2週間振りの休市日の鱧
昨日お話ししたように、活かしの鱧を仕入れるため、今朝は、休市日ですが、沼津魚市場に仕入れに来たのですが、休市日に来るのは、2週間振りのことで、その時の様子については、こちらをお読み下さい。
休市日ですので、駐車場は、
ガラ~ン。
活魚売場に行くと、
生簀の前に、
輸送中に死んでしまった落ち鱧があり、【47-9】というのは、魚市場での買い番です。
落ち鱧は、活かしの鱧が入荷していても、必ずしもあるものではなく、その時次第で、魚市場に向かう途中に、連絡があったので、仕入れることにし、山口県産のもの、5本ありました。
生簀を確認すると、
活かしの鱧(中国産)があり、
そのまま発泡スチロールに移し、
帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると、
夕方まで、水槽に入れておき、一昨日仕入れた2本もあるので、合計3本になりました。
夕方になり、
3本全て、
締めてから、卸し、
落とし用に包丁しておきました。
お客様がお見えになってから、落としに仕立て、刺身に盛り付けるので、
刺身は、鮪だけ盛り付け、冷蔵庫にしまっておきましたが、今日の鮪は、
ニュージーランド産の生の南鮪で、今朝、築地から入荷したもので、その中とろの部分で、常温だったら、
溶け出しそうなほどの脂の乗り具合で、南鮪は、その名の通り、南半球に棲んでおり、これから冬を迎え、海水温も下がっていくので、脂がさらに乗り、いわゆる旬の魚ということになります。
ちなみに、今日のお昼は、南鮪と昨日のわらさで、
丼にし、先程お話ししたように、かなりの脂ですので、わらさの味がしないくらいでしたが、天然ものゆえ、嫌味は一切ないのが、本物の味わい以外の何ものでもありません。
お客様がお見えになり、頃合いを見計らい、
落としに仕立て、
小肌(佐賀)、湯葉と共に盛り付け、そのままお出ししました。
鱧を直前に落としに仕立てるのは、落としにしたものを冷蔵庫にしまっておくと、ゼラチン質が固まってしまい、食感を大きく損ねるからです。
他のお客様のお料理と重なってしまうと、忙しないのですが、美味しくないものをお出しするわけにはいかないので、手抜きは出来ません。
また、今朝のように、結果として、5本の落ち鱧も加えたので、6本の鱧を仕入れたのですが、予定では1本で、たとえ1本でも、仕入れに行くのも、全く同じことです。
前日に仕入れて水槽に入れておくこともしたことがあるのですが、市場の落ち鱧のように、死んでしまうのは、商売上有難くありませんし、朝仕入れたものが、夕方までに死んでしまうのは、前日よりもリスクが低いので、仕入れに行くことにしています。
本物をお出しする以上、手を抜くことは出来ませんし、そこにこそ、自分の立ち位置があるので、如何せん譲ることは出来ないのです。
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