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もっとおいしいお話し

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南京アイス

昨日の続きです。
ボールに入ったものが、
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こんな風に、アイスになりました。このアイスは、“南京(なんきん)アイス”です。南京とは、かぼちゃの別の呼び方です。
この“南京アイス”ですが、普通のアイスとは、大きな違いがあります。卵・牛乳・上白糖を使っていないマクロビオティックのアイスです。だからと言って、甘くないわけではありません。
アイスに限らず、マクロビオティックのお菓子は、先の食材を使っていないので、甘さやコクを出すのに、工夫が必要です。
使う食材はこちらです。
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少しずつ説明します。
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てんさい糖、なたね油、豆乳、アーモンド・プードルです。
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メープルシロップ、ココナッツミルク、玄米水飴です。
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玄米甘酒、白味噌、アマレットです。そして、メインである南瓜の裏ごしです。
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この南瓜は、無農薬・有機栽培のもので、最近つきあい始めた新しい提携農家である岩田さんのものです。
作り方ですが、南瓜以外の材料をフードプロセッサーにかけ、混ぜ合わせます。
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これが、混ぜ合わせたものです。その次に、裏漉した南瓜を、フードプロセッサーに入れます。
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この中に、先ほどの調味液を少しづつ混ぜ合わせます。
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そして出来上がったのが、
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昨日の写真にもある“アイスの種”です。これを、アイスクリーム・マシンに入れて、20分程度すれば、出来上がりです。
先ほどお話ししたように、卵・牛乳・上白糖を使っていないので、カロリーを気にする必要は全くありません。あるとするのなら、食べ過ぎてお腹をこわすことくらいかもしれません。
自然の甘味と、南瓜の素材感が、何よりもこの“南京アイス”の持ち味です。今が旬の南瓜を、趣を変えて、是非召し上がってください。
ところで、南瓜の別名である南京のいわれですが、中国の南京から伝わったものと思われたので、そう呼ばれるようになったことにあります。ちなみに、“かぼちゃ”という呼び方は、カンボジアが語源とされています。
ただ、南瓜ですが、というより、今年の夏野菜の出来は、ここ最近の長雨と日照不足の影響で、出来がイマイチかもしれないのが、自分にとっては、ちょっと気がかりです。
【季節限定 鱧づくしランチ】
お知らせです。
只今、7月・8月の限定コースとして、鱧づくしのランチ『鱧御膳』をご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は『鱧御膳』のページをご覧下さい。
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残業

営業時間が終ると、片付けを始めます。
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その役目は、“佳肴 季凛”の女将である真由美さんと、アルバイトのホールスタッフです。
自分は、包丁を研いだり、仕入れの確認をしています。
そんな感じで、“佳肴 季凛”の一日は終るのですが、今日はいつもとは違い、自分には“残業”がありました。
当然、残業は仕込みです。明日でもいいのですが、仕事に追われるのが、たまらなく嫌な自分は、多少遅くなっても、やらなくては気が済まないのです。
特に、明日は沼津の魚市場まで仕入れに行きます。当然、魚の仕込みがあるので、今日のうちに、やることにしました。
仕込んだものは、
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これです。
これが何かは、今日お話ししません。明日は早起きをしなくてはならないので、今日はこの辺で・・・。
これが何になるかは、明日お話しします。
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入荷が増えてきました。

ここしばらく、入荷がなかった魚が、久しぶりに入荷していました。
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もう少し近くで、見てみます。
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“鰆(さわら)”です。自分が大好きな魚の一つです。その思い入れについては、こちらを
ですから、久しぶりに“鰆”をみると、無意識のうちに、立ち止まってしまいました。それだけで、済むはずがありません。
仕入れました。“鰆”を見たら、仕入れずにはいられない。というより、条件反射で仕入れてしまうのです。まさに“パブロフの犬”状態です。
これも戌年ゆえの、悲しい性かもしれません・・・・・。
その隣には、“太刀魚”が並んでいました。
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これまた、好きな魚の一つです、太刀魚は、何と言っても、塩焼です。“鰆”ほどの思い入れはありませんが、やはり、入荷があるとつい立ち止まって見てしまいます。
この日は、これだけではありませんでした。
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特に、7月半ばを過ぎてから、入荷量がかなり増えてきました。さすがに、この日は、“鰆”を仕入れたので、仕入れませんでしたが、“鰆”がなかったら、おそらく仕入れていたはずです。
“太刀魚”は一年を通じて、入荷がある魚ですが、これから旬を迎えます。自分が仕入れてくるものは、地元産の鮮度抜群の“太刀魚”なので、刺身でも食べられますが、先程お話ししたように、やはり塩焼です。
もうじき、8月になります。その頃には、秋が旬の魚もチラホラ入荷してきます。そう思うと市場は、歳時記そのものです。
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いろんな鯵

大衆的な魚の一つが、今が旬の“鯵(あじ)”です。自分が仕入れに行く沼津の魚市場にも、各地から入荷があります。
九州、山陰、駿河湾など、それこそ全国各地です。
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この鯵は、三重県産です。地元・沼津以外のものは、このように、発泡スチロールに入ってきます。
中を開けてみると、
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こんな感じです。
また、地元・沼津産のものは、こんな風に並んでいます。
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もう少し近くで見てみます。
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この二つの鯵は、どちらも天然ものですが、鯵には養殖ものもいます。養殖ものは、活きたまま流通するのが殆どです。
いろんなお店の店内の水槽で泳いでいるのが、養殖ものです。養殖ものは沼津でも、養殖されています。
活きているものなので、養殖生簀で死んでしまうこともあります。そんな鯵も、魚市場に毎日並びます。
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一日平均、2~30キロほどの入荷があります。ちなみに、この発泡スチロールには、4キロ入っています。
養殖の鯵はこんな感じです。
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上の二つの鯵に比べ、色が濃いのがお分かり頂けると思います。もう一つの特徴ですが、写真には撮ることが出来ません。
臭いが違うのです。特に、鱗の臭いが違うのです。養殖ものは、いわゆる魚の臭いとは違って、青臭いような感じの臭いがするのです。
もちろん、鯵だけあって味も違います。養殖ものは、脂が強く、旨味が乏しいのが特徴です。このことは、鯵に限ったことではありません。また、身持ちが弱いのも、養殖ものの特徴です。
ところで、鯵といえば開きです。今流通している鯵の開きの鯵の原産地の多くは、国内ではありません。その代表的な産地が、オランダです。機会があったら、スーパーなどに並んでいる鯵の開きの表示を、一度ご覧になって見て下さい。
また、鯵はいろんな料理に向く食材です。機会を見て、家庭でも出来る一工夫した料理も、お話ししたいと思います。
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娘の仕入れは・・・。

今日は定休日だったのですが、仕込みの都合で、沼津の魚市場に行って来ました。普段は、一人で行くのですが、今朝は上の娘も一緒に行って来ました。
そんな娘の目的は、絵日記ネタの仕入れです。市場の構内に入るには、こんな風に、ネックストラップをしなければなりません。
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何度か行ったことのある娘ですが、何となく緊張ぎみでした。
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娘は、何か買ってもらいたい素振りを、何となくちらつかせながら、歩いていました。
自分が思うに、娘が欲しいものは、浅蜊か、蒲鉾などの練り製品なので、貝類を扱う問屋の前に来ると、立ち止まりました。
「浅蜊欲しいの?」と聞くと、
娘は「うん。」と答えました。
「じゃぁ、『浅蜊下さい。』って、頼んできな。」と言うと、
娘は、「だって・・・。何かさ・・・。」と照れくさいようでした。
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こんなところで、時間をつぶしている暇のない自分は、「1キロ頼むよ!」と伝えると、
「はいよ。もしかして、季凛さんの娘?」
「そうだよ。」
「じゃ、おまけしてやるから。」
と、“おまけ”と聞いた娘は、ニンマリでした。
そうこうしているうちに、セリが始まりました。
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何度か市場に来たことがあっても、せりの様子を間近で見るのは、初めてらしく、かなり驚いていました。
セリが終って、魚を積み終え、「お腹すいた?」と聞くと、
「うん。」
「お寿司でも食べる?」と聞くと、
「うん。」と、今朝一番の返事。
食べ終えてから、車に乗って、走り出すと、
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慣れない早起きだったらしく、すぐに寝てしまいました。
それでも、“佳肴 季凛”兼自宅に戻ると、
「お土産だよ。ほら。」と、浅蜊と蒲鉾を、留守番していた真由美さんと妹に、これ見よがしに、見せびらかせていました。絵日記ネタ、浅蜊、蒲鉾と、娘にとっては、最高の仕入れのようでした。
「また、市場に行くかい?」と聞くと、
「かんがえておくよ。」
「・・・・・。」
そんな言葉を、一体どこで覚えたのやら・・・。
というより、子供の成長は、大人が考えているよりも、ずっと早いものなのかもしれません。
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富士まつり

「暑いですね~。」ここ最近、この言葉しか出てこない真由美です。
ということで、今日も暑かったですね~。そんな今日、“佳肴 季凛”は、ランチのみの営業だったので、夕方から富士まつりに、家族揃って行ってきました。
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日曜日ということも、あって沢山の人が来ていました。
また、お祭りの定番の一つが金魚すくいです。
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娘は二人共、金魚すくいにチャレンジしましたが、
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二人して、金魚を獲ることが出来ず、おまけのスーパーボールで我慢です。
その後、屋台を見ながら、ブラブラ歩いていると、こんなことをやっていました。
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ちょうどその時は、風も強かったので、かなりたいへんなようでした。そんな様子を見ているうちに、陽も落ちてきたので、家に帰ってきました。
やっぱり、家族揃ってのお出掛けは、子供達には、何よりも楽しかったようでした。
暑い一日だった今日も、最後は志村さんからです。
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焦げついた鍋の洗い方

今朝、見事にチョンボしました。
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鍋を焦げつかせてしまいました。煮ていた物は、台無しで、ごみ箱行きでした。こういうことが、朝からあるとかなり憂鬱になります。
こうなると、さらに厄介な仕事が待っています。鍋の焦げを落とさなくてはなりません。そんなわけで、タイトルにもあるように、今日は『焦げついた鍋の洗い方』のお話しです。
ただ、ひたすらこすっても、焦げは落ちません。ある物を使います。ある物とは、重曹です。今が旬の冬瓜の下拵えにも、使ったりもします。
先ず、重曹を鍋に、ふりかけます。
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その中に水を入れ、火にかけます。火にかけると、
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泡が出ます。しばらくそのまま火にかけておきます。その後、火からおろして、そのままおいておきます。
そうすると、新品同様に、
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なっていません。世の中そんなに甘くはありません。それでも、ここまで落ちました。ここからは、手作業です。
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焦げの部分は、金たわしで落とします。その後は、スチールウールで、ひたすらこすります。とにかく、こすり続けます。
洗い終えたら、タオルで拭きます。
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拭き終えると、
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こんな風に、なりました。それこそ、新品同様です。金たわしでこすった部分は、
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傷がついていますが、それでも新品同様です。
今日は、焦げついてしまったので、ここまでしました。でも一週間に一度は、鍋を磨きます。磨く!?そうです。洗うのではありません。
磨き方については、またの機会にお話ししますが、料理人をやっていると、妙に掃除に詳しくなります。そんなお話しは、こちらを
そうは言っておきながら、自宅の掃除や片付けとなると、知らぬ存ぜぬを押し通す自分です。
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聖徳太子の一万円札

これがお分かりになる方は、それなりの年齢です。
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かつての一万円札です。聖徳太子の一万円札です。裏側は、
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こんな感じです。久しぶりに見ると、懐かしいですし、このお札が普通に使われていた頃は、小学生でした。というよりも、小学生の自分にとっては、大金も大金でした。
でも、この一万円札が自分の手元にあるのには、訳があります。
先日、自分の友人が結婚することになり、そのお祝いとして、包んだからです。ちなみに、この一万円札は、知人に交換してもらいました。
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お祝いとして、包むのですから、当然新券です。
これまでにも、自分は友人の結婚式に出席する時、何度か包んだことがあります。これ受け取った人は、皆驚いてくれました。
そういう自分も、自身の結婚式で、お祝いとして聖徳太子の一万円をもらいました。そういう経験もあるので、機会がある時は、こんなお祝いを包むことにしています。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この一万円札は、今のものよりも、一回りほど大きいです。
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今回のお祝いに限ったことではありませんが、こんな遊び心を、持ち続けられるよう、いつまでもいたいものです。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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子供のお弁当

こんにちは、真由美です。
子供達の夏休みが始まりました。そんな私は、子供達のお昼を心配している毎日です。
今日はお弁当の注文を頂き、余ったものは、親方である志村さんがくれるというので、上の娘のお昼は、なんちゃって“佳肴 季凛”弁当となりました。母、娘共々、かなりラッキーです!
これが、今日の余りもので、
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一通り揃っています。
宿題をやっている娘に、「お弁当作ってあげるから、お弁当箱持っておいで・・・。」と言うと、
娘は、ニヤニヤしながら、お弁当箱を持ってきました。これがそのお弁当箱です。
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娘は、「今日は何が入っているの?」と聞いてきましたが、とりあえずお客さんのお弁当を仕上げてからなので、「もう少し、待ってて。宿題ちゃんとやりなさいよ。」と、伝えました。
これが今日のお客さんのお弁当です。
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ランチの準備を終えてから、娘のお弁当に取り掛かりました。作るのは、志村さんですから、私は詰めるだけです。こんな感じになりました。
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入っているのは、“さばふぐの唐揚”、“サーモンの西京焼”、“ちりめん御飯”・・・。お昼から、こんなに豪華なの!?
“野菜の煮物”もあるので、バランスも良いし・・・。普段私も食べているのですが、こうやってみると、羨ましいものです。
宿題を終えた娘は、お腹がすいていたらしく、11時過ぎには、食べ始めていました。
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「どれが、美味しかった?」と聞くと、
「やっぱ、ふぐのからあげかなぁ~。あお魚(西京焼)もおいしかったし、ごはんもよかったよ。あと、野菜も。」
・・・。それって、全部じゃん。
美味しいものは、誰が食べても美味しいものなんですよね。そんな私のお昼も、お弁当の余り物でした。でも、いいものは全部娘行きでしたけど・・・。
いつものように、最後は志村さんからです。忘れないうちに、「今日はご馳走様でした。」
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弁当の思い出

お弁当の注文を受けた日は、こんな風に折箱を並べます。
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その役目は、“佳肴 季凛”の女将である真由美さんの役目です。自分の役目は、もちろん料理を作ることです。
煮物を煮たり、
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玉子焼きを焼いたり、
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また、焼物を焼いたり、
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と、全てをします。“親方なしの子分なし”の身ですから、当然といえば、当然です。
ただ、弁当を作っている時や、前の日に焼物の準備をしたりしていると、
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思い出すのが、かつて勤めていた店(東京)のことです。
その店は、殆ど毎日(特に午前中)、“佳肴 季凛”でお出ししているような松花堂弁当に始まり、牛丼などの丼ものに至るまで、沢山の数の出前を作っていました。
勤めていた当時、多い時で、200人前、少ない時でも、50人前を作っていました。
そして、半年に一度くらい、400人前作ることもありました。そんな時は、調理場全員、泊り込みです。
もちろん、板前の数も20人弱勤めていて、交替で15人前後出勤する年中無休(暮れと正月は除きます。)の大所帯の店でもありました。
沢山の注文が入れば、出勤時間も早くなります。
玉子焼きを焼く持ち場の日には、一人で10本を焼いたりもしました。使う卵も、一度に1ケース以上(1パックではありません。)は当たり前でした。ちなみに、1ケースに120個くらいは入っていたような気がします。
かかった時間も、今となっては、覚えていませんが、一時間以上はかかったはずですし、慣れない頃は、腕が筋肉痛になったこともありました。
また、焼き場(焼物を焼く持ち場)が担当の日は、もっとハードでした。その店は、炭で焼くので、火をおこさなくてはなりません。ですから、他の人たちよりも、出勤時間は自ずと早くなります。
また、献立によっては、焼くものも魚だけでなく、肉など何種類も焼くこともありました。
数が多いのは、時間をかければ何とかなるのですが、それ以上に過酷なのが、炭の前に立つということです。
炭はガスの火に比べ、火力が強いので、ともかく熱いのです。その熱さは、ハンパではありません。まさに、炎熱地獄です。
ですから、いくら水を飲んでも、たまりませんし、汗をかきすぎて、食事をする気にもならないほどでした。またその熱さゆえ、体は火照るので、家に戻っても、熱くて寝られないこともありました。
それだけではありません。肉を焼く時は、炭の上の網を敷くので、脂が落ちると、煙が出ます。当然、目にしみます。さらに、その煙を吸い込むので、咳き込みます。
数が少ないうちはいいのですが。多くなると、酸欠状態寸前です。倒れたことはありませんが、あまりに気分が悪くなって、外へ出て、休んだこともありました。
まさに、火事の疑似体験でした。
弁当を作る当日がハードなら、その前日も変わりません。煮物用の野菜を切り出すだけでも、ハンパではありません。
使う野菜は、人参(一人前 2個)、ごぼう(同 2個)、こんにゃく(同b2個)、蓮根(同 1個)基本に、献立によって、切り方や内容も変わります。
野菜を切りながら、数えるので、話しかけられても、耳を貸す余裕などありません。切り終えた野菜は、すぐに、煮方(煮物を作る人)に渡し、その作業を何度も繰り返すのです。
それが終った頃には、お客さんも見え始めるので、お客さんの料理を出しながら、弁当の細かい準備をするのは、ごく当たり前のことでした。
その当時は、たいへんだったのですが、というより逃げ出したいくらいの思いだったのですが、そんな経験があったからこそ、今の自分があるわけですし、今となっては、良い経験にして、良い思い出です。
そうは言っても、弁当の注文が入る度に、思い出すのは、一種のトラウマなのかもしれません。
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