走りの牡蠣(かき)&名残の鱧(はも)フライ
フライにし、お昼にクオリティ・チェックをしました。
牡蠣の奥にあるのは、鱧フライで、鱧もそろそろ終わりに近づきつつあるので、走りと名残のコラボレーションということになります。
鱧は、牡蠣と同じく、
金曜日に、
沼津魚市場で仕入れた大分県産のものでした。
はっきりしたことは言えませんが、鱧を仕入れるのは、今季最後の可能性もあり、今日の牡蠣と鱧のフライは、移りゆく季節を堪能し、秋のお彼岸の頃にしか味わえないものでもあります。
そんなことをお話ししていたら、最後にするわけにはいかないかもしれません。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。次回は、10月3日(木)の予定です。
パソコン、スマホでも、
鱧天(はもてん)ラーメン
以前、鱧を使った賄いについてお話ししたことがありますが、鱧は淡白な食材ゆえ、色んなアレンジが可能な食材で、色んなことが試せるのも、魅力でもあります。
そんな鱧を使ったのが、
鱧天ラーメンなるラーメンで、その名の通り、鱧の天ぷらが入っています。
ラーメンの出汁と言うと、鶏がらや豚骨などで取ったものが一般ですが、鱧天ラーメンの出汁は、勿論、鱧を使ったもので、
鱧のあらをこんがり焼いてから、
一番出汁を取った後の鰹節、宗田節、昆布、干し椎茸、
野菜の皮などの部分と共に、
長時間、煮立たせることなく煮出して、取ったものです。
ただ、鱧のあらだけでなく、
その時に仕入れた魚のあらも同様にして取ったものに継ぎ足しているので、
出汁も色がついているだけでなく、厳密な意味では、100%鱧ではありませんが、この方が味に深みが生まれ、さらに美味しくなります。
そして、
漉したら、
鱧の出汁が取れました。
この出汁をラーメンに合わせるために、
オイスターソースを加えるのですが、
このオイスターソースは、
合成されたケミカルな調味料というか、薬品まがいのものを使っていないもので、当店の胡麻だれを作る時にも使っているものです。
そして、
ガーリックパウダーを加え、濃口醤油、薄口醤油、日本酒、味醂、赤酒、塩、胡麻油、ねぎ油、ブラックペッパーで味を調えたら、
スープが出来上がりです。
熱々のスープを丼にはり、茹で上がったラーメン、
鱧の天ぷらと赤ピーマンの天ぷらを盛り付け、
打葱を散らしたら、
冒頭の写真にもある鱧天ラーメンの出来上がりです。
オイスターソース、胡麻油、葱油を加えているので、スープ自体は、鱧本来のものとはかけ離れていますが、日本料理に中華料理のエッセンスが加わり、旨味が深いものであるには、間違いありません。
賄いというのは、暇つぶしでもあると同時に、新しい料理を考えるヒントでもあり、意外と楽しいもので、Facebookなどに投稿すると、「食べてみたい!」、「食べられるの?」というコメントを頂くこともしばしばです。
常連さんの中には、ランチメニューにないメニューということで召し上がったこともある方もいらっしゃり、召し上がりたい場合は、カウンターでの御用意にして、所謂おひとりさま、若しくはお二人までの御用意となります。
あくまでも、メニューにはないものですので、ご理解のほど、宜しくお願いします。
台風15号一過の沼津魚市場
今朝は、沼津魚市場に仕入れに行って来たのですが、
台風15号の影響もあり、
予想通り、
入荷も少なく、
魚を売るというより、
油を売ると言った方が正しいかもしれません。
ただ、これらの売場で仕入れる魚が少ない自分にとっては、特に困ることもなく、
活魚売場に向いました。
活魚売場は、どんな時でも、一番最初に行くのですが、
少ないながらも、
大分県産の鱧(はも)が入荷しており、
この中から、
この1本を選り、
秤にかけてもらったら、
そのまま、
活かしたまま、持ち帰ることが出来るようにしておきました。
また、 落ち鱧と呼ばれ、
輸送中に死んでしまった鱧もあり、
どちらも、
先ほどの活かしの鱧同様、大分県産で、同じ発泡スチロールの中に入ってきた所謂“連れ”で、今夜の鱧料理の御予約用に、6本全て仕入れることにしました。
その後、生簀を覗くと、
先程の他の売場同様、
ガラ~ン。
それでも、
地物の魚と、
陸送便で送られて来た蛸(たこ)が、
生簀に入っていましたが、売場に併設されている簡易的な生簀は、
入荷の予定もないので、
スッカラカン・・・。
こんな状況でしたが、自分の仕入れには支障は無く、魚市場から帰ることにし、『佳肴 季凛』に戻ったら、
活かしの鱧は、
夕方卸すので、ざるごと水槽に入れておき、
今夜の鱧料理の刺身として、お出しし、鱧以外は、生の目鉢鮪(銚子)、小肌(佐賀)、湯葉でした。
鱧の入荷も少なくなっているだけでなく、皮や骨が硬いものも増えており、鱧料理も終わりも近づき、夏から秋へと季節も移ろいつつあり、「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものです。
まだまだにして、そろそろの鱧(はも)料理
沼津魚市場で、一番最初に向うのが、
活魚売場で、今朝着くと、市場の担当者は、
鱧の仕分けに追われていました。
発泡スチロールに活きたまま送られてくるのですが、中には死んでしまうものおり、
活きたものとは別に秤にかけられ、売場に並び、このように死んだ鱧のことを、落ち鱧と呼んでいます。
この中から、
5本で2,3キロのものを選り、週末の御予約用に、
自分好みのサイズである5~600グラムサイズのものを2本仕入れることにし、
活かしたまま、
持ち帰ることにしました。
今朝の7本の鱧は、全て大分県産でしたが、活かしの鱧は、鱧料理のマストアイテムでもある落としに使い、落ち鱧は、揚物などの加熱して使っています。
ひととおりの仕入れを終え、『佳肴 季凛』に戻ったら、
活かしの2本の鱧は、
水槽に入れておいたのですが、卸すのは、明日以降の予定です。
例年、9月になると、「鱧は、いつまで食べられるのですか?」とか、「いつまで、鱧料理はやっているの?」というお問い合せをよく頂くのですが、お盆を過ぎると、骨や皮が固くなり始めるので、入荷があっても、お出しすることは出来ません。
まだまだと言えば、まだまだですし、そろそろと言えば、そろそろの鱧料理ですが、自然相手ゆえ、明確なお答えは出来ません。目安としては、お彼岸前くらいまでですので、詳細については、直接お問い合せ下さい。
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仕込みは、鱧(はも)のみ
今日は、月曜日ということもあり、定休日でしたが、
明日(27日)は、
沼津魚市場が休みということもあり、
仕入れに行って来ました。
活魚売場に行くと、
大分産の鱧が入荷しており、
活かしのものが入っている発泡スチロールの横には、輸送中に死んでしまった落ち鱧が並んでいました。
そのうち、
自分好みのサイズである500~600グラムのものを3本仕入れ、別の売場に向いました。
定休日ということもあり、仕込みを最低限に留めたいので、鱧以外の鮮魚の仕入れはなく、冷凍物や鰹節などを仕入れたら、魚市場から帰り、『佳肴 季凛』に戻ったら、
鱧を卸し、骨切りはせず、冷蔵庫へ。
ただ、焼いてから出汁を取るため、鱧のあらだけは掃除しておき、
最後に、
鱧を卸すのに使った小出刃だけ砥いで、休日出勤はつつがなく、終了。
よくよく考えてみると、今月の定休日は、全て休日出勤をしたのですが、自分にしてみれば、仕込みの都合に合わせているだけのことで、所謂オーナーシェフの人達の中には、「休みの日の仕込みが趣味!」と言う猛者もいます。
料理が好きで料理人になった以上、これはこれで、よろしきことゆえ、仕込み無しの完全オフの定休日の方が、落ち着かないのも、当らずとも遠からずなのは、否定出来ません。
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放し飼いにした鱧(はも)の捕まえ方
この時季のメイン食材と言えば、
鱧ですが、鱧料理の定番と言えば、写真にもある落としで、湯引きとも呼ばれています。
『佳肴 季凛』では、落としに仕立てる場合、活きた鱧しか使わないので、活きた鱧の手持ちが無い時は、御用意が出来ず、鱧料理のページの補足説明になりますが、御予約を頂いても御用意が出来ない場合もあります。
水槽の鱧を取り出す場合、仕入れた当日に、卸す時は、
取り出しやすくするため、大きめのザルに入れておくのですが、当日以外の御予約や、とりあえずの手持ち分として、仕入れた時は、
そのまま、放し飼いにしておきます。
そして、卸す時は、捕まえなくてはならないのですが、鱧は長い魚なので、網ではなかなか捕まえることが出来ないので、
捕まえる場合、
ざるを2つ用意し、
左右両側から、挟み撃ちをして、
捕まえるのですが、この時注意しなくてはならないのは、むやみに追いかけ回して、鱧を興奮させると、獰猛な性格ゆえ、向ってきて、噛み付かれる場合があるので、注意が必要です。
捕まえたら、
しばらくの間、動かなくなるので、
布巾で頭を隠したら、
左右のえらの間にある心臓付近を、即座に掴むと、ほぼ完全に動かなくなるので、頭の付根に包丁を入れ、締めたら、
噛み付かれないように、
口の先端を切り落します。
さらに、尾の先端を切り落したら、
脊髄に、
細い針金を通し、
神経を抜くと、完全に動きが止まります。
その後は、ヌメリを取り、はらわたを抜き、水洗いをし、
卸してから、骨切りをし、
落とし用に包丁しておき、
お客様が来店したら、頃合いを見計らい、
落としに仕立て、鱧料理のコースの場合、
このような四種盛りにして、お出ししており、この日の鱧は淡路島産で、それ以外は、生の本鮪(秋田)、小肌(佐賀)、湯葉でした。
冒頭でもお話ししたように、落としに仕立てる鱧は活きたものだけですので、魚市場もお盆休みに入るだけでなく、台風10号の影響もあり、活かしの鱧は、お盆明けの予定です。
今日の鱧(はも)は、ALL大分産
台風8号、9号の影響がありながらも、今朝の沼津魚市場の活魚売場には、
鱧が入荷しており、ひとまず胸をなで下ろし、売場に並んでいた鱧を物色したところ、今朝入荷していた鱧は、全て大分県産でした。
今朝は、 落ち鱧と呼ばれ、途中で死んでしまった鱧が多く、
その中でも、
7本で3,1キロのものを仕入れることにし、自分の買い番である【47-9】という札を貼っておきました。
また、週末用に、活かしのものを仕入れることにし、2本で1,0キロのものを選り、
生簀にキープしておき、他の魚を仕入れるため、別の売場に向かいました。
ひととおりの仕入れを終え、活魚売場に戻り、
ブクブクをセットした発泡スチロールに移し、魚市場から『佳肴 季凛』に戻ると、
そのまま、水槽で、
放し飼いにしておきました。
放し飼いにしておくのは、明日以降使うためですが、落ち鱧のように、死んでしまうこともあるので、活かしの鱧の手持ちがある時は、まめに水槽を見に行くことにしています。
何はともあれ、落ちないことを祈るばかりです。
★☆★ お盆休みの営業 ☆★☆
毎週月曜日が定休日の当店ですが、
12日は、ランチ、夕席とも、通常通り、営業させて頂きます。
なお、10日(土)から18日(日)までのお盆休み期間中も同様ですので、皆様の御来店、心よりお待ち申し上げます。
鱧料理の献立のあんちょこ
今が旬の食材と言えば、
鱧で、当店の鱧料理については、こちらを御覧下さい。
日によっては、鱧料理の御席が重なることもあり、そんな時は、
バックヤードに、献立を書いておき、
御席ごとの欄を作り、トラブルが生じないようにしています。
特に、鱧料理は、2,3人の御席が多いだけでなく、御予約の人数、時間も同じになることも然りで、殊更、注意しなくてはなりません。
料理を出す度に、
チェックをしていき、無事に全ての料理をお出しすることが出来、最後の頃になると、チェックをしないこともあります。
チェックするかどうかは大事なことではなく、間違いが起きないようにすることが肝要で、結果として、それは、より美味しく料理を召し上がって頂くために、他なりません。
ただ、人間のやることですので、100%は難しいことですが、それを目指すことは大事なことで、料理のように、お客様の口に入るものを扱う以上、注意し過ぎても、し過ぎることはないのは、言わずもがなです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
沼津水揚げの黄肌鮪(きはだまぐろ)
昨日に引き続き、今日のお話しのねたも、沼津魚市場で仕入れました。
今朝は、沼津魚市場で、
鱧を仕入れたのですが、
活かしの3本も、
落ち鱧と呼ばれ、輸送中に死んでしまった鱧の5本も、
大分県産でした。
鱧を仕入れた後、別の売場に向かうため、
一度屋外に出ると、
和歌山県の漁船が2艘(そう)並んで、
停泊しており、
2艘に向かい合わせで、もう1艘停泊していました。
3艘のうち2艘は、水揚げを終えており、最後の1艘から、
黄肌鮪(きはだまぐろ)が水揚げされ、黄肌鮪という名のとおり、
黄色い肌というか皮で、活きている時は、
鮮やかな黄色をしており、この写真は、ネットで見つけたものです。
船から水揚げされ、
秤にかけられたら、
次々と、
売場に並べられていきました。
この1ヵ月半から2ヵ月の間、このような光景を目にする機会が多く、自分が見た中で一番多かった時は、全て並べられる前でしたが、
結果的に、恐らく100本以上水揚げされていたはずです。
また、今朝は、かますさわら(魳鰆)も同じ船から水揚げされており、
かますさわらは、
おきさわら(沖鰆) とも呼ばれています。
ところで、和歌山の漁船が沼津で水揚げしているのは、今朝の黄肌鮪は、三宅島など伊豆七島周辺で獲られたもので、 一番近く、大きな漁港が沼津だったことからです。
また、別の理由の一つで、沼津は、比較的著名な漁港で、高値で取引されることもあり、それを狙って水揚げすることは、水産業界では珍しいことではありません。
産地の偽装などがマスコミの報道で取り上げられることもありますが、海は仕切りがないので、厳密な意味では、産地とか漁場は、必要以上に、重要視することに、疑問符を付けたくなることもあります。
個体差こそが全てで、あくまでも産地は、目安でしかないのですが、食品表示法の規定で、原料原産地の表記が義務付けられている以上、仕方がありません。
表示は表示でしかなく、魚市場に通うだけでなく、マグロ類の仕入れ先の豊洲、川崎北部市場、天然とらふぐのそれの熊野、安乗(共に三重)、氷見(富山)、敦賀(福井)など、全国各地の仲買人や魚屋と繋がることで、より多くの知識と情報を得ることが出来ます。
日々勉強にして、日々精進こそが、料理の道で、まだまだ未熟ゆえ、努力の余地は多いにありです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
10本の鱧(はも)の骨切り
昨日に引き続き、今朝も沼津魚市場へ行って来ましたが、いつものように、一番最初に活魚売場へ行くと、
水槽の前には、鱧が入った発泡スチロールが並んでおり、
中を確認しては、秤にかける作業の繰り返しでした。
そうこうすると、
自分の注文分を選り、
秤にかけてもらったら、
発泡スチロールに入れてもらい、この鱧は淡路島産のものでした。
また、活かしの鱧だけでなく、輸送中に死んでしまった鱧(落ち鱧)もあったので、
4本で2,1キロの大分県産のものを仕入れることにしました。
その後、ひととおりの仕入れを終え、【佳肴 季凛】に戻ったら、
活かしの鱧は、とりあえず水槽に入れておき、仕込みを始め、普段の段取りを終えたら、
4本の鱧を卸したら、
昨日仕入れた6本の落ち鱧も一緒に、骨切りをすることにしましたが、昨日の6本も、
大分県産のものでした。
骨切りをし終えたら、明日の鱧料理の御予約用に、適宜包丁したのですが、
天ぷら用に始まり、
鱧しゃぶ用、
鱧茶漬用と仕分けておき、鱧茶漬用の鱧は照焼にするため、串を打っておきまあした。
また、尾の部分や形の悪い部分は、
鱧しんじょう蒸しに仕込むため、身と皮に分けておきました。
昨日の活かしの2本も含め、合計で12本卸したところ、鱧の子(卵)も入っていたので、鱧の子の煮凝りにするため、
下茹でした後、血痕などを取り除いておきました。
明日は、魚市場が休みなので、鱧の仕入れはなく、連休明けの火曜日まで、複数の鱧の仕込みはありません。
なお、連休中は、、数に限りはあるものの、 今朝の1本が水槽の中で落ちて(死んで)しまわなければ、 鱧料理の御用意も可能ですので、お召し上がりになりたい方は、とりあえずお問い合せ下さい。