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朝一番で、お持ち帰り(テイクアウト)のふぐ刺&鱧(はも)しゃぶ

Vol.3790

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今日は、

昼ふぐの御席があり、

福島県産のとらふぐ(天然)で、

仕立てました。

すると、ミニふぐ達が、

「美味しそうだね、親方♬」

「勿の論!天然のとらふぐだからね。

刺身もいいけど、ふぐ料理は、

ちりに限るね!」

「ちりって、

チリの国旗 - 世界の国旗

南米の

東京2020チリ共和国パラリンピックホストタウン/加美町

細長い国の?」

「それは、チリ。」

「やってみたかったんだ、これ。

ふぐの鍋料理のことだよね。」

「そうだけど、

まぁ、よく浮かんだね。」

「そう?ところで、今朝は、

早くから仕事を始めなかった?」

「4時半過ぎだよ。」

「えっ!?」


「だから、

君達は、

ZZZ・・・。」

「物音はしたけど、

そのまま寝てたよ。

何をやっていたの?」

「お持ち帰りのふぐ刺と

鱧しゃぶを用意していたんだよ。」

「そんなに早く!?

ってことは、取りに見えたのも、

早かったの?」

「そう、6時だよ。」

「はっ!?」

「これから、話してあげるよ。」

「はぁ~い。」

器に、

ふぐ刺を引きながら、

盛付けていき、

ふぐは、今日の昼ふぐの御席同様、

天然のとらふぐ(福島産)です。

器は、持ち帰り用なので、

プラスチック製で、

蓋とセットになっており、

処理方法に関しては、

各自治体の指示に

従って下さい。(笑)

引き終えたら、

ふぐ皮と、

葱(ねぎ)をあしらうと、

このように仕上がりました。

持ち帰り用ですので、実際には、

葱をラップに包んだ状態で、

分量は、二人前です。

蓋をし、

もみじ卸しと葱、ぽん酢も用意し、

出来上がりです。

鱧(はも)しゃぶは、

容器に水菜を盛付け、

鱧しゃぶ用の出汁も、

用意しました。

鱧しゃぶの野菜が、

水菜だけなのは、お客様の方で、

松茸を御用意されたからです。

鱧と松茸は、

“鱧松”とも呼ばれており、

さらに、その組み合わせは、

出会ものとも称され、

和食界では、秋の味覚の

王座に君臨すると言っても、

過言ではありません。

今日の場合、

お持ち帰り(テイクアウト)の料理として、

御用意しましたが、

もちろん、当店でも、

お召し上がり頂くことが出来ます。

また、先程お話ししたように、

取りに見えたのは、

朝の6時過ぎでした。

料理に関しては、

ご予算、ご要望など、

可能な限り対応させて

頂いておりますので、

お気軽にお問い合わせ下さい。

とりあえず、2022年の鱧(はも)最終便

Vol.3789
『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日も認めます。

秋分の日ですが、

ホームグランドの沼津魚市場は、

通常通り、開市日。

沼津魚市場の休市日は、

基本的に土曜日で、

祝日の前日が、

休市となることもあります。

このような暦なのは、

漁港が併設されている

魚市場だからです。

なので、今朝の場合、

沼津市西浦の定置網漁で

水揚げされたものや、

神奈川県横須賀市長井の

定置網漁で水揚げされた

稚鰤(わらさ)や、

黄肌鮪(きはだまぐろ)が入荷していました。

そんな今朝、

自分が仕入れたのは、

山口県産の活かしの鱧(はも)と、

活〆の鱧でした。

【佳肴 季凛】に戻ったら、

活かしの鱧を締めることにし、

獰猛な性格の鱧ですが、

頭を覆うことで、 動きが止まり、

頭の付根を強く掴むと、金縛り状態。

というのも、左右のえらの間に、

心臓があるからです。

間髪入れずに、

包丁を入れたら、

噛み付かれないように、

口の先端を切り落とすと、

獰猛な風貌は、どこかへ。

神経を抜くため、

脊髄に細い針金を入れ、

死後硬直を遅らせるよりも、

卸す時に、動かないようにするためです。

ぬめりを取り、はらわたを抜いたら、

まな板の上に。

鱧を見たふぐネット達が、

「親方、おはようございます♬」

「おはよう。」

「今週は、魚市場皆勤?」

「そうだよ。」

「\*゚▽゚ノ//”☆ パチパチパチ~」

「仕入れる魚があったし、

前半、後半の三連休のどっちも、

台風がらみで、

魚が少なくなるのが分かっていたから、

まめに行ったんだよ。」

「そうなんだぁ。

早起きはたいへんじゃない?」

「たいへんって言えば、

たいへんだけど、

気に入った食材じゃなきゃ、

料理を作る気にはならないじゃん。」

「そうだよねぇ。」

「料理の道に転がった振り出しが

鮨屋(東京・新宿)で、

その店は交替で築地に

仕入れに行っていたから、

それが身体にしみついているんだよ。」

「三つ子の魂、百まで

ってことじゃん!」

「そうだね。気の利いたこと、

知っているよね。」

「えへへ・・・。

そんなことより、

鱧って、夏が時季の魚だけど、

いつぐらいまで、食べられるの?」

「(入荷が)あるまで。」

「出た!伝家の宝刀、

ぶっきら棒アンサー。(笑)」

「ようやく、自分の性格が

分かってきたみたいじゃん。」

「これだけ、色々と話していれば、

誰でも分かるんじゃね?」

「そうかも・・・。(笑)

今シーズン一番仕入れた産地の

山口県の漁期が終了したし、

他の入荷も徐々に

少なくなっていくから、

終わりかな~。」

「じゃあ、今日が、

鱧納めってこと?」

「確定じゃないけど・・・。」

「そう聞くと、何となく、

淋しいなぁ。」

「時季のものだから、仕方ないし、

それが、時季の食材の

魅力だからね。」

「鱧のあとは、

親方の大本命、萌え燃え・・・ 💖

天然のとらふぐだね。」

「 💖 も 💖 ち 💖 ろ 💖 ん 💖 」

他の仕込みもあったので、

骨切は明日にし、冷蔵庫へ。

ということで、

今日お話ししたように、

完全ではありませんが、

今季の鱧料理は、終了させて頂きます。

とは言え、

御用意が出来る場合も

ございますので、

「食べたい!」

と思われている方は、

お手数ですが、

直接のお電話をお願い致します。

秋らしい『特別会席』

Vol.3784

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

当店のコース料理の

『特別会席』(おひとり121,00円~)は、

御覧のように、

お客様のご予算、ご要望に応じて、

献立を決めさせて頂いています。

その内容は、千差万別ですが、

いわゆる“お任せ”となると、

俄然、力が入ってしまう自分です。

今日の『特別会席』の献立も、

そんな感じのもので、

しかも、“昼特”こと、

昼間の『特別会席』でした。

ということで、今日のお話しは、

タイトルにもあるように、

【秋らしい『特別会席』】についてです。

秋とは言っても、

夏の名残と秋の走りの

端境(はざかい)ですので、

どちらの食材も味わえる

“好いとこ取り”の献立でした。

先付は、

もろこし豆腐で、

名残の食材ということになります。

二品目は、

鱧の天ぷら(夏)で、

鱧料理の中でも、

人気のあるものだけでなく、

個人的にも、夏になると、

ついつい・・・。

夏の食材が続いた後は、

鱧と松茸の土瓶蒸しで、

夏と秋のコラボとも言えます。

日本料理では、

“鱧松(はもまつ)”なる言葉もあり、

ゴールデンコンビとも言っても、

過言ではありません。

また、このような組合わせのことを、

“出会いもの”とも呼んでおり、

同じ季節に出回る

相性が良い食材のことです。

自分が仕立てる土瓶蒸しは、

鱧と、

松茸のみで、

出汁は、焼いてから、

じっくり煮出した

鱧の出汁がベースです。

鱧の出汁は、コラーゲン豊富なので、

美しくなれる、

美味しい食事にして、

文字通りの美食です。

熱々の出汁を注ぎ、

蒸すこと15分弱。

蓋を取り、日本酒を数滴たらし、

三つ葉を散らしたら、蓋をし、

酢橘(すだち)を添え、

お客様の下へ。

松茸はChina産ですが、

多めに入れることで、その点はカバー。

“昼特”ということもあり、

料理の進み具合は早く、

続けざまに、

ふぐ刺(秋~冬)を。

ふぐは、

三重県安乗(あのり)産の天然とらふぐで、

木曜日に卸したものなので、

歯応えと旨味が、ちょうど

黄金比率に達した状態で、

この中の

どれかです。

また、今日は、

生ものを控えている

お客様もいらっしゃったので、

先程のふぐ刺の代わりに、

真空調理で仕立てた

ふぐ刺をお出ししました。

真空調理は低温調理とも

呼ばれているように、

加熱したものです。

ふぐ刺の次は、

季節を問わない

当店の看板の一つでもある

『西京漬』の中でも、

大将格の銀鱈の西京焼でした。

器は、当店オリジナルの

ポーセラーツの器です。

軽い雰囲気がする器ですので、

当初は抵抗があったものの、

最近では、

この器の方が

喜ばれることも多いので、

極力使うようにしています。

西京焼と言えば、

御飯が欠かせず、

秋の御飯となれば、

松茸御飯。

炊き上がったら、

一度お出ししてから、

下げ、

混ぜ合わせたのち、

茶碗に取り分け、

お新香と共にお出し、

セルフでお代わりをして頂くよう、

土鍋ごと、

お出ししておきました。

そして、

国産牛のしゃぶしゃぶを、

小鍋仕立てでお出しし、

しゃぶしゃぶは、

季節感こそないもの

日本料理の中では、

御馳走の一つでもあるので、

『特別会席』の定番でもあります。

具材は、玉ねぎ、えのき

人参、湯葉、くずきりで、

温めた出汁を入れてから、

お出しし、

出汁は、

一番出汁に、

日本酒、塩、

薄口醤油を加えたもので、

つけだれと薬味は、

ぽん酢、ねぎ、紅葉卸しです。

そして、〆のデザートは、

夕張メロンのアイスで、

夕張メロンと言えば、

初夏の頃になると、

その初競りの様子が、

報じられることもしばしばです。

「親方、お疲れ様。」と、

ミニふぐ達。

「お疲れさん。

土鍋で御飯を炊いたから、

今日は、いつもよりも、

神経を使ったよ。」

「どうしてなの?」

「普段、雑穀御飯を、

鍋で炊いているから、

大丈夫なんだけど、

今日は、お出しするタイミングを

考えなくちゃならないし、

仕込みの時とは、

流れが全く違うからね。」

「へぇ~。

それにしても、

今日の献立は、美味しそうだよ。」

「こういう献立は、

かなり短い時季だし、

王道的な食材が揃ったしね。」

「うんうん♬」

実際、あと一か月もすれば、

鱧を用意するのは、

難しくなってしまいます。

そういう儚(はかな)さにして、

季節の移ろいも、

日本料理の魅力ですので、

それを伝える使命も

自分の仕事として、

肝に銘じながら、

日々の仕事に臨む所存です。

ONLY鱧(はも)&ONLY松茸

Vol.3783

『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日も認めます。

ホームグランドの沼津魚市場は、

土曜日が休市日ですが、

前注文したものを

取りに行くことがあります。

そんな今日は、

魚市場に行き、

注文しておいた

活かしの鱧(はも)を、

仕入れて来ました。

休市日ですので、

ONLY鱧(山口産)。

その後、向かったのは、

車で15分ほどのところ

にある食遊市場です。

ここで仕入れたのは、

ONLY松茸(中国産)。

というのも、昨日も食遊市場来て、

野菜をはじめ、

色んな食材を仕入れたからです。

昨日仕入れるつもりだったのですが、

延着のため、取り置きしてもらい、

今日も来ることになりました。

ちなみに、先週の土曜日も、

魚市場と食遊市場の合わせ技で、

その様子については、

こちらをお読みください。

【佳肴 季凛】に戻ったら、

鱧を水槽に入れると、

ふぐネットがやって来て、

「おはようございます、親方♬」

「おはよう。」

「水槽があるなら、

昨日仕入れて、

入れておけばいいんじゃね?」

「それもありなんだけど、

魚市場の生簀の方が、

設備が良いから、

上がる可能性が低いんだよね。」

「へぇ~。

上がるって、どういう意味なの?」

「上がるって、死ぬって意味で、

落ちるとも言うよ。」

「ふぅ~ん。」

「市場の生簀は、水量、水温が、

ちゃんと管理されているし、

魚って、水が変わると、

弱りやすいんだよ。」

「そうなんだぁ~。」

「市場の生簀で、

死んじゃうこともあるけど、

うちの水槽よりは、

安心だからね。

でも、取りに行くまでは、

『もしかすると?』なんて思うよ。」

「そういうことって、ある?」

「無いはずだよ。」

「それなら、その方がいいよね。」

「イエ~ス!」

そして、夕方になり、

水槽から取り出し、

締めたら、神経を抜き、

卸したら、

骨切をし、

鱧料理のマストアイテムの

落とし用に包丁し、

冷蔵庫へ。

その後、お客様がご来店されたら、

落としに仕立て、

このままにしておきます。

冷蔵庫にしまうと、

ゼラチン質が強いこともあり、

皮が煮凝(にこご)りのようになって、

食感が悪くなるからです。

その後、 梅肉醤油(写真 右)と、

土佐醤油(同 左)を添えて、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4104.jpg

お出ししました。

鱧以外の魚は、目鉢鮪(めばちまぐろ)、

しょうさいふぐ、湯葉です。

活きた鱧は、

仕入れ、仕立て方と、

多くの点で、通常の魚とは異なり、

手間が掛かります。

手を抜くことは

いくらでも出来ますが、

手抜き=味を落とすことです。

命ある素材、

ましてや、鱧の場合、

それこそ活きている鱧を

締める以上、

鱧の命をぞんざいにすることは

出来ません。

“料理を作るのが料理人ではなく、

美味しい料理を作るのが料理人”

ということを教わってきた自分です。

どんな状況であれ、

この言葉を忘れることなく、

日々の仕事に臨み続けます。

とらふぐ、【西京漬】用のサーモン、鱧(はも)で、新しい出刃包丁のデビュー

Vol.3782

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今朝、沼津魚市場で仕入れたのは、

天然のとらふぐ(福島産)をはじめ、

【西京漬】用のサーモン(ノルウェー産)、

鱧(山口産)などでした。

仕込みを始めようとすると、

熱血君がやって来て、

「おはようございます、親方」

「おはよう。」

「包丁が化粧箱に入っているけど、

どうして?」

「昨日買って来た出刃包丁だよ。」

「へぇ~、いつデビューするの?」

「これからだよ。」

「最初に卸すっていうか、

使う魚が気になるんだけど・・・。」

「予想はつくでしょ?(笑)」

「まぁ~ね。」

「とりあえず、

包丁のことを話すね。」

「はぁ~い。」

買い求めた包丁屋は、

沼津市にある【正秀刃物店】で、

これまでにも、

牛刀(ぎゅうとう)、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-P8210029-1.jpg

ペティナイフなどを買っています。

10日ほど前に、

「親父さんのお店で扱ってる

合出刃(あいでば)って、

どんな感じですか?」と訊くと、

「 うちは合出刃を扱っていないから、

他で買ってもらってもいいよ。 」

「!?、・・・・・。」

ちなみに、出刃包丁には、

大きく分けて、本出刃(ほんでば)と

合出刃があり、自分は合出刃を使っています。

特別な違いはなく、

合出刃を使っているのは、

使い勝手に過ぎません。

普通なら、

「問屋とかに訊いてみるから、

待っていて下さい。」とか、

「何とかしてみるよ。」という返答なのですが、

なかなかの職人気質ですので、

そういう答えもありなのは、

こちらの親父さんなのです。

むしろ、これぐらいの方が

自分としても、妙に納得してしまうのは、

同じ穴の貉(むじな)だからかもしれません。

とは言え、今の出刃包丁では、

不都合を感じており、

どうにかしたかったので、

昨日出向いたのです。

店内に入ると、

出刃包丁を出してくれ、

サイズ、鋼(はがね)の材質などを訊きながら、

手に取ると、

この包丁が気に入り、

「これで、お願いします。」

「はいよ。刃はどうします?」

「付けて下さい。」

刃を付けるとは、

すぐに使えるように、

砥いでおくことです。

そして、昨日の今日ですが、

早速デビューすることになり、

いの一番に使ったのは、

先程の熱血君の予想通り、

とらふぐで、

とらふぐを締めることに使いました。

締めたら、

血抜きをしておき、

まな板の下で、お留守番。

その間に、サーモンの下処理をし、

頭を落とす時にも使い、

水洗いをしておき、冷蔵庫へ。

その間に、

とらふぐ、

鱧、

サーモンを卸し、

切身にしたら、

夕方までには、

有機JAS認証済の西京味噌をベースにした

お手製の西京味噌と共に、

【西京漬】に仕込み、冷蔵庫へ。

自分が手直しをしたとらふぐは、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが

拭き上げてくれました。

また、魚以外の仕込みが

多かった今日は、

ほぼ休憩無しで仕込みをし、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG4034.jpg

終わったのは、5時過ぎでした。

そして、一日の営業が終わったら、

最後は、包丁砥ぎ。

また、新しい出刃包丁に慣れるまでは、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG4036.jpg

これまでの出刃包丁とのトロイカ体制で、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG4037.jpg

並べると、その違いは一目瞭然です。

旧タイプの出刃包丁にも、

遡ること11年前は、

kimari.jpg

新人で、

その出刃包丁を買い求めた時の様子は、

こちらをお読み下さい。

元々の厚さは違うものの、

先程の写真のように、

刻印が見えないほどになり、

歴史を感じずにいられません。

どちらの柄も、

八角形ですが、

新出刃を見ると、

角張っています。

すり減り、丸みを帯びた

旧出刃を見ると、

自分自身の性格も丸みを

帯びるようになったと感じる

今日この頃で、

時間の経過を感じずにいられません!?(笑)

旧出刃もこれまで同様、

使うのですが、

そんなトロイカ体制もすぐに終わって、

新出刃に代替わりし、

時は経っていくのでしょう。

食遊市場の後に、沼津魚市場で鱧(はも)

Vol.3776

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

休市日の今日は、

沼津魚市場に行く前に、

食遊市場に立寄りました。

6時開店が基本なので、

営業前の店もあるのですが、

八百屋などで、

色々と仕入れました。

普段、食遊市場に寄るのは、

魚市場の後であるだけでなく、

土曜日に来ることは、

かなりのレアケースです。

車で15分足らずの魚市場に着くと、

案の定、案の定

ガラ~ン。

活魚売場の生簀から、

山口県産の鱧(はも)を取り出したら、

ブクブクをセットした発泡スチロールに入れ、

車に積み、

仕入れ終了。

黄色のスチロールには、

様々な買物に備え、

凍らせたペットボトルが入っています。

【佳肴 季凛】に戻ると、熱血君がやって来て、

「おはようございます。今日の鱧は、活きているね。」

「おはよう。そうだよ。」

今日の鱧と、

熱血君が言ったのは、

4本の鱧を昨日仕入れたからで、

その鱧については、こちらを。

「親方、活きているけど、

水槽には入れないの?」

「この鱧は、“昼鱧”の予約に使うから、

このままにしておくよ。」

「そうなんだぁ~。」

昼鱧とは、読んで字の如く、

昼間の鱧料理のコースのことで、

鱧御膳

鱧料理のコースについては、こちらを御覧下さい。

予約時間が近づいたので、

鱧を取り出しました。

締める時に、目を隠しながら、

心臓の付近を掴むと、

動きが止まります。

それ以外の場所を掴むと、

腕に巻き付かれるだけならまだしも、

噛み付かれ、

最悪の場合、

病院行きとなるので、締める時は、

かなり注意が必要です。

締めたら、

頭の付根の切口から、

脊髄に針金を通し、

卸す時に動かないようにするため、

神経を抜きます。

ぬめりを取り、はらわたを抜き、

卸したら、骨切りをし、

鱧料理の定番の

落とし用に包丁しておき、冷蔵庫へ。

お客様が見えたら、

落としに仕立てて、

目鉢鮪(めばちまぐろ)、しょうさいふぐ、

湯葉と共に盛付け、お出ししました。

活きた鱧を使わないと、

花が咲いたようにならないからです。

死んだ鱧で仕立てても、

見た目こそ、それらしくはなるものの、

活締めでも時間が経ったものだと、

パサパサして、美味しくないので、

落としにする時は、

活かしのもので仕立てるしかありません。

なので、休市日でも、1本の鱧のために、

仕入れに行って来るのです。

鱧に限らず、

自分が納得した食材で、

料理を仕立て、

お客様から報酬を頂き、

新たに食材を調達し、

それを繰り返す。

そこに、料理人としての最大の喜びがあり、

それを感じて頂ければ、

料理人冥利に尽きること、

この上ありません。

戸田トロール漁初日の鱧(はも)

『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日( Vol.3775)も認めます。

今朝、

沼津魚市場に行くと、

沼津市戸田(へだ)の

トロール漁の初日で、

普段とは違う光景が、目に入って来ました。

トロール漁は、

底引き網漁とも呼ばれ、

沼津では、

秋口から春までの間が漁期で、

深海の海老(えび)や蟹(など)を中心に、

様々な魚が水揚げされ、

沼津魚市場の風物詩でもあります。

ホームグランドとは言え、

セリが始まる時間も遅いこともあり、

殆ど仕入れたことがありません。

そんな様子を尻目に向かったのが、

シーズン終盤の鱧(はも)の仕入先の問屋で、

ちょうど、

仕分けをしているところでした。

先日の台風11号の影響もあり、

このところ入荷が無く、

気を揉んでいたのですが、

久々の入荷に、ひと安心。

とりあえず、

活締めにされた4本を、

仕入れることにし、

活かしの鱧は、

休市日の明日に取りに来るため、

注文だけしておきました。

活締めにされてはいるものの、

このような鱧のことを、

落ち鱧と呼んでいます。

水産業界では、落ちるという言葉は、

活きていたものが、

死んでしまったものを指し、

上がると言うこともあります。

【佳肴 季凛】に戻ったら、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、

ぬめりを取ってもらい、

卸そうとすると、

熱血君の

「おはようございます、親方」の声。

「おはよう。」

「顔っていうか頭を見ると、

黄色っていか、金色をしているね。」

「そうだよ。鮮度が良いから、

それこそ、色艶(いろつや)がいいでしょ。」

「うんうん。」

「そういうものを選ったからね。

鱧だけなじゃなく、どんな魚でも、

前もって注文をするけど、

早めに来て、

自分好みのを選(よ)りたいし、

そうでなきゃ、

市場に来る意味がないじゃん。」

「そうだよね。」

「もっと言うと、

注文しておいたものが気に入らないと、

担当者に文句を言わなきゃ

気が済まないし、

文句を言って、関係がこじれるのは、

良くないから、早く来て、

選んだ方が、お互いのためだしね。

普段着くのが、5時前だけど、

そういう時は、4時半だったり、

4時なんてこともあるよ。」

「ひゃ~。そこまで早いの!」

「魚に限らず、

気に入った素材じゃないと、

モチベーションが下がるから、

そこだけは、譲れないよ。」

「親方のそういうところ、

分かるような気がするね。」

そして、

卸したら、

骨切りをし、

使い道に合わせ、包丁したり、

串を打っておきました。

これらは、明日の鱧料理のコース用で、

明日は休市日ですが、

それ用に活かしの鱧を、

仕入れに行って来ます。

休市日=早起き不要なので、

明日は、少しばかり気楽です。

☆★☆ 【コエタス】 ★☆★

当店のお取り寄せや

通販の商品などを

召し上がった方々が、

【コエタス】というサイトで、

投稿して下さっています。

ご興味、ご関心がある方は、御覧下さい。

福島県産のとらふぐ(天然)&山口県産の鱧(はも)

Vol.3771

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

定休日の今朝、

沼津魚市場に着いたのは、

普段よりも、

1時間近く早い

4時過ぎでした。

早く着いてしまったのは、

自分宛に、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG3552.jpg

福島県産のとらふぐ(天然)が、

合計で6本、

入荷することになっていたからです。

遠足の日に早起きをする小学生のように、

思われるかもしれませんが、

何か

それが何か? - 1000勝1000敗への長い長い道のり

問題でも?(笑)

先週末から、天然のとらふぐ漁が

解禁になった産地があり、

その一つが、福島県です。

“ふぐに魅せられし料理人”の

自分にとっては、

新年を迎えたような気分なので、

早起きしたのは、自然の流れです。

とらふぐはそのままにしておき、

反対の生簀に、

目を向けると、

活締めにされた山口県産の鱧(はも)が

2本あり、仕入れることにしました。

全ての仕入れを済まし、

最後に、

生簀からとらふぐを出したら、

締め、

血抜きをしたら、

取り出し、

海水で濡らした新聞をかぶせた上に、

鱧を乗せ、

魚市場から帰ることにしました。

『佳肴 季凛』に戻ったら、

鱧を卸したのですが、

骨切りはせず、冷蔵庫へ。

そして、

“真打”の登場と共に、

「親方、いよいよ始まったね。」

「そうだね。

 萌え燃え・・・ 💖 まして、

おめでとう!」

「親方の座右の銘の

萌え燃え・・・ 💖 が、出た~!

ピチピチのとらふぐを見ると、

海にいた頃を思い出すなぁ~。」

「そうなんだぁ。」

「縁あって、親方のところに来たけど、

感慨深いものあるよ。」

「今日は休みだから、

早めに終わりたいから、

始めるよ。」

「親方、ファイト!」

卸し始めると、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG3587.jpg

水洗いを始めてくれ、

卸し終えた自分が手直しをし、

洗い上げました。

真由美さんが、

シンクや、

カウンター内を掃除している間に、

拭き上げると、

再びミニふぐがやって来て、

「きれいな身をしているね。

僕たちも、こんな感じかな~。」

「卸してあげようか?(笑」

「やだよ~。バイバ~イ♬」

その後、

お弁当の仕込みに取り掛かり、

揚物の鯵(あじ)に打粉をしたり、

鮪(まぐろ)の南蛮漬をカップに入れたり、

モロッコ隠元(いんげん)を包丁し、

モロッコ隠元は、

煮物の青味(あおみ)に使います。

最後に包丁を砥ぎ、

玉子焼用の鍋をはじめ、

お弁当に使う道具を出し、

昼までに休日出勤を、

終えることが出来ました。

そして、夕方になって、

【西京漬】などを発送するため、

宅配便の営業所に行くと、

陽の傾き具合は、秋そのもの。

夏が旬の鱧と、

これからが旬のとらふぐを

同時に仕入れたことを思うと、

夕陽同様、秋を感じ、

日中、暑い日があっても、

秋は、すぐそこです。

コラーゲン豊富な鱧(はも)

Vol.3767

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今日から、

9月。

いつものことですが、

「月が替わったら、ツキを変える!」と、

いつの頃からか、月初めに思っている自分ですが、

今月はいかに・・・。

そんな月初めの今日は、

沼津魚市場で、

山口県産の鱧(はも)を、

仕入れました。

骨切りをしたら、

鱧の下拵えは、FINISH。

鱧に限らず、魚を卸した時の

副産物の頭や骨などのあらを

ごみ箱に直行させるのは、

犯罪そのものですし、

どんなものでも、

粗末にすることは出来ません。

あらは、身と同じくらいの

使い道があり、

ぬめりや汚れを、

落としておきました。

すると、ミニふぐ達が、

「親方、これはどうするの?」

「焼いてから、出汁を取るんだよ。」

「出汁を取る前に、焼くの?」

「そうそう。

今朝仕入れた鯵だけど、

同じ様な使い方をするよ。」

「どうして、最初に焼くの?」

「焼けば、余分な水分と生臭さが落ちるし、

香ばしさも出て、

取った出汁も、美味しくなるんだよ。」

「へぇ~。」

「フランス料理でも、

こういう仕込みをして、

フュメ・ド・ポワソンって呼ばれているよ。」

「親方から、フランス語が出て来るなんて、

ビックリ!」

「それくらいならね~。

フランス語だけは、勘弁してよ。」

「勘弁って?」

「大学1年の時、第二外国語で

フランス語を取ったんだけど、

前期の試験で、

100点満点中5点を取って、即不可。

結局3年生で再履修して、

クリアしたけど、

それ以来、フランス語はもう・・・。」

「5点って、凄くない?」

「限りなく、0点に近いからね~。」

「人に歴史ありだね。」

「まぁね。」

あらを焼き終えると、

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再び、ミニふぐがやって来て、

「親方、焼けたね。」

「そうだけど、

ほら。」

「あっ、くっついている!

どうしてなの?」

「鱧は、ゼラチン質が豊富だから、

こんな風になるんだよ。」

「ゼラチン質が多いってことは、

お肌ツルツルになるってことじゃん!」

「まぁ、すぐってことはないけど、

身体に良いのは、確かだよね。」

今日の鱧ではありませんが、

出汁を取る時は、

一番出汁を取った後の

鰹節、宗田節、昆布、椎茸の足と共に、

野菜の皮などを、

煮立たせることなく、

長時間煮出してから、

漉すと、

このような出汁が取れます。

鱧の量にもよりますが、

この出汁が冷えると、

煮凝りのようになります。

煮凝りになるのは、

ゼラチン質が豊富だからで、

ゼラチンは、コラーゲンが

熱で分解されたものですので、

基本的には、同じものです。

鱧は天然の魚で、

成長するにあたって、

成長ホルモンや抗生物質などの

いわゆる薬とは無縁ですので、

自然素材にして、

安全、安心ということになります。

また、ごく一部を除き、 鱧に限らず、

当店で使っている魚は、

天然もので、それらのあらは、

鱧のあらと同じ様に使っており、

一番の使い道は、

小鍋の出汁で、

こちらの小鍋は、

めかぶと野菜の小鍋仕立てです。

中には、9種類の雑穀

(玄米、押麦、黒米、小豆、

もち麦、あわ、ひえ、きび)をはじめ、

野菜など、約20種類くらい食材が

入っており、

小鍋は、ランチや会席料理などで

お召し上がり頂けます。

天然の魚の出汁ゆえ、

薄い味付けでも、

滋味深い味わいです。

高級食材や料理の類(たぐい)は、

カロリーやコレステロールが

高いものが多く、

食べる時に、妙な後ろめたさを

感じないわけでもありません。

逆に、身体に良いものは、

粗末というか、さっぱりしたものが多く、

何となく、もの足りない感じが

してしまうような気がします。

でも、鱧の場合、

そのようなことはなく、

美食にして、ヘルシーとなると、

完璧な食材とも言えます。

“身体に優しい、美味しい日本料理”が、

料理スタイルの自分にとっては、

願ったり、叶ったりの食材ですので、

その素晴らしさに、

惹かれて止まないのです。

賄いの鱧(はも)の天ぷら 

Vol.3765

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

夏場は、昼ごはんに

麺類を食べることが、

多くなるのですが、

麺類だけでは、もの足りないので、

天ぷらを付けています。

というか、

付けちゃっています。

天種は、その時によって様々で、

一番多いのが、

野菜のかき揚げです。

ただ、この時季は、

鱧を仕入れるので、

切り落としを、天ぷらにして、

天ざるにしています。

これを見た熱血君は、

「この時季は、やっぱり鱧?」

「イエ~ス!」

「美味しいのは、よく分かるんだけど、

他にも、鱧の魅力ってあるの?」

「あるよ。鱧は、天然の魚だから、

何よりも安全、安心。

同じ長い魚の鰻(うなぎ)は、

ほぼほぼ養殖。

養殖がだめじゃないけど、

天然の魚の美味しさは、レベチ!」

「レベチなんて言葉、

よく知っているじゃん。

昭和世代なのに。(笑)」

「昭和で、悪ぅ、ござんしたね。

そんなこと言うと、あげないよ。」

「あぁ、ごめんごめん。」

「天ぷらにすると、

あのフワフワ感がいいんだよ。

軽い感じだから、

いくらでもいけちゃうよ。」

「へぇ~、美味そぉじゃん。」

「一個、どう?ほら。」

一口頬張った熱血君は、

「あちあち、ふわふわで、美味しいよ。

でも・・・。」

「でもって?」

「少し骨が口に、

当たるんだけど、骨切を失敗したの?」

「いやいや、尻尾の方だから、

どうしても、当たっちゃうんだよ。

お客さんには出せないけど、

おかずなら、いいでしょ。」

「賄いだしね。また、食べさせてね。」

「はいよ~。」

先程お話ししたように、

天ざるにするのが、

殆どですが、

時には、

趣を変えるため、

器は勿論のこと、

天種だけでなく、

めかぶをあしらったりと、

味わい、見た目でも楽しみ、

とりわけ、自己満足(これが一番大事)の

世界にうっとり、どっぷり。

うっとり、どっぷりだったのは、

麺類に限ったことでなく、

かき揚げにして、

ごはんのお供だったり、

鱧天カレーなる変わり種も。

まだまだ、鱧を仕入れるので、

同じく、まだまだ鱧の味を堪能し、

更に、まだまだ、うっとり、どっぷりと、

させてもらいます。

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