風の吹き方次第で、東伊豆と西伊豆では、魚の水揚げが異なる理由
Vol.4300
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
東伊豆と西伊豆とでは
天気次第で魚の入荷が異なります。
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0313.jpg)
そんなことについて
今日(2月16日)は
お話しします
![](https://th.bing.com/th/id/R.1b10fee5f9d08021867a8506c63c0538?rik=SuouKjaIU1D3pg&riu=http%3a%2f%2fyutakasjapan.com%2fwp-content%2fuploads%2f2019%2f09%2farea_map.gif&ehk=jyazlHDs5%2fABeWk6Cn%2fvU8XM5dDA0qJYbJ%2bTnBTeBWU%3d&risl=&pid=ImgRaw&r=0)
ホームグランドの沼津魚市場がある
静岡県沼津市は
伊豆半島の付根の西側に位置し
![](https://izulunch.com/wp/wp-content/uploads/2020/04/numazu-tourism-map.jpg)
沼津魚市場は
漁港が併設されていることもあり
西伊豆だけでなく
東伊豆の魚も入荷して来ます
西伊豆は駿河湾
東伊豆は相模湾
に面しているので
同じ伊豆でも
獲れる魚には大きな違うだけでなく
自分の中では
西伊豆=駿河湾=静岡県
東伊豆=相模湾=神奈川県
の図式なのです
また、伊豆半島は
海のイメージがあるのですが
![桑原政則のBlogger: 伊豆半島、世界ジオパークへ](https://th.bing.com/th/id/R.cfd73933a0dd351b9068f8b50f263b24?rik=kxhPvsPt3tbvSw&riu=http%3a%2f%2f3.bp.blogspot.com%2f-i__k2f1_bp8%2fVCNYee_AVEI%2fAAAAAAAASWs%2fgXcMfvmZFSM%2fs1600%2f440px-Izu_Peninsula_3D_2012.jpg&ehk=bb62lhEJy2JtrSdzjxqnaGAHni7ABTdO%2bdoq4MZUxos%3d&risl=&pid=ImgRaw&r=0)
真ん中には天城山(あまぎさん)があり
海と山のコラボレーション半島
とも言えます
ちなみに、天城山は
日本百名山の一つです
このような地形のため
風の吹き方次第で
魚の水揚げに
大きな違いが生じます
そんな今朝の入荷状況は
それを象徴するような感じでした
こちらの売場が
沼津近隣(西伊豆)で水揚げされた
魚が並ぶ売場です
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0254-2.jpg)
この手前には
西伊豆・戸田(へだ)の
トロール漁の売場があり
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0255-1.jpg)
今日の水揚げは無く
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0256.jpg)
漁船の名前だけが
ひっそり・・・
早朝とは言え
黄昏れています
一方、東伊豆の付根の
熱海・網代(あじろ)からは
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0233.jpg)
鯵(あじ)や
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0225.jpg)
鯖(さば)を中心に
入荷がありました
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0259.jpg)
また、伊豆半島の南東部の下田からは
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0268.jpg)
金目鯛(きんめだい)や
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0266.jpg)
目鯛(めだい)などが入荷し
最終的に
東伊豆方面の魚が並ぶ売場は
沼津近隣の売場とは大違いでした
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0273.jpg)
そんな今朝仕入れたのが
網代産の鯵(あじ)で
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0237.jpg)
2、3時間前に水揚げされた
いわゆる朝獲れにして
死後硬直前なので
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0242-2.jpg)
身はクニャクニャ
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0319.jpg)
【佳肴 季凛】に戻り
鯵を見ると
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0316.jpg)
ミニふぐちゃんが
「今日の市場の様子って
へぇ~、ほぉ~
って感じの言葉しか出ないよ」
と、言ってきました
「そうでしょ
市場に通い始めた頃は
風と地形なんて
全く気にしていなかったけど
こういうことを知った時は
黙って頷くしかなかったよ」
「やっぱ、そうなんだぁ」
「そりゃ、そうだよ
普通に生活していれば
晴れか雨までは気にするけど
風の吹き方なんて
関係ないしね」
「分かる分かる
降水確率が
一番気になるもん」
「まぁ、沼津は
富士山からの風だけじゃなく
駿河湾からも風が吹くから
干物が有名になったんだよ」
「そうなの!?」
「全国的にも
40%ぐらいのシェアがあって
全国1位なんだよ」
「マジで!」
「マジな話だけど
ただ、魚の消費量そのものが
肉の消費量よりも
少ないから
1位とは言ってもねぇ・・・」
「そうなんだぁ~」
「ただ、前から言っているけど
日本料理って
魚菜食文化だから
その美味しさを伝えるのが
和食の料理人の
役目だと思うんだよね
それだけじゃなく
漁師の代弁者として
魚の美味しさの魅力を
伝えなきゃいけないんだよ
だから、自分で魚市場に行って
気に入った魚を仕入れて
それを料理してこそ
本当の意味の地産地消で
それって
マクロビオティック(玄米菜食)の
身土不二(しんどふじ)の
考え方なんだよね」
「そうなんだぁ
今言ったことって
【西京漬】(※)のページの
写真と文章を
言い換えたんだじゃね?」
![佳肴 季凛 謹製 西京漬け](https://www.kakoh-kirin.jp/img/saikyou/key.jpg)
「そうだよ
やっと分かったの?(笑)」
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/image-42.png)
「だから、店じゃなく魚市場で
腕を組んで立っているんだぁ!」
「そうだよ」
「深過ぎだよ、親方!」
「まぁ、この続きは
どっかで話すけど
とりあえず
【鰯の丸煮】(※)を仕上げなきゃなんないから
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/image-43.png)
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0326.jpg](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0326.jpg)
「仕込みはいいんだけど
アジの隣のサバは
【西京漬】用なの?」
「いや、風が吹いていたから
おかず用」
「風とおかず・・・?」
「まぁ、見てなよ」
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0329.jpg](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0329.jpg)
鯖は解凍したら
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0331.jpg](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0331.jpg)
腹骨の一部をすき取ります
こうするのは
苦玉とも呼ばれる
胆のうの一部が残っていると
食味を損ねるからです
皮に包丁目を入れたら
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0330.jpg](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0330.jpg)
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0333.jpg](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0333.jpg)
日本酒と濃口醤油を同割にしたものに
漬けること20分
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0335.jpg)
「わかった!
干すんだね」
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0340.jpg)
「BINGO!」
残った醤油は
【鰯の丸煮】の鍋の中へ
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0341.jpg)
煮詰まってきたら
残りの鯖を鍋に入れます
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0350.jpg)
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0360.jpg)
【鰯の丸煮】と共に
鯖の煮付が出来上がりました
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0362.jpg)
「うひょ~
この照りがいいじゃん!
オンザライスしたい🤤」
「でも、今日のお昼は
こっちだよ
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0353.jpg)
鯖の醤油干し御膳!」
![](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0359.jpg)
「何、これ~
ず~っりぃ~🤤
親方は2枚で
真由美さん(※)は1枚なの?」
「そうだよ
『2枚だと食べ過ぎちゃうから』
だって」
※真由美さん
女将兼愛妻(!?)のことです
「焼魚がご飯のおかずには
一番だね」
「親方達のお昼って
大体、こういうのだもんね」
「魚って
それぞれに美味しさの違いがあるのが
一番の魅力だからね」
「そうだよね♬」
ちなみに、ご飯は
玄米ベースの雑穀御飯です
この昼ごはんだけで
20種類以上の食材を
味わうことが出来る
典型的な魚菜食文化の食事にして
このような美味しさこそが
和食の魅力なのです
贅沢な料理と言うと
高カロリーだったり
妙な罪悪感を
感じることもあります
今日のような昼ごはんこそが
自分のスタイルの
“身体に優しい
美味しい日本料理”なのです
これなら
何ら罪悪感を
感じることはありません
色んなタイプのご馳走がありますが
どこまで言っても
ストイックにならないご馳走こそが
自分の目指す料理で
それを支えてくれるのが
沼津魚市場で仕入れて来る
天然の魚の面々なのです
「親方のお気に入りの天然の魚は
当然、とらふぐなんだよね
そんじゃ、また🐡』
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG0500-1.jpg](https://www.kakoh-kirin.jp/blog/wp-content/uploads/2024/02/sRIMG0500-1.jpg)
by ふぐとらちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
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通販の商品などを召し上がった方々が
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