定休日は、お弁当&ふぐ皮とひれの掃除
今日は、定休日でしたが、ご注文を頂いていたお弁当を、
御用意しました。
数も多かっただけでなく、週末に、御予約が重なり、折などの用意をする余裕もなかったので、昨日の夕方、女将兼愛妻(!?)の真由美さんの指導のもと、
色々と,
準備をしてくれました。
夜の営業が終わると、
真由美さんは、
折を並べ、
きれいな袋をかけておきました。一方の自分は、
弁当を仕上げるだけで良いので、鍋をガス台におき、
卵や米も、用意しておきました。
そして、明くる日の今日、先ず最初に、
サーモンの西京焼を、焼き始めました。焼き上がった頃、厨房では、
煮物は、まだ鍋の中で、程無くすると、
煮上がりました。その頃、真由美さんは、
使った道具を、洗っていました。玉子焼や、
揚物が仕上がった頃、
真由美さんは、盛り付けを始めました。
そんな様子を尻目に、お弁当のお役御免となった自分は、ランチをはじめ、
様々なコースでお出しする“南京豆腐”を、仕込みました。その後、
先日入荷した6本の三重県産のとらふぐ(天然)の皮とひれの掃除をずることにしました。 出刃包丁で、
棘を取り終え、その次に、
ひれを半分に、包丁しました。その頃には、
真由美さんの孤軍奮闘のおかげで、
お弁当は、冒頭の写真のように、仕上りました。その後、真由美さんは、
蓋をし、
紐をかけ、
箱に入れ、
それぞれの数を、
記しておき、完全に仕上げてくれ、あとは、お客様が、取りに見えるのを、待つばかりとなりました。ふぐ皮とひれの掃除を終えた自分は、
白米を研ぎ、雑穀を水に浸しておき、真由美さんは、
最後の洗い物をしていました。その後、自分は、
包丁を砥ぎました。そして、明日は、
三重から、この7本のとらふぐ(天然)が入荷するので、真由美さんに、
まな板周りを養生してもらい、定休日の仕事は、終わったのでした。
結果的に、先週同様、定休日の月曜日に、仕事をし、営業しましたが、多くの方達は、「休みなのに、何故?」とか、「休みは休みで、取った方がいいよ。」とか、「休養は、大事だよ。」と、仰ってくれますが、一人仕事というより、真由美さんと2個1での仕事ゆえ、お互いの都合と確認さえあれば、基本的に、ご予約を受けさせて頂いています。
定休日とはいえども、対応出来るのも、個人店の良さでもありますし、飲食店のようなサービス業は、お客様が楽しんでいる間に、仕事をするものであると思っているので、気にしたこともありませんし、する気もありません。
ただ、個人店というより、天上天下唯我独尊の一人仕事ゆえ、自分勝手な都合で、急なお休みや、営業時間の変更をさせて頂くこともございます。
また、月曜日の営業、御予約などに関しては、明確な線引きもありませんし、それこそ、時と場合次第のケースバイケースですので、ご理解のほど、よろしくお願い致します。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
平成28年2月の鮪コレクション
明日で、2月も終わりです。月に一度の恒例の“鮪コレクション”が、今日のお話しです。いつのように、どれも、東京・築地から入荷したものです。
一番最初に入荷したのが、
和歌山県那智勝浦産の本鮪で、その次が、
千葉県銚子産の本鮪でした。
毎年、2月は、天候不順のため、本鮪に限らず、生の鮪の入荷が芳しくなく、良いものが少ないのですが、この2つに限っては、そのようなことはなく、2月ということすら、忘れてしまうくらいでした。
ただ、この次に、発注した時は、築地のセリ場そのものに、まともな生の鮪が無かったとのことでしたので、
“インド鮪”とも呼ばれている南鮪の冷凍ものを、仕入れることにし、産地は、南アフリカのケープタウンでした。
冷凍ものですので、普段使っている生のものに比べると、劣るのは否定出来ませんが、解凍してみると、
このような色目でしたので、代役としては、合格点をつけることが出来ました。冷凍鮪は、身質もさるこながら、解凍の仕方でも、大きな差が出るので、かなり注意が必要です。ちなみに、自分は、このような方法で、解凍しています。
そして、一昨日の金曜日(26日)に入荷したのが、2月最後のもので、
和歌山県那智勝浦産のものでした。
結果として、3回、生の本鮪が入荷しましたが、最悪の時季ながらも、どれもこれも、抜群と言っても、過言ではないレベルのものでした。
3月は、地中海産の本鮪が入荷して来ることもあります。また、国産ものでは、黄肌鮪の入荷もあるのですが、今年は、少ないようです。さてさて、3月は、どうなることでしょう?
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
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三重県熊野産と静岡県焼津産のとらふぐ(天然)
今朝、沼津の魚市場に行くと、
この売場の隅の方に、
自分あての発泡スチロールが、2つ届いていました。送り主は、三重県熊野の魚屋さんで、中を確認すると、
それぞれに3本ずつ、合計6本のとらふぐ(天然)が、活きたまま入っていました。箱詰めする前に、魚屋さんが撮った写真のように、
6本全て、無事でした。ひと安心すると共に、気分は、もちろん萌え燃え・・・❤
その後、別の売場に向かうと、
静岡県焼津産のとらふぐ(天然)の目方を量り、
セリの準備をしているところでした。焼津産のとらふぐは、
合計で、7本ありました。見ているだけで、再び萌え燃え・・・❤
また、となりの生簀には、
同じく焼津産のしょうさいふぐ(写真 右)と、ひがんふぐ(同 左)が、入っていました。
どちらも、天然ものとは言え、とらふぐではないので、萌え燃え・・・❤とまではならないものの、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、素通り出来ないのは、言わずもがなです。
仲買人と作戦を立てて、セリに臨んだのですが、既に6本確保してあるので、結果的に、高見の見物で終わってしまいました。
そんな今朝の仕入れは、
西京漬用のサーモン(ノルウェー)、鯵(富山)、小肌(佐賀)、帆立(三陸)などでした。
その後、仕込みをすることにしたのですが、
6本のとらふぐを取り出し、
締めたのですが、最初に仕込んだのは、
小肌で、その次に、
鯵の頭を落とし、水洗いまでしたら、サーモンを卸し、
西京漬に仕込むため、お弁当用の切身に包丁し終えたら、大トリが登場し、気分は、再び萌え燃え・・・❤
ランチの営業時間も近づいていたので、急いで卸し終えると、
いつものように、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、営業の合間を見ながら、水洗いをし、自分が手直ししました。
ただ、お客様のお料理をお出しながらですので、
途切れ途切れになってしまったものの、
最後のお客様に、デザート(ココナッツミルクのムース)を、お出しした頃には、水洗いをし終えることが出来ました。
自分が拭き上げ、真由美さんは、
まな板周りを、片付けてくれ、6本のうち、4本がオスで、
十分に成長した白子が入っており、6打数4安打の猛打賞となりました。
静岡、愛知、三重の東海三県の天然のとらふぐ漁は、今月末までです。とは言っても、天然のとらふぐの入荷が全くなくなることはなく、萌え燃え・・・❤の気分に浸れるのは、例年、梅雨前までくらいですので、まだまだ楽しめそうです。
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チャルメラ
毎週水曜日の夜8時ころになると、【佳肴 季凛】の前を、屋台のラーメンの車が通るのですが、いつか機会があれば、食べたいと思っていたところ、ようやく今夜、そんな機会にめぐり合わせました。
お決まりの“チャルメラ”の音色が聞こえたので、外に出て、徐行運転とも言える速度で走っていた軽トラを呼び止め、
注文すると、
麺を鍋に入れ、
作り始めました。待つこと、約5分、
出来上がると、お金を払い、持参したお盆に乗せ、店に戻りました。肝心の味ですが、
思いの外で、何となく懐かしく、染み渡るような気がし、かえって新鮮な感じすらしました。
ところで、今回のお話しで、当ブログ『もっと美味しいお話し』は、1400回となりました。足掛け、7年半弱、これからも、よろしくお願いします。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
苺のリキュールとココナッツのリキュール
以前、デザートを仕込む時に使うリキュールについて、お話ししたことがありますが、これまでに使ったことがないものを、
先日、仕入れて来ました。左側が、
苺のリキュールで、右側が、
ココナッツのリキュールです。
これまで使っていた苺のリキュールは、
こちらでしたが、仕入れ先の酒屋さんによれば、風味が良いとのことでしたので、試しに使ってみることにしました。
一方、ココナッツのリキュールは、
このような乳白色をしており、ココナッツミルクの香りがします。
そして、今日、このリキュールを使って、
ココナッツミルクのムースを、
仕込みました。これまで使っていたのが、
『ディサローノ・アマレット』という銘柄で、アマレットは、アーモンドのような甘く香ばしい香りが、特徴で、アーモンドを使っていると思われがちですが、実際には、杏子の種子を使っているのが、殆どです。
また、種子系のリキュールということもあり、胡麻を使ったデザートを仕込む時にも、アマレットを使ったことがあります。アマレットは、ココナッツのリキュールの香りと、よく似ていますが、ココナッツの風味を、より感じたいので、これからは、ココナッツのリキュールを使うことにしました。
今回お話しした苺のリキュールと、ココナッツのリキュールのように、まだまだ知らない食材は、沢山あり、さらに、それらを使いこなすには、まだまだ勉強する必要があるのを感じました。まだまだ、努力の余地が、大いにありなのは、確かです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
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ありありの定休日
今日は、定休日でしたが、明日(23日)は、
沼津の魚市場が、
休みということもあり、仕入れに行って来ました。少ないながらも、金目鯛(御前崎)が、
良さげでしたので、
1,5キロのものを、1枚仕入れることにしました。また、
真鰯(沼津)も良かったので、
仕入れました。この他にも、冷凍ものや小物などを仕入れ、『佳肴 季凛』に戻りました。
先ほどお話ししたとように、今日は定休日でしたが、ランチの御予約だけでなく、お弁当のご注文も頂いていたので、お昼だけ営業しました。
ランチの営業時間中、合間を見ながら、
刺身の妻を剥いたり、
“サラダ素麺”の野菜を、包丁出来るように、準備しておきました。
そうこうしていると、ランチの営業時間も、終わったので、デザートをお出しする頃には、
お弁当の煮物や焼物も、仕上がっていました。ラストオーダーとなり、他のお客様のお料理の目途がついたので、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、
厨房に、折を並べ、
お弁当の盛り付けを始めました。お客様もお帰りになったので、自分は買い出しに出掛けました。戻ると、
このように仕上がっていました。買い出しに行って来たのは、
豚肉のロースで、戻ると、真由美さんは、明日のお弁当の折を、準備していました。豚肉のロースは、お弁当の揚物に使うので、包丁し、
塩、胡椒をしたら、
真由美さんに、
パン粉をつけてもらいました。その後、
西京漬に仕込む3本の銀鱈(アラスカ)と、
お弁当用の鶏肉の照焼を仕込んだものを、冷凍庫から、出しておきました。
また、とんかつと鶏肉の照焼入りのお弁当で、しかも、
ボリューム重視のお弁当ですので、白米を研いでおきました。
そして、真由美さんの誕生日が、25日ということで、少し早めでしたが、家族で、
鱈場蟹の蟹すきを食し、仕入れ、ランチの営業、お弁当、様々な仕込みと、“ありありの定休日”は、終わったのでした。
3日分のお弁当の準備
今日は、お弁当のご注文はありませんでしたが、明日から3日連続で、お弁当のご注文を頂いているので、
煮物の仕込みをしました。冷めたら、
それぞれの日ごとに、数を振り分けました。日によって、数も違うので、
バットの側面に、
曜日と数を書いたものを、貼っておきました。3日分ですが、一つだけ、蒟蒻が無いのに、お気づきかと思いますが、月曜日は、数も少ないので、
蒟蒻の代わりに、白滝を使うことにしました。白滝は、蒟蒻のような濃い目の味つけではないので、野菜と一緒に、煮含めてあります。
煮物以外には、
つくねの蕃茄煮を仕込みました。蕃茄とは、トマトのことで、トマトケチャップを使った味付けにしてあります。仕込んだのは、
月曜日と火曜日の分でした。というのも、明日は、つくねの代わりに、
生の本鮪の南蛮漬を使うからです。
また、海老の酒煮も、
明日と明後日の分しか、
仕込みませんでした。火曜日も使うのですが、煮物のように、当日火を入れることもないので、仕込むのは、明日か、明後日です。
海老の酒煮同様、明日と明後日分しか、準備しなかったのが、
焼物に使うサーモンの西京漬で、これも、海老の酒煮同様、明日以降の予定です。
お弁当に使う料理の仕込みは、こんな感じでしたが、営業が終わってから、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、
折の準備をしていました。曜日ごとに、
数を書いておいたのですが、明日のお弁当は、法事用のものですので、
紐は、白と紫のものです。火曜日のものは、
料理内容も違うので、別の容器も、準備しておきました。また、月曜日と火曜日のお弁当は、
お茶付ですので、お茶も準備しておきました。
そして、お客様がお帰りになった後、
明日の16個分の折を、テーブル席に、並べておきました。あとは、明日、仕上げるのみです。
ランチを休んで、お弁当
今日は、
夕方までに仕上げなくてはならないお弁当のご注文を、沢山頂いたので、お昼の営業を、お休みさせて頂きました。
数にして、約70人前でしたので、昨日の夜の営業が終わった時点で、
テーブルをつなげ、
折を並べたのですが、並べきれないものは、
カウンターで、盛り付けるように、準備しておきました。
そして、明くる日の今日、ひと通りの仕込みを終えてから、最初に取り掛かったのが、玉子焼で、1本あたり、20人分ですので、
4本焼かなくてはなりません。焼き上げる間、隣りのガス台では、
煮物の蒟蒻の仕上げるため、火にかけ、
先ずは、1本目を焼き上げました。
その頃、
離れた別の厨房では、同じく煮物用の牛蒡とさつま揚げを、火にかけており、その様子は、揚物に使う鶏肉に、片栗粉をつけていた女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、
任せることにしました。蒟蒻が煮上がると、牛蒡とさつま揚げの入った鍋を移動し、
自分は、再び玉子焼に、取り掛かりました。これらが煮上がったら、今度は、
人参を火にかけました。その頃には、
玉子焼きも仕上り、人参を火にかけている頃、
揚物の烏賊の新挽揚げに、取り掛かり始めました。
揚げ上がった頃には、
ようやく人参も煮上がりました。その後、サーモンの西京焼が仕上がった頃、バイトも
盛り付けに参戦し、
一気に仕事が、
はかどりました。そうこうしていると、
ひじき御飯も炊き上がったので、第二弾用に、
別のバットに移し替えておきました。
その頃、洗い場では、普段から、諸々の雑用をしてくれている義母が、
洗い物をしてくれており、ひと通りのものを仕上げた自分は、
日曜日以降のお弁当に使うバットなどを、準備しておきました。ここまできたら4コーナーを周ったようなものです。
煮物と御飯、
焼物などを盛り付けた口取りと揚物が、
このように仕上がり、それぞれを組み合わせたのが、
こちらです。それぞれを、
上下二段に重ねたら、
蓋をかぶせ、
紐を掛け、
箸を乗せ、
箱に詰めました。カウンターと、
テーブル席に、
お茶と一緒に置き、お客様が取りに見えるのを、待つばかりとなりました。
ところで、お弁当とは全く関係ありませんが、ランチの営業をお休みさせて頂いたこともあり、天気も良かったので、
色が落ちていた玄関周りの柱を、
ペンキ屋さんに、塗装し直してもらいました。
お弁当のご注文は、これまで、何度も頂いているのですが、今日のような数は、初めてでしたので、仕上がるまで、少し不安というか、緊張感がありましたが、かつて勤めていた店のことを思い出しながら、仕事をしていました。そんな思い出については、こちらをお読み下さい。
今更ながら、職人仕事は、身体で憶えることゆえ、いつまで経っても、忘れないことを感じました。“雀百まで、踊り忘れず”とは、よく言ったものです。仕事の殆どは、師事した親方や先輩達に教わったものばかりですし、自分オリジナルの料理であっても、それらが基礎となっています。
これからも、日本料理の伝統を受け継ぎながら、日々、仕事をし続ける姿勢だけは、失いたくないものです。
真鰯の丸煮の仕込み
一昨日、昨日と、真鰯についてお話ししてきましたが、今日は、“三部作”の最後です。
頭を落とし、水洗いした真鰯は、生臭みを取るだけでなく、煮崩れにくくするため、
塩をしておきます。1時間ほどすると、
このように、水が出て来ます。その後、
水洗いして、
ざるに上げておき、一晩冷蔵庫にしまっておきます。これも、煮崩れにくくするためです。明くる日の昨日、
鍋に入れたら、
水をはり、骨を柔らかくするため、
酢を入れ、そこに、
昆布を入れ、
火にかけます。火加減は、
煮崩れさせないために、弱火です。しばらくすると、
アクが出てくるので、
丁寧に取り除きます。この作業をしながら、2時間くらい経つと、
このようになり、このまま冷ましておきます。鍋肌は、
アクで汚れているので、
別の鍋を用意し、
移し替え、煮汁にも、
アクやかすが残っているので、
キッチンペーパーで濾し、
このまま一晩おいておきます。そして、今日、
水を足し、日本酒も加え、
再び火にかけます。まだアクも出てくるので、
丁寧に取り除きます。アクが出て来なくなったら、
砂糖を入れます。マクロビオティック(玄米菜食)を基本に据えているだけでなく、自然な甘味をつけたいので、
てんさい糖を使っています。その後、
濃口醤油を加えます。ご覧のように、有機丸大豆で作った醤油です。その後、煮汁の詰まり具合を見ながら、
たまり醤油、
赤酒、
仕上げに、味醂を入れ、煮詰めて、
仕上げます。熱々でも美味しいのですが、濃い目の味付けですので、冷めても、十分美味しいのが、“丸煮”の良さでもあります。お出しする時は、
天に白髪葱をあしらいますが、針生姜や木の芽なども、あしらうこともあります。また、御飯のおかずだけでなく、酒の肴にも、相性がよいだけでなく、それほど、値段も高くないのも、真鰯の良さでもあります。
和食離れが進んでいると、よく耳にしますが、こういう料理こそ、後世に残し、日本料理の伝統を受け継ぎ、伝えていけるよう、日々の仕事に、打ち込む姿勢を、持ち続けたいものです。
沼津産真鰯の水揚げ&氷見産真鰯の南蛮漬
昨日、富山県氷見から、真鰯が入荷したことをお話ししましたが、今朝、沼津の魚市場では、真鰯が、160トンも水揚げがありました。一口に160トンと言っても、想像がつきません。
キロ換算すると、16万キロということになりますが、これまた想像がつきません。5キロ入りの発泡スチロールなら、32000ケース出来たことになり、またまた想像がつきません。
昨日の真鰯の目方が、70~100グラムでしたので、大まかに計算すると、160万本ということになります。実際には、大小様々ですので、200万本位の可能性もあります。結論として、どんな計算をしても、想像がつかいないことだけは、分かりました。
そんな今朝の水揚げの様子ですが、
船から、網に入った真鰯が、クレーンゲームさながらに、釣り上げられ、
卸されると、
コンベアに乗せられ、
次々と、
移動し、
ダンベと呼ばれる容器に、入れられていきました。この後、セリにかけられ、箱詰めされて、再び売場に並ぶのは、明日になります。
料理の世界に入ってから、築地を始め、色んな魚市場に通い、行ったことはあっても、このような光景を見るのは、実は、初めてのことで、社会科見学のような気分でした。
ここからは、昨日の続きで、タイトルにもあるように、真鰯の南蛮漬の作り方について、お話しします。
水分をきれいにふき取った真鰯に、
片栗粉をつけたら、
160度位の油で、
揚げます。揚げ上がりは、
このような感です。揚がった真鰯を、
盆ざるに乗せます。この上から、
沸騰したお湯を、
油抜きのため、回し掛けます。掛け終えたら、
バットに並べていきます。お湯を掛けた片栗粉が糊状になってしまうので、手際よく、やらなくてはなりません。
並べた真鰯の上に、立塩(たてじお)と呼ばれる海水程度の塩水につけて、しんなりさせた玉葱を乗せたら、
再び、
真鰯を乗せ、
同じ要領で、玉葱を乗せ、
お湯で戻した鷹の爪を入れ、
土佐酢を注ぎます。土佐酢とは、鰹出汁に、酢、砂糖、薄口醤油などの調味料で、味を調えた合わせ酢のことで、その割(レシピ)は、人それぞれです。
ひたひたになるまで、
注いだら、
落としラップをして、
蓋をして、
冷蔵庫にしまいます。2,3日すれば、味が染み込み、出来上がりです。昨日仕入れた70グラムサイズの真鰯を全て、南蛮漬に仕込んだわけではなく、残ったものは、
三枚に卸して、
おきました。刺身でも食べられるものですが、自分は揚物に使うので、一度に使い切れないものは、
真空パックして、冷凍しておきました。
とりあえず、真鰯については、中編までお話ししましたが、後編は次回の予定で、骨ごと食べられるように、煮上げた“丸煮”についてお話しします。
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