真鰯(まいわし)&とらふぐの水洗い
Vol.4202
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(11月10日)は
真鰯ととらふぐの水洗い
についてお話しします。
魚介類の仕込みで欠かせないのが
水洗いで
その役目を果たしてくれるのは
90%以上
女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。
今日の魚は、2種類でした。
先ずは、真鰯。
いつものように、真鰯は
『鰯の丸煮』用です。
最初の下処理にして
包丁を使うのは
自分です。
水洗いするのは
身だけでなく
頭も。
頭は、出汁を取るためで
その後
焼いておきました。
今日の真鰯は
青森県産の冷凍です。
冷凍とは言っても
かなり脂が乗っており
下手な生よりも
ずっと上ですし
鮮度も良いうちに冷凍してあるので
文字通り
死んだ魚のような目はしていません。
「じゃあ、なんで
刺身とかの生で
使わないの?」
と、熱血君。
「冷凍だと
青魚特有のクセが気になるからだよ。」
と言うと
「へぇ~、そうなんだ。」
「それに『鰯の丸煮』みたいに
長時間かけて煮て
濃い味付にする料理には
ぜ~んぜん気にならないよ。
真鰯の後は
とらふぐ(天然)で
今日のとらふぐは
沼津魚市場で仕入れた
福島県産の天然ものです。
「真由美さん
マイワシとトラフグの
どっちが水洗いしやすいの?」
と訊かれた真由美さん曰く
「とらふぐの方が楽かな。」
「どうしてなの?」
「とらふぐは大きいけど
いわしは身が小さくて
柔らかいから
神経を使うしね。」
「そうなんだぁ~。」
その後、手直しをしたら
真由美さんが拭き上げ
とらふぐの仕込みが
終わりました。
「卸したトラフグって
凄いきれいなんだねぇ。」
水洗いと言えば
カウンター周りの掃除を
欠かすことは出来ません。
真由美さんと掃除を始めると
お片付け~ お片付け~
\\ さぁさ 二人でお片付け♬ //
と、熱血君。
その後、ランチの営業が終わったら
真鰯の最終ステージ。
最終ステージとは
仕上げの水洗いです。
「仕上げの水洗いって・・・?」
「お腹のところに残っている
胆のうの痕を
包丁することだよ。」
「どうして
こんなことをするの?」
「胆のうって
苦玉とも言われていて
残っていると
苦味があるからだよ。」
「そうなんだぁ。」
「ついでに
中骨に残っている血も
もう一度洗い流すんだよ。」
「そこまでするんだぁ~。」
「これらが残っていると
仕上がりの味に
影響するからね。」
「そこまでするから
魚の臭みがないんだぁ~。」
「そういうことなんだよ。」
仕上げの水洗いをし
クッキングシートを敷いた鍋に
並べ終えたら
酢と水を注ぎ
火に掛け
この時の火加減は
超々弱火です。
「魚の仕込みに
こんなに水を使うとは
思わなかったよ。」
「もっと言うと
日本料理に欠かせない出汁も
水みたいなものだから
日本料理が
水の料理って言われるんだよ。」
「そうだったんだぁ~。」
そもそも、中華料理や洋食のような
大陸の料理は
日本ほど
水が豊富ではない地域で
生まれたものです。
そのため、油を使い
炒めたり、揚げるので
濃厚な味付にならざるを得ません。
ただ、食の欧米化に伴い
本来の和食文化が失われつつあります。
時代に合わせていくことは必要ですが
日本料理を生業としている以上
伝統的な日本料理文化を
守る姿勢を失うわけにはいきません。
「この間のブリのあらだけど
どうするのかなぁ。
そんじゃ、また明日🐡」 by ミニふぐちゃん
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