5月の鮪コレクション、そして松方弘樹の生の本鮪
今日で、5月も終わりです。そんな5月の締めくくりは、月末、もしくは月初めのお決まりの“鮪コレクション”です。もちろん、全て生の天然もので、東京・築地から入荷しました。
先ず最初に入荷したのは、
ニュージーランド産の南鮪でした。
この次が、
塩釜産の本鮪で、3回目は、
最初と同じ、ニュージーランド産の南鮪で、強烈なくらいに脂が乗っていました。その様子は、こちらを、ご覧下さい。
4回目が、
塩釜産の本鮪でした。この次に、
連続で、
勝浦産の本鮪が続きました。そして、最後が、
今月3回目の塩釜産の本鮪でした。
結果として、塩釜産の本鮪が、3回、勝浦産の本鮪が、2回、ニュージーランド産の南鮪が、2回でした。これらの中で、一番良かったというより、自分が好みだったのが、最後の塩釜産のものでした。
これぐらいの身質のものですと、恐らく2週間くらいは、色が変わることなく、持つはずです。以前、自分が仕入れている生の鮪の原価についてお話ししたように、高いには高いなりの訳があり、安物買いの銭失いということにはなりません。もっとも、自然相手の相場のものですので、掘り出し物のようなものに、出くわすこともあるのは、事実です。
ところで、生の鮪と言えば、先日、俳優の松方弘樹(敬称略)が、
沖縄県で、
本鮪を釣った記事が、報道されました。そして、昨日、
築地で、
セリにかけられました。ご覧のように、丸々どころか、スリムな魚体で、傷がついており、間違っても、良いものではないものです。結果的に、
キロ6,000円という値段で、セリ落とされたのですが、この程度のものでは、あり得ない値段で、自分の仕入れ先の築地の鮪屋に訊いたところ、酷評していました。
これだけでは、説得力が無いので、自分が、鮪の入荷状況を確認するために、毎日チェックしている築地の鮪屋のブログには、このように書かれていました。
人それぞれ、色んなスタイルの商売のやり方があるのだとしか、自分には、言えませんし、これ以上お話しするのは、自分の立ち位置を下げるようなことになるので、やめておきます。
ちなみに、セリ値の約8割が、釣り上げた松方弘樹に入ることになり、ちょっとした宝くじに、当たったようなものなので、一番得したのは、彼かもしれません。
例年、6月は、本鮪よりも、ニュージーランドやオーストラリアの南鮪が入荷するのですが、今年は、どうなることでしょう?さらに、5月最後の塩釜の本鮪が、どこまで持つのかも、気になるところです。
熊本県産の天然のすっぽん
週に、何度か通っている沼津の魚市場には、
小売りをしている町の魚屋さんのような問屋もあります。先日、この問屋の店先に、
熊本県産のすっぽんが、3ケースほど入荷していました。それぞれの入数と目方は、上から、3,2キロ(2ハイ入)、2,0キロ(1ハイ入)、2,7キロ(2ハイ入)でした。
この中から、
2,7キロのものを、
仕入れました。天然のすっぽんは、泥臭い場合もあるので、泥抜きをするために、
水の入ったバケツに、入れておいたのですが、しばらくすると、
この2ハイが、喧嘩を始め、噛み付き合ってしまったので、
別々にすることにしました。すっぽんに訊いたわけではありませんが、天然は、性格が荒っぽいのかもしれません。
養殖の場合、このようなことを、見たことがなかっただけに、かなり驚きました。ちなみに、当店で使っているすっぽんは、殆どの場合、養殖です。というのも、天然は、入荷が不安定というより、殆どないからです。
また、もう一つ気付いた特徴がありました。それは、養殖とは違い、動きがかなり素早いのです。これにも、かなり驚きました。この二つの特徴は、自然環境の中で、生きていく以上、自ずと備わってしまうのかもしれません。
そんなあくる日、
お帰りの際に、当店が載っている今月号のフリーペーパーを見た常連のお客様に、
この2ハイのことをお話しすると、
「折角なので、写真を撮ろう!」ということになりました。
ただ、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、萌え燃え・・・❤なのは、
どこまでいっても、ジャンボちゃんです。
とは言うものの、天然のとらふぐの美味しさに目覚めるまでは、すっぽんほど美味しいものはないと、自分は、思っていました。
すっぽんの美味しさは、肉でもなく、魚でもなく、すっぽんとしか言い様がありませんし、他の食材をもってしても代えることが出来ないものです。特に、天然ものは、出汁の出方が、養殖ものの比では、ありません。
ですので、すっぽんを味わうには、鍋に限ります。その出汁は、旨味の宝庫で、1ハイで、2升は、十分に取れる程なのです。
この2ハイで、どれくらいの出汁が取れるのか、今からワクワクしています。やはり、良い食材は、料理人にとっては、何物にも代え難いものですし、モチベーションの源です。
ただ、日本料理の中でも、美食の一つでもあるすっぽんは、年々食べられなくなる傾向にあり、沼津の魚市場にある、すっぽんをすっぽんを取り扱っていた問屋が、2,3年くらい前から、取り扱わなくなってしまいました。
日本料理文化が、ユネスコの世界無形文化遺産登録されたにも関わらず、このような状況にあるのは、日本人自身が、食していないことでもあります。
すっぽん料理が、高嶺というより、高値の花なのは、事実ですが、日本料理に携わる以上、すっぽんに限ったことでなく、和食文化を、後世に残すのも、自分の役目であると思い、日々、仕事をしていかねばと、思います。
大分県産の落ち鱧
今朝は、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。いつものように、一番最初に、
生簀のある活魚売場に、向かいました。生簀の手前に並んでいた発泡スチロールの中に、
大分県産の鱧があり、札に書かれているように、12本で、6,0キロでした。御覧のように、活きてはいません。というより、活きたまま、箱詰めされてきたのですが、途中で死んでしまったもので、“落ち鱧”と呼ばれています。
ちなみに、この鱧の隣には、
山口県産の鱧もありましたが、自分好みのサイズよりも大きい7~800グラムサイズのものでしたので、仕入れることはしませんでした。
“落ち鱧”は、
鱧料理のマストアイテムでもある“落とし”には、仕立てることは出来ませんが、その他の料理に仕立てることも出来るので、仕入れることも、しばしばです。
ただ、“落ち鱧”は、お腹にエサがある状態で、死んでいるので、時には、その臭いが身についてしまうこともあり、注意が必要です。【佳肴 季凛】に戻ると、他の仕込みの前に、
死んでしまってから、時間が経っていないこともあるので、〆てから、
お腹を裂き、はらわたを出しておきます。その後、
水洗いをしてから、卸し、
ちゃんとした状態で、身が使えるので、12本全て、骨切りをし、
頭や骨などのアラの部分は、こんがり焼いてから、出汁を取れるようにしておきました。
国産の鱧の入荷が増え始めてきたこともあり、鱧のシーズンも、いよいよです。当店の『鱧料理』については、こちらをご覧下さい。
夏季限定ランチメニュー【涼し夏(すずしげ)】、始めました。
『佳肴 季凛』では、ランチタイムの営業時間のテーブルには、
このように、
お品書きを置いてあります。御覧のように、
【季】(おひとり 1,500円)、【凛】(同 2,800円)、【涼し夏】(同 1,500円)の3種類、御用意してあります。
また、【涼し夏】には、夏季限定メニューとあり、
裏側に、大きく写真付きで、載っています。
5月の半ばを過ぎたあたりから、
新聞報道などで、
気温が上がり、夏日などの文字を目にするようになっただけでなく、お客様の問い合せなども頂く機会も増えたこともあり、今日から、【涼し夏】をお出しすることにしました。
先程の写真にもあるように、【涼し夏】は、全7品で、今日お出しした料理は、
先付の一品目が、グリンピースで作った“うすい豆腐”で、二品目が、
“茄子のオランダ煮”でした。
その次が、
【涼し夏】のメインでもある“サラダ素麺”で、お手製の胡麻だれを掛け、沢山の刻み野菜を盛り付けてあります。
これだけでは、物足りないので、
俵型にしたおにぎりを、2個お出しし、今日のは、“松前御飯”でした。
コース仕立てとは言っても、お昼御飯ですので、合い間を見ることなく、
副菜の“鮪のタルタル”となり、“鮪のタルタル”は、このような料理を、アレンジしたものです。
これらの料理だけでは、温かいものがないので、
最後の料理は、蒸物の“鰯つみれ錦糸蒸し”をお出ししました。
お食事の後は、
デザートの“苺のムース”と共に、食後のお飲物となりますが、今日のお客様のご希望は、
ホットコーヒーでした。もちろん、アイスコーヒーも御用意しており、豆は、
マクロビオティック(玄米菜食)を基本に据え、“身体に優しい、美味しい日本料理”をお出ししている当店ですので、オーガニックのものです。
コーヒーが苦手な方もいらっしゃるので、日替わりで、
ハーブティーのローズヒップ、ミントや、
紅茶も、御用意しており、コーヒー同様、全てオーガニックのものです。
【涼し夏】の品数とメインの“サラダ素麺”は、変更することはございませんが、他の料理内容については、仕入れや仕込みの状況によって、変更する場合も、あります。また、お召し上がり頂ける期間は、秋のお彼岸頃までを、目安にしております。
夏のお食事というと、のど越しのいい冷たい麺類だけとなってしまい、夏バテの原因になることもしばしばですが、【涼し夏】のように、冷たいものが多いながらも、温かいものを一つお出しするだけでも、ちょつとした満腹感も得られます。
また、量は少なくても、数多くの食材を召し上がることで、身体を、いたわってあげることが出来ます。今年の夏の気候は、どうなるかは分かりませんが、くれぐれもご自愛下さい。
定休日の仕入れ&仕込み
今日は、定休日でしたが、沼津の魚市場に、
仕入れに行って来たのですが、今朝は、
下田、稲取などの地物の金目鯛が沢山入荷しており、
目方を量っては、次々に、
売場に、
並べられていきました。これ以外も、まだあったので、専用の箱が足りなくなり、
発泡スチロールが、
宙を舞うほどでした。セリの開始時間には、まだ早く、別の売場に向かい、
岩牡蠣(宮崎)や、
小肌(佐賀)を、仕入れたり、
他の売場では、
蛍烏賊(富山湾)を、
仕入れました。結果的に、自分は、
下田産のものを、仕入れました。ちなみに、
1,8キロでした。この他にも、冷凍ものなどを仕入れ、市場を後にしました。
【佳肴 季凛】に戻り、小肌を仕込んだりしました。
また、金目鯛は、水洗いをしてから、
卸さずに、
冷蔵庫にしまいました。自分が、仕込みをしている一方で、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、
明日のランチに見える団体のお席の用意をしていました。
セットを終えると、
蛍烏賊の掃除をしてくれ、魚の仕込みを終えた自分は、
先付の“うすい豆腐”を流しました。“うすい豆腐”とは、グリンピースで作った豆腐のことです。蛍烏賊同様、そろそろ時季も、終わりになり、名残りと言った感じです。その後、
“松前御飯”用の米を研ぎ、
器を出し終え、仕込みが終わりました。
これまでにも、何度もお話ししているように、一人仕事というより、個人店ゆえ、定休日に、仕事をすることも、しばしばです。本音を言えば、手抜きをしようと思ったことが、ないわけではありません。
でも、ちゃんとした料理をお出しして、お客様に喜んでもらうのが、料理人の料理人たる所以にして、自分の拠りどころですので、頑なに、貫くのみです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
三重県産の鱧の仕込み
今日は、沼津の魚市場に、
仕入れに行って来ました。構内を歩いていると、
地物の障泥烏賊(あおりいか)の水揚げが、ありました。もっと早い時季に、水揚げがあるのですが、この2,3年は、量が少なく、今年は、かなりの不漁で、高値安定が続いていましたが、これら以外にも、水揚げがあり、
まずまずの値段で、この障泥烏賊(1,6キロ)を、仕入れることが出来ました。この障泥烏賊以外にも、
小肌(佐賀)、蛍烏賊(富山湾)などを仕入れ、沼津の魚市場を、後にしました。【佳肴 季凛】に戻る前に、
宅配便の営業所に立ち寄り、
三重県熊野から届いた荷物を、受け取りました。【佳肴 季凛】に着き、中を開けると、
活〆にされた17本の鱧が、入っていました。また、活〆にされているだけでなく、
お腹を開いて、胃袋や腸なども、取り除かれています。残っているのは、肝臓や真子(卵巣)、白子(精巣)などです。ここまでされているのは、自分の要望で、活〆にされても、お腹に餌が残っていると、その臭いが、身についてしまうからです。
水洗いをしてから、
ランチの営業時間までに、
全て卸し終えておきました。卸し終えた後のあらの部分は、
出汁を取るために、こんがり焼いておきました。ちなみに、鱧の出汁とは、このようなものです。
とりあえず、今日のうちに、ここまでやっておく予定でしたが、鱧の下拵えの関所とも言うべき、骨切りも、
時間の余裕があったので、することにしました。既に、夜の営業時間でしたので、
料理をお出ししながら、
全て終えることが出来ました。ちなみに、先ほどの刺身は、会席料理の【凛】(おひとり 4,000円のもので、生の本鮪(那智勝浦)、蛍烏賊(富山湾)、小肌(佐賀)、湯葉の四種盛りでした。
細い鱧などの身は、
鱧しんじょう蒸しを仕込むために、身と皮の部分に、
分けておきました。皮は、あら同様、出汁を取るのに使います。鱧しんじょう蒸しの仕込み方については、こちらをご覧下さい。
とりあえず、ここまで下拵えをしておいたので、明日の仕込みが一つ減ったので、ほっとした気分で、一日を終えることが出来ました。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
2人で、ファミレス
昨日は、夜の営業をお休みさせて頂きました。というのも、2人の娘達の用事が、重なったからでした。女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、上の娘の用事に行き、自分は、
下の娘が通うスイミングスクールに、行き、スイミングの後は、2人で、夕飯を食べに行きました。行った先は、ファミレスで、
2人で、乾杯。2人で、夕飯を食べるのは、初めてのことですので、妙に、緊張しているような・・・。暫くすると、
サラダや、
フライドポテトが運ばれて来ました。そうこうしてると、
娘には、メインのハンバーグ、自分には、
ステーキが、運ばれて来ました。
お腹が空いているようで、
無我夢中で、
御飯を平らげ、
残りのハンバーグも、
完食。〆のデザートも、
同じく完食しました。
【佳肴 季凛】を開店した当時は、幼稚園に行く前で、それこそ赤ちゃんみたいな感じでしたが、小学生になり、既に4年生です。我が子とは言え、子供の成長は早いもので、嬉しくもあり、そうでない面もあります。
また、中学生になれば、父親である自分のことを、“ウザい”とか“KY(空気読めない”呼ばわりするのは、覚悟しています。そうなると、しばらくの間、没交渉になるでしょうし、ブログに登場することは、まずないはずですが、どんな恰好であれ、健やかというより、真っ当に成長して欲しいものです。
二日連続で、バスの団体のお客様の第二弾(後編)
今日も、団体のバス旅行のお客様が、【佳肴 季凛】に見えました。
到着すると、お客様が次々と店内へ。このツアーは、
当店の料理をメインに、先週の14日(木)、昨日、今日と3回企画されたもので、どの日にちも、ほぼ定員となったこともあり、通常のランチの営業をお休みさせて頂きました。
今朝も、
朝6時過ぎから、仕事を始めました。今日のように、法事などの団体のお客様が見える日は、殆ど仕込みをしないで、お出しする料理の準備だけとなってしまいます。
そんな今日の料理ですが、団体のお客様ですので、
小鍋と、
御飯(香物付)は、既にセットしておきました。小鍋は、
“ひじきと野菜の小鍋仕立て”で、7種類の雑穀(玄米、黒米、押麦、小豆、あわ、ひえ、きび)をはじめ、20種類以上の食材が入っており、マクロビオティックをベースにしている当店のマストアイテムの一つでもあります。
また、御飯は、
するめと昆布が入った“松前御飯”で、この他の料理は、普段の会席料理のコースと同じ様に、お客様が着席してから、お出ししました。
先付は、
“うすい豆腐”で、グリンピースで作った豆腐です。グリンピースつまり、えんどう豆のことを、うすい豆というので、このような名前なのです。
その次が、お凌(しの)ぎの“サラダ素麺”です。
素麺と言っていますが、使っているのは、きし麺です。あくまでも、料理名ですので、ご理解下さい。お手製の胡麻だれをかけ、長葱、茗荷、貝割れ、アーリーレッド、紫キャベツ、青ピーマン、赤パプリカ、黄パプリカ、人参を細かく刻んだ野菜を盛り付けてあります。“サラダ素麺”の野菜については、こちらをご覧下さい。
そして、日本料理の華の一つでもある刺身は、
生の本鮪(那智勝浦)、湯葉、小肌(佐賀)の三種盛りでした。
揚物は、
“海老のぶぶあられ揚げ”と“鯵の新挽揚げ”でした。もちろん、揚げたてです。蒸物は、
“鰯つみれ錦糸蒸し”です。
ここまでお出しすると、「まだ、出るの?」と、多くのお客様から言われますが、この後は、酢の物とデザートで、酢の物は、
“ふぐ皮生酢”です。粒マスタードをベースにしたドレッシングを掛けてあり、酸味と辛味が、後味をすっきりさせてくれます。
そして、最後のデザートは、
地元の静岡県富士市産の“紅ほっぺ”を使った“苺のムース”です。作り方は、こちらをお読み下さい。
ひと通りの料理を出し終え、お客様も御食事中でしたので、今日来たバスの中を、見学して、写真も撮らせてもらいました。このバスは、
何とベンツ!
これまでに、道路を走っているのは、見たことがありますが、間近で見るのは、初めてのことで、興味津々で、
中に入ると、
このように座席が、並んでおり、
皮張りでした。さすが、ベンツ!
また、外を見ると、
車体の真ん中辺りにも、ドアがあり、
もう一つ入り口がありました。これまた、さすがベンツ!
ドアが閉まると、
今回のツアーを企画した東京都八王子市の観光バス会社の【ニュープリンス観光バス】のロゴが書かれていました。
こんなことをしているうちに、お食事を終えたお客様がバスに乗り、程なくすると、出発の時間となり、
皆で、恒例の“お・見・送・り”をしました。
そして、お約束で、女将兼愛妻(!?)の真由美さんから、「こういうバスに乗って、皆で旅行に行きたいよねぇ~!連れてって欲しいよねぇ~!日帰りでもいいからさぁ~!」のコメントがあり、聞かぬふりをして、その場を後にした自分でした。
二日連続で、バスの団体のお客様の第二弾(前編)
先週の水曜日と木曜日同様に、今日は、バス旅行の団体のお客様が見えたので、
朝一番から、
料理の盛り付けに、追われていました。ともかく時間との闘いですので、余裕という余裕は、一切ありません。
お客様が到着し、料理をお出しし終え、息つく間もなく、
お客様がお帰りになり、皆で、お見送りをしました。
その後の洗い場は、
このような状態でした。夜の準備や、仕込みが無ければ、自分も洗い物をするのですが、それどころではなく、
夜の【鱧料理】のお客様にお出しする鱧を卸したりしただけでなく、築地から届いた生の本鮪(那智勝浦)を、
確認してから、しまいました。最後に、
明日の器も出し終え、無事に終わることが出来ました。明日も、今日と全く同じような一日となります。
なお、明日の夜の営業は、都合によりお休みさせて頂きますので、宜しくお願い致します。
佳肴季凛的お供え餅
今朝は、
仕込みをする前に、宅配便の営業所に行って来ました。既に、
二つの荷物は、届いており、手前が、三重・熊野からの天然のとらふぐで、奥が、東京・築地からの鮪でした。
【佳肴 季凛】に戻り、三重から届いた箱を開けると、
天然のとらふぐが、
姿を現しました。
5,1キロの超特大サイズで、自分が呼ぶところの“ジャンボちゃん”でした。
まな板には乗せたものの、久し振りの“ジャンボちゃん”ですので、
抱っこして、写真を。もちろん、気分は、萌え燃え・・・❤
もう一つの箱を開けると、
氷の入った袋の下に、
宮城県塩釜産の生の本鮪」(天然)が、
入っていました。
問答無用で、最高のものでしたが、“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、どこまでいっても、天然のとらふぐですし、しかも、今日は、“ジャンボちゃん”ですので、及第点程度の評価しか出来ませんでした。
いったん包丁を握れば、気分は、萌えから燃えとなり、
卸すと、はち切れんばかりの白子が、出て来ました。卸してから、水洗いをし終え、
秤に乗せると、
大きい方は、900グラム弱で、一方の小さい方は、
500グラム程で、合計で1,400グラム=1,4キロでした。つまり、全体重(5,1キロ)の約4分の1の大きさです。まさに、泳ぐ生殖腺です。
ここまで大きいと、白子というより、お餅のような感じで、
器に、大きい方から乗せ、その上に、
小さい方を乗せ、
最後に、くちばしの部分を乗せると、
【佳肴 季凛】的お供え餅が、出来上がりました。御利益がありそうな雰囲気がしないでもないように思えるのは、気のせいでしょうか・・・。
白子もさることながら、身の部分のうち、半身は刺身にするため、
卸してから、晒にくるんでおきました。また、もう半身は、
唐揚用に、ぶつ切りにしておきました。
これまでに、何度もお話ししているように、“ジャンボちゃん”だからと言って、身も、白子も、大味ということはなく、むしろ繊細さを束ねたような味わいで、一度食せば、その虜になることは、間違いありません。
5月も半ばを過ぎ、夏の気配を感じられる陽気の日もありますが、冬場とは違ったふぐの味わい方も、一興です。