グローバルナビゲーション
  • 昼席
  • 夕席
  • ふぐ料理
  • はも料理
  • 西京漬
  • 鰯の丸煮
  • マクロビオティック
  • ブログ

もっとおいしいお話し

HOME ≫ ブログ

鱧(はも)の出汁

 鱧(はも)の頭、骨、ひれを焼いたものです。
 s-画像 183.jpg
 これを煮出すと、鱧の出汁が取れます。ただ、水から煮出すのでは、旨味が乏しいので、一番出汁を取った鰹節と昆布も使います。
 s-画像 184.jpg
 この中に、先程の焼いたアラを入れ、弱火で煮出します。この時、沸騰させないようにします。沸騰させると、濁ってしまうからです。
 ちなみに、一般の方が作るおでんの汁が、濁ってしまうのも、沸騰させてしまうのが原因です。おでんは煮込むというより、汁の中でゆっくり煮含めるものだと思って作ると、美味しく、見た目もきれいに作ることが出来ます。
 s-画像 185.jpg
 約一時間ほど、煮出したら、キッチンペーパーを敷いて、漉します。
 s-画像 186.jpg
 漉し終えた鱧の出汁です。
 s-画像 187.jpg
 鱧は白身なので、クセもなく、上品な出汁が取れます。“佳肴 季凛”ではこの出汁を、ランチや夜の会席料理でお出ししている“小鍋”に使ったり、煮物を作る時に使っています。
 特に、これからの時季、鱧を使うので、鱧の出汁も毎日取ります。鱧は、全ての部分を使うことが出来ます。そういう意味では、マクロビオティックで言うところの、一物全体の考えにも合致します。
 しかも、天然ものですし、旬の食材でもあるので、身体に優しいこと、この上ありません。
 鱧の身そのものを食べなくても、“佳肴 季凛”の料理には、鱧の旨味が詰まっています。鱧に限らず、季節の美味しいものをお出しするのが、季凛流です。
 「鱧は梅雨の雨を飲んでから、美味しくなる。」という言葉もあるくらいですから、これからますます美味しくなります。是非、旬の味をご堪能下さい。
 今日で鱧シリーズは、六回となりました。まだまだ、鱧シリーズは続きます。
 志村

鱧(はも)の肝焼き

 鱧(はも)は、色んな調理方法があり、また身だけに限らず、いろんな部分も食べることが出来ます。今日は、そんなお話しです。
 s-画像 176.jpg
 鱧の内臓です。
 s-画像 177.jpg
 これは、鱧の肝、つまり肝臓です。
 s-画像 178.jpg
 これは、胃袋です。
 s-画像 179.jpg
 これは、浮き袋ですが、この形、何かに似ていると思いませんか?この形から、“鱧笛(はもぶえ)”と呼ばれています。
 s-画像 180.jpg
 これは、胆のうです。苦玉(にがだま)とも呼んだりもします。食べられないわけではありませんが、苦いので、普通は食べません。鱧に限らず、どんな魚にもありますし、頭を卸す時は、つぶさないよう注意が必要です。
 s-画像 181.jpg
 胆のう以外部分を串に刺します。これに軽く、塩を振って焼くだけです。内臓なので、若干クセがありますが、ちょっとした酒の肴です。
s-画像.jpg
 “鱧のもつ焼”といった感じです。鱧笛はゼラチン質が強く、胃袋はコリコリとした食感がアクセントです。肝は独特のコクがあります。
 こんな料理をお出し出来るのも、毎日鱧を卸しているからですが、この串一本が、鱧一本分ですから、ある意味貴重です。
 たまには、こんな酒の肴はいかがなものでしょうか?鱧シリーズはまだまだ、続きがあります。
  志村

鱧(はも)の卸し方

 今回も、鱧(はも)シリーズです。
 鱧(はも)のように長い魚は、和食では“長物(ながもの)”と呼ばれています。“長物”には、鰻(うなぎ)、穴子(あなご)なども入ります。
 これらは、それぞれ卸し方が違います。特に、鱧は他の二つに比べ、大きいので、普通の魚のように、三枚に卸します。長いから三枚という感じではないのですが・・・。
 s-画像 159.jpg
 最初にヌメリをとり、はらわたを抜き、水洗いした鱧の頭ぬ部分に目打ちをします。
 s-画像 160.jpg
 頭から肛門にかけて、骨が三角形になっているので、斜めに包丁を使います。
 s-画像 161.jpg
 肛門から尾の先までは、平べったいので、包丁もまっすぐに、入れます。
 s-画像 162.jpg
 目打ちを抜いて、反対の身を卸します。今度は尾の方から、包丁を入れます。
 s-画像 163.jpg
 先程とは逆に、肛門のところまで来たら、包丁を斜めに入れていきます。
 s-画像 164.jpg
 今度は、身が上になるようにしたから、腹骨をとります。この時出刃包丁では、やりづらいので、刃渡りのある牛刀や柳刃包丁に変えます。
 s-画像 165.jpg
 腹骨を取り終えたら、背びれから身を外します。
 s-画像 166.jpg
 次に背びれを取ります。反対の身も、同じ様に腹骨を取れば、仕上がりです。
 s-画像 167.jpg
 身の部分は、落とし(湯引き)を始め、色んな料理に使いますが、頭や骨の部分は、こんがりと焼きます。
 s-画像 168.jpg
 焼いた骨は、出汁を取るのに使います。煮物をはじめ色んな料理に使います。鱧の出汁は、淡白なのですが、味が深いのが特徴です。
 今朝も鱧を卸したのですが、危うく鱧に咬まれるところでしたが、先日お話ししたように、先端を切り落としていたので、事無きを得ました。
 もし咬まれたら、無理に引っ張らず、喉のほうに押し返すと、鱧はすんなり口を開けるのですが、やはり咬まれたくないものです。
 志村
 

鱧(はも)の産地

 以前、日替わりの単品物は、毎日書くことを、お話ししました。そのお話しは、こちらを
 刺身でお出しするものは、こんな風に、書きます。
 s-画像 170.jpg
 どの魚にも、産地を書くようにしています。勿論、値段も書きますが、今が旬の鱧(はも)は、こんな書き方をします。
 s-画像 169.jpg
 ご覧のように、「今日の産地は、あえて記しません。・・・・・。」とあります。何故だと思いますか?
 昨日の鱧は、中国産だからです。国産もの、天然ものにこだわる自分が何故使うのか、疑問に思うかもしれません。
 というのも、国産の鱧の入荷は、まちまちだからです。
 s-画像 182.jpg
 先日、入荷していた鱧です。大分県産です。その日は、この籠とは別に、もう一個だけあっただけです。本数で、15本弱です。
 一方、中国産はこの5倍程度は、入荷してきます。しかも、国産は、籠一つ(最低でも5、6本)で仕入れなくてはなりません。
 当然、全てが良い鱧とは限りません。場合によっては、全部イマイチということもあります。
 しかし、中国産は、沢山ある中から、良いものを選ることが出来ます。国産の方が、良いものが多いのは事実ですが、中国産の一番良いものでしたら、語弊はありますが、ほぼ同じと言えます。
 実際、今月の初め入荷した御前崎産の鱧は、半分あがった(死んだ)ようなものでした。
 勿論、国産もので良いものがあれば、当然そちらを仕入れます。どちらを使うにせよ、“佳肴 季凛”で使うのは、どちらも活きているものばかりですから、鮮度は抜群です。
 ちなみに、中国産はこんな箱に入って来ます。
 s-画像 183.jpg
 “活海鰻”と書かれています。中国語で、どのように発音するかは、分かりませんが、自分は“かつかいまん”と、音読みしています。
 s-画像 184.jpg
 福建省産です。福建省は、この辺です。ですから、この鱧は東シナ海周辺で取れたものです。
 お客様や、今回のお話しをお読みになった方の中には、あえて中国産なんて書かなくたって、分からないし、大して気にならないと、思う方もいらっしゃるかもしれません。
 その通りだと思います。ですが、自分の性分として、産地が分からないものや、それを隠したり、もっと言えば偽装することは、出来ません。
 「商売は売って、なんぼ。儲けて、なんぼ。」、「ばれなければ、何をやってもかまわない。」、「ちょっとぐらい、かまわない。」などと言う人もいます。それが、“商売人”かもしれません。
 それはそれで、構いませんし、他人(ひと)は他人(ひと)です。事実、自分は商売をしていますから、商売人です。ですが、その前に料理人であり、もっといえば一人の人間です。
 一人の人間として、嘘をついてまで、お金を頂くことが出来ません。そういう意味では、“商売人”失格かもしれません。
 真っ当なことをするだけでなく、自らの腕を拠所として、お金を頂くのが、自分にとっては、商売人であって、“商売人”でないのです。
 話しが、変に堅苦しくというか、熱血料理人の魂に火がついてしまい、つい熱くなってしまいました。
 先程、お話ししたように、“佳肴 季凛”で使う鱧は、自らの目利きで選らんだものばかりです。今が旬の鱧を是非、ご堪能下さい。
 鱧は長い魚。まだまだ、続編があります。
 志村

鱧(はも)の歯

 これから旬を迎えるのが、鱧(はも)ですが、鱧の大きな特徴の一つが、その鋭い歯です。
 s-画像 175.jpg
 口も長く、細かい歯が沢山のこぎりのように、生えています。
 上あごはこんな感じです。
 s-画像 173.jpg
 口の真ん中に、5、6本大きめの歯が生えています。一方こちらが、下あごです。
 s-画像 174.jpg
 先端に、歯が3本あり、そこから、細かい歯がいくつも生えています。
 また、鱧は活きたものを使うので、締めたり、卸す時は、この歯に咬まれないように、注意が必要です。鱧は、性格も獰猛なので、時には向かってくることもあります。ですから、締めたらすぐに、神経を抜いて、動き回らないようにします。
 s-画像 171.jpg
 また、万が一に備えて、先端を切り落とします。
 s-画像 172.jpg
 先日も市場の活魚のセリ人も、鱧に咬まれ、病院で指を縫ってもらっていました。それほど、恐ろしいのが鱧です。
 そんな性格ゆえ、鱧という名前の由来は、食む(はむ)が転じて、はもになったとも言われています。
 自分は咬みつかれたことはないのですが、水洗いする時に、指が引っかかって、切ってしまったことがあります。卸してしまえば、全く心配ないのですが、活きた鱧を扱う時は、ともかく注意が必要です。
 長い魚ゆえ、鱧にまつわるお話しは、まだまだ続きます。
  志村
 

鱧(はも)入荷

 s-画像 152.jpg
 蛇ではありません。これから旬を迎える“鱧(はも)”です。“鱧”は獰猛な性格なので、こんな風に、そお~っと持たなければなりません。
 ちょっとでも気に入らないと、噛み付いてきます。また長い魚なので、動きは蛇に似ており、水から首を上げて、生簀から逃げ出すこともあるので、こんな風に、籠に入れられています。
 s-画像 145.jpg
 “鱧”は淡白な魚なので、色んな料理に仕立てることが出来ますが、“鱧”そのものを味わうには、やはり“落とし(湯引き)”に限ります。
 s-画像 150.jpg
 “佳肴 季凛”で仕入れる“鱧”は、活きたものなので、このようにきれいに花が咲いたようになるのです。というより、身が活きているうちに、“落とし”にするので、こうなるのです。
 ご存知かと思われるかと思いますが、“鱧”には、沢山の小骨があるので、“骨切り”をしなくてはなりません。
 s-画像 147.jpg
 これが卸した“鱧”です。朝のうちに締めて、卸しておくと、“骨切り”がしやすいので、“骨切り”をするのは夕方です。
 s-画像 148.jpg
 “骨切り”をする時は、ご覧のような専用の包丁を使います。長い魚だけに、話が長くなるので、包丁のお話しは今日はやめておきます。
 s-画像 149.jpg
 “骨切り”を終えたところです。これを食べやすい大きさに包丁してから、沸騰したお湯に落とし、すぐに氷水で冷やします。
 梅肉醤油と共に、お出しします。
s-画像 151.jpg
 何と言っても、“鱧”は、梅肉醤油に限ります。自分でも、山葵醤油や生姜醤油など、色々試してみましたが、“鱧”の味を引き立たせることは出来ませんでした。
 修業時代に“鱧”を初めて食べた時、大して美味しいものではないと思ったのですが、何度も食べていくうちに、その美味しさに惹かれるようになりました。
 “鱧”と言えば、京都を思い浮かべますが、富士市の“佳肴 季凛”でも、味わうことが出来ます。これから、美味しくなる“鱧”を、是非味わって下さい。
 志村
 追伸 先程お話ししたように、長い魚だけあって、話も長くなるので、今回はここまでにしておきます。卸し方、産地、包丁など、連続ではありませんが、何回かに分けてお話しします。乞うご期待!

このページの上へ戻る