅力を伝え続けていきます。
「明日発送する【西京漬】だね。
そんじゃ、また🐡」 by 熱血君
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています。
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。
中古だけど、新しい軽トラ
Vol.4156
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月25日)は
一昨日納車された軽トラについて
お話しします。
一昨日
新しい軽トラがやって来ました。
そもそも新しい軽トラが来たのは
このようなことになったからで
その時の様子については
軽トラを見たふぐとらちゃんが
「おっ、来た来た🚚
良かったじゃん!」
と言いながら
近付いてきました。
「そうだよ。」
「この軽トラって
新しいけど、中古
それとも
中古だけど、新しい
どっちなの?」
「難しいこと言うなぁ~。」
「誰に教わったんだろうねぇ・・・♬」
代車のトラックの隣に
軽トラを移動し
荷台のコンテナを軽トラに
乗せ換えました。
車内に入り
軽トラの取説。
というのも
今度の軽トラは
4駆だからです。
「親父さん
休みなのに
わざわざ有難う♬」
と、ふぐとらちゃん。
休みとあるように
この日は
秋分の日ということで
祝日でした。
「いや、親方も困るだろうし
他のお客さんの車のパンク修理を
急に頼まれたから
ついでに持って来たんだよ。」
「そうなの。」
「お客さんが困っているのに
素通りは出来ないしね。」
「商売人の鏡だよ。」
「よっぽどの時は断るけど
出来る限り
受けるようにしているんだよ。」
「親父さん
👏👏👏」
「ありがとうね。
褒めてくれても
何にも出ないよ。
次の修理があるから
これで帰るね。」
「はぁ~い
お疲れ様♬」
トラックのエンジンを掛けたら
ご主人は工場へ戻りました。
「親父さん
バイバ~イ👋👋👋」
特に難しい操作はないものの
運転席に座り
色々と確認していると
「この軽トラ
マニュアルじゃん。」
「そうだよ。
自分の免許証は
マニュアル限定だからね。」
「え゛っ!?
オートマ限定は聞いたことがあるけど
マニュアル限定なんてあるの?」
「ないよ。
よくもまあ
そういうことが思いつくよね。」
「そう。
物事を色んな角度から見るとか
機転が利くとか
言って欲しいんだけど・・・。」
「そうなの。
車屋の親父さんも
『親方と話していると
けむに巻かれそう。』
って言ってたよ。」
「平気、平気。
付き合いも長いし
それこそ親子ぐらいに歳が離れているから
笑い飛ばしてくれるんだよ。
ただ、さっきの話じゃないけど
仕事やお客さんに対する姿勢には
見習うとこが多いから
そういう点でも
有難い限りだね。」
「良い関係じゃん!」
「それでさぁ
何で4駆なの?」
「人生たるもの
四苦八苦にして
七転八起だからだよ。」
「それって
誰かの言葉なの?」
「いやいや
自分が言っているだけだよ。」
「熱血料理人らしいねぇ~。」
「そうかなぁ。」
「それはそうと
安全運転で頼むよ、親方。
あと、真由美さんを
心配させるのは良くないからね。」
※真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
「はいはい、分かりましたよ。
そう言えば、お友達が
こんなことを言ってたなぁ。」
「ほらぁ~。
皆そうなんだよ。」
ちなみに、こちらのお友達は
当店にいらした時に
Facebookで繋がり
大阪で
【 C.O.P.コンサルティング 】という会社をやられている
整理収納アドバイザーの
ち~ちゃんこと
水口智恵美(みなぐちちえみ)さんです。
なので、自分と真由美さんは
お片付けのち~ちゃんと
呼んでおり
ち~ちゃんのブログです👆
さらにさらに
ち~ちゃんの娘ちゃんは
芸能人のひよこ🐣で
それこそ
蛙の子は蛙にして
恐るべしDNA!
こうして
軽トラに関することは
一件落着となったのでした。
「今日の娘ちゃん弁当 by真由美さん
んまそうだったなぁ~🍱
そんじゃ、また明日🐡」 by ミニふぐちゃん
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当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています。
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。
刺身、ローストビーフ付のお弁当&お子様用のお弁当
Vol.4155
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月24日)は
刺身、ローストビーフ付のお弁当と
お子様用のお弁当について
お話しします。
今日ご用意したお弁当は
こちらでした。
特別な内容の変化はありませんでしたが
こちらのお弁当と共に
ご用意したのが
お子様用のお弁当です。
普通=大人用のお弁当を盛付けるのは
いつものように
女将兼愛妻(!?)の真由美さんで
お子様用は自分でした。
お子様用のお弁当を見た熱血君曰く
「お子様用のお弁当って
盛付けとか内容に
決まりっていうか
定番はないの?」
「ないよ。
だから、自分が盛付けるんだよ。」
「あぁ、そういうことね。」
「その時のお子様の
年齢、好み、アレルギーの有る無しとかで
内容が変わるからね。」
「これまでに作ったのを見たら
似たものはあっても
同じものは
ほとんど無いような感じだったもん。」
「そうだよ。
それにしても
予習済みなんて
大したもんじゃん!」
「えへへ・・・。
じゃあ、内容は
どうやって決めているの?」
「その時の気分だよ。」
「え゛っ、気分って
どういうことなの?」
「だから、気分。
そんなに個数が出るものじゃないから
その時次第ってことだよ。」
「そういう言い方なら
分かるけど
相も変わらず
得意のぶっきら棒トークだよね。」
「まぁね。
ただ、SNSで
色んなお弁当の投稿を見ていると
使えそうなのがあるんだよ。」
「そんなとこで
探しているんだぁ。」
「SNSオタク改め
IT板前だからねぇ~。(笑)」
「あはは・・・。」
お子様のお弁当の内容ですが
御飯は二色にしてあり
御飯を盛付けたら
軽く塩をし
鰹節と
青海苔を
散らしたものです。
ホイルをかぶしてあるのは
それぞれがMIXに
ならないようにするためです。
揚物は
鶏の唐揚、ハッシュドポテト、海老フライです。
最後のマスは
鰤(ぶり)の西京焼
つくねの照焼
玉子焼の3種の焼物を
盛付けてあります。
「こういうお弁当だと
ちびっ子も喜ぶんじゃね。」
「そこは分かんないけど
ただ、日本料理の美味しさを知ってもらえる
機会にはなると思うよ。」
「それはあるよね。」
「和食って地味なイメージがあるけど
こういうお弁当を見て
食べれば
そういうのって
無くなるはずだしね。」
「うんうん♬」
また
今日のお弁当は
これで完成ではありません。
持ち帰り用のパックを用意したら
刺身と
ローストビーフを
盛付けました。
「お持ち帰り用ローストビーフを
用意していたのは見たことあるけど
刺身は
無いんじゃね?」
「そうだよ。
よく見ているね~。
刺身は
それこそ生ものだから
基本的にはやらないけど
季凛から徒歩圏内のお客さんだから
用意したんだよ。」
「そうなんだぁ。
で、刺身の内容は?」
「勘八(かんぱち)
湯葉
かぼすで挟んであるのが
〆鯵だよ。
ローストビーフは
国産牛のもも肉で
季凛オリジナルの
【野菜感溢れるドレッシング】を
添えてあるよ。」
ちなみに、【野菜感溢れるドレッシング】は
お客様が取りに見えたら
ローストビーフ
刺身を乗せ
バタバタしていたので
刺身の写真が反対なのは
ごめんなさい🙇
先程お話ししたように
刺身の持ち帰りには
制限があります。
刺身に限ったことではありませんが
当店がご用意する料理に関しては
可能な限り対応させていた出来ますので
お気軽にお申し付け下さい。
「玄関前の彼岸花が
きれいだね♬
そんじゃ、また明日🐡」 by ふぐとらちゃん
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2023.9.24|お弁当 お子様料理 お持ち帰り(テイクアウト) |permalink|コメントはまだありません
鍋用のすっぽんの仕込み
Vol.4154
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月23日)は
鍋用のすっぽんの下処理について
お話しします。
「おはよう、親方🐡
市場が休みなのに
どうしているの?」
「おはよう🐡
昨日、仕入れて来たんだよ。」
「そうなんだぁ。」
今お話ししたように
このすっぽんは
昨日
沼津魚市場で仕入れたものです。
まな板に乗せると
首を出してきました。
「すごいね~。」
「近づくと
危ないよ。」と言っているそばから
近付くと
「ワァ~、ヤバっ!」
「だから、言ったじゃん。」
「そうだけど。
噛まれたら
雷が鳴るまで
離してくれないの?」
「そんなわけないよ。」
「そうなんだぁ。
噛み付かれたことある、親方は?」
「無いよ。
鋭い歯じゃないけど
要注意だね。」
「でも、何で
ひっくり返しているの?」
「首を使って
起き上ろうとするからだよ。」
「手、足を使ったら
人間と変わらないもんね。」
「まぁね。
今から首を掴んで
締めるから
離れていてね。」
「はぁ~い。」
ここからの写真は
あまりにグロテスクなので
割愛させて頂き
説明のみで・・・。
①首を掴んだら
包丁を入れ
頭を落とします。
②その時に出た血が
活血(いきち)ですが
今日は使いません。
③卸す時は
甲羅をはがし
解剖状態。
ということで
卸し終えたすっぽんです。
「そばで見ていたけど
凄かったよ。
マジで、グログロ!」
「言った通りでしょ。」
「そうだね。
でも、卸したすっぽんは
ちゃんとした食材だね。」
「そうだよ。
ゲテモノと思っている人も多いけど
日本料理の中じゃ
高級食材にして
美食の一つだからね。」
「変な先入観は
良くないってことだね。」
「そうだよ。
すっぽんが可哀想だし
このすっぽんは養殖だけど
それを育てた人も
可哀想じゃん。」
「そうだね。
親方は必ず食材と
その食材に関わる人達のことを
大事にするよね。」
「当たり前だよ。
食材なくして
料理は出来ないからね。」
「そうだったんだね。」
「だから、漁師に限らず
一次産業に関わる人達を
ぞんざいには出来ないんだよ。」
「分かるよ。」
「命あるものを頂くんだもん
ちゃんとした気持ちは必要だね。」
「うんうん。」
今日のすっぽんは鍋用ですので
それほど手間はかかりませんでした。
というのも
すっぽん料理のコースの場合
すっぽん尽くしなので
活血や刺身などの下処理もあるからです。
ちなみに、こちらが
すっぽん料理のコースの内容です👇
「内臓も鍋に仕込むの?」
「そうだよ。」
「どれが何か
教えてくれる?」
「はいよ。
これが胃袋で
腸は胃袋の続きだから
似ているでしょ。
一番大きいのが
肝臓で
赤いのが心臓で
赤黒くて、豆みたいのが腎臓。
今日の2はいは
どっちもメスだったから
卵も入ってたよ。」
「なんだぁなんだぁ。
内臓で食べられないのはあるの?」
「膀胱(ぼうこう)。」
「膀胱は、どうしたの?」
「おしっこが入っている場合があるから
取ったら
すぐにゴミ箱行き。」
「おしっこは臭いの?」
「もちろん。
だから、おしっこが入っている時は
要注意だよ。」
「あとは?」
「食べられないわけじゃないけど
使わないのが胆嚢(たんのう)。」
「苦いから?」
「そうだよ。
つぶれると苦い汁が回るから
肝臓の一部と一緒に外すんだよ。
ただ、これを活血と一緒に
出す場合もあるみたい。」
「へぇ~。
僕達は、パスね。」
「胆嚢をつぶすると
こんな感じだけど
苦そうでしょ?」
「うん。
あと、食べなかったり
使わないのは?」
「爪だよ。
尖っているから
食べるわけにはいかないでしょ?」
「これは、ヤバいよ。」
この後、薄皮を取るため
70度くらいのお湯にくぐらせ
氷水に落としたら
ざるに上げます。
最初に
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに
薄皮を剥いてもらいました。
「こういう仕事って
真由美さんがやること
多いよね?」
「そうだね。
こういう単純な作業って
意外と好きなんだよ、私♬」
「えっ~、そうなの?」
真由美さんがやったものを
自分が手直しをし
洗い上げ
すっぽんの仕込みが終わりました。
「それにしても
すっぽんの仕込みって
かなり手がかかるね。」
「まぁ、かかるね。
特に皮剥きが・・・。
でも、ここまで手を掛けるくらいに
美味しさがあるのが
すっぽんなんだよ。」
「そうなんだぁ。
ランチの時間も近づいているから
早く掃除、掃除!
じゃあ
♬ お片付け~ お片付け~
さぁさ
二人でお片付け ♬」
こうして
すっぽん鍋用のすっぽんの仕込みが終わり
ランチの営業時間と
なったのでした。
「明日は、お弁当があるんだね🍱
そんじゃ、また🐡」 by 熱血君
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地物の勘八(かんぱち)祭り
Vol.4153
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月22日)は
地物の勘八(かんぱち)の
水揚げの様子について
お話しします。
「おはよう、親方🐡
今日は、活かしのカンパチを仕入れたんだね。」
(写真のチョイボケ
すみません🙇)
「おはよう🐡
今朝は勘八祭り状態!」
「お祭り?」
「水揚げが多い時って
そんな風に言ったりするんだよ。」
「市場用語?」
「そんな感じかな。」
「で、どれくらいあったの?」
「活かしが4~50本くらいで
野締めも、その半分くらいかな。」
「そんなんじゃ
よく分かんないんだけど・・・。」
「それって
写真入りで話せってこと?」
「話せっていうか
お話し頂けると
たいへん嬉しいんですけど
いかがなものでしょう?」
「熱烈歓迎!」
ということで
例の如く
時計の針を
市場時間に戻します。
いつものように
沼津魚市場に着き
最初に向かったのが
活魚売場でした。
生簀を覗いていくと
沼津市西浦の定置網漁で
水揚げされた勘八が
この状態にして
わっしょいワッショイ!
16マスの仕切りのうち
11か12マスに
勘八が入っていました。
1マスに
4~5本入っているので
ざっくり50本程度。
また、今日のは
殆どが
殆どが
3,0キロ前後でした。
その中で
1,9キロのものを
GET!
その後
地物の売場に行くと
今朝の“勘八祭り”の主催者たる
冨久豊丸(ふくほうまる)が
水揚げと仕分けをしており
活魚売場同様
勘八が並んでいました。
締めてあるのは
水揚げした時点で
虫の息だったものです。
こちらも
3キロ前後が中心。
と、こんな感じに
仕入れて来ました。
スチロールから取り出したら
暴れないように
顔を覆ったら
頭と
尾びれの付根に
包丁を入れたら
氷を入れた海水に入れ
血抜きをしました。
その後
脊髄に針金を通し
神経を抜き
しばし、海水へ。
冷たい海水に浸けるのは
締めた時に
体温が上昇し
身が焼けてしまうのを
防ぐためです。
海水から取り出したら
すき引きという方法で
包丁で鱗(うろこ)を取り除きます。
このようにするのは
鱗が細かいからです。
鱗を取り、頭を落とし
はらわたを抜いたら
水洗いし
半身だけ
卸し
残りの半身は
骨に残っている血の塊を取るだけでなく
中骨に
金串を刺すと
血が出て来ました。
「どうして
こんなことをするの?」
「この半身は
氷詰めにするんだけど
血が残っていると
鮮度が落ちるからだよ。」
「血って
そんなに良くないの?」
「血を含めた内臓
鱗やぬめりが
魚の生臭さの原因だから
取り除かなくちゃならないんだよ。」
「そうなんだぁ~。」
卸した身は
キッチンペーパーに乗せ
冷蔵庫へ。
骨付の身は
氷詰めに
これまた冷蔵庫へ。
「ねぇ、親方
いつも、あらを焼いておくのに
どうして焼かないの?」
「身が活きている状態で焼くと
身が弾けて
ぐちゃぐちゃになっちゃうし
旨味も出ないからだよ。
だから、焼くのは明日か明後日。」
「そうなんだぁ。」
ちなみに、勘八の隣にあるのは
今朝仕入れた三重産の眼鯵(めあじ)です。
今朝仕入れたものですが
昨日水揚げされたものですので
今日焼いても差支えはありません。
ちなみに、【西京漬】用のサーモンと鰤(ぶり)は
養殖なので
このような使い方はしませんが
中骨などは焼いてから
ほぐし身にして
フレークにしています。
このようにするのは
養殖の魚は出汁の出方が
弱いからで
養殖の鰤を使うのは
天然の鰤の脂が薄い時季の夏場です。
どんな魚でも
最後まで使い切るのが
自分のスタイルで
マクロビオテイック(玄米菜食)の
一物全体という考えに基づいています。
※一物全体
食材を全て食べたり
使うという意味
そして、マクロビオテイックをベースにした
“身体(からだ)に優しい
美味しい日本料理”を通じて
身体も心も豊かになる食生活を
楽しむ人達が増えるためにも
努力を怠るわけにはいきません。
「明日は、すっぽんを卸すんだね。
そんじゃ、また🐡」 by ミニふぐちゃん
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バスツアーの日の早朝
Vol.4152
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月21日)は
次の日のお昼の御席のセットは
前日のうちに済ませるようにしており
セットをしてくれるのは
ほぼほぼ女将兼愛妻(!?)の真由美さんで
今日のバスツアーの御席のセットは
こんな風になりました。
自分もするというか
手伝うこともありますが
料理をお出しするのが
真由美さんですので
彼女の指示に従うのは
言うまでもありません。
人数も多かったこともあり
ホームグランドの沼津魚市場には行きませんでした。
そんな時は
娘達のお弁当の手伝いをさせられるというか
するようになります。
手伝うのは
お弁当用の揚物を揚げることです。
そんな今朝、厨房に行ったのは
5時前ですので
ふぐとらちゃん達は
ZZZ・・・😪
そんな二人を尻目にフライヤーに火を点け
油が温まる間に
バックヤードのトイレや
カウンターの掃除をし
その頃までには
出汁を引くなどのルーチンの段取りを終え
今朝のミッションたる
娘弁当用の豚カツと海老フライを揚げ
住まいである2階の真由美さんへ。
お弁当が仕上がると
ふぐとらちゃんが
「おはよう、親方🐡
んまそう・・・🍱」
「おはよう🐡
今日のバスは来るのが早いから
どんどんやるよ。」
「はぁ~い、頑張って♬」
こういう時は
仕込みをすることは殆どありません。
時間は少ないものの
余裕をもって
掃除を
再開。
その後
盛付けをすることに。
デザート用の器を見ると
「このまま冷蔵庫にしまうの?」
「そうだよ。
デザートは
シャインマスカットのアイスだからね。」
「このところ
皮むきをしているよね。」
「そうだよ。
剥いたものもガッツリ冷凍してあるし
アイスの素も冷凍してあるしね。」
「しばらくの間
シャインマスカットのアイスは
続くの?」
「続くよ。
少人数のお客さんには
選んでもらうようにしているから
意外と長く出せるかもよ。」
「そうかなぁ。
シャイマスカットだよ、シャインマスカット!
今、一番人気のあるフルーツだよ。」
「そりゃ、そうだけど
そんなに熱を上げているってことは
食べたいとか?」
「・・・・・
えへへ・・・🤤」
そして
予定通り
バス到着。
この後からは
一気にバタバタモードが頂点に。
手が空いたら
ふぐとらちゃんにせがまれ、外へ。
「どうして、今日は
玄関前に停めてあるの?」
「雨が降っていて
濡れないように入ってもらうようにするから
乗り降り口を
玄関に近いところにしてもらうんだよ。」
「そこまでするの?」
「っていうか
乗り降りの段取りを
天気によって変えるんだよ。」
「そうなんだぁ。」
お食事を終え
出発時間になったら
皆でお見送り👋👋👋
この様子をFacebookで投稿したら
こんなコメントをしてくれた方がいるんだよ。
「確かにそうだけど・・・wwwww
親方、分かってた?」
「んなわけないじゃん。」
「そうだよ。
俳句や川柳じゃあるまいしねぇ~。」
その後、片付けタイムとなり
再びバタバタモードに。
「真由美さ~ん、頑張って!」
「はいよ~。
お手伝いしてよ、ふぐとらちゃん達も・・・。」
「え~っと、その~
・・・・・。」
こうして
早朝からの半日が
終わったのでした。
「明日発送する【西京漬】に
豪華版があるね。
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