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もっとおいしいお話し

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岩田さんの野菜

昨日の続きです。
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岩田さんの畑には、ビニールハウスがあります。その中には、
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トマトが植えられています。
この時季ですと、露地で栽培するのが一般的なのですが、岩田さんによれば、トマトは、水が大敵な野菜なので、あえてビニールハウスの中で栽培しているとのことでした。
が、中には水が平気な種類もあるとのことで、
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このミニトマトもそんな種類の一つです。
その他に、作られていたのが、
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賀茂茄子(かもなす)で、ここ最近、“佳肴 季凛”でも使っています。その他には、
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万願寺唐辛子(まんがんじとうがらし)や、
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ミニ冬瓜がありました。この他にも、胡瓜や南瓜など、何種類もありましたが、自分が仕入れた野菜は、
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トマト、賀茂茄子、万願寺唐辛子でした。
先ほどのトマトのお話しではありませんが、野菜の特徴などは、畑に行って見て初めて分かるものです。葉っぱの形、花の色、実のなり方などは、なかなか目に出来るものではありません。
料理人である以上、野菜に限らず、食材への探究心を常に持ち続けていたいものです。
【季節限定 鱧づくしランチ】
お知らせです。
只今、7月・8月の限定コースとして、鱧づくしのランチ『鱧御膳』をご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は『鱧御膳』のページをご覧下さい。
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新たな提携農家

普段の定休日は、仕込みをすることが殆どですが、昨日は完全オフでした。なので、普段は幽閉されている“佳肴 季凛”を、脱出することができました。
だからといって、昼から宴に興じてたわけではありません。とは言っても、仕込みこそしなくても、やはり仕事でした。
そんな昨日は、新たな提携農家である“なないろ畑”こと岩田さんの畑に行ってきました。
岩田さんの畑は、富士市の岩松というところにあります。岩松というところは、富士川の東側に位置しています。
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富士川の土手に上がって、そこから東北の方角を眺めると、
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富士山が見えます。そんな風光明媚な場所に、岩田さんの畑はあります。土手から西側(富士川のある方角)を眺めると、
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芝生が広がっています。
さらに、西北の方には、
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富士川に架かる東名高速の橋が、見えます。
そんな光景を見ながら、土手を降りると、岩田さんが野菜と“戯れ”ていました。
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こんなロケーションにある畑で採れる野菜は、マクロビオティックが基本の“佳肴 季凛”には不可欠の、無農薬・有機栽培の野菜です。そんな今採れるのは、・・・・・。
また、お話しします。
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インカのひとみ

前回お話しした“コリンキー”に限らず、最近は色んな新しい種類の野菜が出ています。じゃが芋も同様です。
新品種のじゃが芋は、皮や中の色が、普通のものとは違うものが多くあり、これもそんな品種の一つです。名前は、“インカのひとみ”といいます。
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この“インカのひとみ”は、提携農家の一人でもある“百姓屋つぐみ”さんこと芦沢さんの畑で採れたものです。
泥がついているので、見にくいかもしれませんが、赤い皮をしています。洗って、包丁をしたところです。
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中は鮮やかな黄色です。じゃが芋というより、さつま芋のような感じです。皮をむいてから、下茹でをします。じゃが芋をはじめ、根菜類は基本的に水から茹でます。
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じゃが芋に火が入ったら、水に晒してから、ザルにあげます。
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ここで味をつけるのですが、鍋で煮ることはしません。理由は後ほどお話しします。
薄口醤油、塩、日本酒、味醂で出汁に味をつけます。
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鰹出汁だけでは、味が乏しいので、白身な魚や野菜のくずで取った出汁も加えます。特に、この時季は、鱧の出汁も加えます。
下茹でした“インカのひとみ”をバットに入れて、沸いた出汁を入れます。
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次にバットごと、蒸し器(この写真に写っているのは、“スチームコンベクションオーブン”という機械です。)に入れ、15分程度蒸し煮にします。
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こうするのは、煮崩れないようにするためです。鍋で煮ない理由は、こういうことなのです。
この時季は、冷たいまま盛り付け、青柚子の皮をおろしたものを、振りかけます。暑い時季には、こういう煮物の方が、食欲がそそられます。
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この“インカのひとみ”の味ですが、見た目と同じように、栗のような味わいがして、非常に美味しいです。自分が食べたじゃが芋の中では。お気に入りの一つです。
なので、この間も芦沢さんに、「また、持って来て下さい。美味しかったから。」と伝えると、
芦沢さんは、「・・・・・。」と返答に詰まっていました。
「実はですね、あれでおしまいなんですよ。」と続けました。
「美味しいから、人気があるの?」と自分が尋ねると、
「いや、そうじゃないんです。“インカのひとみ”は一つの種芋に出来る量が少ないんですよ。だから、思うほど収穫が出来なかったんですよ。」
「あっ、そう。じゃ、来年はもっと作ってよ。」とお願いすると、
「ただ、収量性が低いから、単価が高くなって、売りづらいんですよ。だから、2~3倍くらいの値段になっちゃうんです。」
「いいよ、ちょっぐらい高くたって、構わないよ。うちで全部買ったっていいからさ。美味しくないものを使っても、美味しい料理は出来ないし、それだけじゃなくて、料理を作る時、自分自身のモチベーションが下がるのが、たまらなく嫌だからさ。自分が食べたくないものを、お客さんには出せないしね。」
「分りました。じゃ、来年も作りますので、志村さん、お願いしますよ。でも、今言っていたことは、ブログでは、何度も読んでいたんですけど、その言葉を生で聴けるとは、思わなかったですよ。」
と、こんな感じのやりとりで、終わったのですが、どこまでいっても“料理は素材”が全てです。
ただ、芦沢さんの作る“インカのひとみ”は、残念なことに来年までお預けですが、もう一人の提携農家の吉本さんの作るじゃが芋にも、いいものがあります。近々、入荷して来るので、また機会をみてお話しします。
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コリンキー

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この野菜の名前がお分かりになる方は、かなりの野菜通かもしれません。この野菜の名前は、“コリンキー”といいます。
その形から、想像がつくかと思いますが、南瓜の仲間です。ただ、この“コリンキー”は、普通の南瓜と違います。
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大きさもごく普通の大きさです。右側にあるのは、小さい種類の“坊ちゃん南瓜”です。
一般的に、南瓜は、加熱してから食べますが、“コリンキー”は、生で食べる南瓜なのです。サラダに入れたり、漬物にしたりします。今回は、漬物にしました。
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中はこんな感じです。種の部分を、取ってから、適当な大きさに包丁します。
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薄口醤油、日本酒、塩、水、昆布で味をつけた調味液と“コリンキー”を、袋に入れて真空包装します。ちなみに、この料理方法を“真空調理”といいます。
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そのまま、2,3日おけば、出来上がりです。
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その味は、胡瓜の浅漬けのような感じです。先程お話ししたように、生食用の南瓜ですから、使い道も同じウリ科の胡瓜と同じです。というよりも、胡瓜と思って料理した方が、美味しく食べることが出来ます。
そんな自分は、生食用と知っていながらも、“コリンキー”を、以前煮たことがありましたが、出来上がったものは、食べられたものではありませんでした。
これからの時季、出回るので、機会があったら、一度食べてみてください。ただ、普通のスーパーなどに並ぶことはあまりありません。むしろ、八百屋さん、農家の無人販売や、農民市場などの方が、手に入れやすいかもしれません。
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冬瓜の煮方

これから旬を迎える冬瓜です。
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でも、夏が旬なのに、何故冬という字が使われるのでしょうか?まるごと、保存しておけば、冬まで貯蔵できることに由来しています。
「冬瓜は上手に煮れない。」とか、「煮方が、分らない。」とか、「青く煮る煮る方法は?」などとよく耳にします。確かに、その通りです。
今日は、そんな冬瓜の煮方をお話ししたいと思います。特に、今回は青く煮る方法についてです。
まず、皮の剥き方です。包丁を使うこともありますが、薄く剥くため、卸し金を使います。
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前後に動かして、剥いていきます。
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全部剥いたら、適当な大きさに包丁します。それから、種の部分を取り除きます。
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今度は、皮に包丁目を入れていきます。
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ここで準備しておくのが、重曹です。
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重曹と塩を皮の部分にこすりつけます。
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そのまま、30分くらい置いておきます。重曹には、食材をやわらかくする効果があります。
その後、食べやすい大きさに包丁してから、下茹でをします。串が刺さる程度まで軟らかくします。
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茹で上がったら、重曹臭さを取り除くのと、青い色が飛ばないようにするため、氷水に晒します。
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そうしてから、味を漬けた出汁で煮るのですが、冬瓜は味も素気もない野菜なので、出汁に工夫が必要です。
鰹出汁だけですと、何となくという感じです。だからといって、必要以上に、濃い味つけにするわけにもいきません。
自分は、この時季ならではということで、鱧の出汁と鰹出汁を合わせて、味を含めています。鱧の出汁については、こちらを。
ただ、このままでは出汁の風味が乏しいので、鰹削りと鰯削りを、キッチンペーパーに包んで、鍋に一緒に入れて煮ます。これを、“追い鰹”と言います。
頃合を見てから、火から卸します。このまま冷ますと、せっかくの青い色が飛んでしまうので、鍋ごと氷水にあてて、冷まします。
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料理によっては、温め直してからお出しすることもありますが、そのまま冷たいまま、お出しすることもあります。
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やはり、夏らしく、ガラスの器に盛り付け、青柚子の皮を卸したものを天にあしらいます。
冬瓜という野菜は、料理人の腕が分かる野菜の一つだと思っています。先程お話ししたように、味も素気もないので、出汁や味のつけ方に工夫が必要です。
また、温かく出す時もあれば、今日のように冷たいまま出すこともあります。それによって、下処理(皮など)の仕方も変えたりします。
また、冬瓜は、水分が多く、むくみを取ったり、利尿効果もあります。また、ビタミンCも豊富です。
さらに、夏野菜だけあって、身体を冷ます効果もあります。このことは、先日ビールについて、お話ししたことと全く同様です。
これからの時季、ご家庭でも冬瓜を是非料理してみて下さい。もちろん、“佳肴 季凛”でもお出しいたしますので、日本料理店ならではの仕事を施した冬瓜を味わってみて下さい。
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山くらげ

先日、提携農家の芦沢さんが、こんな野菜を持ってきました。もっとも、自分が注文したのですが・・・。
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五月に、芦沢さんの畑に行った時には、まだ大きくなる途中でした。
ところで、この野菜が分る方は、かなりの野菜通ですし、恐らく八百屋さんですら、知らない人が殆どのはずです。
名前は、タイトルにあるように、“山くらげ”です。“山くらげ”というと、乾物のものが、一般に流通しているので、ご存知の方も多いかと思います。こちらが、乾物の“山くらげ”です。
写真の“山くらげ”は、乾燥させる前の生のもので、そのまま食べることができます。
最初に、緑の部分=葉っぱを取ります。この葉っぱは、苦くて食べられません。
また、生の茎を切ると、苦い汁が出てくるので、虫がつかないというのです。ですから、無農薬で作ることが可能なので、芦沢さんのようなお百姓さんには、願ったり叶ったりの野菜とも言えます。
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葉っぱを取ると、本山葵のようです。この皮も硬いので、剥かなくてはなりません。
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厚いので、このように剥きます。そのままでも、食べることが出来ますが、それでは、芸もないので、お浸しにしました。
お浸しとお話ししましたが、茹でて醤油をかけるのが、お浸しではありません。湯がいてから、味をつけた出汁に漬けて、浸すからお浸しなのです。そのままでは、茹でただけで、お浸しでなく、ボイル○○(例えば、ほうれん草など)なのです。
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“山くらげ”の味ですが、殆どクセもなく、歯ごたえを楽しむといった食材です。
ところで、“山くらげ”はレタスの仲間で、もともとは中国原産の野菜です。しかも、昔は王様しか食べることの出来なかったやんごとなき野菜で、“貢菜(こうさい)”とも言われたそうです。
ただ、この“山くらげ”には、大きな欠点があるのです。使える部分が、非常に少ないのです。専門的に言えば、歩留まりが悪いのです。この歩留まりですと、筍なみの歩留まりのはずです。
ですから、買ってまで使う気にはなりません。使った以上、芦沢さんにも、今お話ししたような感想を伝えました。伝えると、芦沢さんも、「また新しい野菜作りますから、待ってて下さい。」とのことでした。
自分で言うのも何ですが、生産者=芦沢さんと、料理人=自分がこのように試行錯誤を繰り返していくことが出来るのも、これからの時代には必要なことだと思っています。
また、我々料理人は、生産者の代弁者でもあるわけですし、そうでなくてはなりません。料理人が料理を作るだけの時代は、終わりました。食材がなければ、料理は出来ません。
当然、食材を粗末に扱うわけにはいきません。ですから、少しでも良い物を求め続けていきます。なぜなら、そういう物を食べることが、身体にとっては何よりも優しいことですし、食べることの目的はそこにあるはずです。
それこそが、マクロビオティックの本質であると、自分は思っています。
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引き続き、畑にて

今日も引き続き、芦沢さんの畑でのお話しです。
昨日取ってもらった野菜の中に、スナップエンドウがありました。スナップエンドウの料理については、以前お話ししました。そのお話しは、こちらを。
5月も終わりになると、スナップエンドウや絹さやは、そろそろおしまいです。おしまいということは、簡単に言えば、年を取ることです。ですから、良い物が取れなくなるだけでなく、葉っぱや蔓も枯れてきます。
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上の写真にあるように特に、スナップエンドウ等の豆類は、葉っぱに白い斑点のようなものが出てきます。
当然葉っぱに元気がなくなってくれば、豆自体にも元気がなくなってきます。当然、味も落ちてきます。昨日取ったものは、その中でも、一番良い物でした。
芦沢さんも、「志村さん、これで最後かもしれませんね。金曜日の配達も、どうかって感じですね。」と言っていました。
そんなことを聞きながらいると、こんな野菜が目に入って来ました。
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空豆です。ご覧のように、サヤが空に向かって伸びるように生えるので、天豆とも言われています。また、その形が蚕に似ているので、蚕豆(てんまめ)とも呼ばれています。
何故だかわかりませんが、我々和食の世界では蚕豆と呼ぶことが、多いです。「てんまめ」とよぶと、「ん」がついえ、運が良くなることではないかと、自分では思っています。
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いきなりですが、「すり鉢」と「すりこぎ」です。一般には、そう呼ばれていますが、我々料理人は、「当たり鉢」、「当たり棒」と呼んでいます。
「する」が、「お金をする」に通じることから、縁起をかついで、「当たり鉢」、「当たり棒」と呼んでいます。恐らく、そんなことから、「てんまめ」と呼ぶようになったのかもしれません。
話しが逸れました。ところで、先程の蚕豆ですが、何となくというような気がしたので、芦沢さんに聞いてみました。
「あれって、もしかして失敗作?」
「・・・。はい。何でだか分からないんですが・・・。」
「来年、期待しますから。」
「そうして下さい。」
ちなみに、もう一人の提携農家の吉本さんも、今年の蚕豆は不作でした。そのお話しは、こちらを
こんなやりとりをして、思ったのが農業の難しさでした。野菜は収穫するまで、時間がかかります。種を植えたばかりでしたら、何とかなるのでしょうが、収穫間近になって、実が落ちたり、盗まれたりしたら、目も当てられません。
こういうことも、畑に行っているからこそで、店先に並んでいる野菜を買っているだけでは、作り手の苦労は分かりません。
我々料理人は、料理を作ることだけが仕事ではありません。生産者の代弁者でなくてはならないと思っています。
こういう風に、考えることが出来るようになったのも、お二人とお付き合いさせてもらうようになったからです。そして、作り手であるお百姓さんと、食べ手であるお客さんの間に立つ以上、料理人としてのバランス感覚を忘れないようにいたいものです。
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三週間ぶりの畑

定休日の今日は、午前中、提携農家の芦沢さんの畑に行ってきました。三週間ぶりの畑です。
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畑には、大麦が干してありました。脱穀した大麦は、麦御飯に使う麦に使ったり、焙煎して麦茶に使ったりします。
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この大麦は、六条大麦という種類です。六条と名のつくように、六列に麦が並んでいます。
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ただ、今日畑に行ったのは、新玉葱が取れ始めたからです。この場から、少し離れているので、車で行くことになりました。
すると、芦沢さんは、「志村さん、荷台でもいいかな?」と言うので、荷台に乗ることになりました。念のため、公道ではないので、全く問題ありません。
荷台には、ピーマンの苗とさつま芋の蔓がありました。
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こちらが、ピーマンの苗です。このピーマンも、夏になれば、“佳肴 季凛”にやって来ると思うと、生まれたばかりの赤ん坊を見ているような気になります。
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こちらが、さつまいもの蔓です。三種類ありました。秋から冬にかけて、収穫できます。こちらも、ピーマン同様、半年後のわが子です。その中でも、芦沢さんの作るさつまいもの一種である紫芋は、甘味とホクホク感が最高です。
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そんなことを思いながら、乗っていると、芦沢さんの田んぼを通り過ぎました。田植えはこれからで、6月13日にやるとのことです。
必要以上に田植えのことを聞くと、薮蛇になり、「志村さんも、手伝いに来てくれませんか?」と言われるのは火を見るより明らかなので、あえてそれ以上、聞きませんでした。
荷台から降りると、玉葱の植えてある場所に着きました。
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三週間前には、小さかった玉葱も、いつでも収穫できるほどの大きさになっていました。
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抜いてから、葉っぱを切り落とします。
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無農薬ですから、安心して、葉っぱも使えます。出汁を取るのに使うのと、賄いとして使うことも出来ます。そんなにかたくないので、かき揚げにすると、美味しく食べられます。
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当然、葉っぱもお持ち帰りです。
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その隣には、アーリーレッド(赤玉葱)もあったのですが、こちらは上手く出来なかったので、出荷できないとのことでした。
芦沢さんには申し訳ありませんが、お世辞にも、・・・・・。
新玉葱以外にも、色々と取りました。
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グリーンリーフ、じゃが芋、です。
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さらに、スナップエンドウ、絹さやです。これが今日の収穫でしたが、畑でのお話しは、まだまだあります。続きは、明日以降に。
  志村

スナップエンドウ

 昨日の最後に、存在感のある料理とお話ししましたが、そんな料理がこちらです。
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 “スナップエンドウの天ぷら”です。もちろんこの“スナップエンドウ”は、芦沢さんの畑で採れたものです。
 揚げることで、甘味が引き出されるだけでなく、衣に包まれているので、旨味が凝縮されています。召し上がる時に、軽く塩をつけると、一層甘味を感じることができます。
 ところで、”スナップエンドウ”、それとも”スナックエンドウ”、どちらでしょうか?正解は、”スナップエンドウ”です。一昨日のブログには、”スナックエンドウ”と書いたのですが、調べたところ、間違いでした、訂正させて頂きます。
 作り方は、ただ揚げるだけですが、“スナップエンドウ”は筋があるため、これを取らなくてはなりません。
 
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 ご存知かと思いますが、両サイドから取らなくてはなりません。
 もう一つの料理がこちらです。
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 ”スナップエンドウのお浸し”です。軽く湯がいて、塩、薄口醤油、味醂、日本酒であじを調えた出汁で軽く、煮含めるだけです。
 生で食べられるので、下茹でも軽くします。また、味を含める時も、沸いたところに入れ、すぐに火を止め、鍋ごと氷水にあてて、一気に冷まします。
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 冷めたら、バットに移して、冷蔵庫にしまいます。
 どちらの料理も、ごく簡単なものですが、素材が良いので、これ以上余分な仕事をする必要はありません。
 まさに、「素材に勝る味付けなし」そのもの料理ですし、“スナップエンドウ”の美味しさを味わうには、十分です。
 ところで、“お浸し”というと、茹でた野菜に、醤油をかけて、鰹節をのせた料理だと思われる方も、多いようですが、“お浸し”とは、この様に味をつけた出汁に、“浸す”から、“お浸し”なのです。
 芦沢さんによれば、5月中は、”スナップエンドウ”は取れるとのことです。是非、今が旬の本物の美味しさを味わってください。
  志村

続・久しぶりの畑

 昨日、芦沢さんの畑に行ったお話しをしました。その続きです。
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 畑の隅の方には、稲の苗を育てていました。芝生と見間違えそうです。そこを過ぎ、畑を歩いていると、自分の大嫌いなものがいました。
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 蛙です。こんな小さな蛙でも、駄目です。すっぽんは平気でも、どうしても、蛙だけは・・・。蛙に飛びつかれたら、気絶寸前間違いないので、気付かれないように、通りすぎると、こんなものが落ちていました。
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 蓮根のような、たわしのような?芦沢さんに尋ねると、「これ、大根なんですよ。抜いて、そのまま置いておくと、繊維だけが残るんですよ。」
 このように、大根の成れの果てを見るのも、勉強になります。この大根は、結果的に食べられることなく、畑が終の棲家となってしまいましたが、この畑で他の野菜の肥やしとなって、生まれ変わり、新たな野菜の一部に変わるのです。
 ある意味、野菜の輪廻転生とも言えます。その大根の亡骸の隣には、みずみずしい大根がありました。
 
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 その隣には、キャベツがありました。
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 無農薬ですから、当然虫に食べられます。しかし、無農薬、無化学肥料ゆえ、大きくなっても、葉っぱが硬くなりません。“佳肴 季凛”では、このキャベツを、浅漬けにしています。
 その隣には、グリーンリーフ(レタスの一種)がありました。
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 その場で、味をみたのですが、アクっぽくなく、特に茎の部分は噛むと、みずみずしく、甘味が口中に広がります。
 グリーンリーフを食べながら、隣の畑まで行くと、玉葱が植えられていました。まだ、小さかったのですが、試しに芦沢さんが抜いてくれました。
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 玉ねぎは、野菜の中でも、収穫までの期間が長く、収穫出来るまで、約半年かかります。そんな野菜作りの素人の自分が、こんな話しすると、「にんにくなんかも結構、時間がかかるんですよ。」と、教えてくれました。
 やはり、どんなものでもその場に行かなければ、分かりません。今の時代、一年を通じて、殆どの野菜を食べることが出来ます。しかしながら、こうやって畑に行ってみると、今しか食べられなくて、今が美味しい野菜を知ることができます。
 野菜というと、付け合せのように脇役的食材ですが、料理方法によっては、主役まではいかなくても、存在感を示すことも可能です。
 明日は、そんなお話しを・・・。
   志村

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