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もっとおいしいお話し

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沼津魚市場に、ダイレクトで届いた三重県産の鰆(さわら)


このところの時化で

魚の水揚げ

入荷が少なく

気を揉んでいましたが


そんな今朝

仕入れたのが

三重県熊野産の

鰆(さわら)でした




2024年1月10日


Vol.4556 





いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし


魚菜食文化でもある

和食文化を

支えてくれる漁師の

代弁者として

【佳肴 季凛】の 

店主兼熱血料理人の

志村弘信が

今日も認(したた)めます





今朝、お弁当が

仕上がると

ミニふぐちゃんが

やって来ました



「おはよう、親方🐡

かなり早く

市場から戻って来た

ようだったけど・・・」



「おはよう🐡

5時半前には

戻って来たからね」



「え゛っ

早過ぎね!?」


「かなり早いよ

だから、市場に着いたのは

4時過ぎだったからね」



「ヤバっ

ってことは

3時過ぎに

起きたってことじゃん」


「そうだね」


ご存じの方も

いらっしゃるかと思いますが

市場とは

沼津魚市場のことです



「そんなに早く行ったのは

お弁当の注文が 

あったからなのは

分かるけど

何を仕入れ来たの?」


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5852.jpg


「鰆(さわら)だよ」


👆の写真は

魚市場で撮ったものです





「コースの西京焼に使う時は

もっと大きいけど

これは小さいよね?」


「刺身に使うから

2,2キロだから

西京焼用の時は

4キロUPだから

半分だね」 




「そうなんだぁ

それはそうと

これが気になるんだけど・・・」



「緑で書かれているから?」



「いや、沼津魚市

47−9 季凛行って

名指しだからだよ」


「そういうことね

沼津着の便(びん)があれば

全国の産地から

直接、荷物を

取ることが出来るからだよ」



「そう言えば

浜松から

遠州灘産の天然トラフグを

市場着で

取っているのと

同じこと?」



「そうだよ」


「で、このサワラは

どこから来たの?」



「三重県の熊野からだよ」



「産地直送のダイレクト便

ってことじゃん!」



「そうだよ

今朝の場合


この売場に行ったら

届いていたんだよ」



「この方法って

どうやって覚えたの?」



「鰆の荷主の魚屋さんが

かなり前に

教えてくれたんだよ


その時に取り始めたのが

とらふぐだっんだよ


ここ何年かは

熊野辺りの水揚げが少ないから

取る機会が減ったけどね」


「で、この魚屋さんとは

どうやって知り合ったの?」




「10年以上前に

自分のブログに

コメントしてくれたのが

一番最初だよ


そのあと、SNSが

連絡ツールになってから

Facebookで繋がったのが

本格的な付き合いの

始まりだよ」



「へぇ~

時代だね」


「今朝の場合

届いた問屋の売場にも

鰆があったんだけど


全く同じ浜(産地)で

水揚げされたもの

だったんだよ



画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5836.jpg


大きいのもあれば


狭腰(サゴシ)サイズの

小さいものも

あったんだよ」


「サゴシって?」

「サゴシって

鰆の若魚のことだよ


鰆の語源は

狭い腹が

狭腹(サハラ)になって

サワラ


それよりも狭い腰だから

サゴシ

なんだよ


さごしのことを

サゴチとも

言うんだけどね」



「単純なんだね

魚の名前って」




「そんなもんだよ

殆どの魚が

まぁ、間違っても

キラキラネームはいないけどね」


「あはは・・・


でもさぁ

同じ産地なら

沼津の問屋から仕入れたら

いいんじゃね?」


「今日みたいな注文を

したこともあるけど

問屋だから

小売り的なのは

お願いしづらいんだよ

それに

1ケースに複数入りになって

それを小分けしてもらうのも

気が引けるしね」


「親方も

気が引けること

なんてあるの?」


「そりゃ、あるさ

問屋には問屋のやり方が

ある以上

その商売を

妨げるようなことは

避けたいしね」



「そうなんだぁ

どうしても

サワラが必要だったの?」




「いや、2キロぐらいの魚なら

何でも良かったんだけど

沼津だけじゃなく

この4、5日

風が吹いていたから

全国的に魚が

少なかったんだよ

そういう時に

産地に連絡を取れば

何らかの都合が

つくからね」




「仕入れの仕方って

色々あるんだね」



「沼津で仕入れることを

基本にしながら

全国の産地と

繋がっていれば

どうにかなるしね」



「今、全国って

言ったけど

年がら年中

連絡を取っているの?」


「それはないけど

SNSの投稿を

見ているだけだよ

そうすれば

面白そうな魚が出て来るからね」



「魚を見つけるために

ネットサーフィンなんて

上手く出来ているね」



「ネットサーフィンで

魚を見つけるなんて

面白いこと言うね!

座布団2枚だね」



「イェ~イ✌」



「だけど、直に

注文すれば

自分好みのサイズを

必要な分だけ

仕入れることが

出来るじゃん


我が儘だから

その方が

いいんだよ


自分のそういう性格を

分かってくれているから

色々と都合が

いいんだよ」



「それはそれで

ありだよね」





その後

鰆を三枚に卸したら


皮に包丁目を入れたら


バーナーでFIRE🔥


炙り終えたら

すぐに返し


水気を拭き取ったのち

キッチンペーパーにはさみ

冷蔵庫へ



時季的に

魚が少なくなりがちですが

沼津魚市場に

足繁く通ったり


様々な産地の魚屋さんと

コンタクトを取りながら


より良い魚を

仕入れるようにします 










⭐⭐ コエタス ⭐⭐

【西京漬】をはじめ

当店のお取り寄せや 

通販の商品などを

召し上がった方々が 

【コエタス】というサイトで

投稿して下さっています

ご興味、ご関心のある方は

御覧ください

肝醤油添えの薄葉剥(うすばはぎ)の薄造り



今朝仕入れた

西伊豆・仁科(にしな)産の

薄葉剥は

活かしのものでしたので


その鮮度を活かして

肝醤油を作り

薄造りに仕立てました 



2025年1月5日


Vol.4551



いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし


魚菜食文化でもある

和食文化を

支えてくれる漁師の

代弁者として

【佳肴 季凛】の 

店主兼熱血料理人の

志村弘信が

今日も認(したた)めます




「おはよう、親方🐡

今年最初の魚市場は

どうだった?」


と、ふぐとらちゃんが

訊いてきました


「おはよう🐡

どうもこうも

寒かったよ

行く時なんて

フロントガラスが

少し凍っていたからね」


と、自分


「・・・・・

なんで、そういう答えを

するのかなぁ~」



「質問の仕方が

漠然としているから

そう答えただけだよ」


「ありゃ・・・

今朝の沼津魚市場には

魚があったとか

なかったとか

あと、どんな魚を

仕入れて来たとか

こういう訊き方なら

OK?」


「そうだよwww

で、今朝一押しの

仕入れが


この薄葉剥(うすばはぎ)だよ」



「首のところに

切れ目があるってことは

活〆にして来たの?」


「そうだよ

西伊豆・仁科(にしな)の

定置網の魚だよ

知り合いの漁師だから

昨日の時点で

入荷が分かっていたから


他の魚の入荷次第で

仕入れるつもりでいたんだよ」


「この連携

すごくね?」



「そう?

折角、魚市場に

行っているんだから

漁師と仲良くなって

より新鮮な魚を

仕入れなきゃ

意味ないじゃん!


あと、いつも言っているけど

料理人は

漁師の代弁者に

ならなきゃならないから

それを実践しているまでよ」


「そうなんだけど

で、今朝の市場は

どんな感じだったの?」


「じゃあ

市場時間に

時計の針を戻すよ」



「わぁ~い♬」



遅延 Vector Art Stock Images | Depositphotos


ということで

今朝の沼津魚市場です 





初市ということで

各売場には

初市の幟(のぼり)が

立てられていました





もちろん

活魚売場にも

ありました


生簀には

全部で7つのマスに

仕切られた薄葉剥(ウスバハギ)が

並んでいました



①7,0キロ



②7,0キロ


③7,0キロ



④5,0キロ



⑤3,5キロ



⑥4,7キロ


⑦4,7キロ



ウチワとあるのは

沼津近隣では

ウチワハギとか

ウチワと呼ばれているからです 


また、その姿ゆえ

地方によっては

ラケットとか

ハゴイタ

とも呼ばれています


漁師の親方からも

売場の担当者に

連絡が入っていたので

3,5キロのものを

すんなりGETし



すぐに締め


血抜きのため

海水の中へ


こんな寒い時季でも

氷を入れてあるのは

締めた時に

自身の体温で

身焼けをするのを

防ぐためです


身焼けとは

加熱したように

身が柔らかくなった状態で

使い物になりません


って感じだったんだよ


「そうだったんだぁ

で、どんな風に

仕込むの?」



「薄葉剥は

皮剥(カワハギ)の仲間で

身だけじゃなく

肝も美味しいから

それを使って

刺身に仕立てるよ」


「何だか期待しちゃうよ」



「期待する価値

大いにありだよ」




頭と胴体を

切り離したら

肝を取り出します


その時に

注意しなくてはならないのが

胆のうを傷付けないことです




黄色っぽいのが

胆のうで

胆のうのは

苦玉とも呼ばれているように

つぶすと

苦い液体が出て来るので

注意しなくてはなりません 




胆のうなどを外し

肝だけにしたら

軽く塩を振って

20分ほどおいておきます


その後

軽く水洗いしたら

日本酒で洗い


バットに入れ


15分ほど蒸すと

こんな感じです


水気を切っておくと

脂がしっかり

固まっています



肝を裏漉し


ぽん酢と醤油で

味を調えたら

つけ醤油にするため

小皿に取り分けておきました 


肝の素材感を見せたいので

こんな感じです


身の方は


手で表面の硬い皮を

剥いでいきます



この皮は

煮ても焼いても

使い道がありません 

頭も同じように

皮を剥いておきます


水洗いしたら

三枚に卸し


腹骨を欠いたら


背と腹に柵取りし


皮を引いておきました





頭や中骨のあらの部分は

焼いてから

出汁を取るため

下処理をしておきました





「あのゴワゴワした

ザラザラの皮の下の身が

こんな透き通っているなんて

ビックリだよ」



「ちゃんと活〆にして

血を抜いてあるから

肝にも

血が回っていないし

嫌な味とか、雑味は

一切無いんだよ

下処理一つで

魚の味は別もので


こういう活〆の方法は

刺身っていう

生食の文化がある

日本料理ならではの

下処理なんだよ」


「ここまでくると

下処理の次元じゃなく

ちゃんとした技術

って言っても

間違いないんじゃね?」



「そうだね

魚菜食文化の和食ならではの

テクニックだね」


「日本料理

万歳\(^o^)/


薄葉剥に限らず

皮剥の仲間は

白身でも

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5498.jpg



とらふぐのような

身質ではないので

卸したてでも

すぐに薄造りにすることが

出来ます


というのは

とらふぐは

繊維質が強く

水分が多く

他の白身とは

全くの別ものだからです



「そんなにも

違うんだね


ところでさぁ

親方って

沼津の魚市場に着くと

一番最初に

活魚売場に行くって

よく書いてあるけど

どうしてなの?」


「活魚が好きだからだよ」



「そりゃ、そうだろうけど

他には・・・?」



「料理の道の始まりが

東京の鮨屋だったんだけど

その店の売りが白身で

当時、築地の市場から

毎日、色んな白身を

仕入れていて

その時に

色んな白身を覚えたから

自分の中では

魚の原点みたいなんだよ


そこから

何年か経って

天然のとらふぐ

夏場の鱧(はも)みたいな

日本料理のスター食材も

活きたものを扱うから

その流れが

ずぅ~っと

続いているんだよ


だから、仕入れるものが

有っても、無くても

必ず覗かないと

気が済まないんだよ」



「三つ子の魂、百まで

雀、百まで踊り忘れず

って感じだね」


「気の利いたこと

知っているじゃん!」



「えへへ・・・♬」 



今日の

肝醤油添えの

薄葉剥の薄造りは

“昼特”こと

昼間の【特別会席】で

お出ししました 



薄葉剥のような魚を

多く目にすることが出来るのも

地元や近隣の漁師が

いてくれるからこそのことです


再三再四お話ししているように

漁師の代弁者として

魚菜食文化の日本料理の魅力を

これからも

伝え続けます




「ってことで

今日の献立は

明日、話してくれるんだって

そんじゃ、また🐡」




⭐⭐ コエタス ⭐⭐


【西京漬】をはじめ

当店のお取り寄せや 

通販の商品などを

召し上がった方々が 

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5日振りに行った沼津魚市場で仕入れた地物の朝獲れの鯵(あじ) 


4日連続で

魚市場に行かないのは

余程のことが無い限り

ありませんが


今朝は、5日振りに

仕入れに行って来ました


2024年11月26日 

Vol.4537




いらっしゃいませ


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基本に据えた 

“身体に優しい

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「おはよう、親方🐡

市場へ行ったのは

久々じゃね?」



と、ふぐとらちゃんが

訊いてきました


市場とは

沼津魚市場のことです 



「おはよう🐡

そうだよ

先週の木曜日に

行って以来だから

5日振り

ってことになるね」 


と、自分



「そんなに!?」


「金曜日(22日)は

バスツアーの団体さんが

来たし


土曜日(23日)は

休市日で


日曜日(24日)は

法事の予約と

お弁当の注文があったし



昨日(25日)は月曜日で

定休日だったから

出掛けたしね

ってことで

5日振りだよ」


「そんなに行かないのって

一年のうち

どれくらいあるの?」



「ゴールデンウイーク

お盆、正月は

市場自体が連休で

店も正月休みになるから

正月中は

まず行くことはないね」



「でも、お盆と

ゴールデンウィークは

行くの?」



「両方共も営業するし

場合によっては

伊勢海老とか鮑(あわび)を

取りに行くこともあるよ

どっちにしても

こんだけ行かないのは

正月以来じゃないかな


5日も行かないと

魚の入荷状況が

ガラリと変わる場合もあるよ」



「そんなにも

変わるんだぁ

スチロールに

アジとコロダイが

入っているけど・・・」



「そうだよ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG1539.jpg


胡蘆鯛(ころだい)も




鯵も

地物だよ」




「アジのえらが

無いけど・・・」




「胡蘆鯛は

活〆にして来たし

鯵は朝獲れのものだよ

とりあえず

市場の様子を

話すね」



「わぁ~い♬」



画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG1473.jpg


着いた直後に向かったのが

外港(がいこう)でした


外港とは

魚の水揚げ量が多い時に

仕分けをする場所で

大型の船が

着くことも

珍しくありません 

今朝は

水揚げの最中で



その中から

死後硬直前の

鯵を選んだら




えらに包丁を入れ

氷締めにしたのち



えらを抜いてから

持ち帰って来ました 



「ここまでする人って

他にもいるの?」




「いるかどうか

分からなけど 

見たことないね

血は内臓と同じで

出来るだけ

早く抜くいた方がいいし

魚の味の決め手は

鮮度だからね


それに、沼津は

地元の船が水揚げするから

こういう魚を

仕入れることが

出来るんだよ

こんな絶好のチャンスを

見逃す理由は無いから

そのためには

どんな工夫でも

するのは

当然じゃん」 


「鮮度が良い魚を求めて

魚市場に行くんだから

当然だろうけど

他の人がやらないことを

やるのは

親方らしいよね」 



「我が儘が服を着て

歩いている

ようなものだから

しょうがないよ」


「そうだよね~」 



画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG1565.jpg


そんなやり取りを

しているうちに

鯵の下処理が終わり



焼いてから

出汁を取るため

頭も水洗いを

しておきました 





「ぜいごを

取っていないけど・・・」





ぜいごとは

尾びれの付根にある

硬い鱗(うろこ)状のものです



「取ると

色が変わるからだよ

新しいから

とりあえず

このままにして

明日、卸すんだよ」 


「そうなんだぁ~

5日振りに

市場へ行った気分は

どんなもんなの?」 



「ともかく

アウェー感ありありで

何となく

落ち着かなかったよ

それに

久々の超早起きだから

変に疲れたよ」



「親方でも

そんなことあるんだね

お疲れ様~」 



早起きは大変ですが

自分のモチベーションを

上げることが

出来るのは

何よりの仕入れにして

それこそプラスレスなのです





「市場へ行かないのに

まな板周りを

養生したってことは

ついに、Ⅹデー!?」 


「ふっふっふ・・・😎」 



⭐⭐ コエタス ⭐⭐


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3種類の地魚の中に、とらふぐ


今日仕入れた

天然のとらふぐは  

いわゆる地物の

静岡県沼津産でした 



2024年11月1




いらっしゃいませ


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志村弘信が

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今朝、沼津魚市場から

戻って来ると

ミニふぐちゃんが

やって来ました


「おはよう、親方🐡

何だかんだ

いろいろ仕入れて来たね」



と、ミニふぐちゃん



「おはよう🐡

そうだね

今朝は、どこそこの売場

てんこ盛り

だったよ」

と、返しました



「そりゃ良かったじゃん!

で、何が入ってるの?」



「眼鯵(めあじ)でしょ



胡椒鯛(こしょうだい)と




とらふぐだよ


分かってはいると思うけど

胡椒鯛も


とらふぐも


締めてから

持って来たよ」



「メアジは

そのまま?」



「いや、地元の

朝獲れの魚で


死後硬直前だったから


締めた後


氷入りの海水で

冷やし込んだら


えらも抜いたよ




で、何か

気付いたことある?」



「あっ

全部、地元の魚じゃん!」


「やるじゃん!

地物とか地魚

ってやつね」



「えへへ・・・

天然のとらふぐって言えば

静岡の場合

遠州灘が有名だけど

沼津でも獲れるものなの?」


「たま~にね

ただ、専門に

とらふぐ漁を

やっている漁師はいないよ」


「専門って

どういうこと?」


「漁期に

延縄漁をやることだよ」


「じゃあ

このとらふぐは

どうして獲れちゃったの?」


「たまたま網に

掛かって

獲れちゃったんだよ」


「そうなんだぁ

さっき漁期って

言ってたけど

延縄漁をやる期間って

いつなの?」



「静岡、愛知、三重の

東海三県は

10月から2月末までだよ

それ以外の時季に

獲れるとらふぐ

要は

網で獲れた

とらふぐの場合

制限が無いんだよ」



「かかっちゃったから

OKってこと?」



「そうだよ

延縄は

とらふぐを狙って

獲るわけだし

小さいものは

獲れても

放流しなきゃならないんだよ

網にかかるのは

少ないからね」



「そうやって

資源管理をしているんだね」


「そうだよ

だから

産地にもよるけど

漁期だからって

毎日、漁に出るわけじゃ

ないんだよ」


「そうなんだぁ」



「天気や海の状態

にもよるけど

日を決めて

操業しているからね」 


「そうなんだぁ」 





眼鯵は

明日、卸すので

このままにしておきました



というのは

身から水気が

出にくいからです 



胡椒鯛は


卸し身を

キッチンペーパーで

挟んでおいたのですが

死後硬直してから

卸すよりも

卸しやすいからです




とらふぐは

このあと

キッチンペーパーで

挟んでおきました



「魚って

種類によって

下処理っていうか

保存方法も

色々なんだね」



「それぞれに

身の質の違いあるからね」


「ってことは

覚えることが

沢山あるってこと?」


「そうなるけど

その違いが

魚の味の違いだし

それを活かすのが

料理人の技量だから

楽しいし

そのために

市場へ行っているんだよ」


「まぁ、親方の

仕入れの様子を見ていれば

十分楽しんでいるのは

よく分かるけどね」


言うまでもありませんが

魚市場に行くのは

仕入れ目的です


それ以上に

色んな魚のことを

知るためにも

行っていますし


そこで得たものは

伝票に上がることのない

プライスレスにして

何事にも代え難い

料理人としての

財産なのです







「おかず用の

銀鱈の切落しの西京焼じゃん

脂乗り乗りで

ん~まそう🤤

そんじゃ、また明日🐡」


by ふぐとらちゃん





⭐⭐ コエタス ⭐⭐

当店のお取り寄せや

通販の商品などを

召し上がった方々が 

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自分史上最高の鰹(かつお)を水揚げした誠丸の船頭と話してみた


これまでに

色んな漁師と

話をしたことがありますが


今朝、話をした漁師は

自分史上最高の鰹を

水揚げした漁師でした


2024年10月18日

Vol.4514





いらっしゃいませ


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“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし


魚菜食文化でもある

和食文化を

支えてくれる漁師の

代弁者として

【佳肴 季凛】の

店主兼熱血料理人の

志村弘信が

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今朝、沼津魚市場から

戻って来ると

ふぐとらちゃんが

やって来ました




「おはよう、親方🐡

今日の仕入れは

シマアジだけとか・・・?」





「おはよう🐡




西伊豆・土肥(とい)の

活かしのものなんだけど




今日は、バスが来るから

仕入れは

これだけだよ」



「この一匹のためだけに

仕入れに行って来たの?」




「縞鯵(しまあじ)1枚だろうと

他の魚だろうと

気に入った魚を

気に入った分だけ

仕入れなきゃ

気が済まないから

いいんだよ」


「今更ながら

そうだよね~」



「魚は縞鯵ONLYだけど

それ以上の仕入れが

あったんだよ、今朝は」


「え゛っ

どういうこと?」



「そう言えばさぁ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-35.png



3か月くらい前に

こんな話をしたのを

覚えているよね?」


「覚えているよ

親方史上最高って

豪語していたからねぇ

で、このブログと

どういう関係があるの?」


「この漁師っていうか

この船の親方と

話す機会があったんだよ」


「へぇ~

水揚げする魚があれば

来るんじゃないの?」



「地元の漁師じゃないから

沼津に来るのは

月1とか2なんだけど

あの鰹のことを

どうしても

話したかった

っていうか

訊きたかったんだよ」



「何でもかんでも

知りたがりの

親方らしいね♬」



「そりゃそうだよ

食材のことは

どんなことでも知らないと

気が済まないし

特に、魚はね」



「魚菜食文化の

日本料理を支えてくれる

漁師や水産業のことを

声を大にして

親方は言っているもんね」


「💯満点の回答を

有難うございます!

それじゃあ

今朝の市場に

時計の針を戻すよ」


「はぁ~い♬」 


920点を超える時間経過の矢印記号のイラスト素材、ロイヤリティフリーのベクター素材グラフィックスとクリップアート - iStock



ということで

今朝(5時過ぎ)の

沼津魚市場です 




岸壁に

地頭方(じとうかた)の

誠丸(まことまる)が

停まっていたので




親方に声を掛け

以前仕入れた鰹のことを

伝えると


親方が

出て来てくれました




「親父さん

7月半ばに仕入れた鰹が

めちゃめちゃ

良かったんだけど

また、あういう魚がいたら

是非使いたいので

頼みますよ」
8c00a3


「そりゃ良かったよ

釣り上げた時の締め方

冷やし込みの方法には

かなり気を

使っているからね」


「それは分かるんだけど

他にも

何かあるんでしょ?」


「冷やし込んでいる間は

海水の塩分濃度を

計っているんだよ」


「え゛っ

どういうこと?」


「塩分濃度の違いによって

身の冷え方

締まり方に

違いが出るんだよ」



「・・・・・」


「あと、はらわたを抜くか

抜かないかで

冷え方に差が出て

結果的に

身の色と鮮度に

差が出るんだよね」


「それって

勘でやるものなの?」


「いやいや

ちゃんとデータを取って

それを基に

編み出したんだよ」


「そこまでするから

前の鰹みたいに

なるんだぁ」



「それを聞いて

安心したよ」


「でも、そこまで

やるようになったのは

どういう訳なの?」



「うちらは

コイツ(実の息子)と

やっているんだけど

これまでみたいな魚の

獲り方をしていると

コイツの時代には

魚がいなくなっちゃうから

今からでも

良い魚を良い状態で

獲る工夫が必要なんだよね」



「そうだよね~

自分も必要以上に

仕入れることをしないで

気に入った魚を

使う分だけ

仕入れているし

命ある魚を

粗末には出来ないからね」




「板前さんの言う通りだよ

自分みたいなやり方を

好まない連中もいるけど

誰かが、どっかで

変えていかないと

良くないからね」



言うこと全てが

百発百中で

自分の考えを射止めてくれ

心の中で万歳三唱🙌



全ての漁師が

誠丸の親方みたいな

考えではありません


というのも

獲る魚だけでなく

漁法も違うからです 


ただ、最近では

誠丸の親方のように

丁寧な下処理をして

出荷する漁師も

増えてきています 


幸いなことに

そういう漁師の年齢は

自分と同世代の

アラフィフ以下なのです 



そういう漁師の応援団にして

代弁者の使命として

魚菜食文化の日本料理の

魅力を伝えるべく

声を出し続けます




「すっぽんを卸すのは

明日かなぁ~

そんじゃ、また🐡」


by 熱血君





⭐⭐ コエタス ⭐⭐


当店のお取り寄せや

通販の商品などを

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【コエタス】というサイトで

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ご興味、ご関心のある方は

御覧ください 

目下のところ、トップシーズンの水魳(ミズカマス)こと、大和魳(ヤマトカマス)


少し前までは

素通りしていた

水魳ですが

ここ一か月で

抜群に良くなり

目下のところ

一押しの魚です 




2024年10月17日

Vol.4513



いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ

西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の

店主兼熱血料理人の

志村弘信が

今日も認(したた)めます



今朝、沼津魚市場から

戻って来ると

ミニふぐちゃんが

やって来ました




「おはよう、親方🐡

水カマスだよね?

今日も仕入れて

来たんだぁ」





「おはよう🐡

水魳だよ

今、一番いい魚だね

それこそ

抜群、最高、絶好調

まぁ、トップシーズンだね」

と、返しました 


「そこまで

言っちゃう?」



「日にもよるけど

入荷がある時は

それこそ

何トンのレベルだよ


毎日、市場に

行くわけじゃないけど

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-33.png


先週なんて

3,5トンもあったからね」


「それって、凄くね

で、今日のは

どこ産なの?」


「今日のは


由比のだよ」


由比(ゆい)とは

桜海老で有名で

静岡市の漁港です 



「由比の水カマスも

沢山獲れたの?」


「昨日の浜(=産地)の

水揚げは

よく分かんなけど


今日持って来たのは

100キロくらいだね」




「じゃあ

今朝の沼津の魚市場に

入荷はあったの?」





「入荷する前に

戻って来たから

正確なところは

わかんないけど

予定表には

川奈のが100キロって

書いてあったよ」


川奈とは

東伊豆の伊東の漁港です 


「今日の水カマスは

何にするの?」



「酢で締めて

刺身に使ったり

揚物だよ」

「揚物って

天ぷらとか・・・?」 


「いやいや、フライだよ」


「フライ!?

季凛みたいな日本料理店で

フライって

ありなの?」


「そりゃ、ありだよ

より美味しい食べ方で

出すのが

大事だからね



こんな感じだけど

生パン粉を使っているから

サクサク、ふわふわ!」


「サクサクは分かるんだけど

ふわふわって

どういうこと?」



「魚に脂があるから

ふわふわになるんだよ」


「油で揚げるから

脂の有る無しは

関係ないんじゃね?」


「大いにありなんだよ

こういうフライを食べたら

変なフライは

食べられないよ」


「そうなんだぁ

魚の種類は

関係あるの?」


「無いよ

脂が絶対条件だよ

で、今は

水魳が断トツ!」



「でも、こういうのって

市場に行っているから

分かるんでしょ?」




「そうだよ

たださぁ、水魳自体は

知ってはいたけど

夏前までは

素通りしていた魚なんだよ」


「え゛~っ」



「水魳って

なんちゃんって

赤魳(アカカマス)みたいな

扱いだから

大したことが無いと

思っていたんだけど


その良さを知ったら

虜(とりこ)になっちゃったよ」



赤魳とは

本魳(ホンカマス)とも呼ばれる

いわゆる魳(カマス)のことです


アカカマスの形態写真



「そんなに良いんだぁ~

市場に通っているだけのことは

あるじゃん!」




「そうだよ

魚市場へ行って

リアルの魚を見れば

自然環境、経済状況とか

色んなことが

分かるんだよ」




「ってことは

学校じゃん!」


「そんでもって

魚のことを

教えてくれる先生が

漁師で

自分が生徒で

魚菜食文化の

日本料理を支えてくれる

漁師の応援団なんだよ」



「なるほどね~

応援団なら

熱くなるわけだ

よぉっ、熱血料理人!」



「あはは・・・

それはそれとして

魚の時季は

大体の目安があるけど

入荷や水揚げが増えて来たら

様子を見ながら

仕入れるようにしているよ」



「水カマスが増えてきたのは

いつぐらいからなの?」



「先月の半ばくらいからかな~

その中に

肥えているのを

見るようになって

中には

水魳には思えない

サイズが出て来たんだよ

 
そうなってからは

よく仕入れているけど

今月に入ってからは

抜群だね」 



「へぇ~」


水魳は

鱗(うろこ)を取り

頭を落としたら

水洗いします





三枚に卸したら



酢締め用と

揚物用に分けます



酢締めの方は

皮と


身に塩をしておきました



最終的には

このようになったのですが



詳しい仕込み方については

こちらを👇



一方のフライ用は


血合い骨を抜いてから


塩、胡椒をし

パン粉をつけます 



酢締めにしたものも

血合い骨を

抜かなくてはなりません


抜いた血合い骨は

出汁を取るため

ゴミ箱行きとはなりません


また、頭と中骨も

同じ様に

出汁を取るため

焼いておきました



身も美味しいので

出汁も然りです



寒さを感じるまでは

良い水魳の

入荷があると

予想していますが


こればかりは

自然のことゆえ

神のみぞ知る 






「明日は

バスが来るんだって

FIGHT🚌」

by ふぐとらちゃん




⭐⭐ コエタス ⭐



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魚食文化のメッカ的存在としての沼津魚市場

  

ホームグランドの

沼津魚市場がある

静岡県沼津市は

全国1位の

干物の生産量を

誇ります 


さらに言うと

静岡県も1位です


にもかかわらず

長い間に築かれた

良き食文化を

守らないのは

何故なんでしょう?


2024年10月12日

Vol.4510




いらっしゃいませ


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「おはよう、親方🐡

こんなに野菜を

仕入れて来たってことは

食遊市場(注1)

行って来たの?」



と、熱血君が

訊いてきました



「おはよう🐡

そうだよ

いつもみたいに

魚市場(注2)の帰りに

寄って来たんだよ」


(注1)食遊市場

 沼津魚市場から

 車で15分程のところにある

 食品だけでなく

 消耗品などを扱う

 ショッピングモールです 





(注2)魚市場

 沼津魚市場のことです


「今日は土曜日だから

魚市場は休みじゃね?」



「そうだよ


だから


ガラ~ン


でも、三連休だったから


観光客が

来ていたよ」


「へぇ~

観光客って

どこから来るの?」


「多いのは

首都圏だけど

関西、北陸方面の

ナンバーなんて

珍しくないよ」



「ヤバっ

ってことは

沼津港って

全国区?」


「そうだね

まぁ、静岡県が

干物の生産量が

日本一で

全体の4割を

占めているんだけど

そのうちの4割が

沼津だからね」



「すげぇ~じゃん!

沼津が全国の16%

ってことは

聖地とかメッカって

言っても

いいんじゃね?」



「そうだね

そういう優位な数字が

あるんだから

それを色々と

活かせばいいんだけどね」



「その言い方だと

活かせていない

ってこと?」


「そうだね

新しくて

良さそうな物があると

節操無く

真似するし

それでいて

取って付けたように

個性とか伝統とか

言う始末だから

嫌になるね


そもそも

町おこしとか

地域密着

地元重視の類(たぐい)って


だ~れ一人として

傷付けない

きれいごとだから

何の意味も

為さないって思うんだよね」


「あぁ、言えてるかも」



「そういう事を

“先生”や“お役人”に言ったら

嫌そうな顔をされたことが

何度もあるよ」


「親方らしいね

でもさぁ

そろそろ

大人になった方が

いいんじゃね?」


「大人だからこそ

むきになるべきだよ

直向(ひた)向きに

自分の仕事に臨むのが

職人にして

プロだから

誰が何と言っても

自分は変わらないし

変えないよ」



「はぁ~

恐れ入ったけど

安心したよ

で、どうして

休みなのに

市場へ行って来たの?」



「例のあれだよ」


「あぁ、あれね

ここじゃ言えないけど

お店に来れば

言えるんでしょ?」


「そうだよ

隠し事は嫌いだからね」




料理人に限らず

職人には

自らの仕事に

納得することが全てで

妥協は存在しないのです


また、自分にとっては

沼津は富士市の隣なので

正確には

地元ではありませんが


自分の地域

地元という

限られた範囲でしか

物事を捉えることが

出来ないような

狭い了見は

低俗にして

取るに足りません 



伝統ある魚菜食文化である

日本料理の魅力を

最大限に伝えるのが

自分の使命なのです 







「南京豆腐って

かぼちゃの豆腐なんだよね

そんじゃ、また🐡」

by ふぐとらちゃん



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とらふぐを締める位置が、他の魚と異なる理由



魚を締めるとは

刃物を使って

魚を即死させ

血を抜き

鮮度を保つことです 


その方法は

魚によって

違いがあり

とらふぐの場合

他の魚とは

異なります



2024年10月11日


Vol.4509


いらっしゃいませ


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基本に据えた 

“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし


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西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

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店主兼熱血料理人の

志村弘信が

今日も認(したた)めます 





「おはよう、親方🐡

がっつり

仕入れて来たね~」



と、ふぐとらちゃん 


「おはよう🐡


遠州灘のとらふぐでしょ



伊豆・土肥(とい)産の

勘八(かんぱち)に



東伊豆の水魳(みずかます)

なんだけど


水魳は

この中から




2,0キロ選んだんだよ」 



水カマスは、通称で

正式な名前は

大和魳(ヤマトカマス)です 


「水カマスの

えらの辺りが

赤いけど・・・」


「朝獲れの魚だったから

締めたんだよ



えらを切って

氷入りの海水で

冷やしたら


えらを抜いてから



持って来たんだよ」


「活きていないけど

締めたってこと?」



「そうだね

死後硬直する前だから

締めたんだよ


小魚の場合

血抜きをしなくても

味に大きな差は

ないんだけど

した方が

雑味がなくなるから

するんだよ」 


「へぇ~

カンパチは

どうやって締めたの?」


「暴れないように

眼を隠したら


頭の付根と

尾びれの付根に

包丁を入れたら



即、氷入りの海水で

冷やし込むんだよ


一気に冷やすのは

締めると

体温が上がって

身が焼けるのを

防ぐためで


焼けるっていうのは

加熱したように

身がふやけることなんだけどね」



「神経を抜かないの?」



「神経を抜いた方が

いいんだけど

何よりも、血抜きだね


血は内臓と同じだから

内臓が残っていると

身が傷むのが

早いからね


あと、勘八を締めた方法が

一般的な魚の締め方だよ


頭の付根に

包丁を入れると

姿に傷がつくから


水カマスみたいに

えらに包丁を入れるだけでも

構わないよ」






「そうなんだぁ~

で、とらふぐは

包丁の痕が

残っているだけけど

締め方が違うの?」


「違うんだよ

一般的な魚の場合

鱗(うろこ)を取って

頭を落として

内臓を抜いてから

卸すんだけど

とらふぐっていうか

フグ類は

卸し方自体が

違うからだよ」 


「どういうこと?」


「卸していく途中で

説明するね」


「うん」



とらふぐは

有毒部位があるので

内臓を取り除くことと

卸すことを

同時にする魚です


皮を剥いたら

顎(あご)の部分を掴んで



かまと内臓を

同時に外します


この時に

頭の付根を

包丁で押さえないと

外しにくく


骨を切らずに

急所の辺りに

包丁を入れるように

するのです


また、構造上

えらに包丁を

入れにくいので

背骨を切らずに

包丁を入れるのです


手前側に入れるのは

左手で、ふぐを抑え

右手で、包丁を持つからです


また、とらふぐの場合

他の魚と身質が違うので

死後硬直後でも

身の弾力が

無くならないので

神経を抜く必要がありません


さらに言うと

繊維質が多く

水分が多いため


歯応えと甘味が

味わえるふぐ刺に

仕立てるには

天然のとらふぐの場合

最低でも

2日を要します 


つまるところ

とらふぐは

他の魚とは

全くの別ものと

言っても過言ではありません


それを言ったのが

希代の美食家にして芸術家の

北大路魯山人

(きたおおじ ろさんじん)で



“ ふぐのうまさというものは

実に断然たるものだ

と私は言い切る

これを他に比せんとしても

これに優る何物をも

発見し得ないからだ”

と、言っています


全くもって

その通りにして

それゆえ

“ふぐに魅せられし料理人”

になってしまったのです 


それだけでなく

あの愛くるしい姿とは

似ても似つかぬ

美食であるのも

ふぐ料理の魅力でもあります 


卸し終えたら

水洗いし



拭き上げ


12本のとらふぐの

仕込みが


終わりました



また、勘八も



水魳も


血抜きをしてあるので

身に透明感が

残っています 


締め方次第で

身の持ち方にも

違いがあり


このような技術が

生まれたのも

魚菜食文化でもある

日本料理の

偉大な知恵です 


魚を生で食べる

他の料理文化には無い

伝統を引き継ぎ

後世に繋ぐ努力を

怠るわけにはいきません  





「14日は

休みだけど

夜は予約があるんだって

そんじゃ、また明日🐡」

by 熱血君



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二日連続で仕入れた揚物用の眼鯵(めあじ) 


加熱調理するからと言って

鮮度を無視することは

出来ません

昨日、今日と

仕入れた眼鯵も

然りです



2024年10月10日

Vol.4508




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「おはよう、親方🐡

今朝は、メアジを

仕入れて来たんだね」


と、ミニふぐちゃん



今更ですが

仕入れ先は

沼津魚市場です


「おはよう🐡

今朝もだけど

昨日も仕入れて来たよ

今朝のも



昨日のも


由比のだよ」


由比(ゆい)は

静岡市清水区にあり

桜海老(さくらえび)で

有名な漁港です 



「約5キロあるけど

何に使うの?」



「そのまま

刺身だったり

酢で締めたりもするけど

基本的には

揚物用だよ」


「鮮度が良くても

揚物にしちゃうの?」


「そうだよ

食材は鮮度が

大事だからね

古くなってから

調理しても

味を落とすだけだからね」




「こんだけあると

なかなかの数じゃね?」


「1本が100グラム位で

4,7キロだから

50本として

半身が一人分だから

約100人分だね」


「大台じゃん!」


「そうだよ

バスツアーの御席の

揚物に使うからね

来週もバスが来るけど

11月は

バスの予約が多いから

ある時に仕入れて

仕込んでおかないと

困るからね」




「そっか~

100人分って言っても

20人のお客さんが

5回来れば

終わっちゃうもんね」



「バスの予約の

2,3日前に

魚があればいいけど

そうとは限らないからね」 


「そうなんだ~」


「それに

『魚はある時に仕入れろ』

っていう格言も

あるくらいだからね」


「そんな格言も

あるんだぁ」



眼鯵の卸し方は

👇の通りです 



①鱗(うろこ)を取る



②ぜいごを取る



ぜいごとは

尾びれの付根にある

とげ状の部分です 


この作業を

残りの片身も

同じ下処理をします



③鱗を取る(残りの片身)



④ぜいごを取る(残りの片身)



⑤頭を落とす



⑥腹わたを抜く




⑦水洗い



「水洗いをしてくれるのは

いつもどおり

真由美さんだね」


真由美さんとは

女将兼愛妻(!?)のことです 



⑦三枚に卸す




⑥真空パック




ちなみに

昨日仕込んだ眼鯵です



頭と中骨は

きれいに下処理をしたら

出汁を取るため

焼いておきました



「ここまで

使ってもらえたら

メアジも

嬉しいだろうね」




「眼鯵を獲った漁師を

思えば

粗末には出来ないよ」



「そうだよね

こういうのを見ると

親方が、自分のことを

漁師の応援団って

言っているのが

よ~く分かるよ」



「何度も言っているけど

日本料理って

魚菜食文化だから

その担い手の漁師が

いないと

本当に困るんだよ」


「そうだよね~」



そのためには

自ら、魚市場へ行き

その現場を

知り尽くさなくては

ならないのです 





「鰯つみれ錦糸蒸しも

仕込んだんだね

そんじゃ、また明日🐡」


by ふぐとらちゃん 


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3,5トン分の2キロの水魳(ミズカマス)こと、大和魳(ヤマトカマス)


ここ最近

爆獲れ中の魚が

水魳(ミズカマス)こと

大和魳(ヤマトカマス)です


そんなわけで

今日も仕入れて来ました



2024年10月6日

Vol.4503



いらっしゃいませ


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“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし


魚菜食文化でもある

和食文化を

支えてくれる漁師の

代弁者として

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志村弘信が

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「おはよう、親方🐡

水カマスじゃん!

ここ最近

よく仕入れて来るよね?」



と、熱血君が

訊いてきました


「おはよう🐡

9月の半ば過ぎから

3か所ある

東伊豆の定置網で

かなりの水揚げが

あるんだよ」

と、自分



「かなりって

どれくらい?」



「詳しいことは

覚えていないけど


今日の場合

熱海・網代(あじろ)の定置で

3,5トンあったよ」



「え゛~っ

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3,5トンって

どんだけ~」



「どんだけ~

って言われても

言い表せないけど

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0081.jpg



仕入れたのが

2キロで

20本前後で

1本が100グラムだから

さぁ、考えて!」



「あちゃ~

そう来たか・・・

1キロで10本でしょ

3500キロだから

35000本じゃん!


ヤバ過ぎ~

で、見た感じだと

どんな感じなの?」


「500キロって言うと


これぐらいだよ


正確には

589.0だけどね」



「絶句・・・」


「トラックで

持って来るんだけど



これを

フォークリフトで

持ち上げたら



一気に

ダァ~ッと



開けるんだよ」


「水カマスの滝じゃん!」


「あはは・・・


広げた中から



自分好みのを

選ぶんだよ 」


「親方の好みって?」


「先ずは

サイズを揃えること


水揚げされて

数時間しか

経っていないから

死後硬直していないもの


この2つが

ポイントだよ」



「へぇ~」

「選んだら


秤にかけてもらって



えらに包丁を入れたら


氷入りの海水に

落とすんだよ


その後で

取り出したら


えらを取って

また冷やすんだよ


こうすると

身の持ち具合も

別ものになるんだよ」



「こんなことする人って

いるの?」



「多分いないね

小魚だから

氷水で締めるのが

普通だしね


大きくても

小さくても

血抜きをした方が

いいからね」


「これって

朝獲れの魚だから

出来ることなんでしょ?」



「そうだよ

そのために

少しでも早く

市場に行くんだよ」


「でも、こういう魚ばかり

じゃないんでしょ?」



「もちろん

そうなんだけど

出来る限り

良い魚を仕入れる

努力と工夫は

必要だからね」



「恐れ入ったよ」



「少しでも

美味しい魚を

食べる機会が増えれば


魚菜食文化の

日本料理の良さを

知ってもらえるからね」


「そうなんだぁ~」


ちなみに

水魳の正式な名前は

大和魳(ヤマトカマス)です 


鱗(うろこ)を取り

腹わたを抜いたら


いつものように

女将兼愛妻(!?)の

真由美さんに

水洗いしてもらいました 



その後

三枚に卸すと



「身が透き通った

感じだけど・・・」


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0145.jpg


「そうだよ

ほら」



血抜きしていないのは

こんな感じだよ


前の日に水揚げされた

水カマスだから

単純には

比べられないけど

瑞々(みずみず)しさは

無いでしょ?」


「そんな感じだね」 



折角の朝獲れの

水魳なので

クオリティチェックをして

ランチの営業に

臨むことにしました



血合い骨を抜いたら

天ぷらにして


ざるうどんと共に・・・😋





「蓮根も大葉も

あるじゃん

親方、ズル過ぎ~

でも、裏山C・・・🤤

で、食レポは?」


「フワフワで

溜まりません😋

以上!」



「はぁ~(*´Д`)」



また、偶然にも

お持ち帰り(テイクアウト)の

揚物の盛合せのご注文を

頂いたので



このように

仕上げました



水魳は

新挽(しんびき)揚げにし


これ以外は

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0207.jpg


鶏の唐揚げと


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0210.jpg


海老の彩り揚げです



「これはこれで

美味しそうだし

きれいだねぇ~」




ここ最近の

水魳の良さには

ただただ

感心するばかりです 



いわゆる

旬ということになるのですが


季を尊(たっと)び

凛とす

とあるように

時季の食材を前にして

背筋を正したくなる

ほどの食材が

水魳です


同じカマスの

本魳(ホンカマス)こと

赤魳(アカカマス)よりも

安価ではありますが

コスパという点では

本カマス以上なのは

間違いありません 


そういう魚を

自らの目利きで仕入れて

料理に仕立てるのが

我が道ゆえ


そのためには

どんな些細な

妥協も許されないのです 






「ハロウィンが近いから

南瓜の豆腐

じゃないんだよ

皆、間違えないでね

そんじゃ、また🐡」



by ミニふぐちゃん 



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