桜鱒(さくらます)の難波焼
5月になり、『旬の素材』も、更新しました。まずは、ご覧下さい。
ご覧のように、今月は“桜鱒(さくらます)”です。そんな“桜鱒”を使った焼物が、今日のお話しです。幾分重複する部分もあるかと思いますが、ご容赦下さい。
その焼物が、
“桜鱒の難波焼”です。ここ最近、夜の会席料理のコースの焼物でお出ししています。ちなみに、難波とは葱の有名な産地で、葱を使った料理には、難波と記されます。
また、日本料理では、有名な産地にちなんで、料理名が付けられることも多く、湯葉を使ったものには、東寺だったり、そばを使ったものには、信州と名前がつけられたりもします。
ちょっとお話しが、脱線しかかってので、元に戻します。“桜鱒”は、
“本ます”とも呼ばれており、その大きさは、一本が1,5~2キロぐらいで、多くの場合、1ケースに2本入っています。もちろん、そうでない時もありますが・・・。
焼物用に仕入れるとはいっても、何よりも重視しなくてはならないのが、鮮度です。鮮度を確認する時は、エラの部分を見ます。
このように鮮やかな赤い色をしていますから、鮮度は申し分ありません。また、身の張り具合や傷の有無なども、仕入れる際の重要なポイントです。そんな吟味して仕入れた“桜鱒”を卸したのが、こちらです。
鮮やかなオレンジ色をしています。また、身割れしやすいので、卸す時には注意が必要です。卸したら、今度は切り身にします。切り身にしたら、脱水シートで挟んでおきます。
半日ほど挟んで、余分な水分が抜けたら、今度は若狭地につけます。若狭地とは、薄口醤油、日本酒、味醂を合わせたものです。ただ、調味料の分量も、料理人によってまちまちで、出汁を加える人もいます。
15分ほどつけたら、串を打ち、焼きます。
両面に、完全に火が入ったら、そこに卵黄をつなぎにした葱を載せ、さらに焼きます。
この卵黄ですが、卵黄だけではありません。
卵黄にサラダ油を加えた“玉子の素”というもので、簡単に言えば、味の無いマヨネーズのことです。コクをつけるため、“玉子の素”の中に、
アンチョビペーストを加え、塩、胡椒で味を調えます。さらに、そこに“難波”である葱を、混ぜ合わせます。
お話しが、多少前後してしまいましたが、お分かりいただけたでしょうか?
さて、この“桜鱒の難波焼”の肝心の味です。“ます”と聞くと、川魚の“虹鱒(にじます)”を思い浮かべ、大して美味しくないように思われる方もいらっしゃるようですが、全くそのようなこともありません。
脂が乗っていながらも、あっさりした味わいは、秀逸の一言に尽きます。旬を迎えたこの時期に、味わっていただきたい魚の一つでもあります。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
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