宮崎県の幸福丸の黄目近(キメジ)で、HAPPYな気分
漁船の名前は色々ですが
今朝、沼津魚市場に
入港していた漁船は
幸福丸という名前で
それに相応しい恩恵に
預かっちゃいました
2025年6月13日
Vol.4645

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ふぐとらちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方
こんな風に
大きめの魚が袋入りで
入っているのって
あんまり見ないんだけど・・・」
と、ふぐとらちゃん
「おはよう

あんまりだけど
ほっとんど無いね」
と、答えました
「じゃあ
どうしたの?」
「漁師に貰ったんだよ」
「え゛~っ
月曜日にも
もらったんじゃね?」
「そうだよ
良い子にしていると
ご褒美を貰えるんだよ」
「自分で
良い子って
言うかなぁ~」
「自己採点は
かなり厳しいから
間違いないよ(笑)」
「はぁ・・・」
「それはそれとして

今日の魚は
黄目近(キメジ)なんだけど

宮崎の幸福丸
っていう船だよ」
「宮崎!?
しかも、幸福丸なんて
めっちゃHAPPYじゃん!」
「そうだよ
ただ、操業しているのは
伊豆七島方面なんだけど

目鯛(メダイ)メインに
1,8トンも
水揚げがあったんだよ」
「1,8トンって
計算できないよぉ」
「こんな感じに
水揚げしたんだけど

数が多いから

水槽に入れて
競りにかけるんだよ

大きさも色々だけど
1本が
3,5キロとすると
500本とか」
「ヤバっ!」
「だから、売場は

こんな風になっていて
目鯛だけじゃなく

勘八(カンパチ)も
あったよ」
「これが
リアル1,8トンなんだね」
「そうだよ
最初の頃は
ふぐとらちゃんと一緒で
1トンとか
500キロなんて言われると
全く分かんなかったけど
最近じゃ
何となく分かってきたよ」
「慣れなんだね」

水洗いを終えたら
三枚に卸し

背の一節(ひとふし)だけは

明日用に
真空パックして
氷詰めにしておきました

「それはそれとして
この器って
季凛のじゃないよね?」
「そうだよ
近所の常連さんちので
市場の帰りに寄って
借りて来たんだよ」
「ってことは
キメジの刺身をあげるの?」
「そうだよ
基本的に
お客さんに刺身をあげる時は
この方が
都合がいいんだよ」
「お店のを
貸してあげれば
いいんじゃね?」
「返してもらう時に
変な気を使われるのは
嫌だからね
こうすれば
渡したら
お仕舞だから
これでいいんだよ」
「そうだよね
お店の器が
割れるのも
困るしね」
「もしそうなったら
それはそれで
厄介だしね

さっきの2枚とは別に

あと2枚あるよ」
「で、どんな風に
盛付けたの?」
「こんな感じだよ
その1

白身は
胡蘆鯛(コロダイ)
その2

その3

その4

なんちゃってその5

これは、うちらの
おかずだよ」
「なんか
少ないし
切落しっぽいけど・・・?」
「まぁね
さっき言ってたように
幸福丸だけに
幸福は常連さん行で
いいんだよ」
「ずいぶん
格好良くね」
「まぁ、こういう事が出来るのは
市場に行って
色んな漁師と付き合いを
深めているからだけど
日本料理は魚菜食文化だから
魚の事なら
何でも知らなきゃ
気が済まないし
沢山の人に
魚の美味しさを伝えるよう
手抜きは出来ないんだよ」
「漁師の応援団って
よく言っているもんね」
より良い魚を仕入れるのは
もちろんの事ですが
こういう人との縁を
紡ぐことが出来る事も
同じように
大切にしていきたいものです

「今日のハモは
愛知県から
届いたんだって
そんじゃ、また明日🐡」
by ミニふぐちゃん
沼津魚市場で、鹿児島県のマグロ漁の漁師と話してみた
沼津魚市場に来る漁師は
地元や伊豆各地の
漁師だけではありません
今日、来ていたのは
鹿児島の漁師で
折角の機会なので
話をしてみました
2025年4月30日
Vol.4625

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ミニふぐちゃんが
声をやって来ました

「おはよう、親方🐡
アジを仕入れて来たんだね」
「おはよう🐡

そうだよ
地元の漁師が
水揚げした朝獲れの鯵だよ」
「それなら
鮮度バリバリじゃん!」
「そうだよ

こんな感じに
仕分けをしていたんだよ」
「おぉ~
THE 魚市場
そのものじゃん!」
「自分にしてみれば
ごくごく普通の
様子なんだけどね」
「確かに、そうだよね~
親方の場合
ただ仕入れるんじゃなくて
ちゃんと選んだんだよね?」
「そりゃ、そうだよ

今朝のは
比較的大きかったから

好みのサイズのを
選んだんだよ」
「でもさぁ
サイズだけで
選んだんじゃないでしょ?」
「死後硬直前のだけだよ
だから、クニャ~
ってしているでしょ

秤にかけてもらったら
すぐに
えらを抜いて

氷入りの海水で
冷やし込んだんだよ」
「今日だけじゃないけど
こうやって
漁師直の魚を
仕入れることが
出来るって
楽しいでしょ?」
「そりゃ、楽しいさぁ
色んな話も出来るし
時には
魚を貰えるからね」
「良い魚を
仕入れられるだけじゃなくて
もらえるなんて
良いことだらけじゃん!」
「それこそ
早起きは三文の得だね
さっき、漁師の話って
言ったけど
今朝は
鹿児島のマグロ漁の漁師と
話をしたんだよ」
「かっ、かっ
鹿児島・・・!
鹿児島って
九州の鹿児島だよね?」
「そうだよ
沼津には
和歌山、三重
宮崎の漁師が来るよ」
「へぇ~
いろんな所から
来るんだね」
「そうだね
3月から
8月くらいまでは
さっき言った漁師が
マグロ類を
持って来るよ」
「へぇ~
でも、どうやって
話したの?」
「どうもこうも
日本語だけど(笑)」
「すぐ、親方は
そういう言い方を
するんだよね」
「そう!?
時々、沼津に来る漁師だから

売場の担当に
『この船は
どこから来るの?』
って訊いたら
鹿児島って
教えてくれたから
声を掛けたんだよ」
「勇気っていうか
度胸あるなぁ」
「勇気も度胸も
ただ、普通に
話し掛けるだけの事だし
興味があれば
だれかれ関係なく
一度は声を掛けてみるんだよ」
「あんだけ
好き嫌いが激しいのに?」
「だから
一度だけはね
でも、合わないと
思ったら
それ以上
付き合うことはしないよ」
「やっぱ、そうなんだね
でも、漁師の代弁者って
言っているくらいだから
声を掛けるなんて
大したことでも
ないのかなぁ」
「そうだね」
「で、どんな風だったの?」
「水揚げを終えて

ひと段落していた時に
声を掛けたんだよ」
ここからは
漁師の親方との
やり取りで

漁船の名前は
先程のホワイトボードにも
あったように
政漁丸(せいりょうまる)です
「親父さん
○○さん(売場の担当者)に
訊いたら
鹿児島から来るんだって?」
「そうだよ
お兄さんは、何屋さん?
魚屋でもないし
仲買い人って
感じでもないし・・・」
名刺を差し出すと
「ふぐに乗っているじゃん!(笑)
熱血料理人?
料理屋さんかぁ~」
「そうだよ」
ちなみに、こちらが
自分の名刺です

「さっき見ていたら
アジを少ししか
選っていなかったから
気になっていたんだよ」

親方が言うように
そばで見られていました
「自分は
気に入った魚を
気に入った分しか
仕入れないんですよ
終われば
また仕入れに来れば
いいだけのことだし
熟成なんて
よく言われたりするけど
鮮度に勝るものは無いから
少しの量でも
仕入れに来るんですよ」
「そうだよ
やっぱ、新しい魚に
かなうものはないからね」
「ですよね~
で、親方は
沼津以外でも
この辺で
水揚げするんですか?」
「いや、漁場(ぎょば)が
島の辺りの時は
沼津オンリーだよ」
島というのは
伊豆諸島のことです
「漁場が近いから?」
「それもあるんだけど
○○がいるからだよ」
○○とは
先程書いたように
沼津魚市場の
売場の担当者のことです
「何だかんだ言っても
人が全てだからね
あの人が
売場に戻って来てから
他の漁師も
大勢来るようになったし
そのおかげで
自分達は
選べる魚が増えたから
助かりますよ」
「魚がなきゃ
始まんねぇしな」
「そうですよ
こればかりは
自分達が
ああだこうだ言っても
どうにもならないですからね
ともかく
気を付けて
漁に出て下さいよ」
「おぉ、はいよ
有難うね」
ちなみに、親方は
70過ぎとのこと
まだまだ
現役で漁に
出てもらいたいものです
そうこうすると
売場では

政漁丸が水揚げした
本鮪(ホンマグロ)と

黄目近(キメジ)が
競りを待つばかりと
なっていたのでした
今日のように
機会があれば
漁師と話して
魚の美味しさ
つまるところ
魚菜食文化の
日本料理の魅力を
伝え続けます

「5日は
月曜日だけど
普通に営業するんだって
そんじゃ、また🐡」
by ふぐとらちゃん
地元の漁師が水揚げした8本の静岡県沼津産の本鮪(ホンマグロ)
漁港が併設されている
沼津魚市場には
様々な種類の魚が
水揚げされます
そんな今朝
魚の王様とも言うべき
本鮪(ほんまぐろ)こと
クロマグロが
水揚げされていました
2025年2月12日
Vol.4573

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から戻ると
ミニふぐちゃんが
やってきました

「おはよう、親方🐡
メダイとヒガンフグだね
船の名前みたいのが
書いてあるけど・・・」
「そうだよ


目鯛が
勘七丸(かんしちまる)で


彼岸ふぐが
冨久丸(ふくほうまる)だよ」
「船の名前が
書いてあるってことは
地元の船なんでしょ?」
「そうだよ
沼津で水揚げする船は
周辺はもちろんなんだけど
伊豆半島だけじゃなく
他県の漁船も
水揚げするんだよ」
「そうなんだぁ~」
「地元の漁船って言えば
今朝は、伊豆下田の須崎と
西伊豆の戸田(へだ)の漁師が
本鮪(ほんまぐろ)を
合計で8本水揚げしていたよ」
「ホ、ホッ
ホンマグロが8本!
ってことは
1本が数百万として
・・・・・
家1軒分じゃん」
「そんなわけないないよぉ」
「そうなの!?
じゃあ
マグロの初競りの値段って
なんなの?」
「どうもこうも
あれはさぁ~

当局から
規制が入っちゃったねwww」
「ありゃりゃ・・・」
「商売とかビジネスには
色々とあるから
大人の対応をしないとね・・・」
「そうだね
でも、本マグロって
沼津でも
水揚げがあるんだぁ
一般の人も
そう思っているんじゃね?」
「そうかもね
沼津で水揚げするマグロ類は
伊豆七島方面で
獲れたものが多いね
良い漁場(ぎょば)があるって
聞いたことがあるよ
鮪って言うと
青森の大間とか
和歌山の勝浦が
有名だけど
回遊魚だから
時季によって
いろんな所で
獲れるんだよ」
「そうなの!?」
「東日本の有名どころだと
大間、塩釜、気仙沼、銚子で
北海道・戸井
青森・竜飛(たっぴ)とか
津軽海峡だね
西日本だと
紀州勝浦、境港が有名だね
宮崎の川南(かわみなみ)と
油津(あぶらつ)は
知る人ぞ知る産地だよ
あと、九州だと
壱岐、対馬で
マグロ漁をやっている漁師が
多いのが
沖縄方面だね」
「ひゃ~
それこそ
日本中じゃん!」
「そんなことより
市場時間に
時計の針を戻すよ」
「わぁ~い♬」

ということで
今朝の沼津魚市場の
入船状況のホワイトボードです

6年とありますが
気にしないで下さい

大了丸(だいりょうまる)と
久義丸(ひさよしまる)が
それぞれ5本と3本の
本マグロを
水揚げの予定とのこと
岸壁に行くと
大了丸が
水揚げをしていました

2メートルを超える長さです

が、水産業界では
体長は
殆ど意味がありません
というのも
重量が全てで
キロ単価×重量で
値段が決まるからです
慎重に吊り上げられたら
売場へ

この時点で
久義丸の3本が
既に並んでいました
その後
大了丸の5本も
売場に並び

尾びれを切ってあるのは
身の状態を
確認するためです
また、競りに備えて
お腹の中の氷や
内臓の一部も出されており

内臓脂肪と思しきものも
あります
肝心の8本の目方は
以下の通りです

203キロ

180キロ

151キロ
ここまでの3本が
久義丸の魚です
ここから5本が
大了丸の本鮪になります

237キロ

204キロ

176キロ

207キロ
スレというのは
皮が擦れた状態
要は、すりキズですので
身が傷んでいる可能性があります

157キロ
競りの時間となりました

これだけのサイズの
本鮪を扱えるのは
限られた仲買人だけです
とは言っても
魚の王様だけあって
買う買わないに関係なく
人だかりになるのは
珍しくはありません

白いゴム長靴を履いているのが
大了丸の親方で
自分よりも
19歳下の平成元年生まれにして
30代!(若い)
漁師が高齢化していくだけでなく
なり手が減っていく状況では
希望の光そのものです
SNSで繋がっているだけでなく
黄肌鮪(きはだまぐろ)の幼魚の
黄目近(きめじ)や
鰹(かつお)などを
買うのはもちろんですが
貰ったこともあるので
懇意にさせてもらっています
なので、今日も
競り前にも後にも
色んな話をしました
先ずは
5本の本鮪の漁法です
マグロ類に限らず
魚の獲り方は
基本的に4つあります
①延縄(はえなわ)
②釣(つり)
③定置網(ていちあみ)
④旋網(まきあみ)
この獲り方によって
魚の身質に違いが生まれ
味に差が出るので
非常に大事です
大了丸だけでなく
久義丸も
8本の本鮪は
釣りものでした
どちらの漁師も
キハダマグロは
延縄で獲るのですが
ホンマグロの場合
延縄で漁をするためには
許可、申請が必要で
どちらの漁師も
釣りでしか
操業出来ないとのことを
今日初めて知りました
さらに、本マグロは
資源保護のため
県によって
漁獲枠があり
静岡県の場合
今日で枠が一杯になったので
まだ2月にも関わらず
今年は獲ることは
出来ません
なので、獲れた時には
放流する必要があるのです
気になって
Google先生に訊くと
遊びでも
一般人が釣った場合は
サイズ次第では
放流しなくては
ならないとのこと
次が、諸経費です
諸経費とは言っても
燃料費、船の維持費では
ありませんが
これらが
かなりの金額になっています
今日はあえて
お話しはしませんが・・・
市場で売るに際には
口銭つまり
手数料がかかり
口銭には
売り口銭と買い口銭があり
自分が仕入れる場合
魚市場に口銭を払っています
一方
買い口銭とは
漁師や荷主が
払うものです
数%とは言え
かつてのように
魚が沢山獲れていた時代は
良かったのですが
漁獲量が減った昨今では
それに伴い金額が減り
結果的に
魚市場自体の存続にも
関わってきます
さらに
魚市場は民間会社であっても
公の施設でもあるので
行政が上手く立ち回らないと
食生活そのものを
崩壊させてしまうのです
また、今日は
沼津で水揚げしたのですが
時には
下田から東京・豊洲に
送っているのを聞ているので
その時の送料などを訊くと
驚きました
漁師、農家などの
一次産業の従事者を
いたずらに保護すべき
だとは思いませんが
何らかの策を講じなければ
日本の食生活が
成り立たなくなってしまいます
事実、昨今の
消えた21万トンのコメ
然りです

しかも、「反省しています」の
一言で済まそうとする体たらく
以前から
お話ししているように
国家の根幹政策は
食料政策と
エネルギー政策なのです
それらを無為無策にしてきたのは
犯罪以外の
何物でもありません
一介の料理人の自分が
出来ることは
魚菜食文化である
日本料理を後世に繋ぐため
魚市場という現場に出向き
現状について
漁師の代弁者として
声を出し続けることです
それを
料理人の自分の使命として
厨房に立ち続けます

「今夜は
鯵の開きを
焼いたんだね🤤
そんじゃ、また明日🐡」
by ふぐとらちゃん
⭐⭐ コエタス ⭐⭐
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が
投稿して下さっています

ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
3,5トン超の黄肌鮪(キハダマグロ)や黄目近(キメジ)で、黄肌祭り状態の沼津魚市場
今日の沼津魚市場は
キハダ祭り状態でした
そんな中
漁師から
キメジをもらっちゃいました
2025年1月27日
Vol.4563

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ミニふぐちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方🐡
マグロっぽいけど・・・」
と、ふぐとらちゃん
「おはよう🐡
鮪(まぐろ)っていうか
黄目近(きめじ)ね」
と、答えると
「そっか
ちっさいマグロは
メジとか言うもんね
やたらニコニコしているけど
そんなに
いい魚なの?」
「それもなんだけど
もらっちゃったんだよ~」
「え゛~っ
それこそ
いいじゃん、いいじゃん♬」
「それよりもさぁ
今朝の市場は
黄肌祭りだったんだよ」
「お祭りって
わっしょい
ワッショイの?」
「いや、そうじゃなくて
沢山入荷したり
水揚げがあると
お祭りとか
言うんだよ」
「へぇ~
市場用語?」
「市場用語っていうか
俗語レべル」
「で、どんだけ
あったの?」
「3,5トン超!」
「はっ!?
さ、さっ、さ
3,5トンって

どんだけ~?」
「この魚が
3キロぐらいだから
簡単に言えば
1000本
まぁ、これは
小さいから
10キロ平均にしたら
350本って感じだね」
「想像もつかいないよ
写真とか無いの?」

「これこれ👆
もちろん、あるよ
富士市内の魚屋さんの
Facebookの写真だけどね」
「マジで、ヤバっ!
どうして
そんなにあったの?」
「そんなにあったのは
獲れたからじゃん!」
「そりゃ、そうだろうけど
相変わらず
ぶっきら棒だね」
「はいはい・・・www
とりあえず
今朝の市場に
時計の針を戻すよ」
「はぁ~い♬」

ということで
時計の針を
沼津魚市場時間に
戻します

職員がブルーシートを
敷いていました
マグロ類の水揚げがあると
ブルーシートが
敷かれます
広い=魚が多い
狭い=魚が少ない
という等式は
言うまでもありません
かなり広めでしたので
入船状況を見ると

かなりの量が
書かれていました

光陽丸が800キロで
裕章丸が900キロ
ということで
1700キロ=1,7トン
この二つの漁船は
どちらも

和歌山県の漁船です

「何故(なにゆえ)に
和歌山のマグロ船?」
と、思わるかもしれませんが
例年、立春頃から
5月くらいまでは
伊豆七島方面で
黄肌鮪(きはだまぐろ)が
多く獲れるからです
多く獲れた時に
それだけの広さの市場となると
沼津しかありません
また、和歌山だけでなく
宮崎のマグロ船も
入港することもあり

この2つの漁船以上に
水揚げをしたのが

静岡県御前崎(おまえざき)
地頭方(じとうかた)の
誠丸で

なんと、なんと
2トン!

さらに
地元というか
伊豆・下田の2つの
マグロ船は

高宮丸が
メカが3本
メカと言っても
機械のMechaではなく
目梶木(めかじき)のことです

また、すさき丸は
マメジが
100キロで

3~5キロサイズでした
マメジとは
目近鮪(めじまぐろ) のことで
大きくなると
本鮪と呼ばれ
生物学的には
本鮪は
クロマグロのことです

最初に
和歌山の船の水揚げをし

秤にかけられたら

売場へ

そんな中
誠丸の親方に
声を掛けました

会うのは11月以来で
以前お話ししたように
マグロ類の扱い方は
マニアそのもので
そんなことを書いたのが

すると、親方が
いきなり黄目近を
渡してくれたのです

「季凛さん
おかずにして・・・♬」
「え゛っ!?
遠慮はするもんじゃない
って、言われているから
あざ~っす♬」
「あはは・・・」

「こんな感じだったんだぁ
ともかく、大漁、大漁!」
「それはそれとして

これ、気付いた?」
「頭のところに
何か刺さっているけど・・・」
「神経を抜いてあるんだよ
さっきのブログにも
書いてあったね」

「これが頭に
刺さっていた
針金だよ」
「身体の長さと
あんまり変わらないじゃん」
「そうだね
2トンもあったから
えらとはらわたを
抜いてはいないけど
そんなに生臭さくないから
えらを切って
血を抜いてある感じだね」
「気になるから
早く卸してよ」
「はいよ~」

「それって、鱗(うろこ)?」

「そうだよ」
「マグロにも
鱗があるんだね
ツルンとした感じだから
無いと思っていたよ」
「全体にあるわけ
じゃないけどね
こういう風に
集まっているから
有鱗域(ゆうりんいき)って
呼ばれているんだよ」
「へぇ~」
頭を落とし
はらわたを抜くと
案の定、さほど
血が出て来ませんでしたし

水洗いしたのち
三枚に卸すと
黄目近の
風味が感じられました

「身が締まった感じ
ってことは
神経を抜いてあるからなの?」
「そうだよ

魚も新しいから
胆のうの痕も
無いよ」
「身もすき透った感じだね」
「新鮮そのものだよ」

卸さなかった片身は

腹の部分だけ
卸しました
また、頭などの
あらの部分は

出汁を取るため

焼いておきましたが
一緒に入っているのは
鰍(いなだ)のあらです

「骨付の身は
どうするの?」
「弱めの真空パックをして

氷詰めにしておくんだよ

こうすれば
色変わりが
しにくいからね」
「マグロ船の親方マニアだけど
季凛の親方の
マニアぶりと
いい勝負じゃねwww」

卸し身は
皮に包丁目を入れ
氷の上に乗せたら

バーナーでFIRE🔥
炙り終えて
粗熱を取るため
返したら

このまま冷蔵庫へ

ということで
下処理を終えた黄目近です
「薄いピンク色が
マジんまそう~🤤

で、この器は

何なの?
季凛のじゃないような・・・」
「◆※◎さんと
▽¥★さんちのだよ」
「ってことは
夕飯のおかず用?」
「そうだよ
近所の常連さんだから
器を持って来て
もらったんだよ」
「親方の十八番じゃん
確かに
器持参で来てもらえば
色んな意味で都合が
いいよね」
「店の器じゃ
何かあったら
厄介だし
持ち帰り用のパックじゃ
折角の刺身が
台無しになっちゃうしね」
「で、どんな風になったの?」
「こんな感じ

自分の家の器なら
量も

大体の目安がつくのも
都合がいいんだよ

で、これが
うちの夕飯用」

「それこそ
てんこ盛りじゃん
マジで、んまそう🤤」
「食べるのが
待ち遠しいよ」
「そりゃ、そうでしょ」
生産者である漁師と
こういう付き合いが
出来るのは
自ら魚市場に
行っているからです
そういう何物にも
代え難い縁を
大事にしながら
漁師の代言者として
魚菜食文化である
日本料理の魅力を
伝え続けます

「焼芋、んまそう~🤤
薪ストーブは
これがいいんだよね♬
そんじゃ、また🐡」
by 熱血君
⭐⭐ コエタス ⭐⭐
【西京漬】をはじめ
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
黄肌鮪(キハダマグロ)の幼魚キメジよりも、小さいチャッパ
地方によって
魚は呼び名が
変わるものです
今朝仕入れた
チャッパなる魚とは・・・
2024年10月2日

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ミニふぐちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方🐡
これって
キメジだよね?」
「黄目近(キメジ)でも
いいんだけど
チャッパ
っていうんだよ」
と、自分
「チャッパ!?」

「ほら
チャッパでしょ」
「本当だ」
「沼津っていうか
静岡県内では
そう呼んだりもするけど
キメジよりも
小さいのが
キメジになるかなぁ
さっきの
入船状況のボードを
見てごらん」
「うん♬」
「小(こ)キワ
キメってあるけど

小キワは
小さいキハダマグロで
キメは
キメジのことだよ」
「それぐらい
分かるよ~

そう言えば
このチャッパの
頭のところに
針金みたいなのが
刺さっているけど・・・」
「神経を抜くのに
針金を刺してあるんだけど

この久義丸の親方は
全部の魚に
この下処理をして
持って来ているんだよ」
久義丸は
沼津市戸田(へだ)の
漁船ですが
今朝、水揚げした魚は
三宅島周辺で
獲ったものとのことです
「マジで!?」
「そう言えば
これこれ」

「あっ、思い出したよ!
そん時も
同じようなことを
親方が言ってだよね」

「だから
水揚げする前から
魚をチェック
していたんだよ

リフトに乗せられて

売場のバックヤードに
来たら

狙っていた
チャッパを選び

目方を
計ってもらったんだよ

鰓(えら)も

腸(はらわた)も
抜いてあるから

見た目よりも
目方が小さいから
ラッキーだったよ」
「どうしてなの?」
「普通は
全ての内臓込みの
目方だけど
それが無い分
お得なわけだからね」
「なるほど~」
「こういうのを
“抜き”って言うんだけど
内臓が無い分
鮮度が落ちにくいしね」
「目方が減ると
漁師は損しないの?」
「確かに
損って言えば
損なんだけど
良い状態で
買ってもらえば
魚だけでなく
漁師の評価も
上がるから
次回以降
こういう漁師の魚は
高値が付きやすく
なるんだよ」
「へぇ~
こういう世界でも
リピーターとか
常連みたいなものも
あるんだね」
「そうだよ
この間の沖サワラを
知っているから
今日も仕入れたんだよ」
「そっかぁ~」
「釣った魚を
ここまで大事にするのは
最終的には
水産資源の保護にも
繋がるからね」
「良いものを
必要な分だけ
獲るってこと?」
「そうだね
ただ、網で獲るのと
釣るのとでは
違いがあるし
漁師はそれぞれ
専門の獲り方があるから
一概には
言えない部分も
あるけどね」
「そうなんだぁ」
その後
売場には
このように並べられ
キハダマグロも

沖サワラも

えら、はらわた
神経抜きの状態でした
頭を落とすと
脊髄に針金が
突き刺さっており

白い液体みたいなものが
神経です
水洗いを終え
卸すと

身には
弾力感がありました
言うまでもなく
下処理が
完璧だったことの
証です
背と腹に分け
皮に包丁目を入れたら
バーナーでFIRE🔥
粗熱を取り
血合いを外したら
早速
今日のランチタイムに
お出ししました

また、今夜の会席料理の刺身でも
お出しし

チャッパ
胡椒鯛(コショウダイ)
湯葉の三種盛でした
ちなみに
胡椒鯛も
地物です
沼津魚市場は
漁港が併設されているので
朝獲れの魚を
仕入れることが出来
“送り”と呼ばれ
全国各地から
入荷してくる魚と
組み合わせれば
色んな可能性が膨らみます
魚の美味しさは
魚菜食文化の
日本料理文化の
最大の魅力です
その魅力を引き出すだけでなく
地方ならでは
日本料理のあるべき姿を
突き詰めるのが
自分の使命に
他なりません

「この用意を
したってことは
もしかして
明日は・・・
そんじゃ、また🐡」
by 熱血君
⭐⭐ コエタス ⭐⭐
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が
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ご興味、ご関心のある方は
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魚市場が、単なる仕入れ先ではない理由
6月6日
Vol.4411
自分にとっては
魚市場は
単なる仕入れ先では
ありません
その理由とは・・・

いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝
沼津魚市場から戻ると
熱血君が
やって来ました

「おはよう、親方🐡
この魚が
カツオじゃないのは
分かるけど
キメジじゃないよね?」
「そうだよ
目近鮪(めじまぐろ)だよ」
と、自分
こんな風に訊いたのは
このところ
黄肌鮪(きはだまぐろ)の
幼魚のキメジを
仕入れているからです
「言葉だけじゃ
伝わりにくいから
いつもみたいに
市場時間に
戻るよ」
「わぁ~い♬」

ということで
時計の針を
戻します

今朝、沼津魚市場に行くと
静岡県焼津産の
目近鮪(めじまぐろ)の
仕分けをしているところでした

その中から選んだのが
2,2キロのもので

水揚げしたのは
焼津の風神丸です

マメジとあるように
目近鮪は
本マグロの幼魚で
マ=真ですので
漢字で書くと
真目近になります
一般的には
めじ鮪は
本マグロの幼魚を
指すのですが
沼津は
和歌山、宮崎などの
他所の漁船が
マグロ類の
水揚げをするので
他のマグロ類と
区別するため
あえて、マ=真を
付けているのです
ちなみに
他のマグロ類で
多いのが
黄肌鮪(キハダマグロ)や
その幼魚の
黄目近(きめじ)で
先週も

週明けと週末に
仕入れました


ところで
静岡県内の人にとっては
沼津と焼津は
別ものなのは
百も承知です
県外の方達のための
補足させて
頂きます

沼津市は
東部地方に位置し
地図の右側にあり

焼津市は
中部地方に位置し
同じく真ん中にあります

ご存じの方も
いらっしゃるかも
しれませんが
静岡県は
東西に長く
155キロもあります
「静岡の地理は
いいにして
メジマグロの説明は
あんな感じで
いいかな?」

「うん、分かったよ
あざ~っす♬」

水洗いを終えたら
片身だけ
卸しました

「キメジよりも
少し色が
濃いんだね」

分かりづらいかも
しれませんが
こちらが
キメジになります

骨付の身は
弱めの真空パックをして
氷詰めにしておきました

背と腹に分けたら
皮目に包丁を入れ

バーナーでFIRE🔥

炙り終えたら
粗熱を取るため
すぐに返し
このまま冷蔵庫へ

早速、ランチタイムに
〆鯵(しめあじ)
湯葉と共に
お出ししました

「皮の黒
身と間の白
身の赤の三色が
いい感じだよね~🤤」
「目近鮪ならではの
色目(いろめ)で
いいでしょ
こういうのを仕入れて
良さげだと
楽しくて
たまんないよ!」
「でもさぁ
卸してみて
ハズレを引くことって
あるもんなの?」
「あるわけないじゃん
失敗しないのでwww

冗談ともかく
打身(うちみ)
って言って
ぶつかった身が
赤黒くなっている
ことはあるけど
その部分を
包丁すれば
問題ないよ
赤身の魚だから
色持ちだけは
何とも言えないけどね
まぁ、この感じだと
日曜日までは
無理だけど
土曜日までかな」
「仕入れる時って
どこを見るの?」
「先ずは、えら
鮮やかな赤が
一番の条件だね
次が
皮を触った時に
ヌメリの有る無しかな」
「へぇ~
こんだけなの?」
「あとは、勘!」
「勘って・・・
勘!?」
「そうだよ
勘って言うと
当てずっぽう
みたいな感じだけど
経験の上での勘だから
そんなに
外れることは無いよ」
「へぇ~」
「マメに
市場に行っていれば
色んな魚を見て
目が肥えるじゃん
特に、沼津は
伊豆半島だけじゃなく
他県の漁師も来るから
色々と教えて
もらえるんだよ」
「さっき、和歌山とか
宮崎って
書いてあったもんね
ってことは
漁港がある市場の
一番のメリットを
活かしている
ってことじゃね?」
「そうだよ
あとさぁ
市場に行っていると
料理人だけじゃなく
魚屋の知り合いが増えて
使った魚の良し悪しの
情報交換が出来るから
そういうのも
魚の目利きの目安
になるんだよ」
「そんだけ得するなら
早起きは三文の得
どころじゃないじゃん!」
「そうだよ
魚の目利きは
大事なんだけど
漁師と知り合いになると
漁業の現状が
分かるし
和食って
魚菜食文化だから
そこを素通りする
わけにはいかないんだよ」
「それって
親方がよく言ってる
料理人は
一次産業の代弁者に
ならなきゃならない
ってことでしょ?」
「そうそう
漁港がある地方の市場に
通う料理人の義務
だと思っているからね
その考えをベースにして
日本料理文化を
守っていかなきゃ
ならないんだよ
他の仕込みもあるから
この辺にしておくよ」
「はぁ~い♬」

熱血君と話しながら
刺身の盛り合わせを
用意すると

「持ち帰り用の容器
っぽいけど
この刺身って・・・?」
「常連さんの
誕生日プレゼント用だよ」
「わぁ~
んまそうじゃん🤤
真ん中のまぐろは
赤い色が濃いけど
めじまぐろとは
違うの?」
「冷凍の目鉢鮪
(めばちまぐろ)で
他は湯葉と
酢で締めた
目鯵(めあじ)なんだけど
チビッ子がいるから
鮪を多めにして
あげたんだよ」
「ここんちの
チビッ子が
裏山C(うらやましい)」
「タイミングがあえば
作ってあげるから
今日は我慢していてよ」
「わぁ~い♬」
ちなみに、冷凍の目鉢鮪は
丸(1本の状態)でもなく
卸し身や塊でもなく
切落しとして
売られています
こんなアイテムに
出会えるのも
自ら魚市場に
行っているからで
先程の話も含め
どこまでいっても
魚市場は
自分にとっては
学校ような存在です
ということで
生涯勉強し続けるしか
ありません www

「今日のお昼は
銀鱈の西京焼を
おかずにしたんだぁ🤤
そんじゃ、また🐡」
by ふぐとらちゃん
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沼津魚市場で、宮崎県のマグロ漁師と話してみた
Vol.4100
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基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月31日)は

宮崎県のマグロ漁師と
話した様子について
お話しします。
今朝、沼津魚市場から帰って来て
仕込みをしようとすると

「おはよう、親方🐡
今週も休日出勤なの?」
と、ミニふぐちゃん。
「そうだよ。
先週も今週も
火曜日が休市だからねぇ。」
「そうなの!?
生鮮食品を扱うのに
そんなんでいいの?」
「良くはないよね。
働き方改革だとか
何ちゃらだとかで
休みを増やすことが
いいと思っている“先生”が多いからね。」
「そっか~。
日本の人口が減っているんだから
少しでも働いた方が
いいのにねぇ~。」
「そうだよ。
はた(傍)=周りを楽にするのが
働くことで
仕事だからね。」
「働くって
そういう意味なんだぁ。
じゃあ、働き改革とか
言っている“先生”達の仕事は
周りを楽にしているようには
見えないけど・・・。」
「まぁ、見えないね。
選挙が仕事だと
思っているからじゃないの。」
「そうかも。」
「職人としての腕を磨くのが
本当の働き方改革だから
サクサクやるよ。」
「良いこと言うじゃん、親方!
で、今日は何を仕入れて来たの?」
「さっきのタカベに

岩牡蠣でしょ

あとは鰹節とか・・・。」

「岩ガキ、いつもより
ちっちゃくね。」
「天ぷらにするから
小さいのだよ。」
「ふぅ~ん。」
「半月前に仕入れた特大のは

徳島のだけど

ほら。」
「デカっ!」
「そういえば
宮崎の岩牡蠣じゃないけど
今朝、宮崎のマグロ漁師が来ていたから
話をしてみたんだよ。」
「おぉ~っ
マグロ漁師って聞くと
ザ・海の男って感じだよね。
折角だから、その話をしてよ。」
「はいよ~。」
「そもそも
知り合いなの?」
「いや、初めてだけど・・・。」
「えっ!?」
「市場に行くと
おはようから始まって
知らない人でも
何となく話をしたりするんだよ。」
「へぇ~
何か不思議な空間。」
ということで
時計の針を
巻き戻します。
先程のタカベや岩牡蠣を仕入れた後

魚市場の岸壁を歩いていると
マグロ漁師が
水揚げの準備をしているところでした。
こちらが

漁船の名前(第八富美丸)です。
宮崎の漁船が
沼津で水揚げしている理由には
いくつかあります。
漁場(ぎょば)と呼ばれる
魚を獲った場所が
沼津に近いことです。
沼津でマグロ類を水揚げする漁船には
宮崎だけでなく
和歌山の漁船もあります。
それらが
伊豆七島周辺で操業し
それなりの規模の魚市場となると
沼津しかありません。
なので、沼津なのです。
マグロに限らず、魚は
水揚げ地が産地で
沼津は著名な漁港なので
高値になりやすく
そういうことも
沼津で水揚げする理由の
一つでもあります。
ちなみに、その例が
生のマグロ類の水揚げ全国一位の
和歌山県那智勝浦です。
今朝の漁船の船員は
わずか2人。

時間にも余裕があったので
気になることは
何でも訊きたくなる性分ですので
👇に訊いたことを
並べてみます。
Q1:宮崎を離れて
操業する期間
A1:約2週間
Q2:どうやって寝るのか
A2:船内のベッド
Q3:ベッドのサイズ
A3:約50センチ
(波に揺られて
落ちないため)
色々訊いたのですが
ここには書けないことも
いくつかありました。
中には
漁業の厳しい現実も話してくれ
選挙が仕事の“先生”達に
言いたいことばかりです。
ちなみに、選挙が近くなると
市場にやってくる“先生”候補者もいて
常々思うのは
「何で、スーツで来るの?」
そうこうしていると
水揚げを始めたので

その場を離れ
フォークリフトに
乗せられたマグロ(きはだまぐろ)は

秤にかけられた後
(ピンボケで🙇)

売場に並べられていきました。
今日のように
漁師と話が出来るのも
漁港が併設されている
魚市場に通っているからこそです。
そのためには
自らのアンテナを錆びさせることなく
日々の仕事に
臨まなくてはなりません。
それと同時に
漁業、農業という業種の良さを
伝え続ける姿勢を
持ち続けます。
「今日はね

親方は
換気扇の掃除もしたんだよ。

休日出勤、お疲れ様でした🐡」
三宅島産の本鮪(ホンマグロ)と黄肌鮪(キハダマグロ)
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3610回目の今日も認(したた)めます。
昨日のお話しの『2種類の鯖(さば)の【西京漬】』の中で触れなかった本鮪(ホンマグ))と黄肌鮪(キハダマグロ)が、今日のお話しです。
昨日、沼津魚市場に行くと、

三宅島産の本鮪(ホンマグロ)と黄肌鮪(キハダマグロ)の水揚げと、

競りの準備をしていました。
水揚げをしている漁船は、

和歌山県の漁船で、

この船の次には、2隻の漁船が待っており、今朝だけで、10隻以上の漁船の入港があったようです。
和歌山県の漁船が沼津で水揚げするのは、漁場(ぎょば)との距離、魚市場の休みとも関連があります。
黄肌鮪は、その名の通り、 皮が黄色いだけでなく、

ひれも黄色で、

英語では、Yellow fin tuna (黄色いひれの鮪)と呼ばれています。
水揚げされたもののうち、小さいものは、

8キロぐらいのもので、大きいものは、先程の写真のように、50キロ前後のものでした。
また、大きいものは高値で取引されるので、小さいものよりは、丁寧に扱い、

神経を抜いてありました。
また、黄肌鮪だけでなく、

本鮪の水揚げもあり、

一番大きいもので175キロあり、この時点で、

7本の水揚げがありました。
黄肌鮪の大きいものは50キロで、本鮪の場合、200キロを超えるものも珍しくありません。
ちなみに、本鮪という呼び名は、食材としての呼び名で、生物学的には、クロマグロが正式なものです。
最終的には、

このような状態になったのですが、先週の金曜日も水揚げがあり、

その時の値段を訊くと、1本あたり、中古の軽自動車ぐらいでした。
対して、目方こそ半分ですが、一番大きい黄肌鮪がその半分ということはなく、新品の自転車というか、ママチャリがいいところで、同じ鮪とは言え、大きな差あります。
例年、このような様子を目にする機会は、梅雨前ぐらいまでで、魚市場の様子は、歳時記そのものなのです。
最後は、いつものように、おまけ写真ですが、定休日の今日は、

女三羽烏が出払ったこともあり、自宅警備員と化した自分は、独り昼ごはんとなり、鰻を食べることしました。
すると、ミニふぐがやって来て、

「親方、美味しそうだねぇ~。少しだけ、くださいな♬」と・・・。
ということで、ご笑納頂けると、幸いです。
シェアした千葉県銚子産の目近鮪(めじまぐろ)
生涯一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3571回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今朝、

沼津魚市場に行くと、

千葉県銚子産の目近鮪(めじまぐろ)が、

入荷していました。
4キロ、2本入で、鮮度を確認するため、

えらを確認すると、鮮度も良かったので、仕入れる前に、懇意にしている沼津市大岡の居酒屋【きえい】さんの御主人に電話をし、魚の状態を伝えると、「それなら、分けましょう。」と快諾。
ということで、仕入れることにしたのですが、【きえい】さんは、魚市場に来れないとのことでしたので、

野菜や食材の仕入先の食遊市場の後に、

立寄り、

納品しました。
【佳肴 季凛】に戻り、

めじ鮪を取り出すと、2キロ前後のものとは言えども、

なかなかの状態で、骨付の半身は、

キッチンペーパーに包み、

弱めの真空パックをして、氷詰めし、冷蔵庫へ。
卸した身は、背と腹に柵取りしたのち、皮目に切り込みを入れたら、

氷を敷いたバットに乗せ、

バーナーで炙ったら、皮目を下にし、粗熱が取れたら、

血合を外し、血合は、

濃口醤油と日本酒を同割したものに、

30分ほど漬け込んだら、

天日で干し、血合の醤油干しは、おまけアイテムの一つでもあります。
頭などのあらの部分は、

出汁を取るため、焼いておき、この出汁は、一番出汁を取った後の鰹節、宗田節、昆布、干し椎茸の足と、野菜の皮などを、煮立たせることなく、長時間かけて、煮出したもので、一番出汁の引き方については、こちらをお読み下さい。
めじ鮪は、ランチタイムに、

めじ鮪のカルパッチョとして、お出ししたり、ランチタイムが終わったら、昼ごはんとして、

クオリティ・チェック。
めじ鮪だけでなく、

酢締めにした似鱚(ニギス)も、

盛付てあります。
似鱚は、沼津市戸田(へだ)のトロール漁で水揚げされる深海魚の一つで、

【きえい】さんに、納品の際のお駄賃として、貰ったもので、一緒に入っているのは、同じくトロール漁で水揚げされた髭長海老(ヒゲナガエビ)で、沼津では、本海老(ホンエビ)と呼ばれています。
2キロ前後の小さめのめじ鮪でしたが、程良い脂も感じられました。
ケース単位で仕入れるのが、基本の魚市場ですが、今朝のような仕入れが出来るのは、お互い都合が良く、【きえい】さんからの誘いも受けることも、珍しくありません。
こういう関係が作れるのも、魚市場に行くメリットで、「袖振り合うも、多少の縁」という諺もあるように、人との縁を大切にしていきたいものです。
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや通販の商品などを召し上がった方々が、

【コエタス】というサイトで、投稿して下さっています。ご興味、ご関心がある方は、御覧下さい。
一週間ぶりの目近鮪(めじまぐろ)は、式根島産
美味しい料理や食べ物が好きで、 料理を作ってみたら、料理好きになり、その挙句に料理人になってしまって、3分の1世紀。そして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3544回目の今日も認(したた)めます。
今朝、沼津魚市場に行くと、

伊豆諸島の式根島産のめじ鮪が入荷していました。
3~4キロ台と、自分好みのサイズであるのはもちろんのこと、色々と自分好みだったので、第一希望から第三希望までを仲買人に伝え、

結果として、

3,0キロのものをセリ落としてもらうことが出来ました。
式根島は伊豆諸島のひとつですが、東京都ですので、今朝のめじ鮪は東京産ということになり、今朝のめじ鮪に限らず、新聞の生鮮食品の市況欄などには、産地・東京と表記されることもあります。
ビルが集まる大都会というイメージがあるので、東京産という表記を見ると、?と思うこともしばしばです。
ちなみに、ちょうど一週間前の金曜日(14日)も、

めじ鮪を仕入れ、その時も、

3,0キロでしたが、産地は千葉県銚子で、その時のことについては、こちらをお読み下さい。
ところで、今日のランチタイムに御来店された方の中に、そのブログをお読みになった方がいらっしゃり、その方の御要望で、

刺身の三種盛りではなく、めじ鮪のみで、小会席のコースの刺身を仕立てたり、夕席では、

蛸(神奈川・佐島)、帆立(北海道)、湯葉と共に、通常通り、四種盛りにして、会席料理の刺身としてお出ししました。
「二度あることは三度ある」という諺(ことわざ)があるので、どんな形にせよ、来週の金曜日も、魚市場に行き、その結末に、乞うご期待!