ホシザキ70周年記念ノベルティのキッチンタイマー&計算機
昨日、業務用厨房機器メーカーの『ホシザキ』の営業の担当者から、
このようなパッケージの箱を、もらいました。
中に入っていたのは、
キッチンタイマーと、
計算機でした。
それぞれのパッケージに、
70thという文字が書かれているように、
『ホシザキ』の70周年を記念したもので、『佳肴 季凛』で使っている『ホシザキ』の機器は、全部で6台あります。
1台目が、
食器洗浄機で、
HOSHIZAKIのロゴと共に、ペンギンのマークがついており、去年の夏に、購入し、納品の様子については、こちらをお読み下さい。
2台目が、
コールドテーブル(冷蔵庫)で、これも、
マーク付きです。
3台目は、
アイスクラッシャーで、かき氷を作るものですが、かき氷のためにあるものではなく、
刺身などを盛り付けるのに使うためのもので、
マークこそありませんが、ロゴ付きです。
4台目は、
氷繋がりということで、製氷機で、
もちろん、マークも付いています。
そして、5台目が、
生ビールと樽ハイのサーバーで、
サッポロビールのロゴの隣に、マークが付いています。
最後の6台目が、
裏の厨房にある冷蔵冷凍機で、左側が冷蔵庫で、右側が冷凍庫になっており、冷凍庫の上に、
同じ様に、マークがついています。
6台も使用しているヘビーユーザーということで、計算機1つとタイマー2つをもらうことが出来ましたが、
どちらも、
非売品でした。
計算機は、下の娘にあげたのですが、
税率設定機能がついていて、実用的なのは、業務用機器メーカーらしいのには、妙に感心してしまいました。
80周年の時は、一体どんなものがもらえるのか、楽しみですが、それと共に、当店だけでなく、自分も歳を重ねるわけで、地道ながらも、歩き続けられるよう、日々の精進と努力を怠ることなく、厨房に立ち続けます。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい.
『言祝ぎ』と『ふくはうち』の器
沼津魚市場の周辺には、包装資材などを扱う専門店があり、配達もしてくれるのですが、仕入れに行ったついでに、
立ち寄ることもあり、早朝ですので、この時季だと、まだ暗い時もあります。
12月になると、
店内には、お節料理や正月の御席で使うための小道具というか、飾りものが並べられます。
『佳肴 季凛』では、大晦日のお持ち帰り料理として、
揚物と焼物を盛り込んだ『言祝ぎ』と、
ふぐ料理の『ふくはうち』を御用意するので、
このようなものが必要ですので、買うことにしたのですが、決め事はなく、その時の気分で、自分が選ぶものです。
どちらも、持ち帰り用の料理ですので、器も使い捨てのもので、これらは、築地の包装資材店から、
取り寄せました。
中を開けると、
器と、
蓋と、
器が、それぞれ入っていました。
準備が整い、あとは、仕込みを始めるのみで、明日は、本年最後の営業日です。今年も終わりが、いよいよ近づいてきました。
万事休す、冷凍庫
夏休み2日目の朝は、アクシデントが、発生してしまいました。冷凍庫の異常が、確認されたのです。すぐに、専門の業者が来てくれたものの、どうにもこうにもならず、故障となってしまいました。
・・・・・、万事休す。
先週の時点で、不具合があったものの、部品交換しさえすれば、問題ないと言われていた矢先でしたので、奈落の底に突き落とされた気分でした。
そうは言っても、営業日でなかっただけでなく、昨日まで休みだった市場が、今日から開いていたのも、不幸中の幸いでもありました。
その時点で、市場の問屋に連絡を取り、冷凍庫の食材を保管してもらうことにし、その準備に追われ、急いで向かうことにしました。
着くと、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、
荷物を下ろしました。
卸し終えると、
崩れないように、大きなラップで、ぐるぐると、
巻いてもらい、
固定されました。ちなみに、
荷物は、この2つの山で、市場用語で2パレットと呼んでいます。
そして、荷物は、
リフトに積まれ、
冷凍庫に、
入っていきました。
中は、
マイナス30度で、様々なものが、保管されていました。
とりあえず、これで一段落し、お腹も空いてきたので、食事を取るため、市場周辺に向かうと、
駐車場は、どこそこ一杯でしたが、馴染みの問屋の駐車場に、
停めさせてもらうことが、
出来ました。
そんな状況ですので、市場近辺は、
お祭り状態で、
早朝の市場しか知らない自分にとっては、まさに別世界ゆえ、どこそこへ行っても、行列でしたので、いき付けの喫茶店で、
コーラフロートで、喉を潤したものの、空腹感は満たされず、
取り引き先の練り物屋さんの『やいづ屋商会』の出店に向かい、
色々チョイスして、
お昼もどきにしました。
朝からのバタバタで、飲まず食わずに近い自分は、
これまた、ビールもどきで、喉を潤しましたが、やはり、もどきはもどきで・・・。
普段なら、本物の泡にするのですが、仕入れ用の車は、マニュアル車ですので、慣れない真由美さんには無理なので、冷凍庫の故障同様、泣く泣く・・・・。(涙)
一人仕事をしていると、全てが、自己責任です。事無く、日々の仕事が出来れば、良いのですが、天気同様、雨が降ったり、風が吹くこともあります。
そんな時、今日のように、泣きたくなることもありますが、最近では、自ら、人生三種の神器と呼ぶ努力、忍耐、工夫を、思い浮かべると、何故か、不敵に笑う自分を、感じます。
不惑を超えて、図太くなったのか、鈍感になったか、丸くなったのか、それとも・・・・・。でも、そんな自分にしてくれたのは、お客様だと思います。
そして、自分以上に、泰然自若としている真由美さんの仕草に、男たるもののあり方を、教えられつつある今日この頃です。
新しい食器洗浄機
どんな職場でもなくてはならない存在があり、それらは、人間ではなく、道具や設備であることが多く、『佳肴 季凛』にもあります。
その一つが
食器洗浄機(食洗機)です。
『佳肴 季凛』にリニューアルする前からのベテランで、約20年も、ここに居座り、ただただ洗い物をしてくれていましたが、2,3年くらい前から、夏の時季になると、長年の疲れなのか、動きが悪くなっており、引導の渡し方を、頭の隅に置いていました。
それでも、老体に鞭を打たされ、騙されつつ、ここまで来てくれましたが、先週の半ばから、無理を強いても、応えらえない状況になったので、引導を渡しました。
そして、昨日のランチの営業後、新しい食洗機への代替わりをしました。旧型機は、
ガス設備も使っていたので、その取り外しから、始まりました。
それが終わると、
取り外すために、食洗機専門の業者が来て、
作戦会議をしていました。
会議終了後、
旧型機は、
台車に乗せられました。まさに、『ドナドナ』の心境です。
そんな様子を尻目に、
新型機は、灼熱の中、デビューを待っており、そんな新型機の居場所を、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、掃除してくれていました。
その後、
新型機が運ばれ、
様々な微調整が、
施され、
無事に、収まりました。
そして、
最終確認の後、
使い方の説明を、真由美さんと一緒に、聞きました。
新型機は、旧型機と異なり、ガスを使うことがないので、洗い場の仕事も、今までよりは、楽になり、
途中で、冷却水を注入する必要も、ないかもしれません。(笑)
新しい卸し金
【佳肴 季凛】で使う山葵は、ランチメニューの一部を除いては、
生の本山葵で、静岡県富士宮市産のものです。
刺身などに添える時は、その都度卸しています。卸す時は、より風味と粘りが出るように、卸し金の裏側で卸しているのですが、これまで使っていた卸し金が、
擦り減ってしまったので、
新しいものを、買うことにしました。というのも、これまで使っていた卸し金の表側では、目が粗いからです。
袋から出すと、
このような感じですが、使うのは、これまで通り、
裏側です。新品ですので、目が粗いのは、言うまでもありません。ですので、
これまでのものと、
新しいものとを使う“合わせ技”で、
これから暫くの間、卸すつもりです。
生山葵とか、本山葵と言われるように、その味わいは、やはり本物です。とりわけ、
“大間の鮪”のような生の天然ものに添えられた山葵が、粉山葵やチューブ入りの練山葵だったら、興ざめ以外の何物でもありません。
料理に限ったことではありませんが、感じ方、とらえ方は、人それぞれです。ただ、本物というものは、時に認められなくても、唯一無二のもので、その存在は、どんなことがあっても失われることはないはずです。そこに恋焦がれて、料理を作る自分にとっては、全てなのですが、そこに辿り着けなかったとしても、目指していることも、代え難い自分の本心なのです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)“春支度”を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
新しい出刃包丁
昨日の定休日は、東京・築地へ行って来ました。昨日の目的は、仕入れでなく、新しい出刃包丁を買うためです。
一口に出刃包丁と言っても、長さも様々で、自分が必要としていたのは、6寸(約18センチ)、ないし6寸5分(19,5センチ)のものです。
包丁屋さんの店内に入ると、早速出刃包丁を並べてもらいました。
ご覧のように、6本です。これ以外にも、在庫はあったのですが、鋼の種類が自分の好みでないので、あえて並べてもらいませんでした。
この中から、とりあえず選んだのが、この3本です。
どれも、6寸5分のもので、選ばなかったのは、6寸のものでした。
さらにこの中から、最後の1本を選ばなくてはなりません。持ったり、握ったりして、それこそ自分の感覚で選ぶのです。そうして選んだのが、
この1本です。とは言っても、これで決まりではありません。
自分の好みでは、柄が八角なものが好きなので、その柄に変えてもらうことにしました。
ご覧のように、左側が丸い柄で、右側が八角のそれです。柄を交換してもらい、すぐ使えるように、砥いでもらうことにしたのですが、時間も15分程度かかるということで、間を持たすために、入ったのが、ある鮨屋さんでした。
席に着くなり、自分が頼んだのは、小肌の握りでした。それだけでなく、あまりの寒さについ頼んだのが、熱燗です。
冷えた身体を芯から温めてくれるのは、やはり熱燗しかありません。しかも、昨日は車で出掛けていないので、心置きなく、熱燗を味わえます。
さらに、所謂“昼酒”ですから、酔うのも早く、何となく平和な気にさせてくれます。
ただ、ダラダラと飲むわけにもいかないので、あと幾つか鮨を握ってもらい、その鮨屋さんを出ました。そして、肝心の包丁を受けとって、築地を後にしたのでした。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)“春支度”を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
春には、まだ早いですが、吟味した食材で奏でる“身体にやさしい、美味しい日本料理”を、召し上がって、楽しい一時をお過ごし下さいませ。
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店主 志村
目の保養というより・・・
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今日は定休日でしたが、沼津の魚市場へ行って来ました。仕入れて来たのは、
御前崎産の“とらふぐ”を2本をはじめ、
富士市田子の浦産の“平目”などです。この他にも、いろいろと仕入れて来ましたが、今日のお話しは、魚がテーマではありません。
魚市場周辺には、包装資材や厨房道具を取り扱うお店もあり、そこに立ち寄ることもよくあります。
ただ、『佳肴 季凛』の営業日は、そこで必要なものだけを買うだけですが、時間に余裕のある時は、ちょっと寄り道をします。
寄り道と言っても、そのお店の店内の別フロアに行くだけなのですが・・・。
別フロアというのは、こんな感じの場所です。
器が、棚に所狭しと並んでいます。右側に目を向けると、
こんな感じです。その反対には、
こんな風に、並んでいます。どれも見本ですが、値段もつけられているので、買うことも出来ます。
ただ、我々のようなプロの料理人を相手にしている専門店ですから、値段もなかなかのものです。中には、一つ5,000円を越える器も、ごく普通に並んでいます。
こういう場所ですから、買う買わないはともかく、自分にしてみれば、目の保養をしてくれる空間であるのは、言うまでもありませんし、そこにいれば、時間は瞬く間に過ぎてしまいます。
そんな中、自分の目に留まったのが、この器です。
菊の絵が描かれているので、秋にしか使えない器です。
目に留まった以上、気になるのは、やはり値段です。裏返しにすると、案の定5,000円を越えていました。青息吐息であるのは言わずもがなです。
器というのは、ある程度までは、目を肥えさせるための空間であるだけでなく、その保養をしてくれます。ただ、ある一線を越えると、それだけではありません。
今日は買うことはしませんでしたが、これまでに高いを承知で買った器はいくつもあります。ここまでくると、保養を越え、毒ですし、それを承知で買うのは、病的状態です。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
皆様のお越しお待ち申し上げております。
(全9品 4,200円)
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店主 志村
撮影の手伝い
『佳肴 季凛』の日替わり情報は、Twitterをご覧下さい。
そして、もう一つ。今月の『旬の素材』を更新しました。本文の前に、お読み頂けたら、幸いです。
一昨日のことです。『佳肴 季凛』で、ちょっとした撮影がありました。撮影とはいっても、当店の宣伝や広告ではありません。
近くに工房を構える陶芸家の室伏さんの作品の撮影で、室伏さんの作った器に、料理を盛りつけるのお手伝いが、今回の撮影です。なので、その写真が載るのは、もちろん陶芸専門の雑誌です。
『佳肴 季凛』では、室伏さんの作った器を、開店以来、ティーカップや箸置など使っています。それについては、こちらを。
自分が料理を盛りつけ終わった頃、室伏さんをはじめ、撮影のスタッフの方達が集まり、個室でその準備が始まりました。
セッティングが終わり、料理が並べられました。
ご覧のように、二つの料理があります。一つは、
先日から、本格的に始まった“ふぐ料理”の華でもある“ふぐ刺し”です。ちなみに、当店の“ふぐ料理”については、こちらを。
さらに、今シーズンから、この器はデビューする“ふぐ刺し”専用のものです。
そして、もう一つの料理が、こちらです。
“金目鯛の錦秋餡”です。先月の『旬の素材』の食材でもある“金目鯛”のカマの部分を唐揚げにしてから、ほうれん草、ブナピー、食用菊の餡をかけた料理です。
今回撮影した写真が掲載される本は、来月出るとのことです。詳しい内容は、また改めてお話しします。
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店主 志村
新しいふぐ刺の器
定休日の今日は、仕込みを早めに終わらせ、普段“幽閉”されている『佳肴 季凛』を離れることが出来ました。
そんな今日出掛けた先が、近所に住んでいる陶芸家の室伏さんの工房でした。ちなみに、『佳肴 季凛』では、開店以来室伏さんの器の幾つかを使っています。それについては、こちらを。
そんな室伏さんの工房へ行ったのは、訳があるのです。一月にお邪魔した時、“ふぐ刺”用の器をお願いしていて、その試作品が出来たからです。
その試作品がこちらです。
目の前に置かれるやいなや、自分がしたのは、“ふぐ刺”を盛り付けるシュミレーションです。ちょうど一人前の分量でした。
本題が終われば、ものを作る職人同志、話題は尽きません。それこそ、時間は瞬く間に過ぎていくだけでなく、二人して無我の境地です。
また、陶芸家の工房ですから、自分にとっては、目の保養を越え、目の毒以外の何物でもありません。話には夢中でも、目の先は、器しかありません。
そんな自分の目の先を察した室伏さんが持って来たのが、
この器です。
「微妙にバランスが悪いので、売り物になんないんですよ。チップ(欠けている部分)は無いんだけど、良かったら持ってきます?」と、言ってくれました。
よく見ると、イマイチですが、料理を盛り付ける点では何ら問題ありません。ですから、それを確認するやいなや、
「(室伏さんの)気が変わらないうちに、もらっちゃいますよ。」と言うと、
「大丈夫ですよ。是非使って下さい。」と有難いお言葉です。
そんなこんなで帰ろうとしていると、目にしたのが、
余ったり、半端の土で作ったものです。
それを見ていたら、室伏さんが
「これって、不揃いだけど、ゴム紐を通すと、ヘアゴムになりますよ。奥さんにどう?」と、見せてくれました。
「いいですねぇ~。少し売って下さい。」
「どうぞ、どうぞ。」
と、これで日々の我儘と悪態を許してもらおうと思っていると、見抜かれたのように、愛妻(!?)兼女将からの電話が鳴りました。
恐るべし、女の勘・・・・・。
何だか話が逸れましたが、この新しい器のデビューは、“ふぐ”の季節には間に合うとのこと。今から楽しみです。
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店主 志村
鍋磨き
包丁を砥ぐのが、
その日の最後の仕事で、どんなに遅くなっても、欠かすことはしません。料理人である以上、魂と言うべき包丁をぞんざいに扱うことは出来ません。
また、砥がないで、そのままにして仕事を終えれば、明くる日の仕事は、包丁を砥ぐことから始めなくてはならないからです。
急な仕事が入った時に、そんなことをしていたら、仕事が遅れてしまいますし、プロである以上、常に「いざ、鎌倉」に備えるのは、当然の心構えですから、何があっても、包丁を砥がずに、仕事を終えることをしないのは極当たり前のことです。
包丁と同じ位に大事な道具が、鍋です。鍋と言うと、一般には洗うものだと思われがちですが、料理人にとっては、包丁同様、鍋は砥ぐとまでは言いませんが、磨くものなのです。
包丁のように、毎日磨くことはありませんが、時間に余裕がある時は、磨くこともしばしばです。
これが、
使った鍋です。洗ってはあるので、汚れていません。これから、この鍋を磨くのです。磨く時は、爪や指の間が黒くなってしまわないように、
手袋をします。
磨く時は、
目の細かいスチールウールで作られた“ボンスター”を使います。
これを適当な長さに切って、クレンザーと酢を混ぜたものを、つけながら磨きます。
このように滑らないように、鍋の下に、使い古しのタオルを敷きます。このまま、ひたすら磨きます。
鍋がきれいになったら、水で洗い流してから、普通の洗剤で洗います。その後、タオルで拭いて、ようやく一丁上がりです。磨き終えた鍋は、
こんな感じです。新品同様の輝きです。
ところで、お気づきかもしれませんが、日本料理で使う鍋は、このように取っ手がついていません。「どうやって持つの?」と、思われるかもしれませんが、
このようにして、持つのです。この道具は、“やっとこ”というもので、
ペンチのようなものです。取っ手がないので、このように、重ねることが出来るので、片付ける時も、場所を取らないので、都合がいいのです。ちなみに、手が無い鍋なので、“だるま鍋”とも呼ばれています。
どんな凄腕の料理人でも、鍋が無ければ、芋一つ煮ることは出来ません。ですから、ぞんざいに扱うことは出来ません。
また、本当に美味しいかどうかはともかく、きれいな鍋で、料理が作られれば、美味しく感じられるはずです。衛生面から見ても、然りです。
少なくとも、自分がお客として、食べる時は、そうあって欲しいと思っているので、きれいな鍋で料理を作るのです。
また、自分で食べて、美味しいと思うものをお客様にお出しするのが、自分のスタイルですから、そうしないと納得がいかないのです。
プロの料理人である以上、どんな小さな道具でも、大事にする気持ちだけは、いつまでも失いたくありません。なぜなら、そこがプロのプロたる所以だからと、頑なに信じているからです。
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店主 志村