2本のジャンボちゃんこと、超特大とらふぐ(天然)の皮とひれ
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3643回目の今日も認(したた)めます。
今週の火曜日に、三重県熊野産のジャンボちゃんこと、超特大とらふぐ(天然)を仕入れたのですが、
この2本の皮とひれの仕込みが済んでいなかったので、
その仕込みをすることにしました。
皮は、粘膜と棘を取り除いてあり、
水から上げ、部位ごとに分けておき、タッパの中に残っているのは、
ひれだけ、ひれは、干せるだけにしておいてあります。
ジャンボちゃんだけの皮の仕込みをするだけでは、手間が惜しいので、冷凍しておいた皮も追加し、
開封したら、
同様に、
部位ごとに分けたら、
湯引きしました。
自分が包丁したのは、
さめ皮とも呼ばれる真皮で、表面の棘のある部分で、ゼラチン質が強いので、出刃包丁でしなくてはなりません。
他の部分は、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが包丁してくれたのですが、量こそ多いものの、普通の包丁で出来るので、力は不要で、同じ時に始めても、終わるのは、真由美さんの方です。
全て包丁したら、
皮の入ったボウルに水を注ぎ、混ぜ合わせたら、ざるに上げておきました。
水気が切れたら、
小分けして、
真空パックすると、
当店のジャンボちゃんとふぐ子ちゃんがやって来て、「親方、お疲れ様♬これって、QRコードみたいだよね。」
「実はね、これを読み込むと、うちの店のふぐ料理のページを見ることが出来るよ。」
「え゛~っ!?」
「そんなことあるわけないじゃん。」
「そうだよねぇ~。ビックリしたよ。」と、言いながら、外に出ると、
真由美さんが、
乾かすため、ひれを貼り付けてくれていました。
外に出来た2匹は、
「僕たちのひれと比べてみたいから、そばに連れてって、親方。」
「はいはい。どう?」
「大体、同じだね。」
干したひれは、こんがりと炙ってから、ひれ酒にするのが一般的ですが、当店では、
天然のとらふぐの美味しさを引き立たせるため、自家製の『ぽん酢』にも使っています。
休憩前までに、皮とひれというより、皮の仕込みを終えることが出来、夜の営業に備えたのでした。
沼津魚市場と食遊市場の仕入れ
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3640回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日(4月29日)は、
祭日でしたが、
ホームグランドの沼津魚市場は、
開市日で、
他所からの入荷、地物の水揚げのどちらもまずまずでした。
ただ、GW(ゴールデンウィーク)前にして、昨日の休市日明けでありながらも、月末、休市日前ということもあり、
冷凍ものを扱う売場は静かで、それに連動するかのように、
宮崎県産の岩牡蛎(いわがき)をはじめ、自分の仕入れも少なめでした。
仕入れを終え、向かったのが、
車で15本ほどのところにある食遊市場で、野菜をはじめ、
食材などを仕入れ、こちらの仕入れの方が多く、中でも野菜の仕入れは、
このような感じで、【佳肴 季凛】に戻り、他の荷物を片付けていると、ミニふぐ達が、
「おはようございます、親方♬仕入れ、お疲れ様です。」
「おはよう。」
「このアスパラは、太いね。」
「直径が、
2センチくらいあって、
栃木県産だよ。」
「どんな料理にするの?」
「天ぷらだよ。」
「美味しそうだね。」
「今夜、お出しするから、それまでの楽しみにしていて。」
「はぁ~い。」
アスパラは、
根元の皮を剥き、4つに包丁したら、串を打ち、
天ぷらにすると、予定通り、ミニふぐ達がやって来て、「美味しそうだね、親方。」
「でもね、これより凄いアスパラがあるんだよ。」
「え゛~っ!?」
「片付が終わったら、そのブログのことを載せておくから、読んでみて。まだ、お客様の料理を出さなくてはならないから、離れていて。」
「はぁ~い。」
その凄いグリーンアスパラガスについて書いたのが、
『北海道・今金町産の極太のグリーアスパラガスの天ぷら』というお話しで、お読みになると、その違いをお分かり頂けるはずです。
ところで、GW期間中は、5月2日の月曜日も、
通常通り、営業しておりますが、仕入れの都合によっては、ご用意出来ない食材もございますので、ご理解の程、宜しくお願いします。
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや通販の商品などを召し上がった方々が、
【コエタス】というサイトで、投稿して下さっています。ご興味、ご関心がある方は、御覧下さい。
2022.4.29|魚 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
仕込んだ当日に発送した【野菜感溢れるドレッシング】
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3641回目の今日も認(したた)めます。
今日は、ひととおりの段取りを終えたら、フライヤーの掃除をするため、
油を抜いてから、
漉し、掃除を終えると、
一部始終を見ていたチビふぐ三羽烏が、「おはようございます、親方♬今朝は、いつもよりゆるい雰囲気だね。」
「そうだね。 沼津の魚市場が休みだから、魚の仕入れも仕込みもないから、こうなるんだよ。でも、これから【野菜感溢れるドレッシング】を仕込むんだけど、見てみる?」
「見た~い、見た~い!」
「出来たから、
ボトル詰めして、
発送の準備をするから、
離れていてね。」
「はぁ~い。このドレッシングって、無添加、無化調でしょ?」
「ほら、
ラベルを見てごらん。」
「あっ、本当だね。」
「だから、賞味期限もあえて、短くしてあるんだよ。
ほらね。」
「今日が、4月28日だから、45日しかないの?」
「イエ~ス!それ以上に持つのは間違いないけど、自分の目の届かないところに行く以上、こうするようになっちゃうんだよ。」
そして、発送の準備を終え、
ランチの営業中に、発送したのでした。
2022.4.28|野菜感溢れるドレッシング |permalink|コメントはまだありません
とらふぐの石膏プレート
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3640回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
当店の“癒やしのふぐギャラリー”の数々を作って下さっている【PLUSROSE(プラスローズ)】さんが、
昨日届けてくれたのが、
とらふぐの石膏プレートです。
中心の画像は、
ゆるキャラファミリーが、本物のとらふぐを眺めているもので、
この時のお話しについては、こちらをお読み下さい。
すると、ゆるキャラファミリーのボスキャラ的存在のジャンボちゃんとふぐ子ちゃんがやって来て、
「親方、いいじゃん、これ!」
「いいでしょ。」
「 僕たちの産みの親の【PLUSROSE】さんらしい作品で、これだけでも、親方は萌え燃え・・・ 💖 しちゃうでしょ?」
「BINGO!」
「飾る以外にも使い道は、あるの?」
「アロマオイルをしみ込ませて、香りを楽しむアロマストーンとしても使うことが出来るって、 【PLUSROSE】さん が教えてくれたけど、うちは料理屋だから、それは出来ないけどね・・・。」
「ふぅ~ん。じゃあ、ふぐギャラリーのところに置くしかないね。」
「飾っておくから、見張っといてね。」
「はいは~い♬」
ということで、
ふぐギャラリーに鎮座することになり、コレクションが、また一つ増えたのでした。
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや通販の商品などを召し上がった方々が、
【コエタス】というサイトで、投稿して下さっています。ご興味、ご関心がある方は、御覧下さい。
両手にジャンボちゃんこと、超特大の天然とらふぐは、三重県熊野灘産
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3639回目の今日も認(したた)めます。
今朝、沼津魚市場に着き、一番最初に行ったのが、
こちらの売場でした。
普段から、この売場では、鰆(さわら)、葉血引(はちびき)などを仕入れていますが、今朝の魚は、
三重県熊野から、
自分宛に届くことになっていた天然のとらふぐで、
延着することなく、届いていたので、ひと安心すると共に、萌え燃え・・・ 💖
氷詰めになっていますが、
昨日、活締めにされてから、送られて来たものです。
仕入れを終え、【佳肴 季凛】に戻ったら、
「5,2キロと、
5,6キロだよ。」
「僕たちの4129(良いふぐ)グラムよりも重いじゃん。この間みたいに、白子が入っているといいね。あと、Wジャンボちゃんだから、抱っこするでしょ?」
「そうだね。じゃあ、卸し始めるから、あとでね。」
「バイバ~イ♬」
これまでにも、お話ししているように、ジャンボちゃんというのは、“ふぐに魅せられし料理人”の自分が、天然のとらふぐへの想いを込めた呼び方で、4,0キロ以上のとらふぐのことです。
ということで、
抱っこして、両手に花ならぬ、ジャンボちゃん 💖
萌えモードから、
燃えモードにシフトし、卸すことにしたのですが、まな板が汚れているのは、
とらふぐ同様、
魚市場で仕入れた鹿児島産の鯵(あじ)の下拵えをしたからで、
こうするのは、まな板を洗う手間が省けるからです。
最初の1本は、
残念ながらメスで、
2本目もメスでしたが、そもそも天然のとらふぐは、オスとメスで成長のスピードが違うので、大きいものほど、オスの数が少なくなるのです。
オスの生殖腺の白子は可食部位にして、美食中の美食であるのに対し、メスのそれの真子は、不可食部位ゆえ、食べると痺れてしまいます。
卸し終えたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが水洗いしてくれ、
とらふぐの前には、先程の鯵の水洗いもしてくれたのは、言わずもがなです。
ジャンボちゃんを卸し終えた自分が、
手直しをし、
拭き上げると、
「今日は残念賞だね、親方。」と、ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんが声を掛けてきました。
「そうだね。」
「白子と言えば、面白い話があるんだけど・・・。」
「なに、何、ナニ?」
「この時季のとらふぐは、産卵が近くなるから、白子も真子も大きくなるのは、分かるよね?」
「うんうん。」
「4月は家庭訪問があるんだけど、家庭訪問の日と、とらふぐを卸した日が同じで、大きい白子が入っていたんだよ。」
「家庭訪問と白子が、繋がらないんだけど・・・」
「まぁまぁ。」
「ほぉほぉ。」
「店をやっているから、家庭訪問も、カウンターで仕事をしながら、3人で話をするようになるんだよ。」
「お店、あるあるね!」
「担任の先生が理科専門で、話が脱線して、魚とかの生き物の話になって、白子の話にたどり着いたんだよ。」
「それで?」
「たまたま、リアルジャンボちゃんを卸した日と家庭訪問の日が重なり、元々の目方と白子の目方を伝え、白子を見せてあげたら、写真を撮ったんだよ。」
「え゛っ~。そんなのあり!?」
「まぁ、断る理由もないけど、1本の目方に対しての白子の目方に、先生も驚いていたよ。」
「だよねぇ~。」
そんなやり取りをしていると、
真由美さんが掃除を始めたので、
井戸端会議を終え、
ランチの営業に備えたのでした。
定休日の西京漬と西京焼
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3638回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
定休日の今日は、
娘達のお弁当作りの手元をし、手元と書いたのは、娘達のお弁当の献立を考えるのは、女将兼愛妻(!?)の真由美さんだからです。
今日の場合、筍御飯、煮物(さつま揚げ、ごぼう、白滝、つくね)、鰤の西京焼を、自分が仕上げ、盛付は真由美さんでした。
また、今日に限らず、魚市場に行かない時は、手伝うこともしばしばで、そういう時は、揚物を揚げたりしており、店舗兼住宅のメリットとも言えます。
そんな今日は、仕込みの必要がなかったのですが、金曜日に仕込んだ鰆の西京漬が仕上ったので、
冷凍庫にしまおうとすると、ミニふぐ三羽烏がやって来て、
「これも、 西京漬みたいだけど、
どうして、これは冷凍しないの?」
「これは切り落としの部分で、賄いにするためのものだよ。個人的に、鰆の西京焼が一番好きだから、楽しみ楽しみ・・・♬」
「いいなぁ~。僕たちも食べたい、食べたい!」
「近いうちにね・・・。」
こんなやり取りをしながら、
夕飯用に、先日頂いた三重県産の鰤(ぶり)の切り落としの西京漬を焼き、その美味しさを再確認したのでした。
午前のお弁当と夕方のお弁当
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3637回目の今日も認(したた)めます。
昨日お話ししたように、今日は、午前と夕方にお弁当の御注文を頂いていたので、ルーチンの段取りをしながら、午前のお弁当の仕上げをすることにしました。
御飯は、どちらも筍御飯(たけのこごはん)ですので、
煮含めておいた油揚げと出汁を分け、
炊き始めました。
筍御飯に限らず、全ての料理は、仕上がり時間の午前と夕方に分けて、仕上げるのですが、海老の酒煮(さかに)だけは、
煮汁から上げ、夕方の分は、冷蔵庫へしまっておきました。
海老の酒煮の煮汁は、
煮物の彩りの隠元(いんげん)を煮含ませるために使います。
そして、揚物(鯵のしんびき揚げ、鶏の唐揚げ)にはじまり、
煮物(人参、ごぼう、つくね、白滝)、
サーモンの西京焼、玉子焼を仕上げたら、自分はお役御免となり、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが盛付けてくれ、
仕上ると、チビふぐ三羽烏がやって来て、
「おはようございます、親方&真由美さん」
「おはよう♬」と返したものの、自分は他の仕込みがあるので、この場から立ち去り、様子を眺めていると、色々と話をしていたのですが、その入れ知恵が杞憂(きゆう)であらんことを・・・。
仕上ったお弁当は、
掛け紐をしてから、箸(はし)とおしぼりを挟み、お客様が取りに見えるのを待つばかりとなりました。
そうこうしていると、ランチの営業時間となったのですが、
夕方のお弁当の引き渡し時間が早かったこともあり、1時閉店(12時半LO)とさせて頂いたのですが、お断りしてしまったお客様には、この場を借りて、改めて、お詫びさせて頂きます。
夕方のお弁当には、
鶏肉の照焼が入るので、スチコン(スチームコンベクションオーブン)に下拵えをした鶏肉と煮物を入れ、加熱し始めました。
鶏肉の加熱時間は1時間10分と長く、お弁当に使う時は、一番最初に始める仕事で、加熱温度は70度です。
そのため、煮物を完全に仕上げることは出来ないものの、同時に行うので、スムースに仕事が出来ます。
その後、
サーモンの西京焼、玉子焼、揚物(さばふぐの唐揚げ、鯵のしんびき揚げ)を仕上げると、
真由美さんが盛付けを始めてくれ、
スチコンから煮物を出し、
煮上げて、盛付け終わったら、
折をカウンターに移動しました。
移動したのは、鶏肉の照焼は、包丁して、そのまま盛付けるからです。
加熱し終わり、
たれを掛けながら焼き上げると、
再び、個室に移動し、
煮物の彩りの隠元、筍御飯を盛付けたら、出来上がりです。
すると、
朝同様、チビふぐ三羽烏がやって来て、
「揚物の天紙(てんし)の縁(ふち)が、緑色になっているのは、どうしてなの?」と、訊いてきました。
「このお弁当は、法事用のお弁当だからだよ。」
「へぇ~。」
「あと、掛け紐も、
法事用のものだから、
白と紫のものだよ。」
「そうだね。朝の紐は、緑のものだったから、特別なお弁当じゃないってこと?」
「正解!鋭い。ちなみに、お祝い事のお弁当の御注文をもらった時は、紅白の紐にしているよ。」
「へぇ~。色々なものがあるんだぁ。」
「また今度、色々教えてやるから、今日はここまでにしておこうね。」
「はぁ~い。」
お客様が仕上ったお弁当を取りに見えた頃には、夜の営業時間となっていたのでした。
お弁当の引き渡し時間に関しては、ご指定の時間に合わせますので、お気軽にお申し付け下さい。
バスツアーの日に、明日のお弁当の仕込み
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3636回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
土曜日は、沼津魚市場が休みなので、仕入れに行くことはありませんが、今朝は、娘達のお弁当作りを手伝いました。
また、バスツアーのお客様が見えるだけでなく、明日のお弁当の仕込みもしなくてはならなかったので、
5時過ぎからのスタートです。
先ずは、
お弁当用のチキンカツを揚げると、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが仕上げ、今日のように、魚市場に行かず、仕事に追われることが確実な時は、揚物をお弁当のおかずにし、結果として、自分が揚げることになります。
とは言え、こういうことが為せるのは、店舗兼住宅の最大のメリットであるのは言うまでもありません。
その後、出汁を引くなど、普段の仕込みをしながら、
バスツアーのお客様用の料理の盛付けをし、
全て終わったら、
お弁当の煮物の仕込みから始めました。
真由美さんに、
人参と牛蒡(ごぼう)の皮を剥いてもらい、包丁したら、
下茹でを始めると、
ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんが、厨房に。
「親方、おはようございます。」
「おはよう♬」
「どうして、水から茹で始めているの?」
「人参や牛蒡のような根菜は、火が入るのに時間がかかるから、水が茹でるんだよ。」
「へぇ~。」
「葉物(はもの)のように、青いものは、熱湯で茹でてから、氷水に落とすなどして、色が飛ばないようにするんだよ。根菜と違って、すぐに火が入るからだよ。」
「ふぅ~ん。」
「ちなみに、明日の煮物の彩りに使うのが、
隠元(いんげん)なんだけど、隠元もそういう風にするんだよ。」
「あと、牛蒡と白滝だけ、
ざるに入れてあるの?」
「これらは、火の通る時間が違うからだよ。」
「なるほどね~。」
「バスのお客さんも見えるまでに、出来るだけ仕込みをしたいから、今日はこの辺にしとこう。あと、バスのお客さんのお見送りもお願いね。」
「はぁ~い♬」
下茹でを終えたら、
つくねを加え、
下のざるには、牛蒡と白滝が入っています。
鍋にこれらを入れたら、
出汁、日本酒、てん菜糖、薄口醤油、塩で味を調え、頃合いを見て、火を止めたら、
朝と夕方用に分け、
冷蔵庫へ。
3つあるのは、明後日の月曜日の娘達のお弁当用で、明後日の月曜日も、お弁当作りを手伝うことになったのですが、頂き物の筍で、筍御飯を炊くので、実は想定内のことです。
とりあえず、煮物の仕込みが終わったので、
早お昼を食べることにし、バスのお客様が見える時は、ほぼカレーで、今日はチキンカツカレーにしました。
ランチの営業時間となり、しばらくすると、
予定どおり、バスが到着したのですが、バスツアーのお客様が見える時は、フリーのお客様をお断りすることも多く、今日も然りで、この場を借りて、改めてお詫びさせて頂きます。
デザート以外の料理を出し終えると、外から、
「♬ で~んでん虫虫 かたつむり ♬」の歌声がしたので、外に行くと、「
親方、今日のバスは、かたつむりのイラストが描いてあるよ。 」
「そうだね。天気がいいから、このまま外にいてね。」
「はぁ~い。」
店内に戻り、デザートをお出しし、程なくすると、出発時間となり、
お見送りをすると、「親方、僕たちもバス旅行に連れてって~。」の声。
当然、聞こえぬふりをして、店内に戻り、
葉血引(はちびき)の南蛮漬、沢庵(たくあん)などを用意したり、
西京焼用のサーモンに串を打ち、お弁当の仕込みや準備をしている頃、
真由美さんは洗い物をしており、仕込みを終えた自分も参戦し、終わったら休憩を取りました。
そして、夜の営業が終わったら、
玉子焼用の鍋をはじめ、道具類を準備し、一日が終わった次第です。
刺身と西京焼用の鰆(さわら)は、三重県熊野灘産
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3635回目の今日も認(したた)めます。
今朝、
沼津魚市場に行くと、
三重県熊野灘産の鰆(さわら)が並んでいました。
焼物の中で、自分が最も好きな魚が、鰆の西京焼ですので、仕入れる必要がなくても、足を止めざるを得ません。
西京焼用に仕込んだものがあったものの、刺身用にする魚の仕入れをしなくてはならなかったので、 状態を確認することにしました。
3キロ台が、
4キロ台のものが、
それぞれ3本ずつあり、
4,4キロのものを仕入れることにしたのですが、3キロ台のものは、最初から素通りです。
というのも、3キロ台と4キロ以上の鰆を比べると、脂の乗り、身質など、全ての点で、全くの別物だからで、自分にとっての鰆は、最低でも4、0キロないと、鰆とは呼ぶことが出来ません。
『佳肴 季凛』に戻り、鰆の仕込みを始め、頭を落とした時点で、乳白色をしていたので、脂があることが確認出来、水洗いをすると、
再確認出来ました。
鰆は、魚の中でも、最も身割れしやすい魚なので、
卸す時には、
細心の注意が必要で、身割れさせることなく、卸すことが出来、ひと安心。
上身(頭を左にした時に、上になる身)から、切身にしていったのですが、
尾に近くなり、形の良い切身が取れそうもなくなった部分を、刺身用にすることにしました。
もう半身つまり、下身の方は、
上身の尾の部分と同じような位置で包丁し、
キッチンペーパーで挟み、
冷蔵庫へしまうことにし、仮に刺身として使わなくても、お弁当用の西京焼するので、このような方法を取ったのです。
西京焼用に切身にすると、
チビふぐ三羽烏がやって来て、
「おはようございます、親方。」
「おはよう。」
「親方が鰆を好きなのは、前々から知っているんだけど、どうして、
通販や持ち帰り用の【西京漬】には、並んでいないの?」
「実は、お客さんにも言われたことが、何度もあるよ。」
「やっぱりね。」
「鰆の美味しい時季って、限られていて、本当に良い鰆を仕入れて、納得がいくものを仕込むと、商品化するのは、すごい難しいことだからだよ。」
「なるほど~。春ってついているから、春が一番美味しいの?」
「いやいや、寒鰆(かんざわら)っていう呼び方もあるくらいだから、12月から3月くらいまでかな。」
「へぇ~。あと、商品化しない理由もあるの?」
「自分が気に入って仕込んだものだから、焼き上げるところまで、見ていたいっていう半分冗談、半分本気というのもあるね。」
「いやいや、親方のことだから、本気じゃないの?」
「どうだろうねぇ~。そんなことより、仕込みをするから、これにて解散。」
「はぁ~い♬」
切身にしたら、
有機JAS認証済の西京味噌をベースにしたお手製の西京味噌と共に、袋に入れ、冷蔵庫にしまい、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、
掃除をし、その合間に、
出汁を取るため、あらの部分も焼いておきました。
ランチの営業が終わると、刺身用の魚の手持ちが不安になったので、サブとして用意しておいた鰆の皮目を炙っておくと、今朝の仕入れが功を奏し、
今夜の会席料理の刺身として、
焼津産の鯵(あじ)、富山産の蛍烏賊(ほたるいか)、湯葉と共に、お客様のもとへ。
そんな合間を見ながら、
鰆の真空パックし、天然のとらふぐ命の陰に隠れた鰆命の自分の一日が終わったのでした。
頂きものの三重県安乗産の鰤(ぶり)で仕込んだ西京漬
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3634回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
昨日、「おはよう御座います 。お世話になります。少しですが、ブリを送りました、どうぞ宜しくです 。」というメッセージがあり、あくる日の今日、
宅配便で届きました。
送り主は、天然のとらふぐの仕入れ先の一つでもある三重県安乗(あのり)の魚屋さんで、
沼津魚市場の問屋とも取引があるので、とらふぐ以外の魚なども仕入れたことがあります。
鰤の実際の状態は分からないものの、ここ最近のこの魚屋さんのSNSの投稿を見る限り、十分脂が乗っていることが分かっていたので、半身をコース料理の西京焼にすることにしました。
ということで、
冷凍庫から、
【西京漬】用のノルウェー産の鯖(さば)を出し、
扇風機の風をあてること、20分足らずで包丁が入るようになったので、
腹骨の一部をすき取ったら、
上(かみ)と下(しも)に包丁したら、
脱水シートに挟み、冷蔵庫へ。
届いた発泡スチロールからを開け、
鰤を取り出すと、
活〆にされていたことが分かりました。
すると、ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんがやって来て、
「おはようございます、親方♬鰤を仕入れるなんて、珍しいよね。」
「おはよう。っていうか、普段の行いが良いから、もらったの。」
「えっ~、凄いじゃん!普段の行いが良いかどうかは分からないけど・・・。(笑)」
「あはは・・・。僕たちと比べてもいい?」
「熱烈歓迎!」
「長さ的には同じだけど、目方は?」
「もらい物だから、分からないけど、自分の感覚からすると、6キロぐらいかな?ジャンボちゃん達は4129(良いふぐ)グラムだから、鰤の方が大きいね。」
「あと一つ訊いてもいい、親方?」
「何?」
「鰤って、大きくなるにつれて、名前が変わるから出世魚なんだよね。」
「間違ってはいないけど、必ずしも正解というか、100点満点の答じゃないよ。」
「え゛っ~!?」
「出世魚って、歴史上のある人物になぞらえているんだよ。」
「初耳学!誰、だれ?」
「豊臣秀吉だよ。」
「理由は?」
「豊臣秀吉は、元々、武士の生まれではないのは、知っているよね?」
「農民ってことになっているって、歴史の授業で教わったよ。」
「イエ~ス!所説あるけど、それは抜きね。その時の名前は?」
「日吉丸。その次が、木下藤吉郎、羽柴秀吉、豊臣秀吉。」
「何回、変わった?」
「4回。」
「農民の生まれで、天下統一を成し遂げて、武士の頂点になったわけだから、大出世だよね。」
「うんうん。」
「となると、出世魚っていうのは、4回名前が変わらないと、厳密に言うと、出世魚じゃないんだよ。」
「で、鰤は?」
「東日本と西日本では、呼び方に違いがあるけど、東日本の場合、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリって変わるよ。」
「ワカシは聞いたことがないけど、他はあるなぁ。」
「ワカシは市場価値が低いから、流通するケースは少ないね。でも、沼津の魚市場は漁港もあるから、水揚げされて、売場にも並んでいるよ。」
「ほぉ~。」
「あと、出世魚は、成長するにつれて、市場価値つまり値段が高くなるのも、大事な点だね。」
「じゃあ、僕や私たちは?」
「一般的には、とらふぐだよね。でも、大きさによって、チビとら(0,5キロ以下)、並とら(0,6キロ以上2,5キロ未満)、BIGちゃん(2,6キロ以上4キロ未満)、ジャンボちゃん(4キロ以上)って、自分は呼んでいるよ。」
「親方の中では、とらふぐは出世魚なんだね。ふぐに萌え燃え・・・ 💖 が座右の銘だけあるね。」
「そうだね。時間も押しているから、授業はこの辺でおしまいね。」
「はぁ~い♬」
ちょっと長めの脱線になってしまいましたが、再び本線に戻ります。
鱗が細かい鰤は、
包丁を使うすき引きという方法で、鱗を取り除いてから、頭を落とし、水洗いしたのち、 三枚に卸しました。
予想通り脂が乗っていたので、西京漬にするため、
切身にし、残りの半身は、
皮に包丁目を入れたら、
バーナーで炙り、
粗熱を取るため、
すぐに返し、しばらく、このまま冷蔵庫へ。
鰤の下処理が終わったら、掃除をし、ランチの営業に備え、ランチの営業の合間を見ながら、
出汁を取るため、頭や中骨を焼いておきました。
ランチの営業が終わったら、
酢飯の上に、鰤、
蛍烏賊(ほたるいか)を乗せ、ハーフ&ハーフ丼を作り、
堪能し、しばし休息。
夕方になり、夜の営業の準備をしながら、
切身の部分は、西京漬にし、
小さめの切り身は、娘達のお弁当用にしたり、
あらの部分も、
西京漬にし、おまけアイテムや後々の賄いとなります。
鯖も同様にし、
どちらも冷蔵庫へ。
また、娘達の夕飯に出してあげると、
大満足のようでした。
元々はSNSで繋がり、 その後、縁あって、取引させてもらうようになり、さらには、お互いの行き来が出来ることは、何よりも尊(とうと)いことで、“袖振り合うも他生の縁”という諺(ことわざ)があるように、人との縁を大事にしていきたいものです。