すっぽん尽くしのコースと、すっぽん鍋メインの【特別会席】の違い
Vol.4172
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月11日)は

すっぽん尽くしのコースと
すっぽん鍋がメインの【特別会席】の違い
についてお話しします。

今夜は
【すっぽん料理】のご予約を頂いていたので

ランチの営業時間を
1時閉店とさせて頂きました。
得てして
こういう時に限って
フリーのお客さんが遅くに見えたり
予約の電話をもらうものです。

「そうなんだぁ。
断っちゃったお客さんには
僕達からも
ごめんなさい🙇」
と、ミニふぐちゃん。
「有難うね。
じゃあ、すっぽんを卸すよ。」
すっぽんを卸す時は

仰向けにして
首を出て来たところを
捕まえて
締めます。

「ヤバッ!怖いっ!」
この後の様子は
あまりにもグロテスクなので
割愛させて頂きます。
卸し終えたすっぽんは

刺身と唐揚用

鍋用に下処理をしておき
また、【すっぽん料理】のコースですので

活血(いきち)をお出しするので
固まらないように
締めた直後に
りんごジュースで
割っておきました。
下処理である皮剥きを手伝ってくれたのは

女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。

「ねぇ、親方
すっぽん料理の中で
一番のオススメは
どの料理なの?」
「そりゃ鍋だよ、鍋!」
「そうなんだぁ。」
すっぽん料理のコースは
活血にはじまり

刺身

唐揚げ

すっぽん鍋

〆のすっぽん雑炊に至るまで

すっぽん尽くしです。
ちなみに、
二品の先付は

南京豆腐(かぼちゃの豆腐)と

鱧(はも)しんじょう蒸しでした。

「活血と刺身があるから
当日に卸さなきゃならないってこと?」
「だから、ランチの営業時間を
短縮したんだよ。」
「でも、時々
すっぽん鍋をメインにした
コースがあるけど
その時は
早仕舞いしないんでしょ?」
「そうだよ。」
「そう言えば
この間の【特別会席】も
すっぽん鍋がメインだったけど
復習の意味で話してくれる?」
「はいよ~。」
ということで
ここからが、本題です。
すっぽん鍋がメインの【特別会席】は
【特別会席】の定番の一つでもあります。
また、【特別会席】は

お客様とのご相談の上で
献立を決めさせて頂いているので
詳細については
先日(9月末)の献立は
以下の通りです。
◆先付(さきづけ)①
もろこし豆腐

◆先付②
鱧しんじょう蒸し

◆刺身①
国産牛のローストビーフ

つけだれは

オリジナルの

◆揚物
とらふぐ(天然)の唐揚げ

◆刺身②
ふぐ刺

※三重県産とらふぐ(天然)
◆鍋
すっぽん鍋

◆焼物
鰆(さわら)の西京焼

◆食事
すっぽん雑炊

すっぽん雑炊は
鍋を下げてから
その出汁で仕立てています。
土鍋を下げて
雑炊を準備している間に

茶碗と

お新香をお出ししておきました。
ご存じかもしれませんが
茶碗のふぐのイラストは
真由美さんが描いたものです。
雑炊を召し上がっている間に

新しいおしぼりをお出しすると

「雑炊の時に
おしぼりがあると
嬉しいよね。」
◆デザート
シャインマスカットのアイス

すっぽん鍋と言うと
その見た目から
きわもの、げてもののイメージを持たれる方も
いらっしゃいますが
他の食材には無い味わいが
一番の特徴です。
しかも、それを味わうなら
鍋に限ります。
【すっぽん料理】でも
【特別会席】でも
すっぽん鍋を召し上がることが出来ますが
【すっぽん料理】は
活きたすっぽんで仕立てるので
2日前までのご予約をお願いしております。
一方、【特別会席】の場合
すっぽん鍋だけでなく
他の料理の仕込み等の都合もあるので
2日前というより
早めのご予約をして頂けると
有難いです。
ご不明な点などがございましたら
お気軽にお問い合わせ下さい。
「この準備をしているってことは
明日はフグが来るのかな。

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん
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すっぽんの出汁で仕立てた、とらふぐ(天然)と松茸の土瓶蒸し
Vol.4169
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月8日)は

昨日の【特別会席】でお出しした
松茸の土瓶蒸しについて
お話しします。
ということで、先ずは


「親方、昨日の土瓶蒸し
ちょっとビックリしちゃったよ。」
と、熱血君。
「あぁ、あれね。
熱血君も仕立て方を見ていたから
一般の人が知りたいようなところを
訊いてくれる?」
「うん♬
じゃあ、始めようよ。」
松茸の土瓶蒸しに欠かせないのが
松茸です。


「この松茸は、どこ産?」
「中国だよ。」
「やっぱ、国産と違うの?
味とか、香りとか・・・。」
「そりゃあ、違うよ。
でも、土瓶蒸しとか
御飯にするなら
量を増やせば
十分に美味しいよ。」
「そうなんだぁ。」
松茸は土がついているので

濡らしたキッチンペーパーで
ふき取ります。
すぐに使う場合なら
軽く水洗いしてもかまいません。
石突(いしづき)の部分は

御飯に使うので

このように包丁しておき
土瓶蒸し用の松茸が

こちらです。
土瓶蒸しなので細かくなっても
問題ありませんが

熱血君が言うように
「この方が
ザ・松茸って感じがしていいよねぇ。」
👆その通りだと思います。
土瓶蒸しに入れる魚の定番と言えば
鱧(はも)ですが
それでは面白味に欠けるので
今回用意したのが

天然のとらふぐの
かまの先端と口ばしの部分です。

「どうして、この部分なの?」
「土瓶蒸しは
12分くらい蒸すから
これぐらいのものじゃないと
火が入り過ぎちゃうからだよ。」
「そういうことね。」

こちらが、かまの部分で
このように包丁しておきます。

松茸ととらふぐを土瓶に入れたら
熱々の出汁を注いでから
蒸すのですが
この出汁が
普通のものとは異なり

すっぽんの出汁です。

「このすっぽんの出汁って?」
「すっぽん鍋を仕込んだ時の出汁で
多めに仕込んだら
真空パックして
冷凍しておいたものだよ。」
「多めに仕込んで
どうするの?」
「すっぽん鍋を仕込む時に
継ぎ足すんだよ。」
「だから、季凛のすっぽん鍋の出汁って
濃厚なの?」
「そういうこと。

ここに書いてあるよ👆」
「こういうことなんだぁ~。」
蒸し上がったら

三つ葉を散らし

すだちを添え
お出ししました。

「これじゃ分かんないから
実は試食をしていたんだよね?」
「そうだよ。

少し多めにしてあるんだけどね。
これが

松茸ととらふぐ。」

「僕ももらったけど
んまかったよ。」
「それじゃ
食レポにならないじゃん。」
「あっ、そっかぁ。
親方が説明してくれた方がいいよ。」
「分かったよ。」
すっぽんの出汁は
他の食材には無い味わいで
濃厚な旨味が
一番の特徴です。
なので、淡白なとらふぐに
すっぽんの味が加わることによって
両方のゼラチン質が
バージョンアップします。
「って感じでいいかい?」
「うん、いいと思うよ。
一つ忘れているじゃん、親方。」
「んっ!?」
「すっぽん好きの女優の話だよ。」
「あれ、また話すの?」
「そうだよ。」
その女優とは
シリーズ化されているドラマの主人公です。
自分が勤めていた店で
すっぽん鍋をよく召し上がっていました。
先程もお話ししたように
ゼラチン質が豊富なため
美肌効果も高いとも言われています。
歌舞伎役者の女形曰く
「すっぽんを食べた次の日は
化粧の乗りが違う!」
そんなこともあり
自分は食べるコスメ”とも呼んでいます。
見た目ゆえ
きわもの、げてもの扱いする人もいますが
その姿とはかけ離れた美味しさは
美食中の美食です。
今回の出汁は養殖ものですが
天然ものの美味しさは
養殖ものとは比べ物になりません。
特に、冬眠前のこれからの時季は
身に栄養を蓄えるので
その美味しさは倍増します。

「ってことは
明日は、僕の肌もツルツルかな。」
「どうだろう?
少し足りないんじゃないのかなぁ。」
「ってことは
追加オーダーをお勧めしているの?」
「いやぁ、ここからは
別途、お代を頂戴しますので
強くは言えませんが・・・。(笑)」
「あちゃ~。」
こういう仕立て方のヒントは
何となく浮かぶものです。
日々の仕事がルーチン化すると
浮かんでは来ません。
浮かんで来るということは
惰性や流れで
仕事をしているわけではないことに
ひと安心すると共に
まだまだ磨きをかけられると思うと
明日からの仕事にも
すっぽんの出汁を食した時の如く
乗り乗りで臨めそうです。
「ふぐの皮があるってことは
明日は休日出勤?

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん
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2023.10.8|ふぐ すっぽん 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
量より質の【特別会席】
Vol.4168
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月7日)は

品数少なめの
量より質の【特別会席】について
お話しします。

「おはよう、親方🐡
伊勢海老って書いてあるけど・・・。」
と、熱血君。
「おはよう🐡

ほら。」
「ほらはいんだけど
土曜日だから
市場は休みじゃね?」
「そうだよ。

だけど

この問屋は
前もって言えば
用意してくれるから

行って来たんだよ。」
「伊勢海老1匹のために?」
「そうだよ。
昨日持って来て
うちの水槽でダメになるんじゃ
困るからね。」
「そうだけど・・・。」
「楽はしたいけど
手抜きはしたくないから
この方が安心だしね。」
「なるほどね~。
で、伊勢海老はどんな料理になるの?」
「今夜の【特別会席】の焼物だよ。」
「じゃあ、今日のブログは
その献立?」
「そうだよ。
しかも、量を減らして
質を上げた献立だから
乞うご期待!」
「わぁ~い♬」
質を重視ということもあり
品数も少なくした献立で
とりあえず
順を追って
お話しします。
◆先付
南京豆腐

◆揚物
鯵フライ

「【特別会席】なのに

鯵フライって・・・!?」
「【特別会席】の揚物って
とらふぐの唐揚とかが多いから
鯵フライ!?って
思うよね?」
「そうだよ。」
「鯵フライにしたのは
季凛の鯵フライを食べたことがないって
お客さんに言われたからだよ。」
「そうなんだぁ~。
常連さんだから

カウンターに用意したんだね。」
「そういうこと。」
「で、鯵フライの反応は?」
「ふわふわしていて
サクサクだから
喜んでくれたよ。」
「やっぱりね。
脂が乗っている鯵だと
ふわふわするんでしょ。」
「よく知っているじゃん。」
「ブログかSNSに
親方が書いてあったからだよ。」
「予習、有難うございます♬」
野菜には

オリジナルの
【野菜感溢れるドレッシング】をつけて
召し上がって頂きました。
◆御椀替り
松茸の土瓶蒸し

見た目はオーソドックスですが

ごく一般的なものとは違うので
改めて、お話しします。」
◆刺身
ふぐ刺

ふぐは福島産のとらふぐ(天然)ですが
趣を変えるため

つけ醤油を2種類用意しました。
2種類のつけ醤油は
ぽん酢(写真 左)と
肝醤油(同 右)です。
肝醤油の肝は
薄葉剥(うすばはぎ)の肝で
詳しいことは
日を改めてお話しします。
◆焼物
伊勢海老の具足焼

「今朝の伊勢海老じゃん🦐」

「そう、こういうことね。」
「うんうん♬」
ちなみに、伊勢海老の具足焼については

◆食事
松茸御飯

頃合いを見計らって

炊き上げたものです。
器は

当店オリジナルのもので
イラストは
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
描いたものです。
また、留椀(とめわん)として

浅蜊(あさり)の味噌汁をお出しし

お新香は、浅漬と糠漬です。
◆デザート

焼芋のアイスと

シャインマスカットのアイスを
選んで頂き

どちらも手作りです。

「確かに
量より質のコースだよね。」
「そうだよ。」
「こういうのもありなんだね。」
「そりゃそうさ。
食べるのはお客さんなんだしね。」
「うんうん。
常連のお客さんだからこその献立だね。」
「そうだね。
お客さんの方も
色々と要望を言えるし
それに自分が応えるようなものだから
信頼関係の上に成り立っている献立だね。」
「なんか、それいいじゃん!」
「何なら、熱血君も
こういうのどう?」
「一人でもいいの?」
「熱烈歓迎!」
「土瓶蒸しと
ふぐ刺のつけ醤油が
気になるんだけど・・・。」
「でしょ。
どっちもお初だしね。」
「じゃあ、近いうち
話してくれるの?」
「勿の論!
明日とか、どう?」
「わぁ~い、楽しみだなぁ。

じゃ、土瓶蒸しで・・・♬」
「はいよ~。」
ということで
明日は、今日の土瓶蒸しについて
お話しします。
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鍋用のすっぽんの仕込み
Vol.4154
いらっしゃいませ
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“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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志村弘信です。
今日(9月23日)は

鍋用のすっぽんの下処理について
お話しします。
「おはよう、親方🐡

市場が休みなのに
どうしているの?」
「おはよう🐡
昨日、仕入れて来たんだよ。」
「そうなんだぁ。」
今お話ししたように

このすっぽんは

昨日

沼津魚市場で仕入れたものです。
まな板に乗せると

首を出してきました。

「すごいね~。」
「近づくと
危ないよ。」と言っているそばから
近付くと

「ワァ~、ヤバっ!」
「だから、言ったじゃん。」
「そうだけど。
噛まれたら
雷が鳴るまで
離してくれないの?」
「そんなわけないよ。」
「そうなんだぁ。
噛み付かれたことある、親方は?」
「無いよ。
鋭い歯じゃないけど
要注意だね。」
「でも、何で
ひっくり返しているの?」
「首を使って
起き上ろうとするからだよ。」
「手、足を使ったら
人間と変わらないもんね。」
「まぁね。
今から首を掴んで
締めるから
離れていてね。」
「はぁ~い。」
ここからの写真は
あまりにグロテスクなので
割愛させて頂き
説明のみで・・・。
①首を掴んだら
包丁を入れ
頭を落とします。
②その時に出た血が
活血(いきち)ですが
今日は使いません。
③卸す時は
甲羅をはがし
解剖状態。
ということで

卸し終えたすっぽんです。

「そばで見ていたけど
凄かったよ。
マジで、グログロ!」
「言った通りでしょ。」
「そうだね。
でも、卸したすっぽんは
ちゃんとした食材だね。」
「そうだよ。
ゲテモノと思っている人も多いけど
日本料理の中じゃ
高級食材にして
美食の一つだからね。」
「変な先入観は
良くないってことだね。」
「そうだよ。
すっぽんが可哀想だし
このすっぽんは養殖だけど
それを育てた人も
可哀想じゃん。」
「そうだね。
親方は必ず食材と
その食材に関わる人達のことを
大事にするよね。」
「当たり前だよ。
食材なくして
料理は出来ないからね。」
「そうだったんだね。」
「だから、漁師に限らず
一次産業に関わる人達を
ぞんざいには出来ないんだよ。」
「分かるよ。」
「命あるものを頂くんだもん
ちゃんとした気持ちは必要だね。」
「うんうん。」
今日のすっぽんは鍋用ですので
それほど手間はかかりませんでした。
というのも
すっぽん料理のコースの場合
すっぽん尽くしなので
活血や刺身などの下処理もあるからです。
ちなみに、こちらが
すっぽん料理のコースの内容です👇


「内臓も鍋に仕込むの?」
「そうだよ。」
「どれが何か
教えてくれる?」
「はいよ。
これが胃袋で

腸は胃袋の続きだから

似ているでしょ。
一番大きいのが

肝臓で
赤いのが心臓で

赤黒くて、豆みたいのが腎臓。

今日の2はいは
どっちもメスだったから

卵も入ってたよ。」
「なんだぁなんだぁ。
内臓で食べられないのはあるの?」
「膀胱(ぼうこう)。」
「膀胱は、どうしたの?」
「おしっこが入っている場合があるから
取ったら
すぐにゴミ箱行き。」
「おしっこは臭いの?」
「もちろん。
だから、おしっこが入っている時は
要注意だよ。」
「あとは?」
「食べられないわけじゃないけど

使わないのが胆嚢(たんのう)。」
「苦いから?」
「そうだよ。
つぶれると苦い汁が回るから
肝臓の一部と一緒に外すんだよ。
ただ、これを活血と一緒に
出す場合もあるみたい。」
「へぇ~。
僕達は、パスね。」
「胆嚢をつぶすると
こんな感じだけど

苦そうでしょ?」
「うん。
あと、食べなかったり
使わないのは?」
「爪だよ。

尖っているから
食べるわけにはいかないでしょ?」
「これは、ヤバいよ。」
この後、薄皮を取るため
70度くらいのお湯にくぐらせ
氷水に落としたら

ざるに上げます。
最初に
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに
薄皮を剥いてもらいました。

「こういう仕事って
真由美さんがやること
多いよね?」
「そうだね。
こういう単純な作業って
意外と好きなんだよ、私♬」
「えっ~、そうなの?」
真由美さんがやったものを

自分が手直しをし
洗い上げ

すっぽんの仕込みが終わりました。

「それにしても
すっぽんの仕込みって
かなり手がかかるね。」
「まぁ、かかるね。
特に皮剥きが・・・。
でも、ここまで手を掛けるくらいに
美味しさがあるのが
すっぽんなんだよ。」
「そうなんだぁ。
ランチの時間も近づいているから
早く掃除、掃除!

じゃあ
♬ お片付け~ お片付け~
さぁさ

二人でお片付け ♬」
こうして
すっぽん鍋用のすっぽんの仕込みが終わり
ランチの営業時間と
なったのでした。
「明日は、お弁当があるんだね🍱

そんじゃ、また🐡」 by 熱血君
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ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。
バージョンアップしたすっぽん鍋入りの【特別会席】
Vol.3956
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(3月9日)も

逸品の数々を味わって下さい。
今朝は、ホームグランドの
沼津魚市場には行きませんでした。
というか、行けませんでした。
はい、起きたけど
眠かったので、予定変更。
「仕入れには
問題ないの?」と
思われるかもしれませんが
平気です。
でないと、サボりません。(笑)
そんなこともあり
仕込みも少なかったので
女将兼愛妻(!?)の真由美さんは

駐車場の草むしりをしてくれました。
「おはよう、親方&真由美さん🐡」と

熱血君。
「おはよう♬」と返すと
「一応、親方もやるんだね。」
「当たり前じゃん。
真由美さんに訊いてみなよ。」
「そうなの。真由美さん?」
「仕込みが無い時は
親方もやるよ。」
「安心した。じゃあ
仲良し子吉で
頑張ってね~♬」
「はいよ~。」
疲れていたのかどうか
分かりませんが

タイムスリップしてしまい

時計の針は、昨日の夕方に。
その時間、個室にいたのは

熱血君でした。
「今日の予約の料理は?」
「【特別会席】だよ。」
「ガスコンロがセットしてあるってことは
ふぐちり用なの?」
「いや、すっぽん鍋だよ。」
「へぇ~。離れて見ているね。」
「はいよ~。」
これまでにもお話ししているように
【特別会席】は

献立を決めさせて頂いています。
12,100円~となっていますが

【夕席】のページの冒頭にもあるように
ご予算などに応じて
ご用意が可能です。
ここからは
順を追って
料理の流れを
お話ししていきます。
・先付(さきづけ)
グリンピース豆腐

・蒸し物
鰯つみれ錦糸蒸し

・刺身
ふぐ刺

※遠州灘産とらふぐ(天然)
・揚物
ふぐの唐揚

※三重県産とらふぐ(天然)
・焼物①
焼白子

※下関産とらふぐ(天然)
・鍋
すっぽん鍋

・焼物②
伊勢海老の具足(ぐそく)焼

※具足(ぐそく)とは
甲冑(かっちゅう)=よろいのこと。
見た目がよろいのように見えるので
具足焼と呼んでいます。
・食事
すっぽん雑炊

※すっぽん鍋を下げ
その出汁で仕立ててあります。
雑炊を仕立てている間に

お新香と

茶碗を御席に。
・デザート
マスクメロンのアイス

すると

「今日のコースって
初めての?」と、熱血君。
「そうだよ。」
「伊勢海老を出す時に
仕上げに掛けた醤油の香りが

たまんなく、良かったよぉ~🤤」
「あの香りは
食欲がそそられるよね。」
「うんうん🤤」
焼物にした伊勢海老は

沼津魚市場で仕入れたもので

御覧のように活きています。
これを

半分に割った時も

熱血君は見ていました。
「ねぇ、熱血君。
伊勢海老のオスとメスの
区別って知ってる?」
「え~っ、そんなの知らないよ。」
「じゃあ、教えてあげるよ。」
「わぁ~い。」
この伊勢海老は

オスです。
オスの爪の先は

このように尖っています。
ここには、メスがいないので
ネットから拝借すると

メスの爪は分かれています。
このような違いがあるのは
メスは卵を大量に抱えるからです。
お腹のひれの部分の大きさや
身の色でも
区別がつきます。
あと、伊勢海老の値段が高いのは
養殖が出来ないからです。
「こんなところで
伊勢海老の説明は
いいかな?」
「うん、有難う。
また教えてね~。」
タイトルにもあるように
今日のメインは
すっぽん鍋で
そこに伊勢海老
ふぐの白子と
豪華そのものでした。
キワモノのような
イメージのすっぽんですが
その姿からは想像できない
美味しさがあります。
日本料理の中でも
すっぽん、ふぐ、鱧(はも)は
他の食材には無い
唯一無二の味わいです。
日本料理の道に転がり
それらを扱うことが出来ることに
感謝しながら
精進続けます。
そして、日本料理の魅力と
伝統を紡(つむ)ぐ姿勢を
忘れるわけにはいきません。
そうこうしていると

再びタイムスリップし

一日が終わったのでした。
「お疲れ様、親方。

明日は、ちゃんと起きないとね🐡」 by ミニふぐ
活血とすっぽんの刺身を、ふぐ刺に差し替えたすっぽん料理
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
3944回目の今日(2月25日)も

お付き合い下さいませ。
ランチの営業の合間を見ながら

ふぐちりや

すっぽん鍋の準備をしていると
ミニふぐ曰く

「親方、昨日仕込んだすっぽん鍋でしょ?」
「そうだよ。固まっているから
プルンプルン。」
「こっちは

何なの?」
「こっちは出汁だよ。
固まっているから

落ちてこないよ。」
「わぁ~。ザ・コラーゲン!」
「今日の予約に使わない分は

真空して、冷凍しておいたよ。」

「わぁ~、プリンプリン。
あと、ふぐちりもあるけど

ふぐちりとすっぽん鍋って
どっちが美味しいの?」
「どっちも美味しいよ。
全くの別物だからね。たださぁ・・・。」
「たださぁの後が
気になるんだけど、教えてよ。」
「すっぽん鍋の出汁で
ふぐしゃぶを食べるのも
いいんだよね~。」
「あ゛っ!?
そんなの聞いたことないよ。」
「普通はあんまりないよね。
たまらないくらい美味しいよ。」
「お客さんに出したこと、あるの?」
「あるよ。かなり前だけど
その時は、本鮪(ほんまぐろ)
鱧(はも)も一緒だったよ。」
「え゛っ~、あり得ない!」
「ほら、これだよ。

詳しいことは

これを読んでごらん。」
「何だか、凄そぉ・・・。
ゆっくり読んでみるよ。」
「そうして。」
「で、今日のお話しをしてよ。」
「はいよ~。」
今日のお話しは

すっぽん料理のコースの刺身を
すっぽんからふぐ刺に替えたお話しです。
また、活血もお出ししませんでした。
上の献立のように
お話ししていきます。
~先付(さきづけ)①~
グリンピース豆腐

※枸杞(くこ)の実を
あしらってあります。
~先付②~
鰯つみれ錦糸蒸し

~刺身~
ふぐ刺

※遠州灘産のとらふぐ(天然)
~すっぽんの唐揚~

※下味をつけた後ろ脚です。
~すっぽん鍋(雑炊付)~

※鍋以外の具材

・豆腐

・焼ねぎ

・くずきり
お出しする時に
生姜の搾り汁を入れるのですが
すっぽん鍋は
旨味豊富な出汁を味わって頂きたいので
余分な食材は入れないようにしてします。
あえて入れるなら
笹がきごぼう、芹(せり)が
おすすめです。
鍋を召し上がったら
土鍋を下げ
その出汁で雑炊を仕立てます。
中には出汁を飲み干してしまう方も
いらっしゃるので
先ほどのように
出汁を取り置きしてあるのです。
雑炊を作っている間に

お新香と

茶碗をお出しし
キムチを添えてあるのは
味変のためで、ふぐ雑炊の時も
同様です。
雑炊が仕上がったら

葱(ねぎ)をちらし
お出しします。
~水菓子(デザート)~
マスクメロンのアイス

デザートを見た
ミニふぐが

「すっぽんの刺身や活血よりも
こっちの方が、いいんじゃね?」
「お客さんの好みだからね。
自分も、今日みたいな方をすすめるかな。」
「どうしてなの?」
「すっぽんって
鍋が全てみたいなもので
すっぽんの出汁って
肉でも魚でもない美味しさが
特徴だからだよ。」
「そうなんだぁ。
そこにふぐ刺っていうのも
贅沢だよね。」
「すっぽんの刺身は
鮮度を味わうようなものだからね。
参考のために

写真ね。」
「ほぉ~。」
「詳しいことは

こちらを・・・。(笑)」
「はぁ~い。でも
今日は読むものが多いなぁ・・・。」
「何か言った?」
「いやっ、別に。」
今日のように
すっぽん料理のコースの内容を
差し替えることも可能ですし
通常の会席料理をアレンジし
色々と召し上がれるように
することも可能です。
ご予算、ご要望に応じて
可能な限り対応させて
頂いておりますので
お気軽にお問い合わせ下さい。
「明日はお弁当があるんだね。

じゃあ、またね。」 byふぐとらちゃん
明日のすっぽん鍋
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
3943回目の今日(2月24日)も

お付き合いのほど
宜しくお願いします。
今日、すっぽん鍋の
仕込みをしていると
熱血君がやって来て

「鍋の中のすっぽんは
昨日と


ブログに書いていたすっぽんでしょ?」
「そうだよ。」
「グツグツしているけど
火を弱めなくても、いいの?」
「いいんだよ。
沸いている状態じゃないと
アクが出ないからね。」
「へぇ~。」
「アクが完全に出なくなったら
火を弱めて
味を付けるんだよ。」
「仕上がるまで
どれくらいの時間がかかるの?」
「2時間くらいかなぁ。」
「結構かかるんだね。」
「そうだね。
でも、それだけの美味しさを
保証するよ。」
「ほぉ~。」
仕上がってから
粗熱が取れた状態の
すっぽん鍋が

こちらです。
「きれいに澄んでいて
これなら、美味しいはずだよね。」

と、熱血君。
「すっぽんって
キワモノ、ゲテモノみたいに
思われているけど
ぜ~んぜん、そんなことないし
他の食材には無い美味しさだよ。」
「へぇ~。色んな部分が
入っているけど
教えてくれる?」
「お安い御用で・・・♬」
「わぁ~い♬」
「これが

えんぺらで、甲羅の広がった部分。」
「プルプルしていて
ザ・コラーゲンって感じじゃん。」
「そうだね。これは

脂身。
沢山入っても、くどくないよ。」
「チュルンって感じだね。」
「これが

肝臓。」
「肝臓って
どの生き物も似た感じだね。」
「そうだね。そんでもって

卵。」
「そのまんまじゃん。」
「成長して、殻付で
入っていることもあるよ。」
「鍋にすると
おでんの玉子みたいになるの?」
「っていうか
ミニサイズのう玉(うずらの卵)かな。」
「なんだか可愛いね。」
「これが甲羅で

えんぺらも付いているでしょ?」
「うん。全部食べられるの?」
「いや、えんぺらを取ると

こんな感じだよ。
骨だから食べられないね。」
「しゃぶったら、美味しい?」
「完全に身を取っちゃってあるから
出汁がらだね。」
「はぁ~。」
「お腹の部分の骨が

これ。」
「これもプルプルのコラーゲンだね。
あとは?」
「ヤバッ!肝心の手足を
忘れてた。これこれ

一番のポイントだからね。」
「何となく
物足りない気がしたもん!
っていうか、既に

プルプルじゃん。」
「失礼、失礼。
この陽気だから
常温でも固まっちゃうんだよ。」
「へぇ、親方がよく言っているけど
食べるコスメなのは
間違いないね。」
「そうだよ。」
「でも

何で土鍋に入っているの?」
「明日の予約のだよ。」
「あと

袋に入っているのは?」
「一人前に小分けした

すっぽん鍋と

すっぽんの出汁なんだけど
真空パックして冷凍しておくんだよ。」
「へぇ~。これなら便利だよね。」
「すっぽん鍋をコースに入れる時とか
出汁は仕込みの度に継ぎ足すから
濃厚な出汁が出来るんだよ。」
「それっていうか

これ絶対うまいやつ~♬」
「はぁ~い

その通り!」
「明日のコースの内容は
どんななの?」
「すっぽん尽くしじゃなくて

この金額でアレンジしたものだよ。」
「そういうのも、ありなの?」
「ありだよ。すっぽんって
食べてみたい人は多いんだけど
取っつきにくい料理の一つだから
食べるチャンスって
意外と少ないんだよね。」
「分かるような気がする。」
「あとは決して安いものじゃないのも
難しいと思うんだよね。
明日のお客さんみたいに
希望を言ってくれると
色々と提案出来るんだよ。」
「なるほどね。」
「あと、すっぽんのことは

ここに、色々と書いてあるよ。」
「あとで読んでみるね。」
「はいよ~。」
どちらも

冷蔵庫にしまい
夜の営業に備えたのでした。
「明日の料理が楽しみだね。

そんじゃ、また🐡」 by ミニふぐ
すっぽんQ&A(後編)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
3942回目の今日(2月23日)も

お付き合い下さい。
「おはよう、親方♬
今日はすっぽんを卸すんでしょ?」

と、ふぐとらちゃん。
「おはよう、そうだよ。」
この2はいのすっぽんは
昨日、沼津魚市場で仕入れたものです。
「早く卸してよ、親方。
見たい見たい!」
「まぁ、慌てなさんな。」
まな板に乗せると

「どうして

仰向けなの?」
「仰向けにすると

すっぽんは、首を使って
起き上がろうとするんだよ。」
「わぁ~、凄い

作り物みたいだね。」
「まな板の端に置いて
出て来た首を掴んで
締めるんだよ。」
「なんか怖い。」
「その時、すっぽんは目をつむるんだけど
何度やっても
その姿は嫌だよ。」
「・・・・・。」
今お話ししたように
締めたら
卸すのですが
この時の様子は
あまりにグロテスクなので
割愛します。
卸し終えたら
皮を剥くため

お湯にくぐらします。
この時のお湯は
70度くらいで
沸騰するほどの温度だと
皮が剥きにくくなるからです。
お湯にくぐらせて
氷水で冷やしたら

薄皮を剥きます。
皮を剥いてくれるのは

女将兼愛妻(!?)の真由美さんで

「真由美さん、FIGHT!」
「ありがとうね♬
私の後は、親方が手直ししてくれるんだけど
結構たいへんなんだよ。」
「見ているだけでも
よ~くわかるよ。」
下処理を終えると

「親方

これは?」
「これは、唐揚用で
後ろ脚だよ。」
「皮が無いけど・・・。」
「皮は他の部分と一緒に
鍋用だよ。」
「これが

鍋用?」
「そうそう。」
「他には、食べ方ってあるの?」
「刺身もあるけど
すっぽんは鍋に限るね。」
「へぇ~。」
「すっぽんの出汁って
他の食材には無い味わいで
すっぽんは、ともかく鍋に限るね。」
「鍋の後は、雑炊?」
「勿論!」
「すっぽんって、ゼラチン質が
豊富って聞いたけど・・・。」
「そうだよ。鍋の出汁なんて
冷めると、それだけで
固まっちゃうもん。」
「へぇ~。」
「知っているかもしれないけど
ふぐもゼラチン質が豊富なんだよ。」
「聞いたことあるよ。」
「高級で美味しくて
身体に良いって
何か凄いよね。」
「そうだよ。ふぐも
すっぽんもゼラチン質が
豊富だから
お肌にも良いから
自分は食べるコスメって呼んでいるよ。」
「女の人のマストアイテムじゃん!」
「そうそう、自分が勤めていた店に
すっぽん鍋や雑炊が好きな
女優がよく食べに来ていたなぁ。」
「え~、誰なの?」
「お客さんとして
来ていたから
ここでは名前を出せないけど
文字化けさせるね
◎◆¥※ +△✖だよ。」
「あぁ、あの人ね。
苗字が4文字、名前が3文字だね。
親方は見たことあるの?」
「もちろん。お人形さんみたいで
それこそ、ザ美人!」
「確かに、あの人は
きれいだよねぇ~。」
「あと、女形の歌舞伎俳優が
すっぽんを食べた次の日は
化粧の乗りが違うって
言ってたのを見たことがあるよ。」
「やっぱり、食べるコスメじゃん!」
「そうだね。他には
すっぽんのことで
知りたいことは?」
「う~ん。滋養強壮って
聞くけど、どうなの?」
「 それもそうなんだけど
身体にいい栄養素が
バランス良く入っているから
栄養素の優等生だね。」
「わぁ~、すっぽん\(^o^)/」
「で、いいかい?」
「うん♬」
下処理を終えたすっぽんを

冷蔵庫にしまい
二日間に渡った
“すっぽん講習会”は
これにてお開き。
「勉強になったね。

明日は僕の番だね🐡」 by 熱血君。
すっぽんQ&A(前編)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
3941回目の今日(2月22日)も

お付き合い下さい。
今朝、沼津魚市場に行くと

注文しておいたすっぽん(広島産)が

並んでいました。
「すっぽ」って・・・。
んが無いってことは
足が無いとか
はたまた・・・。
中を確認すると

全く問題なし。
仕入れを終え
【佳肴 季凛】に戻ると

すっぽんを見たふぐとらが

「おはよう、親方♬
すっぽんじゃん
活きてる活きてる!」
「おはよう。
今朝は寒かったよ。
目鯛(めだい)を選る時なんて

氷山の上にいたみたいだからね。
で、これが

その目鯛。」
「見ているだけで
寒いよぉ~。」
「そろそろ、始めるよ。」
「すっぽんも、卸すの?」
「今日は卸さないけど。」
「ふぅ~ん。
じゃあ、色々教えてよ。」
「はいよ~。」
「一匹は

尻尾が出ているけど
もう一匹は

出ていないけど・・・。」
「出ているのが、オスで

出ていないのが、メスだよ。」
「へぇ~。分かりやすいね。」
「そうだね。」
「じゃあ、オスとメスの違いは?」
「メスに比べて
オスの方が血の量が多いよ。」
「どういうことなの?」
「成人女子の場合
“月1のお客さん”が来るでしょ?」
「うん。」
「“月1のお客さん”が
貧血の原因の一つなんだよ。」
「だから、少ないんだぁ。」
「四本の手足がある動物だから
似ている所が多いんだよ。
身体の構造も似ているしね。」
「へぇ~。血って言えば
活血を飲むと、元気になるの?」
「元気にならないよ。」
「え゛っ!?」
「りんごジュースで割ってあるけど

これが2ハイ=2匹分。
これで元気になったら
かなりヤバいでしょ?」
「確かに、ヤバいよ。」
「養殖とは言っても
自然のものだし
身体に変化があるとしたら
余程のものだよね。」
「例えば?」
「そうだなぁ、ふぐの毒や
きのこの毒とか。
少しでも致死量に
なるものもあるからね。
活血は新鮮なものの
証明みたいなものかな。」
「ふ~ん。」
「他には?」
「すっぽんの
美味しい時季は?」
「元々、冬眠する生き物だから
その前の夏の終わりから秋だね。
だから、冬眠明けの春先の
すっぽんは体力が落ちて
痩せているよ。」
「へぇ~。」
「今日のすっぽんは養殖だけど
出回るすっぽんの殆どが養殖で
天然も同じことが言えるよ。」
「養殖と天然って違うの?」
「味は天然の方がずっと上だよ。
天然のすっぽんを食べたら
その美味しさにハマるね。」
「そうなんだぁ。」
「でも天然は、冬眠明けの
春の終わり頃にならないと
出回らないよ。」
「あと、違いは?」
「性格。」
「性格って?」
「天然は獰猛で
噛み付いてくるよ。
動きも速いし、力もあるし
それこそワイルドだね。」
「じゃあ、噛み付かれたら
離れないの?」
「それは分からないけど
爪も太くて長いよ。

これが天然で
これが

今日の養殖。」
「ほぉ~。別ものだね。」
「天然は

色も濃いよ。」
「すぐに分かるね。」
「まぁ、こんなところでいいかな?」
「うん、ありがとう。」
そして、夜の営業がひと段落したら

「朝よりも
すっぽんが元気なんだけど・・・。」
「夜行性だから、暗くなると
よく動くよ。」
「へぇ~。」
ちなみに

8時半前でした。
「すっぽんを卸すのは、いつなの?
「明日だよ。」
「見ていていも、いい?」
「いいよ。でもグロテスクだから
そういうところは
ブログにアップしないからね。」
「どうして?」
「血まみれになるから
そこはね・・・。」
「明日も色々
教えてくれる?」
「いいよ。」
「わぁ~い。すっぽんちゃん達

バイバ~イ👋👋👋

じゃ、また明日。」
真空パックしたすっぽん鍋とすっぽんの出汁(だし)
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3617回目の今日も認(したた)めます。
一昨日、『休市日のすっぽん』というお話しをしましたが、昨日は、そのすっぽんを、すっぽん鍋用に仕込みました。
仕上ったものは、昨日の時点で、専用の袋に入れておき、明くる日の今日、

真空パックしました。
昨日ではなく、今日なのは、冷蔵庫に入れておくことで、すっぽんのゼラチン質が固まり、真空パックしやすくなるからです。
すっぽん鍋は、

一人前ずつにしてあり、一人前の分量は、脚一つに、えんぺらや内臓などが入っています。
2はい仕込んだので、8人前取れるのですが、

そのうちの3人前は、御予約を頂いている分なので、別にしておきました。
また、すっぽん鍋に欠かせない出汁も、

真空パックしておいたのですが、召し上がっているすっぽん鍋に追加する分ためです。
さらに、濃厚な出汁を取るため、すっぽん鍋を仕込む時に加えており、結果として、2ハイしか仕込まなくても、5ハイ以上仕込んだ時と同じ様な出汁を取ることが出来、その仕込みの様子については、こちらをお読み下さい。
今日真空パックしたものは、冷凍庫にしまっておくので、急なご注文を頂いた時でも御用意が可能です。
中でも、すっぽん鍋をメインにした【特別会席】を召し上がる方も多いので、そのために使うことが一番多いかもしれません。
真空パックし終えると、ふぐお、ふぐP、ふぐりんの3匹がやって来て、

「この間のすっぽんは、こんな風になったんだね~。親方、すっぽん鍋って美味しいの?」と、訊かれました。
「美味しいよ。すっぽんは、他の食材にはない味わいがあるし、コラーゲンが豊富だから、美容にもいいしね。」
「美味しくて、美容や健康にもいいなんて、凄いじゃん!」
「そうだよ。若い頃に勤めていた店に、ある女優が来ていたんだけど、来る度にすっぽん鍋やすっぽん雑炊を食べていたよ。実物を見たけど、お人形さんみたいに、綺麗で可愛かったなぁ~。」
「へぇ~!」
「効果はあるだろうし、歌舞伎の女形の人も、『すっぽんを食べた次の日は、化粧の乗りが違う』って言っていたのを観たことがあるよ。」
「効果ありってこと!?」
「そうかもよ。だから、すっぽんのことを、食べるコスメとも呼んでいるよ。」
「ほぉ~。それよりも、さっきの女優って、誰なの?教えてよ~。」
「お客さんのプライバシーに関わることだから、文字化けさせるけど、▽!※◎◆÷$の主人公だよ。」
「納得!それなら、間違いないはずだよね。」
というやり取りをしながら、休日出勤が終わったのでした。