和歌山県&愛知県産の鱧(はも)
今朝は、
沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。ただ、先週末の台風と三連休の影響もあり、鱧の入荷も心配でしたが、
山口県産や、
大分県産の鱧が、入荷していました。今日は、鱧料理の御予約もあったので、昨日の時点で、前もって、注文をいれておき、別の売場に向かうと、
既に、
このように用意されており、この鱧は、
和歌山県産のものでした。その後、ひと通りの仕入れを終え、魚市場を後にしましたが、【佳肴 季凛】に戻る前に、宅配便の営業所に寄り、
愛知県からの荷物を受け取りました。
【佳肴 季凛】に着くと、
袋から取り出し、和歌山県産の鱧は、
そのまま水槽に入れておきました。また、発泡スチロールの中には、
活〆にされた愛知県・三河一色産の鱧が、
6本入っていました。これらの鱧は、このようにお腹を裂き、胃袋だけ取り除いてもらってありました。
このようにしてあるのは、胃袋に餌が残ったまま、死んでしまうと、その臭いが、身についてしまい、使いものにならないからです。ですので、活〆でも、死んだ鱧を扱う時には、どうしても注意しなくてはならない点でもあります。
そのまま、腸を抜き、水洗いしてから、
卸し終えたら、とりあえず冷蔵庫へしまいました。その後、水槽に入れておいた鱧を卸すために、
水槽から取り出し、
〆てから、
脊髄に、細い針金を突き刺し、神経を抜きました。ただ、鱧は長い魚ですので、
尻尾の方からも、このようにしました。このようにすることで、死後硬直を遅らすことが出来、身の鮮度を保つことが出来るのです。
ただ、今日の鱧料理のお客様は、お昼でしたので、戻ってきた時点で、〆ても、問題は無いのですが、より美味しいものをお出しするためには、出来るだけ、その時間を考えなくてはなりませんし、分かっていながら、そのようなことをすれば、当然、料理の味は落ちます。
「料理ではなく、美味しい料理を作るのが、料理人の仕事」ということを、師事した親方に教えられた自分としては、出来る限り、ギリギリのところで、仕事をしたいので、どうしても、手間がかかることもあります。これをないがしろにすることは、確信犯というより、料理人の魂を売っているとしか、思えないのです。
水洗いをした和歌山県産の鱧を、
卸し終えたら、
今度は、骨切です。落とし用に、
骨切りをし終えたら、今度は、愛知県産の鱧を、
鱧しゃぶをはじめ、
天ぷらや、
御食事の鱧茶漬にするために、骨切りをし、準備をし終えた頃には、お昼の営業時間となり、御予約の鱧料理のお客様も来店し、落としにした和歌山県産の鱧をはじめ、
生の南鮪(オーストラリア)、小肌(佐賀)、帆立(北海道)の四種盛りをコースの刺身としてお出しました。
お昼の営業が終わると、
アラの部分を、出汁を取るために、掃除したり、
焼いたりし、ようやくお昼の仕込みは、終わりました。
今日のお話しをお読み頂ければ、当店の鱧料理のページにも書いてあるように、鱧料理が、その日の仕入れや仕込みに、大きく左右されることがお分かり頂けると思います。
このことは、鱧に限らず、天然素材ゆえの避けられないことでもあるので、ご理解を頂けると、幸いです。
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