一人前のお持ち帰り(テイクアウト)の天重
『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信が、
生涯、一料理人を貫くためが想いを、
今日( Vol.3766)も認めます。
当店には、持ち帰りの料理の
お品書きはございませんが、
強(し)いて言うなら、
カテゴリーが、そうなるかもしれません。
載っている料理は様々で、
そのうち、もっともご注文を頂いているのが、
天重です。
天種は、魚介類が、
海老と鯵(あじ)で、
野菜が、玉ねぎ、南瓜、
パプリカ、しし唐で、
合計6種類の7点になります。
ところで、今日ご注文頂いた天重が、
こちらで、
魚介類は、
2本の海老だけです。
他は全て野菜で、
南瓜、玉ねぎ、茄子、
隠元(いんげん)、ピーマンの6種類でした。
このような天種にしたのは、
天重の定連さんだったからです。
また、お気付きかもしれませんが、
今日の天重は一人前で、
仕込みの手間が少ない天重は、
一人前からでも、御用意が出来ます。
こういうご注文のために、
小さい釜も用意してあり、
この釜を見たミニふぐは、
「ちっちぇ~。」
「君達に言われると、釜も驚くよ。」
「親方、そんなこと、ないない♬」
5合炊きのガス釜ですので、
今日のように1合だったら、
20分もあれば、炊き上がります。
基本的に、天重は、
前日の12時まででしたら、
明くる日でも、御用意が可能です。
ただ、折などの都合もあるので、
早めのご注文をお願いしており、
詳細については、お手数ですが、
お問い合わせを頂けると、幸いです。
2022.8.31|お持ち帰り(テイクアウト) |permalink|コメントはまだありません
賄いの鱧(はも)の天ぷら
Vol.3765
“身体に優しい、美味しい日本料理”を、
信条とする『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
夏場は、昼ごはんに
麺類を食べることが、
多くなるのですが、
麺類だけでは、もの足りないので、
天ぷらを付けています。
というか、
付けちゃっています。
天種は、その時によって様々で、
一番多いのが、
野菜のかき揚げです。
ただ、この時季は、
鱧を仕入れるので、
切り落としを、天ぷらにして、
天ざるにしています。
これを見た熱血君は、
「この時季は、やっぱり鱧?」
「イエ~ス!」
「美味しいのは、よく分かるんだけど、
他にも、鱧の魅力ってあるの?」
「あるよ。鱧は、天然の魚だから、
何よりも安全、安心。
同じ長い魚の鰻(うなぎ)は、
ほぼほぼ養殖。
養殖がだめじゃないけど、
天然の魚の美味しさは、レベチ!」
「レベチなんて言葉、
よく知っているじゃん。
昭和世代なのに。(笑)」
「昭和で、悪ぅ、ござんしたね。
そんなこと言うと、あげないよ。」
「あぁ、ごめんごめん。」
「天ぷらにすると、
あのフワフワ感がいいんだよ。
軽い感じだから、
いくらでもいけちゃうよ。」
「へぇ~、美味そぉじゃん。」
「一個、どう?ほら。」
一口頬張った熱血君は、
「あちあち、ふわふわで、美味しいよ。
でも・・・。」
「でもって?」
「少し骨が口に、
当たるんだけど、骨切を失敗したの?」
「いやいや、尻尾の方だから、
どうしても、当たっちゃうんだよ。
お客さんには出せないけど、
おかずなら、いいでしょ。」
「賄いだしね。また、食べさせてね。」
「はいよ~。」
先程お話ししたように、
天ざるにするのが、
殆どですが、
時には、
趣を変えるため、
器は勿論のこと、
天種だけでなく、
めかぶをあしらったりと、
味わい、見た目でも楽しみ、
とりわけ、自己満足(これが一番大事)の
世界にうっとり、どっぷり。
うっとり、どっぷりだったのは、
麺類に限ったことでなく、
かき揚げにして、
ごはんのお供だったり、
鱧天カレーなる変わり種も。
まだまだ、鱧を仕入れるので、
同じく、まだまだ鱧の味を堪能し、
更に、まだまだ、うっとり、どっぷりと、
させてもらいます。
定休日に、バスツアー
『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信が、
生涯、一料理人を貫くためが想いを、
今日( Vol.3764)も認めます。
週に2、3回通う沼津魚市場ですが、
お盆明け以降、
休市日でも来ていたこともあり、
二日連続で、
魚市場の様子を見ていなかったので、
妙な淋しさを感じてしまいます。
そんな今日、
沼津魚市場に行ったものの、
思うような魚もなく、
不完全燃焼のまま、
魚市場から帰ることにしました。
思うような魚の一つが、
盛りというか、
旬の鱧(はも)で、
入荷はあったものの、
あえてスルーしました。
そのため、
鱧料理のコースは、
最短でも、1日(木曜日)まで、
鱧のコースは御用意出来ず、
仮予約のお客様も、
お断りした次第です。
限られた時季の、
特殊な魚ですので、
今日のようなことは、
珍しくなく、ご理解のほど、
宜しくお願いします。
そんな今日は、
バスツアーの御予約を頂いており、
そのお客様の御席だけだったので、
出汁を引くなど、
ルーチンの段取りを終えたら、
盛付けをすることにしました。
全ての料理を盛付けたら、
バスの到着を待つばかりとなり、
予定通り、到着。
デザート以外の料理を出すと、
ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんにせがまれ、外へ。
「親方、今日のお客さんは、どこへ行くの?」
「富士山っていうか、富士登山。」
「へぇ~。」
「親方は、富士山に登ったこと、ある?」
「ないよ。登山だけは、だめなんだ。」
「どうしてなの?」
「実家は、山や川があるところで、
子供の頃は、
虫取りや魚獲りをして、楽しんだし、
今でも行きたいくらいだよ。」
「え゛っ!?それなのに、
登山がだめって・・・。」
「中学の3年間、学校の行事で、
毎年、夏にキャンプに行ったんだけど、
登山中に雨が降って、
ずぶ濡れ。
雷は鳴るし、
思い出すだけでも、あぁ嫌だ嫌だ。
あと、テントの中に水が入ってきて、
散々な思いをしたから、
テントでのキャンプも、パス!」
「そうなんだぁ~。」
こんなやり取りをしていたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに呼ばれ、
デザートをお出しし、
程なくすると、
出発時間となり、
真由美さんと、お見送り。
それほどの人数ではなかったものの、
通常のランチの御席とは違い、
同時に料理をお出しし、
途中、器を下げることが出来ないので、
お帰りになられた後は、
毎度のことながら、
ハードでもあります。
そして、片付と共に、
休日出勤が終わったのでした。
なお、今日のようなバスツアーに限らず、
人数などによっては、
定休日でも、営業しますので、
お気軽にお問い合わせ下さい。
法事用のお弁当の後に、バスツアーの準備
Vol.3763
“身体に優しい、美味しい日本料理”を、
信条とする『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
お盆過ぎから、
沼津魚市場に行く日が、
殆どとなっていましたが、
今日は行きませんでした。
行かなかったというか、
行けなかったのは、
法事用のお弁当のご注文を、
頂いていたからです。
ただ、始動時間は、
4時前でしたので、
魚市場に行く時よりも、
30分近く、早く起きました。
起きたら、すぐに仕事が出来るのは、
店舗兼住宅の最大のメリットで、
それを活かすのは、当然です。
こんな時間ですので、
熱血君と3匹のミニふぐ達は、
ZZZ・・・。
スチコン( スチームコンベクションオーブン)と、
食器洗浄機の電源を入れたら、
仕事開始です。
スチコンの隣のガス台だけでなく、
厨房のガス台でも、
煮物を火に掛け、
離れた場所でのスクランブル体制ですので、
注意が必要です。
煮物が煮上がるまでに、
隠元(いんげん)を下茹でしたら、
海老の酒煮(さかに)の煮汁を温めた鍋で、
ひと煮立ちさせたら、
鍋ごと、氷水にあてて、
冷やしておきました。
こうすることで、
隠元の色が飛ばずに、
味を含ませながら、
冷ますことが出来ます。
煮物の鍋を気にしながら、
サーモンの西京焼を、
焼き始めようとすると、
ミニふぐ達も、目が覚め始め、
焼き上がると、
みんな揃って、
「親方、おはようございます♬」
「おはよう。やっと起きたね。」
「やっとって言われても、
十分早いよ~。」
「そうだったね。
のんびりしていられないから、
下がっていてね。」
「はぁ~い。」
焼物を仕上げたら、
さばふぐの唐揚げと、
鯵のしんびき揚げが仕上りました。
また、今日は数も多かったので、
盛付けをしてくれるのは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんだけでなく、
二人の娘達も。
こういうことが為せるのも、
店舗兼住宅のメリットでもあります。
その後、
玉子焼を焼いたら、
鶏肉の照焼も仕上りました。
普段の盛付は、
真由美さんだけですが、
娘達の助っ人のおかげで、
料理を作る方の自分が追われてしまい、
志村家の縮図のように、
四面楚歌ならぬ三面楚歌そのもの!?
鶏肉の照焼は、
包丁しながら、
盛付け、
このように、
仕上がり、
おしぼりと箸を挟み、
個別の袋に入れ、
お渡しするばかりとなりました。
普段なら、後片付けをして、
ランチの営業の準備をするのですが、
今日は、ランチ、夕席共に
お休みさせて頂きました。
というのも、明日のバスツアーの
仕込みや準備もあるだけでなく、
まる二週間近く、
休日出勤もあり、休み無しだったからで、
「完全オフでなくても、
半日くらい、休ませて~。」
という心の叫びを、
お許し下さい。
洗い物をはじめ、
フライヤーの掃除をしたり、
個室では、
バスツアーの御席の準備と、
なかなかの強者(つわもの)揃いでした。
これらが終わったら、
仕込みを始め、
総仕込み状態で、
仕込まなかったものは、
ほぼ無し。
仕込みが終わり、
器出しをしていると、
熱血君とミニふぐがやって来て、
「親方、お疲れ様♬」
「やっと終わったよ。
お弁当って言えば、
今日みたいに沢山あると、
東京での修業時代を思い出すよ。」
「どんな思い出なの?」
「そこの店は、土日以外、
ほぼ毎日、お弁当の注文があって、
多い時は、
400人前なんてこともあったよ。」
「え゛~っ!」
「そういう時は、泊まり込みだったよ。
季節外れのおせち料理みたいで、
休みの人以外が出勤するのは、
いいんだけど、
結局、みんなで遅くまで、飲んじゃって、
お祭り気分なんてこともあったよ。」
「何、それ~。(笑)」
「今じゃ、
考えられないことだけどね。」
「他にも、面白い話はあるの?」
「あるよ。厨房だけでも、
20人くらいたからね~。」
「ひゃ~!」
「何かの機会に、
話してあげるから、
もう終わろうよ。」
「はぁ~い。お疲れ様でした。」
明日はバスツアーのお客様が見えるのですが、
通常の営業は致しませんので、
宜しくお願い致します。
また、今日お断りしてしまったお客様には、
この場を借りて、
お詫びさせて頂きます。
四日のうち、三日が休市日の鱧(はも)
『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信が、
生涯、一料理人を貫くためが想いを、
今日( Vol.3762)も認めます。
土曜日が休みの沼津魚市場ですが、
今朝は、
魚市場に行き、
山口県産の活かしの鱧を、
仕入れました。
また、6日、
20日の土曜日も来たので、
4回ある土曜日のうち、
3回来たことになり、
どちらも仕入れたのは、
活かしの鱧でした。
実は、13日の土曜日も、
来る予定だったのですが、
台風が接近していたこともあり、
来れずじまい。
しかも、その日の予定も、
鱧でした。
結果として、4打数3安打で、
天候不良ゆえ、
4打席3打数3安打というのが、
正確かもしれません。
鱧を積み、
魚市場を、後にしました。
今日は、昼鱧こと、
お昼の鱧料理のコースの
御予約を頂いていたので、
時間になったら、
鱧を締めようとすると、
ミニふぐ達がやって来て、
「親方、凄い歯をしているね。
歯っていうか、牙(きば)じゃん。」
「そうだよ。噛まれたら、
とんでもないことになるよ。」
「とんでもないって?」
「ひどければ、
縫わなくてならないくらいだよ。」
「え゛っ、まじ?」
「まじ!」
「親方は、噛まれたことあるの?」
「ガブリって、噛まれたことはないけど、
噛まれかけたことはあるよ。
あと、死んだ鱧の歯に触っちゃって、
切ったことはあるよ。
鋭いから、他の魚の歯よりも、
傷は広いっていうか、長かったかなぁ。」
「聞いているだけでも、痛っ。」
「どんな時でも、鱧に触る時は、
要注意だよ。」
「気を付けてね、親方。」
「はいよ、有難う。」
その後、
脊髄に、針金を差し、
神経を抜いたら、
卸してから、
鱧料理のマストアイテムとも言うべき
落とし用に包丁しておきました。
真ん中で仕分けてあるのは、
今日の“昼鱧”の御席は、
二人ずつだったからです。
そして、お客様が見えたら、
落としに仕立てて、
葉血引(はちびき)、帆立、湯葉と共に、
お出ししました。
自分は、鱧を落としに仕立てる場合、
活きたものしか使いません。
というのも、お湯に落とした時に、
きれいに花が
咲いたようにならないからです。
さらに言うと、卸してから
身がパサパサしてしまい、
美味しくありません。
「たった1本の鱧のために、
仕入れに行くなんて・・・。」と、
思われるかもしれませんが、
納得した素材を使ってこそ、
納得した料理が出来るので、
そこを譲ることは、出来ません。
それこそが、
料理人の醍醐味であるだけでなく、
自らの立位置なのです。
お弁当の仕込みついでに、賄いのカレーの仕込み
Vol.3761
“身体に優しい、美味しい日本料理”が
信条の『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
今日は、出汁を引くなど、
ルーチンの段取りを終えたら、
明後日の法事用のお弁当の
仕込みをすることにしました。
最初に、
西京焼用のサーモンに、
串を打ち終えると、
ミニふぐ達がやって来て、
「親方、切身に味噌がついていないけど・・・。」
「そうだよ。
味噌を洗い流して、
水気を拭いてから、
串を打っているんだよ。」
「味は抜けないの?」
「味がしみ込んでいるから、
問題ないよ。」
「そうなんだ~。」
「そのまま焼くと、
味噌が焦げて、見た目も良くないし、
味も落ちちゃうんだよね~。
だから、西京焼って、
あんまり美味しくないと
思っている人も多いんだよね。」
「西京焼マニアの親方としては、
淋しいでしょ。」
「淋しいなんてもんじゃないし、
うちの『西京漬』のページを見れば、
分かるでしょ?」
「この部分なんて、
特に分かる!
味噌を洗った水は、
どうしちゃうの?」
「もったいないから、
今、仕込んでいる賄い用のカレーに、
入れるんだよ。」
「へぇ~!」
「どんなものでも、最後まで使わないと、
気が済まないし、もったいないからね。
まだまだ仕込みもあるから、
この辺にして、下がっていて。」
「はぁ~い♬」
サーモンの串打ちをしている隣では、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
海老の酒煮(えびのさかに)用の
海老の背わたを取ってくれ、
このように仕上がり、冷蔵庫へ。
背わた取りを終えた真由美さんは、
煮物用の野菜の皮剥きをしてくれ、
牛蒡(ごぼう)が終わったら、
人参の皮も、
剥いてくれました。
人参の皮は、
適当に、
切り刻んだら、
牛蒡の切り落としなどと共に、
西京味噌を洗い流した水同様、
賄いのカレー行きです。
野菜を包丁するのは、
自分で、
下茹でしたのち、煮含め、
煮物は、
人参、
牛蒡とさつま揚げ、
蒟蒻(こんにゃく)の4種類で、
ここまで終わったら、
今日のノルマが終了し、
煮物は、火入れを兼ねて、
当日、煮上げます。
明日は、揚物などの
仕込みをするのですが、
数も多いだけでなく、日曜日は、
明くる日のバスツアー用の
仕込みや準備もあるので、
ランチ、夕席共に、
お休みさせて頂きます。
ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、
ご理解のほど、くれぐれも
宜しくお願い致します。
2022.8.26|西京漬 賄(まかな)い お弁当 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
法事用の『鰯の丸煮』
『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信が、
生涯、一料理人を貫くためが想いを、
今日( Vol.3760)も認めますので、
お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日は、
沼津魚市場で仕入れた
地物の目鯛(めだい)を、
コース料理の西京焼用に、
仕込み、
目鯛と共に、
ノルウェー産の鯖(さば)を、
【西京漬】に、仕込みました。
【西京漬】同様のギフトグッズが、
『鰯の丸煮』ですが、
今度の日曜日に、
法事の引き出物として、
ご注文を頂いており、
休日出勤をした月曜日に、
箱詰する予定だったので、
日曜日の営業が終わったら、
その準備をしておきました。
しかしながら、
諸々(もろもろ)の事情が重なり、
用意しておいた化粧箱などは、
個室から、温蔵庫に避難。
温蔵庫は、読んで字のごとく、
温かいまま、一時的に料理を
保管しておく機械で、
当店の場合、
蒸し物などを熱々でお出しするために
使うことが、殆どです。
急に人が来ることになって、
押し入れや箪笥(たんす)に、
物をしまう状況さながらです。
ただ、こんな使い方をしたのは、
お客様がいらしてくれた嬉しい誤算で、
改めて、「有難うございました♬」
そんな今日、
ランチの営業が終わったら、
個室で、
箱詰をし、
保冷バックに入れ、
冷凍庫にしまおうとすると、
ミニふぐ達がやって来て、
「親方、やっと包装出来たね。」
「そう、やっとだよ。」
「月曜日にやるかと思っていたけど、
なかなか出来ないから、
気になっていたんだよ。」
「やっと終わって、
ひと安心したよ。」
「良かったね~。」
そのまま、休憩を取ろうと思ったら、
オンラインショップから、
『西京漬』のご注文を頂き、
御礼のお品ということで、
こんな帯紙をし、
明日発送出来るよう、
冷凍庫へ。
これらの帯紙は、
フリー素材を使ったものです。
ご注文の際、
熨斗の有無などを書く欄があり、
内容を確認する度に、色んなものを検索し、
試しては楽しんでいます。
ただ、自分のパソコンのスキルが
拙(つたな)いので、
フリー素材を使うのが、限界です。
それでも、可能な限り
対応させて頂きますので、
宜しくお願いします。
“昼特”の刺身は、ふぐ刺&鱧(はも)の落とし
Vol.3759
“身体に優しい、美味しい日本料理”を
生業とする『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
当店のコース料理のひとつに、
『特別会席』がありますが、
お客様のご予算、ご要望に応じて、
献立を決めるので、
その内容は様々です。
また、献立というか、
お品書きはないものの、
当ブログの『特別会席』という
御参考にしてみて下さい。
ところで、今日は、
“昼特”こと、昼間の『特別会席』の
御席があり、
今日のお客様のご希望は、
「揚物なし、
刺身はふぐ刺、
可能ならば、鱧も・・・。」
という献立でした。
そんなこともあり、
御予約時間に合わせ、
鱧を卸そうとすると、
熱血君がやって来て、
「親方、これは何?」
「このざるの中に、
鱧が入っているんだよ。
ほら。」
「本当だ。
何で、こんな風なの?」
「鱧は長いから、
網で捕まえようとすると、
難しいんだよ。」
「分かるような気がする。」
「だから、ざるを使って、
頭と尻尾の両方から、
挟み撃ちにするんだよ。」
「何となく分かるけど・・・。」
「そうだ!前に、
読んでごらん。」
「どうすれば、いいの?」
「上の太い部分を
タップしてみて。」
「うん♪」
しばらくすると、
「親方、分かった!
でも、少しスリルがあるね。」
「まぁね。
じゃあ、これから卸すから、
離れていて。」
「はぁ~い。」
締めてから、神経を抜き、
卸したら、
骨切りをし、
落とし用に
包丁しておき、冷蔵庫へ。
お客様が来店したので、
料理を出すことにしました。
先付は、
もろこし豆腐
(とうもろこしで作った豆腐)で、
天にあしらってあるのは、
枸杞(くこ)の実です。
普段なら、先付の次あたりに、
揚物をお出しするのですが、
揚物なしのご希望でしたので、
スルーして、
刺身(その1)をお出ししました。
ご希望通りのふぐ刺は、
もちろん、天然のとらふぐで、
遠州灘産です。
コース料理とは言っても、
言ってみれば、贅沢ランチですので、
間髪入れずに、
料理をお出しすることが殆どで、
今日も然りでした。
ふぐ刺の次が、
小鍋仕立ての
国産牛のしゃぶしゃぶで、
お出しする直前に、
小鍋に、
熱々の出汁をはります。
つけだれは、
ぽん酢で、
薬味は、ねぎともみじおろしです。
そして、
梅肉醤油と共に、
刺身のその2として、
鱧の落としをお出ししました。
先程お話ししたように、
合間は不要で、
銀鱈の西京焼をお出しし、
器は、当店オリジナルの
ふぐのイラストが描かれたもので、
イラストは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
描いたものです。
ブログやSNSで、
この器の存在を知っているお客様ですので、
この器でお出しすると、
十中八九、会話が弾みます。
コースも終わりに近づき、
鱧しんじょう蒸し、
鱧茶漬と続き、
デザートは、
マンゴーのアイスをお出しし、
コースが終了。
マンゴーのアイスは、
マクロビオティックアイスで、
卵、牛乳、上白糖が入っていません。
マクロビオティック(玄米菜食)をベースにした
“身体に優しい、美味しい日本料理”が、
自分の料理信条ですので、
可能な限り、こういうものを
作ることにしています。
料理というものは、
身体にいいからと言って、
味も素っ気もないのでは、
宜しくありません。
逆に、美味しさだけを求めて、
身体のことを無視するのも、
宜しくありません。
美味しくて、身体に良いのが、
自分の理想とする料理で、
それらを実践するのは、
簡単ではありませんが、
それこそが、我が道です。
お話しの〆が、
少し熱くなってしまいましたが、
熱血料理人ゆえ、
ご理解のほど、宜しくお願いします。
3本のうち2本卸した山口県産の鱧(はも)
『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信が、
生涯、一料理人を貫くためが想いを、
今日( Vol.3758)も認めますので、
お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今朝も、
沼津魚市場に、
仕入れに行って来ました。
今朝も、
とあるように、
実は、初日の18日、
6連荘(れんちゃん)です。
それぞれの写真と
太字になっている部分を
タップして頂くと、
それぞれの記事に
たどり着き、
21日を除き、内容は、
全て、鱧(はも)にして、
5打数4安打の猛打賞。
さらに、
今朝の仕入れも、
鱧(山口県産)で、
6打数5安打。
ちなみに、《47-9》というのは、
魚市場での買い番です。
昨日の今日ですので、
他の仕入れは、
ノルウェー産の冷凍の鯖(さば)だけで、
鯖は、
【西京漬】に仕込みます。
『佳肴 季凛』に戻ったら、
3本の鱧を、水槽に入れると、
ミニふぐがやって来て、
「おはようございます、親方♬」
「おはよう。」
「6日連続の仕入れ、
お疲れサマ~。」
「ありがとう。」
「ねぇねぇ、何で、
ざるに入れてあるの?」
「夕方卸すんだけど、
放し飼いにすると、
捕まえるのが、
たいへんだからだよ。」
「網で捕まえれば、いいんじゃね?」
「鱧は長いから、
網で捕まえようとすると、
手間取るから、
こうするんだよ。」
「へぇ~。」
こんなやり取りを終え、
一日が始まったのですが、
夕方になったら、
鱧を取り出したのですが、
2本で足りるので、
再び水槽に入れておきました。
この時点では、
1本の鱧の行き先が未定だったのですが、
結果として、
明日のお昼に、
使うことになり、
めでたしめでたし。
2本の鱧は、
締めてから、
卸し、
鱧料理のマストアイテムの
“落とし(湯引き)”用に、
包丁しておき、
お客様が御来店されたら、
落としに仕立て、
葉血引(はちびき)、〆鯵、
湯葉と共に、お出ししました。
先程の写真と、
数が合わないように思う方も
いらっしゃるかもしれませんが、
人数によって、
器を変えたからで、
刺身の内容は、
全く同じです。
明日は、
魚市場に行かないので、
お気楽、極楽。
あとは、水槽の鱧が、
無事であれば、
全て丸く、収まります。
仕込みてんこ盛りの休日出勤
Vol.3757
“身体に優しい、美味しい日本料理”を
生業とする『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
今日は定休日でしたが、
沼津魚市場に、
仕入れに行って来ました。
となれば、休日出勤です。
最初に向かったのは、
鱧(はも)の仕入先の問屋でした。
鱧の仕分けが終わったばかりだったので、
秤にかける前の落ち鱧があり、
落ち鱧とは、水槽などで、
死んでしまった鱧のことです。
合計8本の山口産で、
明日の鱧料理用に、
仕入れることが出来、ひと安心。
鱧の他には、
地物の葉血引(はちびき)などを仕入れ、
魚市場を後にしました。
『佳肴 季凛』に戻ったら、
仕込み開始です。
葉血引の鱗を取るため、
シンクに置くと、
ふぐネットがやって来て、
「親方、おはようございます。
おっ、葉血引じゃん!
一匹だけど、はちびき。」
「おはよう。そうだよ。」
「もう一つ、いい?」
「んっ?」
「ふぐだけに、僕たちは、
ふぐネット29匹衆!
言いたかったんだよね、これ。」
「あっ、そう。」
「何だか、つれないね~。」
「仕込みがてんこ盛りだから、
君達の相手どころじゃないんだよぉ。
とっとと、早く仕込みを始めるから、
下がっていて。」
「はぁ~い。」
葉血引の鱗を取ってくれるのは、
いつものように、女将兼愛妻(!?)の真由美さんで、
葉血引の次に、
鱧のぬめりを取ってもらいました。
葉血引を卸す前に、
冷凍庫から、
【西京漬】用の鯖(ノルウェー産)を出し、
解凍している間に、
柵取りした葉血引を氷の上に乗せ、
バーナーでFIREしたら、
皮目を下にし、
粗熱が取れたら、
水気を拭き取り、冷蔵庫へ。
その頃までに、真由美さんに、
お弁当の鶏肉の照焼に使う
もも肉の下処理をしてもらったら、
今度は、鶏肉をFIRE!
これらが終わる頃には、
半解凍状態になった
鯖の腹骨を欠いたら、
上(かみ)と下(しも)に包丁し、
脱水シートに挟んで、
冷蔵庫へ。
そして、今日のボスキャラの鱧と、
ふぐネット達が登場。
「親方って、京都とか、関西方面に
いたことはないのに、
鱧とか西京焼が好きだよね。
どうしてなの?」
「ズバリ、
美味しいから!
西京焼は、古くから
全国的に知られているけど、
鱧が東日本の和食界で
よく使われるようになったのは、
この30年くらいだと思うよ。
和食に限らず、
伝統的な日本文化の多くが、
京都発祥のようなものだから、
関西の文化が広まるのは、
さほど驚くようなことでもないって、
思うんだよね。
仕込みに追われているから、
この辺にさせて。」
「はぁ~い。」
8本もあるので、
8本全て、
開いた状態にしてから、
中骨を外しました。
片身の腹骨を欠き、
8本の半身を卸し終えたら、
残りの半身を、
卸し、
水洗いの第1ステージ、
身を卸す第2ステージまで、
クリア。
第3ステージの骨切を
しようとすると、
ララララ~ ララララ~ ♬
と、 往年の人気ドラマ
『必殺仕事人』のテーマを、
口ずさみ、
「昭和万歳!
\(^o^)/
親方、FIGHT!」
「よっしゃ~。」
骨切りを終えたら、
鱧しゃぶ用、
天ぷら用、
お茶漬の照焼用にし、
焼いてから、出汁を取るため、
あらの下処理もしておきました。
魚の仕込みが終わったら、
刺身用の妻
(大根、胡瓜、人参、アーリーレッド)
をはじめ、
サラダ素麺の野菜を仕込み、
サラダ素麺の野菜に入っているのは、
長ねぎ、みょうが、レッドキャベツ、
胡瓜、パプリカ(赤、黄)、
アーリーレッドです。
さらに、小鍋の野菜も仕込み、
中身は、
中身は、玉ねぎ、人参、しめじです。
さらに、仕込みは続き、
先付のもろこし豆腐(とうもろこしの豆腐)などを
仕込みました。
その間に、真由美さんが
鯖や、
鶏肉の真空パックをしてくれている頃、
包丁を砥(と)ぎ、
終わったら、
まな板周りを、
掃除し、
器出しをしたら、
ゴールイン。
その時刻、
6時にして、14時間の休日出勤が、
無事に終わったのでした。
ところで、来週の29日(月曜日)も、
休日出勤が決定しています。
仕入れにも行くので、
スタート時間は、ほぼ同時ですが、
ゴール時間が、
早くなれるよう・・・。