熱海・網代(あじろ)産の鯵(あじ)と謹製【ぽん酢】用の香母酢(かぼす)
Vol.3786
“身体に優しい、美味しい日本料理”を、
信条とする『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
今朝の沼津魚市場は、
台風14号の影響で、
案の定、ガラ~ン。
しかも、
風も強いので、
よその浜(産地)は
分からないものの、
沼津近郊、伊豆方面の
明日の水揚げは、
かなりの期待薄・・・。
そんな状況でしたが、
静岡県熱海市網代(あじろ)産の
鯵(あじ)が入荷しており、
いくらか小さかったものの、
揚物用に
仕入れることにしました。
先程の状況ですので、
鮮魚の仕入れは、
鯵のみ。
仕入れを終え、
帰ろうとすると、突然の土砂降り。
【佳肴 季凛】に戻ると、
ふぐネット達がやって来て、
「おはようございます、親方♬」
「おはよう。」
「網代(あじろ)の鯵(あじ)だ!」
「・・・・・。」
「だめ?(笑)」
「だめも何も、
山田く~ん、座布団、
全部持ってって~!」
「ありゃりゃ・・・。」
約50尾入でしたので、
適当に振り分け、
真空パックし、冷凍庫へ。
このようにしておくのは、
悪天候や急なご予約に
備えてのことです。
揚物用とは言え、
鮮度は良いので、
クオリティチェックを兼ねて、
目鉢鮪(めばちまぐろ)との
ハーフ&ハーフ丼♬
魚は、それぞれに美味しさが
あるのが、何よりの魅力です。
昼ごはんを食べ終わる頃、
香母酢(かぼす)が
届くと、
ふぐネットがやって来て、
「こんなに沢山、どうするの?」
「お手製の【ぽん酢】に、
仕込むんだよ。」
「ふぐ料理には、欠かせないよね。」
「勿の論!ぽん酢は、
ふぐ料理の味の決め手だから、
力が入るよ。」
「さすが~。
ふぐに萌え燃え・・・ 💖
だけのことはあるね。」
「かぼす以外の柑橘類だけじゃなく、
天然のとらふぐのひれも、
使うよ。」
「へぇ~。
いつ仕込むの?」
「まずは、かぼすを絞らないと・・・。
手伝ってくれる?」
「う~ん、考えておく。」
「はいはい。」
ところで、かぼすには、
臭橙 とか、香母酢の字が
充(あ)てられているように、
香りや風味が高いのが
特徴です。
香の母の方が、
より香(かぐわ)しいので、
香母酢の方が好きですし、
馨しいや、芳しいという漢字もあり、
これまた、趣があります。
和食の献立では、
漢字を使うことが多く、
こういうのを見ると、
日本料理と日本語の関係に、
心惹かれる自分です。
こういう点も、
日本料理文化の魅力の
一つである以上、
後世に伝える努力を
怠るわけにはいきません。
2022.9.20|ぽん酢 魚 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
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