初めて仕入れた蝉魴鮄(セミホウボウ)
Vol.4282
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(1月29日)は
初めて仕入れたセミホウボウ
についてお話しします。
「おはよう、親方🐡
休みだけど
市場に行って来たんだね。
お疲れ様~♬
セミって・・・?」
と、熱血君。
「おはよう🐡
これがセミだよ。
セミって言うから
虫だと思った?」
「この真冬に
そのセミは無いとは
思っていたけど・・・。」
「普通なら
魚市場にセミなんて
考えもつかないだろうしね。」
「そうだよ。
で、この魚は
何て名前なの?」
「蝉魴鮄(せみほうぼう)って
言うんだよ。」
「何だか難しい漢字だねぇ。」
「見ての通り
胸びれが
大きいんだよ。」
「これまでにも
仕入れたことあるの?」
「無いよ。」
「え゛っ!?」
「市場で見たことはあるけどね。
活きたもので
1キロなんて
あんまり見たことないし
肥えていて
興味が湧いたから
仕入れてみたんだよ。」
「味の良し悪しって
聞いたことあるの?」
「無いよ。
名前が似ている魴鮄(ほうぼう)は
何度もあるし
こっちは抜群に美味しいけどね。」
これが、魴鮄(ホウボウ)👇
「じゃあ、ホウボウに近いとか・・・?」
「それも
わかんない。」
「ないない尽くしじゃん。」
「そうだよ。
たださぁ、折角
市場に行っているんだから
珍しい魚を仕入れて
それを伝えるのも
料理人の役目だと思うんだよね。」
「確かに、そうだよね~。」
「まぁ、そんなことは置いといて
市場にいた時のことから
話すから、いい?」
「わぁ~い♬」
ということで
時計の針を
市場時間に戻します。
今朝、沼津魚市場の
活魚売場に行くと
生簀の中に
セミホウボウがいました。
セミホウボウの産地というか
漁場(ぎょば)は
南伊豆の妻良(めら)の
定置網で水揚げされたものです。
高いのか、安いのかも
全く分からないので
やや高めの値段設定の作戦を
仲買人と立て
競りに臨むことに。
その結果
無事にGET!
「っていう流れで
そのまま活かして
持ってきたんだよ。」
「ふぅ~ん。
で、これから
卸すんでしょ?」
「そうだよ。
今日は休みだから
水洗いまでしておくだけだよ。」
まな板に乗せた
セミホウボウで
ひれを広げてみると
身体の長さと
ほぼ同じです。
ホウボウのひれも大きく
鮮やかな色をしているのが
特徴です👇
「こんなひれだったら
飛べるんじゃね?」
「それはないけど
だから、セミなんじゃないのかね。」
「セミってことは
賑やかに音を立てるとか?」
「ホウボウは浮袋を使って
ブォーブォーって音を出すよ。
その音が転じて
ホウボウって呼ぶなんて
説もあるからね。」
You Tube より拝借👇
「へぇ~。
確かに鳴くね!」
「実はさぁ
市場で掴んだ時に
そんな音を出したんだよ。」
「マジで!?」
「これから
締めるから
離れていてね。」
「はぁ~い。」
頭の付根に包丁を入れたら
血抜きのため
氷を入れた海水へ。
「どうして
氷入りなの?」
「締める時に
一気に体温が上がると
身が焼けるからだよ。」
「焼けるって
加熱調理をしないのに・・・?」
「っていうか
身が白濁して
柔らかくなっちゃうんだよ。」
「へぇ~。」
「特に、マグロやカツオみたいな
赤身の魚は
運動量が多いから
ちゃんとしないと
すぐに身が焼けちゃうんだよ。」
「そんなこともあるんだぁ。」
「この後、水洗いまでしておくんだけど
今日は休みたいから
続きは明日にしてもいい?」
「うん♬
妻に良しで
妻良=良妻だから
真由美さんと出掛けて来なよぉ~🥰」
ちなみに、真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
そんなわけで、今日のお昼は
沼津市内にある居酒屋【きえい】さんに
行って来ました。
「仲良し子吉で
いいねぇ~。
じゃ、明日は
卸す様子を話してくれるんだね。」
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