4か月ぶりに、沼津魚市場で仕入れた天然のとらふぐは、静岡県戸田産
昨日は、定休日でしたが、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。いつものように、活魚の売り場に着くと、
既に注文しておいた鱧が、4本置かれていました。
どちらの発泡スチロールにもある“47-9”という札は、市場での自分の買い番です。手前の“WK” 0,9というのは、
和歌山県産の2本で0,9キロという意味です。もう一つの方は、
大分県産の2本で、1,4キロでした。また、活きた鱧は、既に、終わってしまっていたので、鱧を扱う問屋に、注文することにしました。とりあえず、鱧の仕入れは、ひと段落したので、生簀を覗いてみると、
0,5キロの小さな天然のとらふぐが、1本入荷していました。時季外れではありますが、この時季のとらふぐは、網で獲られるもので、仕入れることは、あまりしないのですが、【特別会席】(おひとり 8,500円~)のお客様が、ふぐ刺を、ご希望でしたので、仕入れることにしました。
自分の希望の値段で、
セリ落としてもらうことが、出来ました。ちなみに、沼津の魚市場で、天然のとらふぐを仕入れたのは、4か月振りのことで、その時は、長崎県産のものでした。先ほどの鱧の札とは、番号が違いますが、この問屋とも取引があるので、今回のセリは、こちらに頼みました。ようやく、一通りの仕入れを終え、
朝一番で注文しておいた活きた鱧(和歌山産)を、確認し、店に戻りました。
仕込みを始め、卸し終えたふぐが、
こちらです。このまま冷蔵庫にしまい、身が落ち着いた今日、三枚に卸し、柵取りして、
晒にくるんでから、再び冷蔵庫へ。この感じですと、ご予約のお客様には、ちょうど良さそうな具合で、お出し出来そうです。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
頂き物のマスクメロンのさらなるその後
今日、アイスにしました。ご覧のように、かなりの量ですので、
アイスに仕込まないものは、
真空して冷凍しておきました。冷凍してあれば、大丈夫かと思われるかもしれませんが、味が落ちるのは、時間の問題なので、このようにするのは、当然のことですし、少しずつ仕込むことで、常に美味しいものを、お出しすることが出来ます。
こんなことと、同時進行で、
アイスクリームマシンは、黙々仕事をしてくれていました。一方の自分は、
先日からお出ししている桃のアイスをトッピングして、“大人のクリームソーダ”を飲み、後片付けをしました。言うまでもなく、自分独りというわけにはいきませんので、女将兼愛妻(!?)の真由美さんとアルバイトには、サイダーを入れてものを飲んでもらいながら、頑張ってもらいました。
暑い夏が始まったのか、ピークなのかは、全く分かりませんが、兎にも角にも、夏のデザートは、アイスに限るのは、間違いありません。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
落ち鱧(おちはも)
今朝、沼津の魚市場で仕入れてきた鱧(はも)は、
ふぐで有名な山口県下関産の活きたものを2本と、大分県産の死んだものを2本でした。正確に言えば、死んだものというより、輸送中に死んでしまったものです。
沼津の魚市場に限らず、魚を扱う仕事をしている人は、活きた魚のことを、“活(いけ)”とか、“活(い)かし”と呼んでいます。一方、死んだ魚のことを、“上がり”とか“落ち”と呼んでいるので、今朝の仕入れを、専門というか、業界用語で言えば、活が2本と、落ちが2本ということになります。ただ、落ちという言葉は、旬を過ぎたものについても、言うことがあるので、ご注意下さい。
ご存じの方も多いかと思いますが、鱧は獰猛な性格ゆえ、活の状態では、かなりの注意が必要ですが、
落ちてしまえば、商品価値も低くなってしまうこともあり、
扱い方は、鱧と言えども、ごく普通の魚と何ら変わりません。
氷を敷いた発泡スチロールの上に、
流れ作業の如く、置かれていきます。今朝の落ち鱧の産地は、下関と大分のでしたが、入荷状況によっては、
和歌山の時もあれば、
中国の時もあります。
料理素材としての落ちと活の最大の違いは、鱧料理の代名詞でもある“落とし”に、
仕立てられるかどうかです。というのも、活の鱧でないと、花が咲いたように、開かないだけでなく、味そのものの繊細さを欠くからです。しかしながら、その他の料理の“鱧の天ぷら”をはじめ、“鱧しんじょう蒸し”や、鱧料理のコースの御食事の“鱧茶漬け”などは、大きな差が生まれにくいだけでなく、身が落ち着いた状態のものの方が、仕事がしやすので、落ちには、落ちなりの使い勝手もあるのです。
ただ、落ちを使う時に、注意しなくてはならないのが、内臓です。ふぐとは違って、毒は無いものの、お腹にあるエサが、そのままになり、エサの臭いが、身についてしまい、使い物にならなくなってしまうことがあるのが、その理由です。
その臭いは、繊細な鱧の味とは程遠く、鱧のイメージを台無しにしてしまうくらいの厄介者で、これまでに、自分も使うことなく、何度もゴミ箱行きにしたこともあります。
8月になり、お盆を過ぎ、秋の気配を感じられるようになると、鱧の皮や骨が固くなりはじめ、鱧のシーズンも終わりも間近です。また、台風などがやってくると、入荷自体がありません。まだ、鱧を召し上がっていない方、召し上がりたい方は、是非お早目に・・・・・。
★★★ 佳肴季凛謹製 贈答用 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な『贈答用西京漬』をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 税別 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
頂き物のマスクメロンのその後
先日、頂き物のマスクメロン(愛知県産)のお話しをしましたが、丸4日経ち、
つるの部分も、枯れてきて、全体的に、柔らかくなっていたので、包丁してみると、
どれもこれも、ドンピシャの食べ頃でした。アイスにするので、
種の部分を取り除きましたが、種の周りの部分は、一番甘いので、そのままザルに移しておきました。
果肉の部分は、皮を外してから、適当な大きさに包丁してから、
フードプロセッサーにかけました。一方、種の部分の果汁も、
無駄なく搾り取り、
果肉の果汁と合わせると、
マスクメロン100%の果汁が取れ、量ってみると、5,5リットル程ありました。今日は、時間がなかったので、明日か明後日、アイスの種に仕込みます。そんなマスクメロンのアイスの作り方については、こちらをお読み下さい。
これだけあると、かなりの分量が出来そうで、今から楽しみです。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (おひとり 6,000円)と銘打ちました。この時季の美食の極みでもある鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
とんかつ入りのお弁当
【佳肴 季凛】で、普段ご用意しているお弁当は、
このように、和食そのものといった感じのものですが、お客様のご要望に応じて、可能な限りご用意させて頂いており、
このようなボリューム重視のお弁当を、ご用意したことも、何度かあります。内容こそ、若干違いますが、ボリューム重視のお弁当については、こちらをお読み下さい。
そんな今日ご用意したボリューム重視のお弁当が、
こちらで、揚物を、とんかつにし、これまで通りに、御飯は、白御飯にしました。とんかつを揚物として使うのは、初めてのことですが、仕込みは、一般的なフライ同様、
塩と胡椒をしてから、
ランチの営業前までに仕上げなくてはならないので、昨日の時点で、パン粉をつけておきました。パン粉は、
生パン粉です。冷めて食べるお弁当だからこそ、生パン粉を使うのは、当然です。今日の豚肉は、静岡県産のもので、部位は、ロースでした。
パン粉をつけた豚肉を、
油に入れ、しばらくすると、
パン粉が色付き、
揚げ上がりました。油が切れたら、さらに油を切るために、
キッチンペーパーに乗せ、しばらくして、半分に包丁してから、
天紙(てんし)を敷いた容器に盛り付けました。とんかつというと、繊切キャベツがマストアイテムですが、お弁当ということもあり、出来るだけ水分が出るようなものは、避けたいので、天紙を使い、
しし唐とレモンをあしらい、ソースを入れました。煮物の隣りに、
とんかつを入れた頃に、物などを盛り付けた“口取り”と鶏肉の照焼は、
既に仕上がっていただけでなく、
御飯も、既に盛り付けてあり、仕上がったお弁当は、
このようなものでした。
お弁当に限らず、「お任せします。」というご注文も、嬉しいものですが、ボリューム重視というような漠然としたご要望こそ、意外と工夫のしがいがあるもので、自分のような一人仕事の者にとっては、有難い課題です。お弁当ひとつとっても、料理の道は難しいもので、修行の余地は、まだまだどころか、際限がなさそうですというより、ありません・・・・・。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
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『海の日』に、マリンプール
『海の日』の昨日は、定休日でもある月曜日でしたので、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが作ってくれたお弁当持参で、
富士市内にある【マリンプール】へ、家族3人で、行って来ました。着いた時には、このような混雑ぶりで、
何とか、荷物を置く場所を見つけ、プールに入る準備を始めました。
浮き輪に空気を入れ、
娘に渡し、そのままプールへ。
しばらくすると、
前々から、スライダーに興味を持っていた娘は、
スライダーの階段の下へ。身長を測ると、とりあえずクリア出来たので、
階段を上っていきました。そうこうしていると、
娘が、
滑り始め、あっという間に、
水しぶきと共に、水の中へ。そうこうしてると、
水の中から出て来ました。こんなことを、何回か繰り返していると、お腹も空いてきたようで、
お昼御飯にしました。食べ終わり、休憩し終えると、娘は、再びプールへ。その後、1時間ほど遊び、マリンプールを後にしました。
住まいでもある【佳肴 季凛】に戻り、
自分は、今日のお弁当の仕込みをし、『海の日』の一日は、過ぎていったのでした。
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頂き物のマスクメロン
今日、常連のお客様から、御中元のおすそ分けで、
マスクメロンを頂き、
愛知県田原市の【シーサイドファーム 伊良湖】産のものです。
鮮度も良く、
つるも青々としており、食べ頃には、まだまだでしたので、
蓋をして、追熟させるため、そのまま盛り台の下に置いておきました。
言うまでもなく、このマスクメロンは、デザートでお出しするのですが、いくら素材が良くても、冷して、切って、盛り付けるわけにはいきませんので、ひと手間を加えて、アイスに仕込む予定です。マスクメロンのアイスの作り方については、こちらをお読み下さい。
かつて、日本料理店のデザートと言えば、高価で、珍しい果物を切って、盛り付けるものや和菓子でしたが、時が経ち、フレンチやイタリアンが、料理の一ジャンルとして評価され、パティシエやパティシィエールという職業が、認知されるような時代にあっては、旧来のデザートでは、お客様にお出しすることは出来ません。
ただ、そんな時流にありながらも、素材そのものを活かす日本料理の精神を忘れずに、新しいことに取組みつつ、伝統を受け継いで、その心意気を、自らの料理に映せるよう、素材に向き合うものの、道の長さと奥深さは、魑魅魍魎以外の何物でもありません。
★☆★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ☆★☆
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧彩々』 (夕席)と銘打ちました。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
半年振りに入荷した“大間の鮪”
今日、東京・築地から入荷した鮪は、
青森県・大間産の生の本鮪(天然)で、“大間の鮪”が入荷するのは、約半年振りのことです。前回は、1月24日で、
このようなものが、入荷しました。この写真だけでは、信憑性がないので、この写真をアップした自分のfaebookが、
こちらです。
今更ですが、大間は、生の本鮪として、もっとも有名な産地ですが、一番ではなく、本鮪に限らず、鮪類は、個体差が非常に激しいので、産地だけで、判断出来無いのは、言うまでもありません。ただ、このことは、何も鮪類に限ったことではなく、ありとあらゆる食品に言えるはずです。
また、大間、三厩(みんまや)、戸井などの津軽海峡で、本鮪が、沢山水揚げされるのは、これから年明けぐらいまでです。夏真っ盛り直前ですが、秋は、少しずつ近づいて来ています。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
超ゴージャスな『贈答用西京漬』
【佳肴 季凛】で御用意している『贈答用西京漬』は、
銀鱈とサーモンが、それぞれ3枚ずつ入ったものですが、1枚からでも、お買い求め出来るので、
5枚ずつを詰めたものも御用意することもございますし、その時の仕込みの状況では、鯖を使った西京漬のセットも御用意が可能です。
そんな今日、御用意した西京漬のセットは、
銀鱈とサーモンを、それぞれ10枚ずつ入れた超ゴージャスなセットでした。
詰め終えたら、
蓋をかぶせると、
このようになりました。
お客様のご注文とはいえ、このようなゴージャスな西京漬を詰め終えると、自分だけでなく、女将兼愛妻(!?)の真由美さんやホールのアルバイトが、異口同音に口にしたのは、「欲しい!」でした。
この西京漬を贈る方と贈られる方の御関係は、やんごとなきものと想像するのは、ごく自然のことですが、そこにあるのは、貰う喜びとくれる喜びを知る大人のお付き合い以上に、昨今の日本人が忘れつつある義理人情を、丹精する姿の裏返しそのもののはずです。
お中元、御歳暮をはじめ、暑中見舞い、年賀状などなど・・・。時代を経て、様変わりしましたが、そこを忘れないのは、四季を重んじる日本人のDNAでしょうし、少なくとも日本料理を生業としている以上、大事にしたいものです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
桃(もも)のアイス 後編
前回に引き続き、桃のアイスの作り方のお話しです。
アイスの素を作るのに、桃の煮汁を、
鍋に移し、
上白糖と、
蜂蜜を加えたら、
水でふやかした板ゼラチンを入れ、火にかけ、ゼラチンが溶けたら、裏漉し、
ピューレ状の桃を、
合わせ、ボウルごと氷水をあてながら、冷まし、
風味づけの桃のリキュールと、
レモンの果汁を入れました。
前回お話ししたように、初めて作るということもあり、甘味の分量、味のバランスは、大体の目安で、結果的に、もう一息の味でしたので、
桃のジュースの大御所的存在でもある『不二家 ネクター』と上白糖を合わせ、
アイスの素に加えると、ようやく味全体がまとまりました。これを、
アイスクリームマシンにかけると、
このような状態になり、ようやく完成しました。作りおきして、冷凍しておいても、風味は落ちていってしまうので、今回仕込まなかったアイスの素は、
真空して、冷凍庫にしまいました。こうすることで、新鮮な桃の美味しさを、いつでも味わうことが出来ます。
今更ですが、『佳肴 季凛』でお出ししている料理は、基本的に、先付からデザートに至るまで、全て自分が手作りしたものですが、時には、既製品を使うこともあり、数少ない例外については、こちらをお読み下さい。
ただ、作り方、レシピをこんな風に、公開していいものかと思われるかもしれませんが、自分は、一切の躊躇(ためら)いもなく、お話ししているのには、大きな理由があります。
自分に限らず、どんな料理でも、それを作るための技術は、師事した親方、先輩、同僚、時には、後輩にも教えてもらったことの上に、成り立つもので、100%のオリジナルはあり得ません。だとしたら、自分が覚えた技術を、人に教えてあげることは、義務と言っても、過言ではないはずです。
どんな形であれ、自分の料理をモチーフにした料理が生まれたのならば、自分の料理が評価されたことの証明で、さらに、その料理を食べたお客様が、美味しいと言ってくれたとしたら、二重の評価を受けたことになり、料理人冥利に尽きること、この上ありません。
そんな想いを抱きながら、明日からも、料理の道を、歩き続けます。
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