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もっとおいしいお話し

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ころがし

 沼津の魚市場は、漁港も隣接しているので、その場で水揚された魚もセリ場に並びます。
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 左側が、”スルメイカ”で、右側が”ウマヅラハギ”です。
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 これは、”ホウボウ”です。三月の”旬の素材”でもあります。この箱には、15本くらい入っています。
 これらのように、数や目方がまとまると、それだけでセリにかけられますが、同じ種類の魚がそれなりに獲れるわけではありません。
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 右側が、”ごまさば”です。左側が、”タイ”と”?”。”?”は”エボダイ”のような・・・。分かりません。
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 その先には、”カワハギ”、”カマス”、”?”。これまた分かりません。
 これらのように、数や目方が揃わない魚のことを、沼津の魚市場では”ころがし”と呼んでいます。
 ”ころがし”は、それこそ小物ばかりなので、買い手もほとんどつかないので、値段も二足三文どころか、子供のお小遣いにも劣ります。
 鮮度は良いのですが、使い勝手はてんでダメで、それこそ、賄い用のためのようなものです。自分も何度か仕入れましたが、今お話しした通りでした。
 魚市場には、普段使っているような言葉が、特殊な意味というか、市場の中でしか通用しない意味で使われることもしばしばです。
 最近では、そんな言葉も聞き慣れましたが、その語源や本当の意味はどこにあるのか、と思うこともよくあります。
 そう思うと、魚市場はある意味”ミステリーワールド”なのかもしれません。そんな場所に、心惹かれる自分は、一体・・・?
  志村
 
 

からとり

 この時季になると、殻つきの鳥貝が入荷してきます。この殻つきの鳥貝のことを、市場では”からとり”と呼んでいます。
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 主な産地は愛知県で、こんな風に海水の中に入ったままで、入荷してきます。
 ですから、仕入れる時は、その大きさ等に注意するだけでなく、水が貝殻に入ったまま、量りにかけないように、逆さにして、水をこぼします。中に入ったままですと、目方が増えてしまうから、こうするのです。
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 殻つきですから、殻から身を外さなければ、なりません。
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 今度は身を開くのですが、まな板の上で直にのせてしまうと、鳥貝の命と言うべき、黒い色が剥げ落ちています。これを、”はげとり”と呼んでいます。
 ”はげとり”は、自分が勝手に呼んでいるだけです。(笑)
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 そのため、アルミホイルやラップの上で開くのです。
 その次に、中の”わた”の部分を、塩と酢の入った水の中で洗ってから、塩と酢の入った熱湯で、軽く湯がきます。
 時間は大きさにもよりますが、ほんの数秒程度です。
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 こちらが、鳥貝の刺身になります。
 ところで、鳥貝はこんな風に、開いたもの売られています。
 
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 同じように愛知県産ですが、加工地は千葉県と書かれています。また、鳥貝は輸入物もあります。それがこちらです。
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 韓国産です。
 両方とも、生のものですが、開いてあるものはどうしても、風味に欠けます。ですから、美味しくありません。
 さらに、鳥貝というと、固いというイメージを持っている方が多く、固いだけでなく、味も素っ気もないものと、思われています。
 ここには、写真がありませんが、開いたものを冷凍したものが、固い鳥貝の正体で、”ゴムトリ”とか、”ガムトリ”と呼んでいます。これまた、自分が勝手に呼んでいるだけです。
 文字通り、ゴムやガムのように固いという意味です。
 鳥貝に限らず、どんなものでも、最初に食べた時の印象で、その本当の美味しさを知らないでいてしまうことが、多いものです。
 ”佳肴 季凛”では、素材の持つ本来の味を堪能できる食材を、自ら選んで仕入れていますので、鳥貝に限らず、本物の美味しさを味わって下さい。
 ちなみに、”からとり”は入荷もまちまちなので、ない時はご勘弁を。
  志村

鳴き声の源

 ”佳肴 季凛”の3月の旬の素材は、”ほうぼう”です。
 ”ほうぼう”は、あまり大きくならない魚ですが、刺身にするには、0,5キロ以上のものが、理想的です。言うまでもありませんが、美味しいからです。
 ですから、自分が仕入れる”ほうぼう”は、それ以上のものです。
 
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 この”ほうぼう”は、2本で1,4キロですから、1本0,7キロのもです。
 小さいものですと、こんな感じの大きさです。
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 1本が0,2キロなります。こんなに小さいと刺身にとれるのは、ほんの少しで、一人前が精一杯といった感じです。
 
 ところで、”ほうぼう”は、自身の浮き袋をつかって、”ボウボウ”と、鳴くのです。これが転訛して、”ほうぼう”と言う説もあります。
 ”ほうぼう”を水槽から出したところです。
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 これが、締めたばかりの”ほうぼう”の姿です。
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 卸すと、お腹の中にこんな感じの浮き袋が入っています。
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 最初の写真のように、市場の生簀にいる時は、なかなかその鳴き声を聞くことができませんが、水槽にいれておくと、はっきりとその鳴き声を聞くことが出来ます。
 ちなみに、こちらが”ほうぼう”の身です。
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 2種類並んでいますが、上が”ほうぼう”で、下が”ひらめ”です。一般の方で、これを見ただけで、その魚が分かったら、かなりの白身通です。
 一口に白身といっても、色々ありますが、自分が一番好きなのは、この”ほうぼう”です。
 だから、こんなふうに、お話ししたくなるし、写真に収めたくなるのです。
 今が旬の”ほうぼう”を、是非召し上がってみて下さい。ただ、自分の気に入ったものが無い時は、仕入れてこないので、お許しを。
  志村
 

湾内もの

 毎年2月の終わり頃から、ホタルイカが入荷してきます。
 ホタルイカと言うと、富山湾が有名ですが、ホタルイカは北陸から山陰にかけての日本海でも獲れます。
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 こちらが、富山湾産のもので、”湾内もの”と呼ばれます。
 一方こちらが、日本海産のものです。
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 これだけでは、分からないので、もう少し近くに寄ってみます。
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 ご覧のように、兵庫県産です。
 
 どちらも、ホタルイカですが、”佳肴 季凛”では、富山湾産のものしか使いません。理由は美味しいからです。
 ということは、日本海産は美味しくないのでしょうか?
 語弊はあるかもしれませんが、美味しくありません。当然値段も、大きな差があります。この時季ですと、3~4倍くらいの差があります。
 また、この時季になると、スーパーの鮮魚コーナーにもホタルイカが並び、その殆どが日本海産です。ご覧いただければ、お分かりになると思います。
 その違いは、まずその大きさです。富山湾産のものは、一回り大きく、ホタルイカの味の決め手である”わた”の量、甘味も全然違います。
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 ”佳肴 季凛”では、昨日お話したように、目玉、くちばし、軟骨を取り除いてあるので、食べやすいはずです。
 これから旬を迎える、富山湾産のホタルイカを、是非味わって下さい。
 志村
 
 

魚の産地

 活魚とは、文字通り活きている魚のことです。沼津の魚市場の場合、地元産が中心ですが、ふぐをはじめとする活魚は、同じ静岡県でも、御前崎産のものが多く、良い魚が多く入荷します。
 ただ、魚(ふぐ、はも、養殖の平目など)によっては、中国、韓国産の入荷もあります。
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 今朝は、鯛(たい)、鱸(すずき)をはじめ、何種類か入荷していました。”佳肴 季凛”で刺身に使う白身は、このような魚を仕入れてきます。
 言うまでもありませんが、市場に入荷する魚は、活きたものだけではありません。野締め(死んだ魚)や、冷凍のものの方が、ずっと多く、それらが殆どです。
 特に、干物のような加工した魚の産地は、様々です。
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 ”鰯(いわし)の丸干し”です。千葉県産、三重産です。
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 この”カワハギの醤油干し”は、ベトナム産です。
 その隣には、”カレイの干物”が並んでいました。
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 オランダ産です。
 これだけでは、ありません。ノルウェー、中国、アラスカ、タイ、チリ、韓国、モロッコ、・・・。地理の授業ではありません。すべて、魚の産地です。
 ここにはありませんが、干物の定番と言えば、”鯵(あじ)”です。現在、普通に売られている鯵(あじ)の産地の殆どが、オランダ産です。
 また、冷凍エビは、東南アジア産が、殆どです。
 これらの写真には、書かれていませんが、加工地も日本国内だけではありません。そうでないものの多くは、中国です。
 これが、今の日本の水産業の現状です。もっと言えば、農業も同様です。その是非を話し始めてしまうと、きりがないのでやめておきます。
 本物の素材の味を、ご堪能して頂き、満足してもらうのが、料理人です。
 何度もお話ししていますが、料理人とは、料理を作る人ではありません。美味しい料理を、作ってこそ料理人です。
 そのために、不肖・志村は日々料理道に邁進するのです。
  志村

市場にあっても・・・。

 ”築地編”のお話しが続きましたが、今朝はホームグランドである沼津の魚市場へ、仕入れに行って来ました。
 沼津の魚市場は、漁港も隣接しているので、その日に水揚された魚も、セリ場に並びます。
 ちょうど、市場に着くと、伊佐木(いさき)が沢山水揚されていました。
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 伊佐木は夏が旬なのですが、ここ最近、よく入荷しています。また、自分も良いものがあれば、仕入れています。先月お話しした伊佐木については、こちらを。
 これだけあると、相場も安そうなので、仕入れようと思って、近づいてみました。
 よく見ると、この伊佐木は、”トメ”です。”トメ”とは、遅れて入荷した古いものを言います。
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 ご覧のように、目は白く濁っています。船の中の生簀で、”トメ”られていた魚です。
 鮮度も落ちていますし、味も同じです。仕入れるまでもありません。このように、市場に並んでいるからといって、新鮮なものとは限りません。
 魚の良し悪しを見極める目を養うため、自分は市場に行くのです。そうして、出来るだけ良い魚を求めるのです。それが、いわゆる”目利き”です。
 料理人としては、まだまだです。というより、いつまでもまだまだという気持ちを持ち続けて、いきたいものです。
  志村

半年振りの築地

 昨日お話ししたように、今日は東京・築地へ行って来ました。開店直前に行って以来ですから、約半年振りです。案の定、昨日の夜は嬉しさのあまり、大して寝れず、朝3時前には、起きてしまい、予定よりも1時間も早く、出発しました。
 当然、築地に着いても、まだ真っ暗でした。
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 買出しに来る人も、まだいません。
 場内も、人はまばらです。
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 今日の一番の目的は、まぐろの仕入れです。”佳肴 季凛”では、開店以来、大間を始め、”生”の本まぐろを使っています。
 何はともあれ、まぐろ屋に向かいました。、まぐろ屋に着いた時、ケースにまぐろが並び始めました。
 ここ最近使っているのが、この写真の長崎・壱岐産の本まぐろです。
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 ”生”のまぐろの赤身や、切り落としの部分は、ランチメニューになるのは、以前お話ししたことがあります。
 それらの殆どが”山掛け”になるのですが、”生”を使っていると、ランチ・メニューのバリエーションが少なくなってしまい、作る側の自分としても、モチベーションが上がらないのが、本当のところです。
 もっとも、お客さんには、ランチでも”生”のまぐろが食べられるので、喜んで頂いてはいるのですが・・・。
 そのため、”生”の入荷が無い時や、メニューに変化をもたせるため、”冷凍”のまぐろを、秘密兵器とまではいかなくても、ピンチヒッターとして、使うことにしました。
 使うまぐろは、脂の乗りが強い”南まぐろ”、通称”インドまぐろ”です。ちなみに、南アフリカ・ケープタウン(通称 ケープ)産です。
 ”冷凍”も、”生”同様、塊で仕入れるのですが、ロスを減らすため、柵にとってもらいます。
 
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 先ず、最初に赤身の部分を取ります。この赤身の部分を、”テンパネ”と呼びます。
 それから、中トロの部分を柵にとります。
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 そして、最後に量りにかけます。今回の目方は、約6キロでした。若干大きいような気もしましたが、ピンチヒッターはいつ何時、必要になるのか分からないのと、試しも兼ねているので、多目にしました。
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 生”と”冷凍”を使い分けることで、色んな種類の魚を、これからの時季、お出し出来そうなのが楽しみです。特に、これから入荷して来る初鰹なども、そんな魚の一つです。
 次回のお話しも、”もっと美味しいお話し・築地編”です。
 志村
 

旬はまだですが・・・

 魚市場には、時季外れの魚も、入荷してきます。時季外れだからといって、必ずしも味が落ちるということはありません。
 そんな魚の一つで、ここ最近入荷が多いのが、伊佐木(いさき)です。伊佐木の旬は夏で、”夏の伊佐木は、鯛より美味しい”という言葉もあるほどです。
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 この伊佐木は、伊豆大島産なので、鮮度も抜群です。魚に限らず、食材は鮮度が命です。当然刺身でも、食べられますが、刺身にするには、”活け”のものでないと美味しくありません。
 また、昨日は、”活け”の伊佐木も入荷していました。
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 ただこの伊佐木は、養殖もの(愛媛産)です。
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 養殖の伊佐木は、天然ものに比べ、黄色の背びれが、鮮やかです。
 自分は、昨日のような伊佐木は、焼物用に仕入れてきます。鮮度もいいので、そのまま塩焼でお出ししています。
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 単品ものは、このように姿のままです。一本が、300グラム位の大きさです。また、会席のコースの焼物でも、召し上がれます。
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 会席の場合は、三枚に卸し、このように半身(はんみ)を、一人前としています。
 前から、何度かお話ししていますが、この時季は端境にあたるので、伊佐木に限らず、食材選びには、幾分苦労します。
 そんな悩みも魚市場に、足繁く通うことで、解消できるわけで、それが自分の中では、ある意味”ストレス解消”でもあります。
 志村

養殖の銀鱈

以前、銀鱈についてお話しをしたことがあります。
その時に生で食べられる養殖の銀鱈についてもふれました。今朝、沼津の魚市場へ行くと、その銀鱈がありました。
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”カナダ産 養殖”と書かれています。
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こんな風に、ポップつきです。魚市場の人に聞けば、なかなかの人気とのことです。そうと聞けば、後の展開は予想がつくと思います。
そうです。”食べたことのないものは、一度は食べなければ気が済まない”シリーズです。
ただ、この銀鱈に関しては、買うのに躊躇しました。というのも、養殖ものだからです。養殖ものですから、味に関しては、予想がつきます。
そんな風に悩んでいると、次々に売れていくのです。とうとう最後の一本になってしまいました。そうなってくると、買いたくなるのが人情というものです。
”だめもと”で買うことにしました。
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店に戻り、まな板の上に置いたところです。頭というか、顔はこんな感じです。また、ノルウェー・サーモンのように、はらわたは抜いてあります。初めて、見る姿です。
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お腹の様子も、冷凍の銀鱈と同じです。早速卸してみました、”生”で食べられるのが、この銀鱈の”売り”ですから、一応食べることにしました。これが、卸して、皮を引いた身です。
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ご覧のように、白身ですが、銀鱈だけあって、脂が乗っています。ただ、皮を引いてから、匂いを嗅いでみると、やはり養殖の魚の匂い(養殖臭)がします。
乗り気はしませんでしたが、味見をしなければ、意味がありません。一切れ、食べてました。
「・・・・・。」
養殖の魚そのものです。美味しくありません。試しに焼いてみましたが、案の定美味しくありません。生で食べても、美味しくなければ、煮ても焼いても美味しくないのは、ごく当然のことですし、やはり、皮目の養殖臭が気になります。
でも、一つだけ、長所がありました。冷凍の銀鱈と違って、見割れしにくいのと、水分が多くないことです。ただ、自分は使う予定もないので、どうということはないのですが・・・。
食べたのは、ほんの数十グラム。残った身は、子供のお弁当用に、”佳肴 季凛”の女将にして、志村家の母である真由美さんに、買い取ってもらいました。
何はともあれ、食べたことで、納得しました。もっとも、そのため”だけ”に、仕入れてきたのは、お分かりだと思いますが・・・。
志村

早過ぎです。

 魚市場にはいろんな魚が並んでいます。旬の魚、別の言い方をすれば、”さかり”の魚が中心となります。とは言っても、時季はずれの魚が、沢山入荷することもあります。
 また、時季はずれというより、旬を先取りした”はしり”の魚の入荷も、ここ最近、目にします。
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 そんな魚が”かつお”です。
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 向こうも、”カツヲ”です。
 試しに仕入れてきたのですが、イマイチでした。というのも、水揚げされて、その日にセリ場に並んだものではないからです。こういう魚のことを、”トメ”と言います。
 ただ、今日和歌山産の鰹を、仕入れてみました。鮮度は抜群で、鰹独特の風味を、味わえました。ただ、お客様にお出しするのは、自分としては、気乗りしませんでした。
 ですから、ここで写真もアップしません。というより、お客様に出せないようなものを、見せるわけにはいきません。やはり、幾分早過ぎます。
 恐らく、もう少しすると、お出しできるような鰹も入荷するはずです。今しばらく、お待ち下さい。
  志村
 

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