午前のお弁当と夕方のお弁当
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3637回目の今日も認(したた)めます。
昨日お話ししたように、今日は、午前と夕方にお弁当の御注文を頂いていたので、ルーチンの段取りをしながら、午前のお弁当の仕上げをすることにしました。
御飯は、どちらも筍御飯(たけのこごはん)ですので、
煮含めておいた油揚げと出汁を分け、
炊き始めました。
筍御飯に限らず、全ての料理は、仕上がり時間の午前と夕方に分けて、仕上げるのですが、海老の酒煮(さかに)だけは、
煮汁から上げ、夕方の分は、冷蔵庫へしまっておきました。
海老の酒煮の煮汁は、
煮物の彩りの隠元(いんげん)を煮含ませるために使います。
そして、揚物(鯵のしんびき揚げ、鶏の唐揚げ)にはじまり、
煮物(人参、ごぼう、つくね、白滝)、
サーモンの西京焼、玉子焼を仕上げたら、自分はお役御免となり、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが盛付けてくれ、
仕上ると、チビふぐ三羽烏がやって来て、
「おはようございます、親方&真由美さん」
「おはよう♬」と返したものの、自分は他の仕込みがあるので、この場から立ち去り、様子を眺めていると、色々と話をしていたのですが、その入れ知恵が杞憂(きゆう)であらんことを・・・。
仕上ったお弁当は、
掛け紐をしてから、箸(はし)とおしぼりを挟み、お客様が取りに見えるのを待つばかりとなりました。
そうこうしていると、ランチの営業時間となったのですが、
夕方のお弁当の引き渡し時間が早かったこともあり、1時閉店(12時半LO)とさせて頂いたのですが、お断りしてしまったお客様には、この場を借りて、改めて、お詫びさせて頂きます。
夕方のお弁当には、
鶏肉の照焼が入るので、スチコン(スチームコンベクションオーブン)に下拵えをした鶏肉と煮物を入れ、加熱し始めました。
鶏肉の加熱時間は1時間10分と長く、お弁当に使う時は、一番最初に始める仕事で、加熱温度は70度です。
そのため、煮物を完全に仕上げることは出来ないものの、同時に行うので、スムースに仕事が出来ます。
その後、
サーモンの西京焼、玉子焼、揚物(さばふぐの唐揚げ、鯵のしんびき揚げ)を仕上げると、
真由美さんが盛付けを始めてくれ、
スチコンから煮物を出し、
煮上げて、盛付け終わったら、
折をカウンターに移動しました。
移動したのは、鶏肉の照焼は、包丁して、そのまま盛付けるからです。
加熱し終わり、
たれを掛けながら焼き上げると、
再び、個室に移動し、
煮物の彩りの隠元、筍御飯を盛付けたら、出来上がりです。
すると、
朝同様、チビふぐ三羽烏がやって来て、
「揚物の天紙(てんし)の縁(ふち)が、緑色になっているのは、どうしてなの?」と、訊いてきました。
「このお弁当は、法事用のお弁当だからだよ。」
「へぇ~。」
「あと、掛け紐も、
法事用のものだから、
白と紫のものだよ。」
「そうだね。朝の紐は、緑のものだったから、特別なお弁当じゃないってこと?」
「正解!鋭い。ちなみに、お祝い事のお弁当の御注文をもらった時は、紅白の紐にしているよ。」
「へぇ~。色々なものがあるんだぁ。」
「また今度、色々教えてやるから、今日はここまでにしておこうね。」
「はぁ~い。」
お客様が仕上ったお弁当を取りに見えた頃には、夜の営業時間となっていたのでした。
お弁当の引き渡し時間に関しては、ご指定の時間に合わせますので、お気軽にお申し付け下さい。
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