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HOME ≫ ブログ ≫ 【西京漬】用の鰤(ぶり)を、フィーレ(卸し身)ではなく、丸(1本ごと)仕入れる理由

【西京漬】用の鰤(ぶり)を、フィーレ(卸し身)ではなく、丸(1本ごと)仕入れる理由

Vol.4076

いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(7月7日)は

鰤(ぶり)をあえて

1本のまま仕入れる理由について

お話しします。 


今朝、沼津魚市場に着いたのは

4時半前でした。

いつものように

最初に活魚売場に行き

その後、向かった売場が👇



こちらの売場で仕入れたのは

高知県産の鰤で



お中元の【西京漬】仕込むためです 。

夏場、天然の鰤は

ダイエット中なので

養殖を使っています。

また、春までに

5キロ以上の大きい鰤の出荷が

終わっているので

4キロ以下の小さいものしかありません。 

その中でも

大きいものを選(よ)り

3,6キロと3,7キロのものを

仕入れることにしました。


仕入れを終え

『佳肴 季凛』に戻ると


「おはよう、親方🐡

今日もブリを仕入れて来たんだぁ。

お中元用?」と、熱血君。

「おはよう🐡

そうだよ。

がっつり仕込みがあるから

始めないと・・・。」

「頑張って~!」 


鰤のように

鱗(うろこ)が細かい魚は

包丁で鱗を取り除き

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG3098.jpg


このやり方を

すき引きと呼んでいます。


三枚に卸すと

 
出るのが

中骨や

腹骨のあらです。



これらを見た熱血君が

「ブリの骨も

いつもみたいに

焼いてから出汁を取るの?」

と、訊いてきました。

「まぁまぁ

御覧(ごろう)じろ。」

中骨を焼き

身をほぐすと

鰤のフレークが出来上がります。

今日の場合

昨日仕入れたサーモンで

作ったフレークも合わせます。


「もしかして

これって

おまけアイテムのフレークの素?」

「はい、正解」!

ある程度たまったら

再加熱して

味を調えてするアレだよ。」


アレとは、こちらです👇


身をほぐした後の中骨などは

天然の魚のような旨味が無いので

この時点で

お役御免となります。


「1本丸ごと

仕入れるから

こういうことも出来るんだよ。」

と、言うと

「そうなんだぁ。」

「もっと言うとね

カマなどは

身と同じように

西京漬にして

おまけアイテムや賄いにしているんだよ。」

「そこまでしたら

魚も嬉しいはずだよ。」

「そこなんだよ、大事なのは!

命あるものなんだから

最後まで使い切らなきゃ

ダメなんだよ。」

「うんうん!」

「養殖なら作った人

天然なら漁師

ここまで使ったら

嬉しくない?」

「嬉しいに決まっているじゃん!」

「生産者が喜ばないと

何にも意味ないじゃん。」

「そうだよねぇ~。」

「だから、自分が気に入ったものを仕入れ

気に入った調理方法で

料理を仕立てるのが

料理人なんだよ。

そのためには

自分で市場に行くしかないじゃん。」


「なるほどね~。」

「ただ、どの業界も

人出不足が問題でしょ?」

「うん。」

「水産関係も全く同じで

そういうこともあって

最近じゃ、卸した鮮魚も

扱われているんだよ。」

「そうなの!?」

「特に、養殖の魚は

出荷時に卸したものもあるんだよ。

それがこれ👇

フィーレってあるように

1ケースが2本分(4枚入)。」

※フィーレは

フィレーとも呼ばれています。 


「こんなのもあるんだぁ。

前から、あったの?」

「この10年とかかなぁ。

冷凍ものは前からあるし

『西京漬』用の鯖(さば)は

フィレーを使っているしね。」

「便利かもしれないけど

親方みたいな人には

つまらないんじゃね?」

「つまらないね。

ただ、鰤のフィレーは

ただ卸してあるだけで

鱗もついたまんまだから

かえって不都合なんだよ。」

「そうなの!?

親方みたいな下処理を

しているんじゃないんだぁ。」

「そんなことしていたら

フィレーの値段も

今の倍じゃきかないと思うよ。」

「ってことは

職人仕事は

安いもんじゃないんだね。」

「そうだよ。

魚を卸すのを簡単に思っている人も

多いみたいけど

勘弁して欲しいね。」

「うんうん♬」 

「そうそう

この部分も取っておくよ。」

「わっ!

これって

目玉おやじ?」

「んなわけないじゃん。

ちゃんと食べられるんだよ。」

「どうやって?」

「煮たり、焼いたりすると

目の裏の部分が

チュルンとして

美味しいんだな、これが😋」

「ちょっと抵抗があるかも・・・。」

「最初はね。

でも、食べつけるようになると

これが堪らないんだよ。」

「へぇ~。

今度、食べさせてよ。」

「いいよ。」

「わぁ~い♬」 


魚に限らず、どんな食材でも

粗末にすることは出来ません。

最後まで使い切ってこそ

料理人が料理人たり得るのです。

どんなに手間がかかろうとも

それが基本である以上

その立ち位置を

失うわけにはいきません。 


「明日は土曜日だから

市場が休みだね。

そんじゃ、また🐡」 by ミニふぐ

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