グローバルナビゲーション
  • 昼席
  • 夕席
  • ふぐ料理
  • はも料理
  • 西京漬
  • 鰯の丸煮
  • マクロビオティック
  • ブログ

もっとおいしいお話し

HOME ≫ ブログ ≫ さらなる時化ながらも、救いの神の(さわら)

さらなる時化ながらも、救いの神の(さわら)

Vol.4279

いらっしゃいませ

マクロビオティック(玄米菜食)を

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし 

天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(1月26日)は

さらなる時化の隙間を

かいくぐって入荷した

鰆について

お話しします。 



今朝の沼津魚市場は



予想はしていたとは言え


ガラ~ン。


太平洋側がダメでも

日本海はOKだったりするのですが

ここまでの状況は

台風の時季でも

なかなかありません。 


ただただ、昨日の時点で

“水揚げさえあれば・・・”的な

注文というか

相談をしておいた問屋の売場に行くと


わずかに積まれたスチロールがあり



その奥に

三重県熊野産の鰆(さわら)が

入荷していました。 


「季凛さん

鰆が来ているよ。」

と、売場の担当者。 


「あんな状況だから

あえて電話しなかったけど

あって良かったよ。」 


あえて訊かなかったのですが

スチロールに

キリンと書いたのは

荷主のよう気がしました。 


というのも

1,7キロという小さい鰆は

殆どの場合

2、3本を一つにして

入荷して来るだけでなく


1本入りの場合

割高になることを承知上での

特注のため

荷物が紛れないようにしたからです。


また、昨日の時点で

“あれば”的な注文をしておいたのは

昨日も入荷があったからでした。

無いながらも

魚市場に来たことが

功を奏し

その日の魚を仕入れるだけが

魚市場に来る目的ではないのです。 


こんな状況の魚市場でしたので

仕入れを終え

戻ると



夜明け前の6時過ぎ。


寒さと眠さのWパンチで

とりあえず、仮眠を取ることにしました。




鰆を見ると


熱血君が

「おはよう、親方🐡

とりあえず、仕入れたい魚があって

良かったじゃん。

救いの神だね!」

と、話しかけてきました。 


「おはよう🐡

無くても、どうにかなるけど

あって良かったよ。」 



「今朝のサワラは

時々仕入れるものよりも

ずっと小さいけど・・・。」 



「時々仕入れるのは

コース料理の西京焼用だけど

今朝のは

刺身用だから

あえて小さい鰆にしたんだよ。」


「そうなんだぁ~。」 



「余分な話だけど

小さい鰆のことって

何て呼ぶか知ってる?」 


「sawaraじゃね。」



「それって

小文字しかも

ローマ字表記じゃん!(笑)」 


「冴えているかと

思ったけど、ハズレ?」 


「ハズレだね、残念だけど。

さごしって呼ぶんだよ。」 




「どう意味なの?」

「狭(さ)腰(こし)

要は狭い腰周りが転じて

さごし、さごちとも呼ぶんだよ。」 


「へぇ~。

じゃあ、サワラは?」



「狭(さ)腹(はら)で、さわら。」


「意味としては

サゴシもサワラも

同じじゃん。

でも、サハラ砂漠は

広いけど。(笑)」


「ぜ~んぜん、違うけど。

もっと言うと

サハラ砂漠のサハラは

砂漠を意味するんだって。」



「砂漠砂漠?

変な四文字熟語じゃん!(笑)」 

水洗いまで終えた鰆は


片身だけ卸し


骨付の身の方は

尾の部分と切り分けました。 


というのも

先端の方は筋っぽいので

刺身には、不向きだからです。 


骨付の身は

このまま

氷詰めにしておくので


中骨の部分に

針金を通し

血抜きをしておきました。 

さらに

尾の部分を下向きにし

血を抜きます。 



「どうして、こんなことするの?」 



「血は内臓みたいなものだから

残っていると

生臭みだけじゃなく

鮮度が落ちやすくなるからだよ。」 


「ここまでするんだぁ。」 



「そうだよ。

命ある魚だよ。

出来るだけ

丁寧に扱って

美味しく食べてもらいたいからね。」 


「ふぅ~ん。」


粘膜や余分な水分を取り除いたら

キッチンペーパーに包み

弱めの真空パックをしたら


氷詰めして、冷蔵庫へ。

「こういう風にすると

持ちが違うの?」


「そりゃ、違うよ。

凍るまいって根性が

頑張るからね。」 


「マジな話なの、それって?」



「そうだよ。

ちゃんとした

科学的な根拠だよ。」


「へぇ~。」 


「凍らない0度だから

水分が行き渡って

例の根性で

細胞内の不凍物質を作るからだよ。

普通に冷蔵した場合の

2~3倍は持ちが良くなるよ。」 


「すげぇ~。」 



「良いものをより美味しく

漁師が獲ってくれたものを

大事にしてこその料理人だよ。

ましてや、この時化だもん

粗末に扱えないからね。」 


「そうだね。」 


卸し身の方は

背と腹の部分に柵取りしたら

皮に包丁目を入れ

氷に乗せたら


バーナーでFIRE🔥


すぐにひっくり返し

粗熱が取れたら

水気をふき取り

冷蔵庫へ。 


全国的な大時化ながらも

昨日の鯵といい

今日の鰆といい

無事に仕入れをクリア出来ました。


その労をねぎらい

昼ご飯は

鰆と


鯵で

ハーフ&ハーフ丼を仕立てました。 




「親方はてんこ盛りの丼だけど

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG2504.jpg

真由美さんは

食べ過ぎちゃうから

別盛なんだよねぇ~。」 



ちなみに、真由美さんとは

女将兼愛妻(!?)のことです。 


SNSで繋がっている

全国各地の漁師や魚屋さんも

この時化には

かなり悩まされたようですが

天気予報によれば

週明けには

風も収まるとのこと。 

魚市場らしい状況を

期待するばかりでなりません。



「明日は

お弁当あり🍱


法事あり


バスあり🚌なんだ~

頑張ってね。」 byミニふぐちゃん 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このページの上へ戻る